裁判所からの支払督促は訴訟前の最終警告!届いたらスグ督促異議申立書を裁判所へ提出しよう!

支払督促 届いた

借金を滞納していたら、裁判所から支払督促という郵便物が届いたんです・・・滞納していたのが悪いのですが、何とかしたいです・・・

支払督促が来てしまったということは、債権者はかなり怒っているということです。放っておくと財産を差押えられる可能性もあります。差押えを回避するには早急に督促異議申立書を提出することが大切です。

督促異議申立書とはなんですか?

督促異議申立書とは、支払督促の内容に異議を申し立てるために裁判所に提出する書類のことです。支払督促に同封されているのが一般的ですが、裁判所の窓口に備えつけられているものを利用することもできます。もし書き方に困るようなら、法律事務所へ相談して事情を説明し、具体的なアドバイスをもらうとよいでしょう。

借金を滞納してしまうと、裁判所から支払督促が届くことがあります。

裁判所から支払督促が届くタイミングは、借金を滞納し始めてから約3~4ヶ月が一般的ですが、何年も前に払えなくなった借金について支払督促が届くケースも珍しくありません。

中には支払督促の制度を悪用した架空請求事件も報告されています。

もし支払督促に対して異議を申立てず放置してしまうと、大切な財産を差押えられてしまう恐れがあります。

たとえ身に覚えがなかったとしても、受け取ったものが裁判所の支払督促であれば、早急に裁判所へ異議申立書を提出しましょう。

裁判所からの郵便物は必ず内容を確認し、対応に困った際は法律事務所へ相談することをおすすめします。

当サイトでは借金問題に強い法律事務所を紹介しているので、無料相談を利用してぜひ相談してくださいね。

>>【裁判所の支払督促に即対処】法律事務所への無料相談はこちら

この記事でわかること
  • 裁判所から来る「支払督促」と「支払いの督促」は大きく異なる
  • 届いた支払督促を放置すると「財産を差押えられる恐れがある」
  • 支払督促が届いたら、裁判所に「督促異議申立書を提出し異議を申し立てる」ことが大切
  • 支払督促が届いても「すぐに弁護士に相談すれば債務整理で解決できる」
目次
  1. 裁判所から来る「支払督促」と「支払いの督促」は大きく異なる
  2. 財産差押えを回避する方法
  3. 本当に裁判所の支払督促かどうか見分ける方法
  4. 5年以上滞納している借金なら「時効援用」で借金を払わなくて済むことも
  5. まとめ

裁判所から来る「支払督促」と「支払いの督促」は大きく異なる

支払督促とは、債権者が債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に申立て、それを受けた裁判所書記官が発する命令です。

「督促」という言葉が使われているため、債権者が裁判所を使って支払いを急かしているだけのように感じてしまいがちですが、実際はもっと怖い手続きです。

多くの債権者は、訴訟を起こす前に支払督促の手続きを利用します。

なぜなら、支払督促の手続きには以下のような利点があるからです。

  • 書類審査のみでおこなわれ、訴訟のように審理のために裁判所へ行く必要がない。
  • 手数料は訴訟の半額で、訴訟に比べて早く簡単に手続きできる。

支払督促を受取った場合、2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所は債権者へ債務者の財産に対し強制執行できる強大な権限を与えてしまいます。

仮に異議の申立てをしなかった場合、以下のような流れで支払督促の手続きが進んでいきます。

  1. 債務者が支払督促を受取ってから2週間目の翌日~30日以内に、債権者は裁判所へ仮執行宣言の申立てが可能になる。
  2. 仮執行宣言の申立てを受けた裁判所は、支払督促に仮執行宣言を付した「仮執行宣言付支払督促」を債務者へ送付する。
  3. 最終的に仮執行宣言付支払督促が確定すると、債権者は強制執行の権利などを得る。

