会社にバレずに自己破産は可能!例外的にバレやすいケースを覚え手続きを進めよう

自己破産を検討していますが、会社にバレて居づらくなるのは困ります。自己破産すると、会社にバレるのでしょうか。


原則的に自己破産したことが、会社にバレるリスクは低いでしょう。しかし、会社から借金をしているなど、特定のケースの場合は、バレることになるので、注意したほうがいいでしょう。
バレるケースもあるんですね。そういうケースに当てはまる場合はどうしたらいいでしょうか?


できるなら、事前に会社に相談しておくべきです。 自己破産を理由に解雇することは禁じられていますので、バレることを過度に恐れる必要はありません。

とはいえ、自己破産により配置転換などの可能性はあるため、どうしてもバレたくないのであれば、他の債務整理など別の方法を検討していくことになるでしょう。
自己破産が、会社にばれないか不安で、手続きに踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。
実は、自己破産したことが会社にバレるのは、限られたケースのみです。ほとんどの場合、会社にバレることなく自己破産手続きをすることが可能です。
また、自己破産の事実が会社に知られたとしても、それを理由に解雇することは法律で禁じられています。
それよりも、リスクを必要以上に恐れ、借金問題を放置すれば状況はどんどん悪化していきます。リスクを正しく把握し、できるだけ早く借金問題の解決に向けて動き出すことをおすすめします。
会社バレについて、不安があるのであれば弁護士に一度相談してみるのもいいでしょう。弁護士であれば、手続きにおけるリスクも詳しく説明してもらえます。
最近では無料相談を行っている事務所も多いので、気軽に相談してください。

- 自己破産を会社にバレずに行うことは可能。
- 「会社から借入をしている」「自己破産で就業が制限される職業についている」などの特定のケースでは、バレる可能性もある。
- 仮に会社にバレたとしても、自己破産したことを理由とした解雇は不当
- 会社にバレる可能性がある場合は、「他の債務整理手続きを行う」「事前に相談しておく」など対策が必要
- 会社にバレるからと借金を放置するのはNG。不安があるならまずは弁護士に相談がおすすめ
会社にバレずに自己破産することは可能
結論からいうと、会社にバレずに自己破産することは可能です。
自己破産の手続をしても、弁護士や裁判所から会社に連絡が行くことはありません。
また、債権者からの連絡も、弁護士に依頼した時点、もしくは自己破産申立受理時点以降、債権者は返済の督促、請求はできないため、ありません。
しかし、次に上げるように、例外的にバレる可能性もありますので、該当する場合はバレるリスクは高いことを認識しておきましょう。
会社に知られる危険性のあるケース
自己破産が会社にバレることはほとんどありませんが、以下のケースの場合、会社に知られる可能性も出てきます。
- 会社から借入をしている場合はバレる
- 必要書類を会社から入手する際にバレる可能性がある
- 会社が官報をチェックしているとバレる可能性がある
- 職業が自己破産手続き中の資格制限の対象の場合はバレる
会社から借入をしている場合
会社から借入をしている場合、または会社を通じて借入をしている場合は、バレてしまうでしょう。
自己破産では、原則的にすべての債権者が平等に扱うことになっています。
会社から借金をしている場合は、会社も債権者の1つとなります。債権者には、自己破産手続を行う旨が弁護士や裁判所から通知されますので、会社にも自己破産の事実が知られることになるでしょう。
会社からの借入を隠すと自己破産が認められなくなる
ただし、会社にバレるからといって会社からの借入を隠す行為はNGです。
自己破産手続では、申立時に債権者の一覧表を作成する必要があります。
会社に知られるのが嫌だからと、債権者一覧表に記載しなければ、「免責不許可事由」にあたり、免責が認められません。

免責不許可事由とは、自己破産手続きにおいて、免責(借金の返済を免除すること)が認められないケースを定めたものです。債権者に不当な損失を与える行為や、自己破産の調査を阻害する行為などが定められており、債権者名簿の虚偽記載も含まれています。
虚偽記載は免責が認められないだけでなく、悪質と見られれば「詐欺破産罪」として罰せられる可能性もあるので、絶対にしないようにしてください。
会社の借金だけ先に返すのもNG
会社の借金だけ先に返済してしまうというのもNGです。
特定の債権者だけに返済を優先すると「偏頗弁済(へんぱべんさい)」という、免責不許可事由にあたります。
自己破産では、債権者はすべて平等に扱われなければなりません。そのため、特定の債権者だけに返済を優先することは許されていません。
必要書類を会社から入手する場合
自己破産の申立に必要な書類を会社から入手する際にも、会社にバレる可能性があります。
自己破産を申し立てる際には、自身の収入や財産を証明するためにさまざまな書類を用意しなければなりません。
準備する書類の中には、「給与明細」「源泉徴収票」「退職金見込証明書」など会社から入手する必要のあるものもあります。
「給与明細」や「源泉徴収票」は自己破産以外でも必要となる場面も多いので、特に問題はないはずです。
ただ「退職金見込証明書」はあまり必要になる場面も多くありませんので、入手の際は理由を求められることもあるため、注意が必要です。
住宅ローンなどの審査などであれば、退職金証明書を求められることもあるので、それらを理由にして入手するなど、工夫が必要でしょう。
会社の就業規則や雇用契約書で、退職金の計算方法が規定されていれば、当該規定とそれに従って計算した計算書の提出で代替することも可能です。
会社が官報をチェックしている場合
会社が官報をチェックしている場合も、会社にバレる可能性があります。
自己破産をすると、官報に自己破産の事実とともに住所、氏名などが掲載されます。

