代位弁済は分割支払いに変更可能!差し押さえが実行される前に相談・債務整理で対処しよう

代位弁済は分割支払いに変更可能!差し押さえが実行される前に相談・債務整理で対処しよう

借金の返済が滞っていたのですが、保証会社から残債を一括請求されてしまいました。どうにかして分割支払いに戻すことはできませんか?

保証会社が代位弁済をすると原則として指定期日までに一括請求に応じる必要があります。保証会社と直接交渉をして例外的に分割支払いが認められることもありますが、現状のままでは、ほとんどの場合において分割支払いに切り替えることはできません。

でも、毎月の支払いさえ難しいのに、借金全額の支払いなんてとても不可能です。申し訳ないとは思いますが、このまま連絡を無視する以外に方法が思いつきません。

代位弁済後の一括請求を無視したままでは、近い将来に債務者の財産・給与などが差し押さえられてしまいます。債権者が強制執行に踏み切ると債務者側には回復しがたいデメリットが生じるので、その前に債務整理を利用してください。

たとえば、任意整理・個人再生を利用すれば返済可能なスケジュールを作り直せますし、分割支払いさえ難しい状況なら自己破産で免責を狙うのも選択肢の1つです。いずれにしても、代位弁済後の一括請求を受けた今、残された時間はほとんどないので、できるだけすみやかに債務整理の実績が豊富な弁護士までお問い合わせください。

保証会社などの第三者によって代位弁済が行われると、債務者は当該第三者から残債の一括請求をされることになります。

そして、代位弁済後の一括請求をふたたび分割支払いに変更するのは難しいのが実情です。なぜなら、保証会社などが代位弁済をするまでに深刻な滞納状況におちいっているため、債権者側が分割支払いについて合意してくれる可能性がかなり低いからです。

もっとも、代位弁済後の一括請求に応じられなければ財産・給与などの差し押さえが待っているだけ。これを回避するためには、債務整理を利用するしかありません。

債務整理とは、国が認めた合法的な借金減免制度のことです。任意整理・個人再生なら適切な形で返済計画を作り直して分割支払いに切り替えることができますし、分割支払いさえ難しいなら自己破産で免責を狙うという選択もあります。

債務整理の実績豊富な弁護士に依頼をすれば、代位弁済後の一括請求を含め、すべての借金問題を解決する手立てを見つけてくれるので、まずはご相談ください。

この記事でわかること
  • 代位弁済後の一括請求をふたたび分割支払いにするには、債務整理を利用するのがおすすめ。任意整理なら将来利息の支払いが免除されるし、個人再生なら元本を大幅に減額して完済を目指せる。
  • 代位弁済後の一括請求を分割支払いに変更しても返済継続が難しい状況なら自己破産がおすすめ。自己破産で免責を獲得できれば、その時点で借金返済生活から抜け出せる。
  • 代位弁済後の一括請求を放置したままでは、近い将来に強制執行によって財産などが差し押さえられてしまう。家族・職場にも迷惑がかかるので、強制執行手続きに進む前に弁護士の力を借りよう。
目次
  1. 代位弁済を分割支払いに変更する方法は4つある
  2. 代位弁済の一括請求を払えないと4つのデメリットが生じる
  3. 代位弁済とは?
  4. 代位弁済後の一括請求に応じられないなら弁護士に相談しよう
  5. まとめ

代位弁済を分割支払いに変更する方法は4つある

代位弁済後に行われる残債の一括請求に応じられるという債務者はそう多くはないでしょう。

しかし、一括請求に期限までに応じられないとなると、やがては強制執行手続きに進むだけです。

そこで、代位弁済後に一括請求をされた債務者は、次の4つの方法で分割支払いなどの対応策を目指すことになります。

  • 保証会社などに連絡をして支払いを待ってもらう
  • ”任意整理”で分割支払いに切り替える
  • ”個人再生”で分割支払いに切り替える
  • ”自己破産”で支払い義務の免除を狙う

いずれの方法を選択するとしても、代位弁済されてしまった以上は、”いつ強制執行されてもおかしくない状況”だということを理解して、すみやかに実行に移さなければいけません。