このように、裁判所から支払督促が届いたにもかかわらず何もしないでいると、強制執行という強力な手段を取られてしまう可能性があるのです。

裁判所の支払督促を放置すると財産を差押えられる

裁判所から支払督促が届いていたのに何もせず放置すると、最終的に債権者は強制執行する権利を得ます。

債権者が強制執行の権利を得ると、債権者は以下のような債務者名義の財産を差押えできます。

  • 銀行の預貯金口座
  • 土地・マンションなどの不動産
  • 生命保険の解約返戻金

大切な財産を守るためには、支払督促が来たら放置せず、すぐに対応することが何よりも重要です。

支払督促とよく似た「仮執行宣言付支払督促」

支払督促とよく似た書類で、「仮執行宣言付支払督促」というものがあります。

仮執行宣言付支払督促とは、債権者が裁判所に仮執行宣言申立書を提出したことに伴い、裁判所から債務者に送られる書類のことです。

債務者が仮執行宣言付支払督促を受け取った日から2週間以内に督促異議申立書を提出しない時は、仮執行宣言付支払督促が確定します。

そうなれば、債務者が借金を返済しない場合、債権者は強制執行の権利などを得られます。

債権者による強制執行を避けるには、支払督促の時と同様に督促異議申立書を提出して仮執行宣言付支払督促の内容に異議を申立てしなければなりません。

文面に「~仮に執行することができる。」という文言があれば仮執行宣言付支払督促

実は、支払督促も仮執行宣言付支払督促も、書面の見出しは「支払督促」となっています。

そのため、見出しだけでは支払督促と仮執行宣言付支払督促の見分けがつきません。

ここで着目するのが、仮執行宣言付支払督促は「支払督促に仮執行宣言を付したもの」だという点です。

見出しの「支払督促」という文言の下に書かれている本文の真ん中あたりを見ると、日付・裁判所書記官の名前がいくつか並んでいるところがあります。

もし裁判所書記官の名前の間に以下のような文言が書かれていれば、受け取った書面は「仮執行宣言付支払督促」です。

前期支払督促に記載した金額(支払督促送達日の翌日は●年●月●日)及び本手続費用金●円につき仮に執行することができる。

もしこの文言が書かれていなければ、受け取った書面は「支払督促」ということになります。

こちらが「支払督促」の一般的な文面です。
支払督促(テンプレのみ)_page-0001

そして、こちらが「仮執行宣言付支払督促」の一般的な文面です。
仮執行宣言付支払督促(装飾あり)

仮執行宣言付支払督促の場合、元々あった支払督促の文面に、新たに仮執行宣言の文言や日付、裁判所書記官の名前を付したため、このような形になるのです。

財産差押えを回避する方法

債権者による財産差押えを防ぐためには、支払督促が届いたらすぐに対応することが重要です。

財産差押えを防ぐ方法は、主に以下の4つです。

  • 請求金額を一括で返済する。
  • 債権者へ連絡し自力で分割交渉する。
  • 督促異議申立書を2週間以内に裁判所へ提出する。
  • 法律事務所へ相談して債務整理で解決する。

