奨学金が払えない理由と借金解決方法!相談先や解決事例も紹介

奨学金が払えない理由と借金解決方法!相談先や解決事例も紹介

進学のために借りた奨学金は、学校を卒業し社会人になった時点から返済が開始されます。

しかし「就職活動に失敗してしまった」「就職したけれど給料が思ったより低かった」など、さまざまな事情で奨学金の返済ができない状況に陥ってしまうことがあります。

そのときに「連帯保証人・保証人へ迷惑かけたくない!」という気持ちが先行し、奨学金の返済できない状況から脱却しようと新たな借金を作って借金地獄に陥ってしまう人も昨今、少なくありません。

このように、奨学金の返済によって日々の生活が自転車操業の借金返済苦になることを「奨学金貧乏」とも呼び、社会問題のひとつにもなっています。

連帯保証人・保証人への影響も考えなくてはならない奨学金を含む借金の解決は非常に複雑で、弁護士の協力が必要不可欠です。

今現在、奨学金と借金の返済であなた自身、もしくはあなたの子どもが苦しい生活をしている状況なら、一度、弁護士へ無料相談してみてはいかがでしょうか。

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目次
  1. 日本の貸与型奨学金制度ってどんな制度?
  2. 奨学金の返還に負担を感じている人は半数以上!
  3. 奨学金を払わないとどうなる?
  4. 奨学金が払えないときは日本学生支援機構に相談し救済制度を活用
  5. 日本学生支援機構の救済制度以外で払えない奨学金を対処する方法
  6. 奨学金を債務整理で解決する上手なやり方!
  7. 債務整理で奨学金を含めた借金を上手に解消・返済した例
  8. 奨学金が払えないときは猶予・減額・免除制度を活用しよう!

日本の貸与型奨学金制度ってどんな制度?

この記事で解説する、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は国が実施する貸与型の奨学金で、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)等で学ぶ人の経済的援助を目的とする奨学金制度です。

貸与型奨学金は「利子のない第一種奨学金」と「年率3%を上限とする第二種奨学金」の2種類があります。

種類 貸与条件
第一種奨学金 特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な人に貸与。
第二種奨学金 第一種奨学金よりもゆるい基準によって選考された人に貸与。

どちらか一方借りることが基本ですが、一種と二種を併用して借りることもできます。

無利子の第一種奨学金における審査基準は成績の平均値が3.5以上

利子がつかない第一種奨学金を借りるためには、それなりの審査がされます。

基本的に第一種・第二種奨学金どちらの審査もめったに落ちることはありませんが、著しく成績や素行が悪い学生の場合、審査で落ちることもあります。

まず、第一種奨学金の学力基準は「高等学校又は専修学校高等課程の1年から申込時までの成績の平均値が3.5以上」となっています。

普通に学ぶ意欲がある学生ならクリアできる学力基準です。また、家計基準もありますが、こちらは世帯人員や世帯収入ごとに異なります。

参照:日本学生支援機構「第一種」

奨学金の返還に負担を感じている人は半数以上!

日本学生支援機構のアンケート調査では延滞している人、延滞せずにきちんと返還している人の両者どちらとも半数以上が「奨学金の返還は負担になっている」と答えています。

延滞している人はもちろんですが、延滞していない人も頑張って返還していることが伺えます。

奨学金を借りる人の多くは社会人になっても経済的余裕はあまり無い、ということがこのアンケート調査からわかります。

奨学金を負担に感じているかどうか 延滞者 無延滞者
とてもそう思う 55.1% 21.7%
そう思う 31.3% 29.7%
どちらとも言えない 11.3% 23.3%
そう思わない 2.1% 18.9%
まったくそう思わない 0.2% 6.3%

参照:日本学生支援機構「(2)奨学金の返還は負担になっているか」

奨学金が払えない人の主な理由は「家計の収入が減った」

奨学金を払えずに延滞してしまう人には、さまざまな理由があります。

日本学生支援機構のアンケート調査における「延滞が始まった理由」で男女共に最多となったのが「家計の収入が減った」です。

また、次いで多かったのが「家計の支出が増えた」となりますが、この調査結果から見えるものとして、社会人になってからの家計状況が上手く予測できていなかったことが奨学金が払えなくなった根本的原因といえるでしょう。

