自己破産前に検討すべき車を残す3つの方法!引き上げにならない車の財産評価基準も詳しく解説します

自己破産 車

借金の返済が苦しく自己破産を検討しているのですが、車は手元に残したいです。残せる方法はありますか?

自己破産後に車が残せるかは、ローン残債の有無や他の財産状況によっても異なります。ローンの返済は終わっていますか?

ローンの返済はまだ残っています。今手持ちのお金を全部使えば、なんとか返済できるかもしれません。一括で返済してしまったほうがよいのでしょうか?

自己破産前に車のローンを一括返済すると、詐欺破産罪という罪に問われる可能性があるのでやめた方がよいです。車を残したい理由次第では、ローンが残っていても認められる場合があるので、一度弁護士に相談してください。

自己破産をしても、価値や一定の条件を満たせば車を手元に残すことが可能です。

ただし、車を残せる条件は厳しく、それならば名義変更や売却をしてしまおうと考える方は多いです。

しかし、自己破産前に車の名義変更や売却をすると、借金の返済が免除されない可能性があるので絶対にやめましょう。

任意整理や個人再生であれば、車を残しつつ借金の減額ができるので一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

この記事でわかること
  • 車の価値が20万円以下なら、基本的に自己破産しても車は残せる。
  • 自己破産前に車の名義変更や売却をすると、免責不許可事由となる可能性があるので絶対にしてはいけない。
  • 自己破産しても運転免許証に影響はなく、車の所有も自由にできる。

自己破産手続き開始前に検討すべき「車を残すための方法」

自己破産をすると、所有している車は基本的に手放すことになります。

しかし、どうしても車を手放したくない方も多いのではないでしょうか。

そこで、この項目では車を手放さないために、自己破産手続きを開始する前に検討すべき方法をお伝えします。

自己破産後でも車を残せる可能性もありますが、確実な方法はないので、まずはこれからお伝えする方法を検討するのがよいでしょう。

親族などに頼んで自己破産前に第三者弁済をしてもらう

車のローンが残っていると、自己破産後に車を残せる可能性は非常に低いです。

そのため、ローンが残っているのであれば親族などに「第三者弁済」をしてもらうと、車を残せる可能性が高くなります。

第三者弁済とは、債務を債務者の親や子供、友人などの第三者が代わりに返済することです。

特約などで禁止されていなければ、車の第三者弁済は法律的に問題ありません。

ただし、車の価値が20万円以上であると自己破産後に車は差押えられてしまうので、第三者弁済を依頼する前に車の価値を調べておくとよいでしょう。

また、第三者弁済は家計を共にしている家族は認められない可能性があります。そのため、第三者弁済を依頼する人は遠縁である方が望ましいです。

第三者弁済をする場合は、必ず弁護士に「誰が第三者弁済するのか」を確認し、振込証明書などその人が支払った証拠を提示できるようにしておきましょう。

車の保証人に支払いを継続してもらう

車をローンで購入する場合、ローンに保証人を設定するケースは多いです。

その場合、自己破産後も保証人がローンを支払い続けられるなら、車を残せる可能性があります。

保証人が自己破産後の支払いに同意してくれるのであれば、債権者に交渉してみるとよいでしょう。

自身での交渉が不安な場合は、弁護士に相談してみてください。

任意整理や個人再生に変更する

任意整理や個人再生であれば、自己破産よりも手続き後に車を残せる可能性が高いです。

任意整理の場合、債務整理する債務を選べるので車のローンを任意整理から外せます。

そして、任意整理後も今までどおりローンを支払えば、問題なく車を所有し続けることが可能です。

個人再生の場合、別除権協定をローン会社と結ぶことで「別除権協定」を締結すると、手続き後も車を残すことができます。

別除権協定を結ぶには、ローン会社に加えて裁判所の許可が必要です。

そのため、車が日常生活で必要不可欠であることを証明しなければなりません。

ローンが完済している車であれば、任意整理と個人再生どちらの場合も基本的に車を残せます。

自己破産以外の方法が可能かどうか、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

※別除権協定・・・車のローンを従来どおり支払い続けることを条件に、所有権留保や抵当権が設定されている車でも個人再生後に差押えしないという協定。

自己破産しても引き上げにならずに車を残せる基準

前の項目で、自己破産をすると基本的に所有している車は差押えられるとお伝えしました。

しかし、一定の基準を満たしていると、自己破産をしても車を手元に残せる可能性があります。

その基準は、以下の5点です。

  • ローンの返済が完了していて車の価値が20万円以下
  • 自由財産の合計が車を含めても99万円以下
  • 購入してから6年が経っている
  • 車の名義人が自分以外である
  • 車がないと日常生活に著しく支障をきたす