次の項目から、それぞれの方法について詳しくお伝えします。

請求金額を一括で返済する

もし支払督促に記載された請求金額の一括返済が可能なら、請求どおり一括返済するのが最も早く解決する方法です。

支払督促を見ても振込先などが分からない場合は、債権者へ電話で支払方法を確認するとよいでしょう。

また債権者へ連絡する際、念のため支払いが完了すれば支払督促の申立てを取下げてもらえるかも確認しましょう。

ただし5年以上滞納していた借金について支払督促が届いた場合は、後の項目で説明する時効援用をすることで借金の返済義務をなくせる可能性もあります。

少しでも時効の可能性があるなら、まずは法律事務所へ相談して時効が成立しているか確認してもらうとよいでしょう。

債権者へ連絡し自力で分割交渉する

「支払督促の請求に心当たりがあり、一括返済は難しいけど分割で返したい意思がある」

「まずは自分で債権者と交渉してみたい」

上記のような場合には、債権者へ直接連絡し裁判外で自己交渉するのも一つの方法です。

分割返済の交渉をしたい場合は、次の項目から説明する督促異議申立書を提出する方法でも、裁判所に間に入ってもらい分割交渉が可能です。

ただし裁判所が間に入って分割交渉する場合は、通常、未回収の利息や遅延損害金も含めた金額を分割で返済することになります。

一方で債権者へ直接連絡して交渉する場合、交渉次第では未回収の利息や遅延損害金の全部、または一部を免除してもらえる可能性もあります。

特に以下のようなケースでは、未回収の利息や遅延損害金を割引する債権者が多いです。

  • 元金のみなら一括で返済できる。
  • 債権が元の借入先から債権回収会社などに譲渡されている。

債権回収会社は、元の借入先から債権を譲り受ける際に、元の借金額より安い金額で債権を買取ります。

そのため、債務者から回収する際に割引しても利益を得られるのです。

ただし前述したように、5年以上滞納していた借金について支払督促が届いた場合は、後の項目で説明する時効援用をすることで借金の返済義務をなくせる可能性もあります。

少しでも時効の可能性があるなら、まずは法律事務所へ相談して時効が成立しているか確認してもらうことをおすすめします。

督促異議申立書を2週間以内に裁判所へ提出する

届いたのが支払督促でも仮執行宣言付支払督促でも、債権者による強制執を避けるには、「督促異議申立書」を提出して支払督促の内容に異議を申立てることが必要です。

督促異議申立書は到着から2週間以内に裁判所へ提出する必要があります。

しかし、ここで以下のような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。

  • 督促異議申立書とはどんなものなのか?
  • 督促異議申立書にどんな内容を書いて提出したらいいのか?

次の項目から督促異議申立書を提出する方法を説明していきます。

督促異議申立書とは

「督促異議申立書」とは、支払督促に書かれた内容に異議がある場合、債務者が言い分を主張するために裁判所へ提出する書類です。

督促異議申立書は、裁判所から送られてきた支払督促に同封されているのが一般的です。

また支払督促の提出方法には、主に3つの方法があります。

  • 郵送
  • 裁判所に直接持参
  • FAX

ただしFAXについては、各裁判所の運用により不可の場合もあるので注意してください。

詳しくは発送元の裁判所に問い合わせるとよいでしょう。

また、督促異議申立書の提出期限は受け取ってから2週間以内と短いため注意が必要です。

提出期限に遅れないよう余裕をもって督促異議申立書を提出するよう心がけましょう。

督促異議申立書に記載する内容

督促異議申立書にはまず、以下の内容を記入し押印しましょう。

  • 記載した日付
  • 債権者の名前
  • 債務者の名前
  • 住所
  • 電話番号

使用する印鑑は認印でも差し支えありませんが、シャチハタは不可となります。

次に【送達場所の届け出】の欄には「この件で今後、裁判所から送付する通知を受け取りたい場所」の□にレ点を入れてください。

もし自分の住所以外に送付してもらう場合は、いま現在の勤務先の名前や住所、連絡先などは書かないことをおすすめします。

債権者に勤務先を知られてしまうと、最終的に債権者が強制執行の権利を得た場合、給料の差押えを受ける可能性があるからです。

最後に【自分の言い分】を記載する欄に「分割払いの話し合いを希望する」か「その他の言い分」の□にレ点を入れ、その下に以下の内容を書いてください。

  • 分割払いの話し合いを希望する場合・・・あなたが支払いを考えている金額
  • それ以外の言い分がある場合・・・その言い分

余白が足りない場合は別の用紙に続きを書き、ホッチキスで留めるなどしても問題ありません。

弁護士に相談すれば、支払督促の異議申立書の書き方のアドバイスをもらえます。作成の代行依頼や、異議申立書以外にすべきことも相談できるので、気軽に相談してみるとよいでしょう。