それでは、各対応策についてそれぞれ見ていきましょう。

保証会社・債権回収会社に代位弁済の分割支払いを交渉する

第1の方法として考えられるのが、代位弁済をした保証会社・債権回収会社などに連絡をして支払いの猶予・分割支払いなどの交渉を行うことです。

そもそも、借金等の返済については、当事者間で支払い条件などを自由に決定できるもの。債権者側が支払い期日の猶予や分割支払いを認めてくれさえすれば、一括請求から切り替えられる余地はあります。

実は、分割支払いなどを交渉することは債権者側にとってもメリットがあることです。具体的には次の通りです。

  • 債務者側の返済意思を確認できる
  • 強制執行で債権を回収するコスト・手間を回避できる
  • 債務整理を利用されて債権を満額回収できないリスクを回避できる

とはいえ、第三者が代位弁済をする状況にあるということは、すでに借金等の滞納状況が深刻であることを意味します。つまり、債務者には「信用がない」状態である以上、債権者側が支払い条件の変更について合意してくれる可能性は低いという現実も受け入れなければいけません。

したがって、代位弁済後の一括請求を受けたときに支払い条件について再交渉する場合には、次のポイントを意識して相手方とやり取りを重ねるようにしてください。

  • 滞納状態にあることを真摯に詫びる
  • 滞納した理由・今後の返済可能性について具体性をもって説明する
  • 債権者側が支払いを待ってくれないときにはすみやかに債務整理に移行できる心構えをしておく

債権回収のプロである保証会社等が代位弁済をすると、元々の債権者よりも支払い条件などの交渉は難しくなります。素人である債務者だけでは有利な条件を引き出しにくいということは覚悟しておきましょう。

任意整理で代位弁済の利息をカットして分割支払いに切り替える

代位弁済後の一括請求への対応策をとして考えられる2つ目の方法は”任意整理”です。債務整理の一種である任意整理を利用すれば、代位弁済後の一括請求を分割支払いに切り替えることができます

任意整理とは、裁判所を利用せずに当事者間で今後の返済計画についてリスケジュールする債務整理手続きのことです。残債の一括請求を、約3年~5年で完済となる返済計画に変更できます

そして、任意整理の大きなメリットとして挙げられるのが、「将来利息をカットできる」という点です。任意整理を利用せずに債権者側と支払い条件について話し合うだけでは、遅延損害金・利息の支払いは求められ続けます。

これに対して、任意整理を利用すれば少なくとも” 将来利息将来利息とは、任意整理による和解契約が成立してから完済するまでに発生したはずの利息のこと。”は確実にカットできる(交渉次第では” 経過利息経過利息とは、任意整理の交渉がスタートしてから和解契約が成立するまでに発生する利息のこと。”も)ので、返済額全額がそのまま借金元本に充当されます。結果として、最終的に債務者が負担する経済的な負担は約1/2になるケースもあります。

もっとも、原則として契約通りに返済しなければいけない借金を例外的に減額する以上は、一定のデメリットがあることも受け入れなければいけません。任意整理のメリット・デメリットは次の通りです。

任意整理のメリット ・将来利息をカットできる
・最終的な経済的負担を大幅に減額できる
・毎月の返済額を減らせる場合がある
・裁判所を利用せずに当事者間で自由に交渉できる
・連帯保証人への迷惑を避けられる
任意整理のデメリット ・返済計画次第では毎月の返済額が増える
・債権者が交渉に応じてくれないと手続きを進められない
・約5年間ブラックリストに登録される
・和解成立後に滞納すると再交渉が難しくなる

このように、任意整理で返済計画を作り直す以上、滞納なく完済できるようなスケジュールを組む必要があります。

もっとも、毎月の支払いだけで気苦労を重ねている債務者にとって、数年後の返済可能性を精緻に検討するのは簡単ではありません債権回収会社のなかには任意整理になかなか応じてくれない会社も少なくはないので、交渉は難航するでしょう。

したがって、任意整理で代位弁済後の一括請求を分割支払いに切り替える場合には、債務整理の実績がある弁護士に相談するのがおすすめです。債務者の家計状況等を総合的に考慮してもらったうえで、無理なく借金地獄から抜け出せるような状況を作ってもらいましょう。

※任意整理については、「任意整理で月返済額を約1/2に!財産を残せて家族にバレずに手続きできる」で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