上記を満たしていても、ローンが残っている場合は基本的に車は差押えられてしまうので注意しましょう。

また、債権者や裁判所の判断で差押えられてしまう可能性もあります。

次の項目から、それぞれ詳しくお伝えします。

ローンの返済が完了していて車の価値が20万円以下

自己破産において、処分する必要がない財産を「自由財産」といいます。

処分価格が20万円以下の車は、自由財産と認められるのが自己破産では通例です。

そのため、ローンが残っておらず、価値が20万円以下である車は自己破産をしても手元に残せる可能性が高いです。

自己破産前に、車の査定をしておくのがよいでしょう。

その場合は一社だけでなく数社に依頼すると、より信憑性の高い査定額を得ることができます。

自由財産の合計が車を含めても99万円以下

法律で自由財産と定められているのは、以下のとおりです。

  • 新得財産(破産手続開始後、新たに取得した財産)
  • 差押禁止財産(生活を維持するために必要な財産)
  • 99万円以下の現金

もしも、上記に当てはまる自由財産の合計が車を含めても99万円以下であれば、車を残せる場合があります。

ただし、車自体に20万円以上の価値があると、車を残せるかどうかは裁判所の判断であり、足が不自由であったり通院に車が必要などといった特別な理由がないと認められない可能性が高いです。

参照:「e-Govポータル「破産法第34条」

購入してから6年が経っている

車の法定耐用年数は、6年とされています。

法定耐用年数とは、その車があと何年間業務用として利用できるかを国が定めた年数です。

そのため、購入してから6年が経過していると、車の価値が大幅に落ちて20万円以下となる可能性があります。

ただし、人気車種であったり状態によってはほとんど価値が下がらないケースも多いので注意が必要です。

車の名義人が自分以外である

自己破産で差押えの対象となる財産は、自己破産者名義のものだけです。

そのため、車の名義人が自分以外の車であれば、自己破産をしても差押えられることはありません。

だからといって、自己破産直前に車の名義を変更すると免責不許可事由とみなされて、自己破産が認められなくなる場合があるので注意しましょう。

免責不許可事由については、のちの項目で詳しく解説します。

車がないと日常生活に著しく支障をきたす

車がないと、著しく日常生活に支障をきたすと裁判所に判断された場合も、自己破産後に車を残せる可能性があります。

ただし、裁判所の判断基準は厳しく「通勤に使っている」や「買い物に利用したい」などの理由は認められないケースが多いです。

「足に障害があり車でないと移動が難しい」「持病で通院している病院が車でないと行けない距離にある」など、著しく生活に支障が出る理由であれば車を残せるかもしれません。

その場合も、車の価値が明らかに高いと差押え対象になる可能性があるので注意が必要です。

車に関して自己破産前におこなうと免責不許可事由になりうること

前の項目では、以下のことをお伝えしました。

  • 自分名義以外の車は差押え対象外
  • ローンが残っていない車は残せる可能性が高い

そこで、自己破産の手続き開始前に車の名義変更をしたり、ローン残債を一括返済すれば車を残せるのではと思う方がいるかもしれません。

しかし、自己破産前にそのような事実があったと発覚すると、免責不許可事由とみなされて借金の返済が免除されない可能性があります。

この項目では、車に関して自己破産前にしてしまうと免責不許可事由となりうることを、詳しくお伝えしますので参考にしてください。

車の名義変更をする

自己破産の直前に車の名義変更をすると、財産隠しとみなされる可能性が高いです。

財産隠しは免責不許可事由にあたり、借金の返済義務が免除されません。

また、場合によっては「詐欺破産罪」に問われてしまいます。

詐欺破産罪に問われると、10年以下の懲役や1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

また、名義の変更先となった人も協力者として罪に問われる可能性が高いので、自己破産前の名義変更は絶対にやめましょう。

参照:e-Govポータル「破産法第265条」

残りのローンを一括で返済する

自己破産の直前に車のローンを一括返済すると、偏頗弁済(へんぱべんさい)とみなされる可能性が高いです。

偏頗弁済とは、ある特定の債権者に優先して債務の返済をすることです。

偏頗弁済は破産法で禁止されており、違反すると免責不許可事由となって借金の返済義務が免除されません。

つまり、自己破産をしてもすべての借金がそのまま残ってしまうのです。

参照:e-Govポータル「破産法第252条」

自己破産直前に車を売却する

債務の返済に充てるために、車を適切な価格で売却するのは問題ありません。

しかし、故意に車を廃車にしたり売却したお金を返済以外に利用してしまうと、前述した詐欺破産罪に問われる場合があります。

返済に充てるために売却をする場合も、まずは弁護士に相談するとよいでしょう。

自己破産者でも車を利用したい場合は?