また、裁判所のサイトに督促異議申立書の記載例も載っているので、自分で作成する場合はそちらも参考にしてください。

参照:裁判所 申立てに必要な書類等

督促異議申立書の提出期限は「実際に支払督促を受け取った日」の翌日から2週間以内

支払督促には「債務者がこの支払督促送達の日から2週間以内に督促異議を申し立てないときは、債権者の申立てによって仮執行の宣言をする。」と書かれています。

この「送達の日」とはいつのことを示しているのか、疑問に思った人もいるでしょう。

ここで着目するのが、支払督促の郵送方法です。

支払督促は「特別送達」という郵送方法で送られてきます。

特別送達・・・原則として、郵便局員が配達または窓口交付という形で名宛人に直接手渡す郵送方法。

郵便局員から特別送達郵便を受け取る際には「郵便送達報告書」に受取人の署名または押印をする必要があります。

送達した郵便局員は、その日のうちに郵便送達報告書を作成し、郵便認証司が認証することによって、日本郵便が送達の事実を証明します。

この送達の事実が証明された日、つまり「実際に支払督促を受け取った日」が送達の日となります。

特別送達の配達の時間に不在の場合、普通の郵便物と同様にポストに不在票が入れられますが、「不在票の日付=送達の日」にはなりませんので注意が必要です。

■「督促異議申立書を受け取っていない」とごまかすことはできない
裁判所に対して名宛人が特別送達郵便を受け取った日時が報告されるので、郵便が届いた事実をごまかすことはできません。また、補充送達といって、本人以外の同居人や職場に届いた場合は同僚や上司が受け取っても、特別送達は配達されたとみなされます。

加えて「初日不算入の原則」といって、民法では日・週・月・年を単位とする期間は、原則として初日を算入せずに翌日から起算すると定めています。

第百四十条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

引用元:e-Govポータル「民法第140条」

以上のことから、督促異議申立書の提出期限は「実際に支払督促を受け取った日の次の日から2週間以内」と分かります。

督促異議申立書が手元にない時は裁判所の窓口に備付けてあるものを利用する

督促異議申立書を紛失してしまったり、手違いにより入っていない場合でも、裁判所への異議申立は可能です。

督促異議申立書が手元にないときは、裁判所の窓口に備え付けてあるものを利用できます。

また、裁判所のサイトからダウンロードした督促異議申立書を利用しても問題ありません。

参照:裁判所 申立てに必要な書類等

法律事務所へ相談して債務整理で解決する

裁判所から支払督促が届いている状況でも、すぐに法律事務所が間に入れば債権者へ分割返済などを交渉できます。

裁判所から支払督促が来たらすぐに法律事務所へ相談し、状況に合わせて債務整理などで解決するとよいでしょう。

ここでは、債務整理の主な3つの方法について紹介します。

  1. 任意整理
  2. 自己破産
  3. 個人再生

まずは債務の金額に応じて「任意整理」か「自己破産」を検討し、どちらの方法でも解決が難しい場合は「個人再生」で借金問題の解決を目指します。

1.任意整理
借金を無理なく払える金額で月々分割して返済できるように、弁護士や司法書士が業者と直接交渉する。

2.自己破産
裁判所を通して行う手続きで、20万以上の価値のある資産を全て手放す代わりに借金の支払いを免除してもらう。

3.個人再生
裁判所を通して行う手続きで、借金を約1/5に圧縮して3~5年で分割返済する。手元の資産を残すことも可能。

実際に債務整理をするかは、法律事務所とよく相談してから決めるほうがよいでしょう。法律事務所も無理に債務整理をすすめることはなく、さまざまなリスクや相談者の状況から最適な提案をします。