個人再生で代位弁済を減額して分割支払いに切り替える

代位弁済後の一括請求への対応策として考えられる3つ目の方法は”個人再生”です。債務整理の一種である個人再生を利用すれば、借金総額を大幅に減額したうえで一括請求を分割支払いに切り替えることができます

個人再生とは、裁判所を利用して原則3年間で完済を目指せる返済計画を作り直す債務整理手続きのことです。

小規模個人再生手続き小規模個人再生手続きとは、個人再生の原則類型のこと。最低弁済基準額まで減額が認められるものの、債権者の消極的同意が必要。給与所得者等再生手続き給与所得者等再生手続きとは、個人再生の例外類型のこと。「可処分所得の2年以上」の弁済額が求められるので小規模個人再生よりも減額幅は小さくなるのが一般的ですが、債権者の消極的同意要件が課されないので認可を受けやすいというメリットが得られます。のいずれを利用するかによって求められる要件が異なりますが、どちらを利用するとしてもリスケジュールする際には、次のような形で債務者が抱える借金総額に応じて一定の減額が行われます。

  • 借金総額100万円未満:減額なし
  • 借金総額100万円以上500万円以下:100万円まで減額
  • 借金総額500万円を超えて1,500万円以下:総額の1/5まで減額
  • 借金総額1,500万円を超えて3,000万円以下:300万円まで減額
  • 借金総額3,000万円を超えて5,000万円以下:総額の1/10まで減額

このように、個人再生を利用すれば、代位弁済後の一括請求額からの大幅な減額を実現したうえで、分割支払いに切り替えることができます。

もっとも、任意整理と同じように、個人再生にも一定のデメリットがあります。個人再生のメリット・デメリットは次の通りです。

個人再生のメリット ・利息を超えて借金総額の大幅な減額を狙える
・返済中の住宅ローン特則を利用してマイホームを手元に残せる
・自己破産のような財産処分がない
個人再生のデメリット ・一定の収入が必要
・裁判所の認可を得るための手続き・要件が厳しい
・約10年間ブラックリストに登録される
・連帯保証人に迷惑がかかる
・官報に掲載される

個人再生では、マイホームを手元に残せるなど、現在の生活環境を変更する必要なく借金問題を改善できるというメリットが得られます。

これに対して、どうしても裁判所からの認可を得るためのハードルが高いので、債務者本人だけで手続きを進めるのは困難です。

したがって、個人再生で代位弁済後の一括請求に対応する際には、かならず弁護士に適否を判断してもらいながら手続きを進めてもらいましょう。

※個人再生については、「借金を1/5に減額し住宅も残せる個人再生とは?メリット・デメリットや詳しい手続きについて解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

代位弁済の分割支払いさえ難しいなら自己破産で免責を狙える

代位弁済の一括請求への対応策として考えられる4つ目の方法は”自己破産”です。債務整理の一種である自己破産を利用すれば、借金返済義務の免責を狙えるので、手続きが終了次第、借金問題を終わらせることができます。

代位弁済後の一括請求を受けた債務者のなかには、「一括請求は当然のことながら、分割支払いに切り替えても返済を継続するのが難しい」「数ヶ月は無理すれば返済できたとしても、完済まで家計がもたない」という人も少なくないでしょう。

自己破産を利用すれば、分割支払いに切り替えるまでもなく借金問題を終わらせることができるので、「債務整理のタイミングで抜本的に人生をやり直したい」という債務者におすすめだと考えられます。

もっとも、借金の返済義務が消滅するということは、代位弁済をした保証会社等が借金総額と同額の金銭的負担を強いられることになります。したがって、自己破産によって免責を狙う際には、債権者側の利益にも配慮する必要があることから、次のように一定のデメリットが生じることを受け入れなければいけません