ここまで、自己破産で車を手元に残す方法やその基準をお伝えしました。

しかし、中にはどの基準にも当てはまらず車が差押えられてしまいそう、もしくはすでに差押えられてしまったという方も少なくないと思います。

自己破産後に車の利用について制限を受けることはないので、車を手放さざるを得なかった自己破産者でも車の利用自体は可能です。

ただし、ローンを組んで車を購入することはできません。

そこでこの項目では、車を手放した自己破産者が車を利用する方法をお伝えします。

現金一括払いで車を購入する

自己破産後、現金の利用を制限されることはありません。

そのため、現金で購入できるものであれば、自由に車を購入できます。

ただ、自己破産直後に車を購入できるだけの資金を集めるのは難しいケースが多いです。

レンタカーであれば自己破産後も問題なく利用できるので、まとまった現金が用意できず車の利用頻度も多くないのであれば、資金を貯めている間はレンタカーを利用するのも1つの手段です。

自己破産をしても運転免許は剥奪されない

自己破産をしても、運転免許を剥奪されることはありません。

運転免許証は身分証として利用する場面もあり、運転免許証から自己破産の事実が知られてしまうのではないかと不安になる方もいると思います。

しかし、運転免許証から自己破産をした事実がわかることはなく、自己破産後も運転免許証に関しては変わらず利用できるので安心してください。

また、自己破産後に運転免許証を取得することもできます。

ただし、教習所などの費用を、ローンを組んで支払うことはできないので注意しましょう。

自己破産後5~10年はローンを組めない

自己破産後5~10年間は、信用情報に事故情報が登録されるためクレジットカードを作成したり、車のローンを組むことができません。

また、クレジットカード付きのETCカードや、車検のローンの利用もできないことも覚えておきましょう。

信用情報から事故情報が抹消されると、ローンを組める可能性があります。

自身の信用情報は、信用情報機関へ情報開示を求めると確かめられます。

自己破産から5年が経過したら、信用情報を確認してからローンの申込みをするのがおすすめです。

信用情報の開示方法は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

ETCカードはデポジット制のものを利用する

前の項目で触れたETCカードは、デポジット制のものであれば自己破産後も利用できます。

デポジットカード制のETCカードは、審査なく利用できるものが多いです。

クレジットカード付きのものと比べると、あらかじめカードに入金をしておくなどの不便はありますが、自己破産後にETCカードを利用する手段として検討してみてください。

生活福祉資金貸付を利用して車を購入する

生活福祉資金貸付制度とは、失業や減収などによって生活が困窮している方に対して生活費などの貸付を一時的におこなう制度です。

生活福祉資金貸付を利用するためには、収入などの要件を満たす必要があります。

詳しい審査基準や申請は、最寄りの自治体窓口に相談するとよいでしょう。

また、生活福祉資金貸付の詳しい要件については、厚生労働省のページでも確認できますので参考にしてください。

参照:厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」

レンタカーを利用する

自己破産をしても、レンタカーは問題なく利用できます。

そのため、現金で車を購入するのが難しい場合は、レンタカーを利用するのがおすすめです。

ただし、自己破産後は一定期間クレジットカードを利用できず、支払いは現金払いのみなので注意しましょう。

カーリース契約は原則できないので注意

自己破産をすると、事故情報が信用情報から抹消されるまでは、原則カーリース契約はできません。

ただ、審査の基準はカーリース会社によっても違うため、年収が安定しているなど「継続して支払いしてくれそうだ」と判断されると、事故情報抹消前でも利用できる場合があります。

まとめ

自己破産をすると、基本的に車は手放すことになります。

ただし、以下の条件を満たしていると、車を残せる可能性があります。

  • 車の価値が20万円以下
  • 自由財産の合計が車を含めても99万円以下
  • 車がないと日常生活に著しく支障をきたす

車の時価は自分では判断しにくいことも多いので、複数社に車の査定を依頼したり弁護士に相談するのがよいでしょう。

上記の条件を満たしていないからと、自己破産前に車の名義を変更したり売却をすると、借金の返済が免除されないどころか罪に問われる恐れがあるので、絶対にしてはいけません。

もし自己破産によって車を手放すことになっても、自己破産後に車を購入したりレンタカーを利用することはできます。

任意整理や個人再生なら車を手放さずに手続きができるので、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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