本当に裁判所の支払督促かどうか見分ける方法

前述したように、裁判所から送られてくる「支払督促」と「支払いの督促」では大きく意味が異なります。

また支払督促が送られてくるケースの中には、支払督促の制度を悪用し、架空の請求について裁判所に申立てをおこなうような事例もあるのです。

そこで、ここからは手元に届いた郵便物が本当に裁判所の支払督促かどうかを見分ける方法について、詳しくお伝えします。

支払督促の発送元を確認する

手元に届いた郵便物が裁判所の支払督促かどうかを確認するには、まず郵便物の発送元がどこになっているかを調べてください。

郵便物の発送元が分かれば、届いたものが裁判所の支払督促か、債権者から送られてきた支払いの督促かを判断できます。

  • 発送元が裁判所 → 裁判所の支払督促
  • 発送元が債権者 → 支払いの督促

届いたものが裁判所の支払督促なら、前述した「財産差押えを防ぐ方法」を参考にして早急に対応しましょう。

また届いたものが支払いの督促だった場合も、放置すると本当に裁判所の支払督促が届く恐れもあります。

そうなる前に法律事務所へ相談して、借金返済についてアドバイスをもらうなど、できるだけ早く対応しましょう。

身に覚えのない支払督促は架空請求の恐れもある

「前述した方法で届いたのが裁判所の支払督促だと分かったけど、支払督促の内容に全く覚えがない」という人もいるかもしれません。

そのような場合、送られてきた支払督促が支払督促の制度を悪用した架空請求の恐れもあります。

支払督促の手続きでは、債権者から提出された支払督促申立書を裁判所が見て法律的に筋が通った請求であれば、その内容どおりの支払督促が裁判所から債務者に送達されます。

これを受けた債務者側から裁判所に督促異議申立書が提出されて初めて、請求が認められるかどうかの審理をすることになるのです。

したがって、債権者から支払督促申立書が提出された段階では、それが架空請求かどうか、裁判所には判別できません。

そのため、裁判所から支払督促が届いているのに、身に覚えがないとしてそのまま放置してしまうと、財産を差押えられる恐れもあります。

受取ったものが裁判所の支払督促であれば、たとえ身に覚えがなくても、対抗手段として裁判所に異議を申立てる必要があるのです。

架空請求でも督促異議申立書の提出や裁判所への確認が必要

裁判所の支払督促が届いたら、たとえ身に覚えがなくても、裁判所に督促異議申立書を提出しましょう。

身に覚えがないからと放置してしまうと、財産を差押えられる恐れがあります。

また支払督促に限らず、裁判所からの郵便物は必ず内容を確認し、不審な点があれば以下の対応をとりましょう。

  • 発送元の裁判所に直接電話で問合せる。
  • 送られてきた書類を裁判所に持参する。

届いたものが裁判所の正式な書類か分からない場合も、最寄りの裁判所に問合せてください。

特に、書面に裁判所の連絡先として「携帯電話の番号」や「メールアドレス」などが記載されていたら、本当に裁判所から送られてきたものか確認した方がよいでしょう。

裁判所のサイトには「裁判所では、連絡先として携帯電話の番号やメールアドレスを記載することはない」と明記されています。

参照:「支払督促」を利用した架空請求に御注意ください | 裁判所

5年以上滞納している借金なら「時効援用」で借金を払わなくて済むことも

借金には時効があり、最終返済日から5年経過している借金は時効が成立している可能性があります。

借金の時効が成立している場合、自動的に借金の返済義務が消滅するのではなく、時効援用をすることで借金は払わなくて済むケースもあるのです。

急に支払督促が届くと焦って支払いたくなってしまうと思いますが、それが債権者の狙いです。

もし借金の一部でも返済してしまうと、時効の中断事由が発生したとして、時効の期間がリセットされてしまうので注意してください。

長く滞納していた債権者から支払督促が届いた場合、まずは時効が成立している可能性を疑ってみましょう。

次の項目から、支払督促が届いた場合の時効援用の方法や時効の中断事由について、詳しくお伝えします。

支払督促が届いた場合の時効援用の方法

支払督促が届いている状況で時効援用をする方法は、主に以下の2つです。

  • 督促異議申立書に「時効援用する」旨を書いて提出する