自己破産のメリット ・借金返済義務が免責される
・債務者の収入要件が問われない(無職・フリーターでも利用可能)
自己破産のデメリット ・(自由財産自由財産とは、破産手続きを経ても破産者の手元に残せる財産のこと。一定の財産の保有を認めなければ自己破産後の生活が成立しないからです。20万円以下の預貯金や生活必需品等については自由財産と認められます。以外の)財産が処分される
非免責債権非免責債権とは、自己破産の免責許可の効果が及ばない債権のことです。非免責債権については、自己破産後も返済義務が残ります。養育費や一定の損害賠償請求権・罰金などがこれに該当します。の返済義務は残る
免責不許可事由免責不許可事由が存在すると、どれだけ経済的に困窮していても免責不許可決定が下されます。偏頗弁済や財産隠しなど公正な破産手続きの進行を妨げる事情があったり、借金の原因がギャンブル・浪費・株式取引にある場合などです。もっとも、免責不許可事由がある場合でも”裁量免責”によって例外的に免責される可能性があります。があると借金返済生活がつづく
・官報に掲載される
・約10年間ブラックリストに登録される
・職業制限を受ける仕事がある
・移動制限、郵便物の管理制限なども生じる

自己破産を利用すると決めた以上は、免責許可を獲得するために確実に手続きを進めなければいけません。なぜなら、破産手続きを申し立てたのに免責不許可決定になってしまうと、投じた費用が無駄になるだけではなく、経済的に困窮した状況のなかで借金返済生活がつづくことになるからです。

ここで紹介したように、自己破産で免責許可を獲得するためには、免責不許可事由(及び裁量免責免責不許可事由が存在する場合でも、裁量免責によって例外的に免責許可が下される場合があります。債務者の反省の態度や今後の生活再建の可能性などを総合的に考慮して担当裁判官の判断で免責許可が下されるものです。)・非免責債権の有無・今後の生活基盤確保のための自由財産の範囲などに注意しなければいけません。しかし、法律の素人の債務者が闇雲に手続きを進めてしまうと、借金返済義務から解放されたにもかかわらず、自己破産後の生活が立ち行かなくなるおそれもあります。

したがって、自己破産によって抜本的な生活再建を目指す場合には、かならず事前に弁護士に相談をして、自己破産が適切な選択肢なのかを判断してもらいましょう。「借金がなくなるから自己破産が良い」と安直に考えると、想定外の不利益を被るおそれがあるという点にご注意ください。

※自己破産については、「借金をゼロにできる自己破産とは?必要以上に恐れず、正しい知識を身につけよう」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

代位弁済の一括請求を払えないと4つのデメリットが生じる

代位弁済後に行われる残債の一括請求は経済的に疲弊している債務者にとって重い負担になるものです。

しかし、残債の一括請求に応じられないままだと次の4つのデメリットが発生するということを忘れてはいけません。

  • 期限の利益を喪失する
  • 遅延損害金の支払いを求められる
  • ブラックリストに登録される
  • 財産・給与などが差し押さえられる

それでは、各デメリットについて詳しく見ていきましょう。

代位弁済による一括請求をされると期限の利益を喪失する

代位弁済後に一括請求されたということは、「期限の利益を喪失した」ということを意味します。

“期限の利益”とは、毎月の支払い日まで借金の支払い日を待ってもらえる債務者側の権利のことです。期限の利益があるから分割支払い・ローンの返済が認められることになります。

そして、期限の利益を喪失するということは、契約通りに毎月支払いを待ってもらえる権利が失われるということです。つまり、分割支払いやローンの月々返済が認められなくなるので、残債を一括請求されることになります。

なお、期限の利益を喪失すると、当該契約において期限の利益を再取得することはできません。

※期限の利益については、「期限の利益喪失通知は2種類!一括返済できなければ弁護士に相談しよう」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

代位弁済の一括請求では遅延損害金の支払いも求められる

代位弁済後の一括請求では遅延損害金の支払いを求められますし、残債の一括請求で指定された期日にお金を用意できないと、そこからさらに遅延損害金が発生します。

遅延損害金とは滞納ペナルティの一種。滞納状態におちいると、滞納翌日から毎日遅延損害金が発生しつづけるという構造です。

遅延損害金は、【遅延損害金 = 借金総額 × 遅延損害金年利率 ÷ 365日 × 延滞日数】の計算式で求められます。たとえば、借金総額300万円、遅延損害金年利率20%の場合、発生する遅延損害金は次の通りです。

  • 滞納1日:300万円 × 20% ÷ 365日 × 1日 = 約1,644円
  • 滞納1週間:300万円 × 20% ÷ 365日 × 7日 = 約11,507円
  • 滞納1ヶ月:300万円 × 20% ÷ 365日 × 30日 = 約49,315円
  • 滞納2ヶ月:300万円 × 20% ÷ 365日 × 60日 = 約98,630円