官報は、国が発行している機関紙で、法律の改正など国民に広く通知すべきものが掲載され、原則毎日発行されています。
官報はインターネットでも一定期間確認が可能ですし、削除することもできません。
官報は、一般の認知度も低く、毎日膨大な情報が掲載されるため、一般の人がたまたま見つけてバレるリスクは少ないでしょう。
しかし、特定の職業の場合、官報のチェックを定期的にしている場合があります。
例えば、金融機関であれば、債務者の信用情報の確認のため、不動産業であれば自己破産の際の不動産取引情報をいち早くチェックするために確認しています。
勤めている会社がこれらの業種の場合は、官報の確認などからバレる可能性はあるでしょう。
職業が自己破産手続き中の資格制限の対象の場合
就業中の職業が、手続き中の資格制限対象となっている場合は、バレることになります。
自己破産では、手続き中に限って、特定の職業への就業が禁止されます。
就業が禁止される職業は、弁護士などの「士業」、生命保険募集人、警備員など多岐に渡ります。
資格制限のかかる職業についている場合、手続中はその職業から外れる必要があるため、会社に知らせる必要があるので、バレることになるでしょう。
資格制限があるのに会社に内緒にしてはいけない
資格制限があるにも関わらず、会社にバレるのを恐れて黙っていると、大きなトラブルになる可能性があるので、やめましょう。
自己破産で資格制限がかかっているにも関わらず、業務を行うと、会社が行政処分の対象となる可能性があります。最悪の場合、行政処分により、会社が損害を受けた場合、会社から損害賠償請求されることもありえるので、絶対にNGです。
会社にバレても自己破産を理由とした解雇は不当
仮に、自己破産をしたことが会社にバレたとしても、それだけを理由に解雇することはできません。
会社側が従業員を解雇する際には、正当な理由が必要です。自己破産したとしても、労働者としての契約業務の遂行に支障がないことが大半ですので、解雇の合理的理由とはなりません。仮に就業規則に記載されていたとしても、無効だと判断されます。
配置転換などの危険性はある
ただし、経理担当者など、金銭を扱ったりする職種の場合は、自己破産したことにより、適正がないと判断され配置転換などの措置が取られる可能性はあります。
これらの職種の場合、労働者としての信用性が通常の職種よりも重要になるため、止むを得ない場合があります。
また、配置転換が難しい場合には、解雇が相当であると判断される場合もあります。
会社にバレる可能性がある場合の対処方法
これまでにお話した通り、一部のケースでは、自己破産することを会社に隠すのは難しい場合があります。
そのような場合には、以下の対処方法を検討する必要があるでしょう。
- 自己破産以外の債務整理を検討する
- 会社に影響がありそうなら事前に相談
自己破産以外の債務整理を検討する
自己破産特有のデメリットにより、会社にバレる可能性がある場合は、その他の債務整理を検討してみましょう。
債務整理には自己破産以外にも選択できる手続きがあります。選択する手続きによっては、会社にバレるリスクを減らすことことも可能です。
ただし、借金の状況により、選択できる手続きは限られますし、手続きにより受けるデメリットやリスクも異なります。不安がある場合は、会社にバレたくない旨も含めて、弁護士に相談しアドバイスを受けると良いでしょう。
個人再生なら職業制限はない
個人再生とは、自己破産と同様、裁判所を介した債務整理手続です。裁判所に返済が難しいことを認めてもらい、借金総額を概ね1/5程度まで減額し、残額を3~5年で返済します。
自己破産と違い、返済義務は残ってしまいますが、資格制限がないため、資格制限の対象となる仕事をしている方は、会社にバレるリスクを回避できます。
だし、準備する書類や債権者が平等に扱われる点は自己破産と同様ですので、会社から借金がある場合や、書類の入手が困難な場合は、会社にバレるリスクは残ります。
また、返済が残るので、個人再生を利用するためには、安定した収入が求められます。借金や収入の状況によっては、手続が難しい場合がある点は認識しておきましょう。
任意整理なら会社の借金を手続から除外することも可能
任意整理は、債権者と個別に交渉し、主に将来の利息について減額してもらう手続です。
交渉を行う債権者を選択することができるので、会社から借金をしている場合は対象から外すことで会社にバレるリスクを軽減することができます。
ただし、任意整理で減額の対象となるのは、基本的に将来利息に限られるため、大幅な減額は見込めません。借金総額が大きい場合は、効果が見込めない可能性もあります。
会社に影響がありそうなら事前に相談
自己破産をせざるを得ない状況にあるのであれば、事前に会社に相談しておくほうが賢明です。
ご説明した通り、自己破産を理由として解雇することは禁止されています。仮に、就業規則等に規定してあったとしても同様です。
それよりも、発覚を恐れて後でバレて、会社とトラブルになれば、最悪の場合損害賠償を請求される可能性も出てきます。