  • 法律事務所へ依頼して代理人として時効援用してもらう。

支払督促が届いている状況なら、督促異議申立書に「時効援用する」旨を書いて裁判所へ提出すれば、自分自身で時効援用をおこなえます。

自分で時効援用をすれば、法律事務所へ依頼する費用を抑えられるメリットがある一方で、時効援用が失敗すれば、残った借金について債権者と自己交渉しなければなりません。

その点、法律事務所へ依頼すれば、時効援用が失敗した時の対応も一緒に任せられます。

「自分で時効援用をすると、失敗しないか不安」と感じている人は法律事務所へ依頼するとよいでしょう。

督促異議申立書に「時効援用する」旨を書いて提出する

裁判所から支払督促が届いている場合、同封されている督促異議申立書に時効援用する旨を書いて提出すると、時効援用をおこなえます。

督促異議申立書の「言い分」を記載する欄に「時効援用します。」のように記載して、裁判所に提出するとよいでしょう。

督促異議申立書を提出すると、債権者が裁判所に訴状を提出し、通常の訴訟手続きに移行する場合もあります。

その場合には、改めて裁判所から訴状が送られてくるので、同封されている答弁書に「時効援用します。」と記載して提出しましょう。

時効が成立していれば、債権者が訴えを取下げるケースがほとんどです。

法律事務所へ依頼して代理人として時効援用してもらう

「自分で時効援用をすると、失敗しないか不安」と感じている人は、法律事務所へ依頼すると代理人として時効援用の手続きをしてもらえます。

もし時効が成立せず借金が残ってしまった場合にも、その後の分割交渉なども含めて対応してくれるので安心です。

また法律事務所へ時効援用の手続きを依頼する場合、同時に過払金がないか調査してもらえるメリットもあります。

「2010年6月18日以前」から借りている借金の場合、過払金が発生している可能性があります。

特に時効援用をする人は、借始めたのがかなり前であることが多いので、過払金の可能性も含めて法律事務所へ一度相談してみるとよいでしょう。

時効の期間がリセットされる「時効の中断事由」に注意

時効が成立するまでの期間に「時効の中断事由」が発生すると、その時点で時効の期間がリセットされるため注意しましょう。

時効の中断事由には、以下のようなものがあります。

  1. 債務の承認とみなされる行為。
  2. 借金を返済する。
  3. 債権者に裁判を起こされる。

①の具体例としては、債権者に対して以下のような発言をすることです。

  • 借金が残っていることを認めるような発言。
  • 分割交渉など支払意思があるような発言。
  • 支払いを猶予してもらうようお願いするような発言。

また③の具体例としては、支払督促の申立てや訴訟の提起など、債権者が裁判所を介して手続きすることです。

債権者が裁判所を介して手続きした場合、以下の時点で時効が中断します。

  • 裁判所書記官に対して支払督促を申立てした時点。
  • 裁判所に訴状を提出した時点。

ただし、判決が下りる前に債権者が訴えを取下げた場合などには、時効は中断しません。

もし判決が下りて時効が中断した場合には、次に時効成立までの期間は、時効中断から10年に延長されます。

実際には時効の中断事由について自分自身で判断するのは難しく、まずは法律事務所へ相談して確認してもらうことをおすすめします。

>>【無料相談】時効の中断事由について法律事務所へ相談する

時効援用についてさらに詳しく知りたい人は、こちらの関連記事で紹介していますので参考にしてください。

まとめ

支払督促が届いたら、たとえ身に覚えがなかったとしても放置せず、すぐに中身を確認しましょう。

また、既に届いた支払督促に対する督促異議申立書の提出期限が過ぎてしまった人は、次に送られてくる仮執行宣言付支払督促に対して必ず督促異議申立書を提出してください。

仮執行宣言付支払督促は支払督促と違い、「特別送達」で届く場合と「普通郵便」で届く場合があるので、見逃さないよう十分に注意しましょう。

もし、届いた通知の対応に困ることがあれば、一度弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談する際は、届いた支払督促をあらかじめ手元に用意しておくとスムーズです。