このように、代位弁済後の一括請求をされている状態は、毎日着々と遅延損害金の負担が加算している状況です。これは、毎日完済までの道のりが遠のいていることを意味します。

経済的な負担が重くなるほど生活再建は難しくなるので、できるだけ早期に債務整理などの方法に着手してください。

※遅延損害金については、「遅延損害金は借金延滞のペナルティ!計算方法や民法改正後の利率などを詳しく解説!」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

代位弁済された時点でブラックリストに登録される

代位弁済後に一括請求されるのと同時期に、信用情報機関に事故情報が登録されます。これによって、債務者はいわゆる”ブラックリスト”として扱われることになります。

信用情報機関とは、全国銀行個人信用情報センター(KSC)日本信用情報機構(JICC)株式会社シー・アイ・シー(CIC)の3社のこと。各人の信用情報(年収・勤続年数・ローン返済状況など)を管理しています。

信用情報機関に事故情報が登録されるデメリットは次の通りです。

  • クレジットカードが使えなくなる(新規発行も不可)
  • 新規の借り入れができなくなる
  • 賃貸物件の入居審査に落ちる可能性がある
  • 携帯電話・スマートフォン端末代金の分割払いができなくなる
  • 子どもの奨学金の保証人になれない

これらのデメリットが生じると、日々の生活だけではなく、今後の人生計画にも問題が生じます。

もっとも、代位弁済後の一括請求のタイミングではほぼ確実にブラックリストに登録されてしまうので、早期に事故情報を抹消するためにも、できるだけすみやかに借金問題を改善するのがおすすめです。

※ブラックリストに登録された場合のデメリットの詳細や対処法については、「債務整理と信用情報機関の関係は?ブラックリストに載った場合のデメリットと対処法を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

代位弁済の一括請求を払えないと財産・給与が差し押さえられる

代位弁済後の一括請求を払えないままだと、最終的には財産・給与の差し押さえによって債権の回収が行われます

差し押さえの対象になるのは次の財産等であり、それぞれ差し押さえられることによって一定のデメリットが発生することに注意が必要です。

  • 給与:会社に借金滞納の事実を知られる。
  • 債務者名義の財産:家族に迷惑がかかる。自宅などの不動産も処分対象。
  • 預金口座:口座凍結のリスクがある。

このように、債権者側が法的措置である強制執行に踏み出すと、処分された財産などを取り戻すことはできません。また、家族や会社にも迷惑がかかってしまいます。

したがって、代位弁済後の一括請求を払えない債務者が最優先で考えなければいけないのは「差し押さえられる前に債務整理などの対策をとること」です。一括請求後はいつ差し押さえが行われてもおかしくない状況なので、できるだけすみやかに弁護士までご相談ください。

※差し押さえの流れや対処法ついては、「裁判所からの差し押さえ通知はかなり危険!?今後何が起きるかと差し押さえ回避方法を解説!」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

代位弁済とは?

“代位弁済”は法律の専門用語です。分かりやすく表現すると、「債務者の代わりに(=代位)返済をすること(=弁済)」となります。

ただ、「債務者の代わりに支払いをしてくれる」という言い方をそのまま捉えると、債務者の借金自体が消滅したかのような誤解を抱きかねません。

そこで、代位弁済とはどのようなものなのか、債務者にはどのようなリスクが発生するのかについて、代位弁済という事態が起こり得る場面ごとに見ていきましょう。

代位弁済とは借金滞納によって保証会社・債権回収会社に債権譲渡がされた証拠

代位弁済とは、保証会社・債権回収会社などが債務者の借金を肩代わりすることです。そして、その結果、債務者の債権者に対する借金は消滅する代わりに、代位弁済をして保証会社等が債務者に対する”求償権”を取得します。

“求償権”とは、債務者の代わりに債権者に支払ったお金を債務者に請求する権利のことです。つまり、債務者側から見ると、「お金を直接貸してくれた金融機関から保証会社等に債権者が変更になった」というように考えることができます。