会社にきちんと相談し、誠実に報告すれば、配慮してもらえる可能性も充分にあります。
返済が厳しいなら早めに弁護士に相談を!
上記の通り、自己破産が会社にバレるリスクはそれほど大きくありません。
仮に、バレたとしても多くの場合は解雇などの扱いを受けることはないので、必要以上に恐れる必要はありません。
それよりも、これらのリスクを恐れて、手続きが遅れれば遅れるほど、状況は悪化していきます。
返済が厳しく、見通しが立たないのであれば、一刻も早く解決に向けて動き出すべきです。
延滞したまま放置すると会社にバレる
返済を延滞したまま放置していれば、会社に借金がバレるリスクはどんどん大きくなっていきます。
まず、延滞すると、まずは債権者から督促が始まります。この督促電話を無視していれば、自宅への督促状の送付など、債権者はなんとか連絡を取ろうとします。
借金をする際には、会社の連絡先も教えているはずですので、場合によっては会社に連絡がくることも考えられます。
金融機関などであれば、基本的には勤務先などに配慮した督促となりますが、連絡がいよいよ取れないとなれば、会社にも分かる形で連絡してくる可能性も否定できません。
最悪の場合、給与差し押さえでバレる
督促の連絡を無視し続けていると、最終的に債権者は強制執行を行います。
強制執行されると、給与などが裁判所命令により差し押さえされることになるので、会社に連絡がいくことになります。また、差押えのための手続も必要になるので、少なからず会社に迷惑をかけることにもなります。
こうなれば、確実に借金していることを会社に知られてしまいますし、延滞したまま放置していることも知れるところとなるでしょう。
返済が厳しいなら弁護士への相談がおすすめ
会社にバレることを恐れて、借金を放置してもいずれは会社にバレることは、間違いありません。
最悪の事態になる前に、解決に向けて動き出しましょう。
返済がすでに厳しく見通しが立たない状態まで来ているのであれば、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士に依頼した時点で返済督促が止まる
もし、すでに延滞をしている場合であっても、自己破産手続などの債務整理を弁護士に依頼すれば、その時点で債権者からの督促はストップします。
弁護士は、依頼を受けると債権者に対して「受任通知」を送付します。この「受任通知」を受け取って以降、債権者は債務者に対して督促を行うことはできません。
これらの手続は、ほとんどの場合、依頼した即日に行ってもらえるので、すぐに督促をストップすることが可能です。
督促がストップすることで、落ち着いて借金問題に向き合うことができることは弁護士に依頼する大きなメリットでしょう。
自分で申し立てる場合は、裁判所が受理するまで督促は止まらない
弁護士に依頼せず、手続を自分で行う場合、債権者が督促を止めるのは裁判所が申立を受理したタイミングになります。
通常、申立にはさまざまな資料を準備する必要があるため、申立までは数ヶ月程度かかることも少なくありません。この間は債権者からの督促はストップしません。
申立までに時間がかかれば、督促や強制執行などは行われますので、会社にバレるリスクは継続します。
状況を踏まえた適切なアドバイスがもらえる
自己破産を始めとした債務整理手続きは、借金や収入の状況により選択すべき手続が異なります。また、手続することで生まれるリスクや受けるデメリットもさまざまです。
弁護士であれば、これまでに多くの借金問題を解決してきた経験から、状況を踏まえてどう対処すべきかを適切にアドバイスしてもらえます。
自分に最適な手続を選択でき、デメリットなどについても詳しく説明してもらえるので、安心して借金問題の解決を進めていくことができるでしょう。
手続がスムーズに進むよう支援してもらえる
弁護士に依頼することで、手続きをスムーズに進める支援をしてもらえるという点でもおすすめです。
債務整理手続きは、準備しなければならない書類が多くあり、法律的な知識が求められることも少なくありません。
提出が遅れれば、それだけ手続きに時間がかかることもあリます。
弁護士なら、それらの煩雑な管理や手続きのサポートを法律的な知識も踏まえて、支援してもらえます。結果として、借金問題を早く解決できるでしょう。
まとめ
自己破産をしても、会社にバレる可能性は特定のケースを除き、ほとんどありません。
仮に、バレたとしても自己破産を理由に解雇することは認められていませんので、必要以上に不安に思う必要はないでしょう。
それよりも、会社にバレることを恐れて、借金問題への対処が遅れるほうが問題です。借金問題は放置しても解決しないどころか、さらに悪化していくことになるでしょう。
もし、債務整理に不安があるならまずは弁護士に相談してみましょう。借金の状況を踏まえた適切なアドバイスをしてもらえるはずです。

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