また、支払督促が届いた債権者以外からも借入をしていて、まとめて相談したい場合には、借入先の業者名や金額をまとめておくとよいでしょう。

支払督促のよくある質問

支払督促と書かれた通知が届きました。今、どういう状況なのでしょうか?

支払督促が届いた場合、受取ってから2週間以内に裁判所へ異議申立書を提出しなければ、給料や銀行口座などの財産を差押えられる恐れがあります。

支払督促が届いたのですが、どうしたらよいですか?

支払督促が届いたのに何もせず放置してしまうと、財産の差押えを受ける恐れがあります。また、支払督促が届いた後に債権者へ連絡しても、分割払いなどに応じてもらうのは難しいです。届いた支払督促を持って、早急に法律事務所へ相談するとよいでしょう。

支払督促に異議申立書が入っていません。どうすればよいですか?

異議申立書が同封されていない場合、裁判所の窓口に備付けてあるものを利用したり、裁判所のサイトからダウンロードすることもできます。もしどちらの方法でも入手が難しい場合は、法律事務所へ相談するとよいでしょう。

支払督促が届きましたが全く身に覚えのない請求です。このまま無視しても大丈夫でしょうか?

全く身に覚えがない場合、支払督促の制度を悪用した架空請求の可能性もあります。しかし架空請求であっても、放置すると財産差押えを受ける恐れがあるので、必ず裁判所へ異議申立書を提出しましょう。

支払督促を失くしてしまいました。もう法律事務所へ依頼することはできませんか?

支払督促がなくても相談は受付けてもらえるので、まずは法律事務所へ相談しましょう。支払督促以外でも手元に債権者からの通知が残っていたり、自分で取寄せた信用情報があれば、相談の際に提出するとよいでしょう。

監修者
得意分野
  • 労働問題
  • 相続
  • 医療トラブル
所属事務所
弁護士法人アクロピース
所属弁護士会
千葉県弁護士会
登録番号
50635
経歴

福岡県立修猷館高等学校 卒業
明治大学法学部法律学科 卒業
東北大学法科大学院 修了

弁護士の吉田伸広と申します。私が弁護士として心掛けていることは、じっくりお話を伺うことと、法的な問題を解決するだけでなく、精神的にも身体的にも元気になっていただくことです。人の一生で、弁護士に頼らなければならない出来事はそう多くあるものではありません。だからこそ、一度法律の問題を抱えると頭の中はその問題でいっぱいになります。四六時中不安になり、体調を崩してしまう方も沢山いらっしゃいます。困り果てて、疲れ切ってしまっているのは、決してあなただけではありません。勇気を出してお話を聞かせてください、お待ちしています。

借金問題の関連記事
フリーター 借金返済

フリーターが返済困難な借金を完済する方法!弁護士に債務整理を依頼するべき状況と準備について解説

現在フリーターで借金を抱えてしまっている人は、返済に対する不安がとても大きいかと思います。 まず、誰にも頼らずに借金を返済しようと頑張ることは決して悪いことではありません。 しかし、無理な返済によって失う自分自身の時間や生活のことを今一度考…

闇金 口座凍結

闇金の借金で口座凍結された場合の解除方法は?スムーズに口座を回復する方法と凍結原因を詳しく解説

闇金から借金をするために開いた口座が不正利用された場合、口座が凍結されることがあります。 一度疑いをもたれたものを凍結解除するにはかなり難しい面が多くあり、またそのまま放置し続けると犯罪加担の疑いをかけられる可能性もゼロではありません。 こ…