代位弁済制度が認められなければ、滞納が発生すると債権者はいつまでも貸し付けたお金を取り戻すことができません。これでは事業活動に支障が生じるでしょう。

そこで、債権者側の利益を保護するために、保証会社等が代位弁済を行います。債権の回収リスクを保証会社が引き受けることによって、金融機関などはある意味”保険”をかけられるということです。

そして、保証会社等は法的措置によって債権を回収するプロです。代位弁済後に一括請求されると厳格に回収が行われるので、決して連絡を無視するなどせずに誠実に対応してください。

※代位弁済については、「代位弁済とは?求償権や期限の利益など専門用語をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

【状況別】代位弁済の流れとは

代位弁済の枠組みはここまで紹介した通りですが、債務者の状況に応じて代位弁済後の流れや検討すべき対処法が異なります。

代位弁済が問題となる代表的な場面は次の5つです。

  • 住宅ローンの代位弁済
  • 自動車ローンの代位弁済
  • 奨学金の代位弁済
  • クレジットカード利用額の代位弁済
  • 賃貸物件の滞納賃料の代位弁済

それでは、代表的な次の5つの状況について、具体的な流れを見ていきましょう。

住宅ローンが代位弁済されると自宅が処分されるリスクが生じる

返済中の住宅ローンを滞納すると、代位弁済をした保証会社から残債を一括請求されることになります。

すると、高額な住宅ローン残債を一括で支払える状況の人はそもそも住宅ローンを組むことはないでしょうから、やがては競売手続きによってマイホームが処分されることになります。

このように強制執行によってマイホームが処分されることには次の2つのデメリットがあります。

  • ①競売手続きによる成約価格は一般的な市場価格を大幅に下回るリスクがある
  • ②現在の住まいを奪われる

自宅を手放しても良いからできるだけ住宅を高値で売却したいという場合には、任意売却任意売却とは、抵当権等が実行されて競売手続きが進む前に、債権者の同意を得て不動産物件を一般に売却する方法のこと。競売手続きよりも高い価格での成約が期待できる。及び自己破産の利用を検討するのがおすすめです。借金問題を片づけたうえで、市場価格での売却が実現できる可能性が高いので、生活再建の資金を用意しやすいでしょう。

これに対して、マイホームという生活拠点を奪われたくないのなら、リースバックリースバックとは、自宅を売却した後もそのまま賃貸契約を締結して居住しつづける方法です。売却によって所有権を失うことになりますが、売価を手にすることができるため、生活再建に役立てることができます。・個人再生・任意整理の利用をご検討ください。現在の居住環境を維持したうえで、完済を目指せます。

本来なら、残債の一括請求に応じて借金問題の解決を狙うのが理想ですが、現実的には難しいでしょう。それならば、マイホームを手放したくないのか、売却するならどのような価額での売却を実現したいのかをしっかりと考えたうえで、強制執行までに現実的な対策に踏み出してください。

※住宅ローン残債を一括請求された場合の対処法等については、「住宅ローンの一括請求に払えないと競売に!今後も自宅に住み続ける方法や返済手段を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

自動車ローンが代位弁済されるとマイカーを引き上げられるリスクが生じる

マイカーの購入代金についてローンを組んでいる場合、これを滞納してしまうと保証会社が代位弁済をすることによって残債を一括請求されます。

マイカーが処分されるかどうかは、所有権留保が付いているか否かによって扱いが異なる点に注意が必要です。

まず、ローン会社に所有権が留保されている場合には、自動車が引き上げられてしまいます。なぜなら、自動車の所有者はあくまでもローン会社であって債務者ではないからです。仮に債務整理を利用してローン状況を改善したとしても、所有権留保が付いている以上は引き上げられる可能性が高いでしょう。

次に、ローン会社に所有権が留保されていない場合には、任意整理・個人再生を利用することでマイカーを手元に残しながら借金問題を改善することができます。また、自己破産を利用する場合でも、マイカーの市場価値が20万円に満たない場合には自由財産として処分対象から外れるので、手放す必要はありません。

このように、マイカーのローン返済を滞納した場合には、所有権留保の有無によって自動車を手元に残せるかが変わってきます。車検証を確認すれば所有権留保の有無が分かるので、ご確認ください。

奨学金を滞納すると債権回収会社が代位弁済する

日本学生支援機構からの奨学金を滞納した場合、滞納半年程度を目安に保証会社が代位弁済を行うので、それ以後一括請求をされる可能性があります。

教育のために使うとはいえ、奨学金も借金であることには変わりません。

契約通りの返済が難しい場合には、減額返還制度返還期限猶予制度返還免除制度などを利用できる場合があるので、かならず担当窓口までお問い合わせください。

また、自己破産・個人再生・任意整理を活用して返済状況を改善することも可能です。その際には、連帯保証人への迷惑の有無も考慮する必要があるので、弁護士に適切な方法を検討してもらいましょう。

※奨学金を一括請求された場合の対処法については、「【奨学金の一括請求が払えない場合の対処法】今後の流れや差し押さえ回避方法を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

クレジットカード利用額を滞納すると債権回収会社が代位弁済する

クレジットカード決済で商品を購入した場合、代金を完済するまでは購入した商品に所有権留保が付いているのが一般的です。

したがって、利用額を支払えずに残債を一括請求されてしまうとマイカーと同じように商品が引き上げられる可能性が高いと考えられます。

もっとも、商品引き上げにも労力・コストがかかるので、債権者側が引き上げによって十分な費用対効果を望めないと判断した場合には手元に商品を残すことができます。

ただし、残債の一括請求に応じられない以上は、別の財産・給与などが強制執行によって差し押さえられることになるので、すみやかに債務整理に踏み出すようにしてください。

家賃を滞納して保証会社が代位弁済すると住居を追い出されるリスクが生じる

賃貸物件の家賃を滞納した場合には、滞納3ヶ月程度を目安に保証会社・債権回収会社が代位弁済をするのが一般的です。そして、残債の一括請求に応じられない場合には、借金の滞納と同じように、財産などが差し押さえられることになります。

家賃の滞納について注意しなければいけないのは、滞納が3ヶ月程度になると契約解除事由に該当してしまうという点です。つまり、残債の一括請求をされた時点で「いつ賃貸契約を解除されてもおかしくない」ということです。

家主(債権者)側から解除されると、賃貸物件の強制退去を迫られます。すると、生活拠点を奪われることになるので、新たな転居先を確保しなければいけません。

したがって、できるだけ債権者側と丁寧に交渉をしながら、滞納分の家賃の分割交渉などを進めつつ、家賃を払えるように他の借金について債務整理する・住宅確保給付金制度などの公的融資制度等を利用するなどして、家計を安定させることが急務だと考えられます。

※家賃を滞納した場合の対処法については、「家賃を滞納し続けたらどうなる?督促を無視するリスクや裁判を避ける方法を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

代位弁済後の一括請求に応じられないなら弁護士に相談しよう

ここまで紹介したように、代位弁済後の一括請求に応じられないと財産・給与などの差し押さえが待っているだけ。返済できるだけのお金を用意できない以上は、すみやかに債務整理に踏み切る必要があります。

そして、債務整理を実践する際には、借金問題に強い弁護士に依頼をするのがおすすめです。

なぜなら、弁護士に依頼をすれば債務者にとって適切な債務整理手続きを選択できるだけではなく、次のメリットが得られるからです。

  • 弁護士に債務整理を依頼すれば返済督促がストップする
  • 弁護士に債務整理を依頼すれば代位弁済後の一括請求に応じる必要がなくなる
  • 弁護士費用の支払いが不安な債務者でも無料で相談できる

それでは、弁護士に債務整理を依頼するメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

弁護士に債務整理を依頼すれば返済督促がストップする

弁護士に債務整理を依頼すれば、その時点で債権者からの返済督促がストップします。

なぜなら、依頼を受けた弁護士が送付する受任通知には債権者の取り立てを止める効果があるからです。

もし弁護士に依頼をせずに債務者自身で債務整理を利用してしまうと、債務整理手続きの準備期間は債権者からの取り立てが止まりません。債権者からの圧力のなか必要書類等の準備を進めるのは想像以上のストレス要因になるでしょう。

弁護士の力を借りれば債務整理の準備もほとんど弁護士が主導してくれます。債務者は取り立てのストレスのない状況で生活再建に力を注げるので、まずは弁護士までお問い合わせください。

※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

弁護士に債務整理を依頼すれば代位弁済後の一括請求に応じる必要がなくなる

弁護士に債務整理を依頼すれば、その時点から借金等の返済自体がストップします。

つまり、代位弁済後の一括請求にも応じる必要がなくなるので、強制執行への移行を回避できます。例外的に、任意整理には強制執行を止める強制力はありませんが、債務者側が任意整理に踏み切った段階で強制執行を止める債権者が多いのが実情です。

したがって、本来なら毎月の返済に充てていたお金をそのまま生活資金や貯蓄に充てることができるので、生活再建へのステップに踏み出しやすいと考えられます。今後の生活のために、できるだけ早期に弁護士までご相談ください。

弁護士費用の支払いが不安な債務者でも無料で相談できる

経済的に困窮している債務者にとっては、弁護士への相談料は債務整理費用を不安に感じる人も少なくはないでしょう。確かに債務整理を利用するとなると、弁護士費用・裁判所への費用が一定額必要です。

もっとも、借金問題に悩む債務者に対しては、次のような形で費用の支払いについて配慮されています。

  • 相談料無料で対応してくれる弁護士事務所は多い
  • 弁護士費用の分割払いに応じてくれる場合がある
  • 収入要件等を充たせば法テラスの民事扶助制度等を利用できる

つまり、「お金がないから債務整理できない」という事態はかならず回避できます。そもそも債務整理とは経済的に困窮する債務者を救うための制度です。すべての債務者に生活再建のきっかけは与えられています。

したがって、相談料などの心配をする必要はないので、できるだけすみやかに債務整理の実績が豊富な弁護士までお問い合わせください。

※債務整理の費用などについては、「債務整理にかかる費用と相場は?お金がなくても手続きはできます!」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

まとめ

保証会社などが代位弁済をすると残債を一括請求されます。

残債の一括請求に応じられなければ財産・給与などが差し押さえられるので、債務者の生活基盤が失われるだけではなく、家族・会社などにも迷惑がかかるおそれが生じることに。これらの回復しがたいデメリットを回避するためには債務整理を利用するのが一番の近道です。

もっとも、代位弁済をされた以上、近い将来に差し押さえが行われるのは間違いありません。

したがって、できるだけ早いタイミングで債務整理の実績が豊富な弁護士に相談をして、債務者の生活再建にとって適切な方策を提案してもらいましょう。

代位弁済後の一括請求を分割支払いに変更するためのQ&A

保証会社が代位弁済後に一括請求してきたのですが払えません。保証会社に連絡をすれば分割支払いに切り替えてくれますか?

保証会社によっては分割支払いに変更してくれる可能性もありますが、すでに滞納状況が深刻な債務者に対してふたたび分割支払いを認めてくれる場合はかなり例外的だと覚悟してください。もし保証会社と分割交渉などをするなら、滞納の理由・今後の返済可能性などについて具体的な内容を誠実に提示して合意を引き出す努力をするのが不可欠です。

代位弁済後に一括請求をされてしまいましたが、分割支払いなら返済可能です。何か対処法はありますか?

債務整理のうち、個人再生・任意整理を利用すれば、残債の一括請求を分割支払いに切り替えることは可能です。しかも、個人再生なら借金総額に応じて一定の減額が期待できますし、任意整理なら将来利息の発生を防げるので元本だけの返済だけで完済を実現できます。ただし、個人再生・任意整理にはそれぞれデメリットもあるので、債務整理の実績が豊富な弁護士のアドバイスを求めましょう。

代位弁済後に一括請求をされたのですが、分割支払いさえできない状況です。このまま差し押さえを待つしかないのでしょうか?

残債の一括請求はもちろんのこと、分割支払いさえ難しい状況なら自己破産を検討してください。自己破産なら債務者の収入要件が問われることなく借金返済義務が免責されます。もっとも、自己破産をするには、免責不許可事由や非免責債権など考慮すべきポイントが少なくないので、確実に免責を狙うのなら事前に弁護士に相談するのがおすすめです。

代位弁済後の一括請求を無視したままだとどうなりますか?

債務者の財産・給与が差し押さえられて債権の回収が行われます。たとえば給与が差し押さえられると会社に迷惑がかかりますし、マイホームや住居内の動産が処分対象になると家族への迷惑を避けられません。差し押さえによって生じるデメリットは回復できないので、債権者が強制執行に踏み切る前に債務整理を利用してください。

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