そのほか、日本学生支援機構のアンケート調査による奨学金が払えなくなったきっかけとなった主な理由は次表の通りです。

延滞のきっかけとなった理由
家計の収入が減った 64.0% 70.5%
家計の支出が増えた 38.7% 40.3%
入院・事故・災害等 19.3% 16.8%
忙しかった 12.8% 15.5%
返還を忘れていたなどのミス 11.1% 12.5%
返還するものだとは思っていなかった 3.7% 5.0%
その他 24.8% 29.1%

参照:日本学生支援機構「(1)延滞が始まった理由(きっかけ)」

社会人になる前から、将来の家計状況を予測して動くことは非常に難しいです。

これから奨学金を借りる人も、返還途中の人も、今から家計管理を癖つけておくとよいかもしれませんね。

奨学金が払えずに延滞してしまう人の理由は「奨学生本人の低所得」

奨学金の延滞がいつまでも解消できない人のほとんどが「奨学生本人の低所得」を延滞継続の理由としていることが日本学生支援機構のアンケート調査で証明されています。

もともと奨学金は、経済的に余裕のない家庭が借りることが多いため、学校卒業後に本人が低所得で返済額を払えないとなると、家族などからの援助も難しく、結果的に延滞してしまう人が多くなります。

また、奨学金は延滞が続くにつれて延滞金が発生していく仕組みなので、奨学生本人の低所得が解消されない限り、延滞額が増え続けてしまって返還できない悪循環となってしまいます。

ちなみに「延滞額の増加」は次いで多かった延滞継続の理由でもあります。

延滞が続いてしまう理由
本人の低所得 62.3% 65.8%
延滞額の増加 38.6% 41.3%
本人の借入金の返済 35.2% 25.6%
本人が失業中(無職) 22.8% 25.9%
本人親の経済困難(本人が親を援助) 21.1% 24.6%
本人親の経済困難(親が返還する約束) 20.3% 25.2%
家族の病気療養 16.3% 16.0%
本人が病気療養中 9.9% 13.0%
配偶者の経済困難 5.0% 11.9%

参照:日本学生支援機構「(2)延滞が継続している理由」

このアンケート調査において着目したい点は、奨学金以外の借金返済があるため延滞がいつまでも解消できないという理由についてです。(本人の借入金の返済)

特に男性ですが、奨学生である身を忘れてしまい、社会人になってから借金を重ねてしまうケースは多々あります。

また、奨学金が払えないと連帯保証人・保証人に迷惑がかかると思い、別で借金をして払おうとしてしまうケースも少なくありません。

奨学金以外の借金を重ねてしまうと奨学金の延滞はずっと解消されないまま負債がどんどん大きくなっていきます。

そして、延滞が続くにつれ奨学生本人だけではなく、連帯保証人・保証人にまでにも悪影響が及びます。

では、奨学金の延滞が続くと、後にどんなことが起こるのか、次の項目から説明していきます。

奨学金を払わないとどうなる?

貸与型奨学金の危惧すべき点は、一般的な賃金業者からの借金と違って「連帯保証人・保証人」が設定されるので、延滞が続くと保証人なってくれた親や兄弟などに延滞分の請求がされます。(「人的保証制度」を選んでいる場合)

連帯保証人・保証人の多くは家族の誰かに設定されると思いますので、奨学金延滞による一括請求通知が届いた場合、奨学生と家族の関係は以前よりも悪化することが多いです。

奨学金を2ヶ月・3ヶ月以上延滞で連帯保証人・保証人に支払督促や一括請求通知が届く

奨学金は一度くらいの延滞であれば、連帯保証人・保証人に直接延滞分を請求されることはありません。

奨学生本人に対して「奨学金返還の振替不能通知(払込票の場合もある)」などの文書や電話で支払催促がされるだけです。

しかし、一度のみならず2・3ヶ月と延滞状態が一向に解消されず、9ヶ月以上の延滞が続くと、その期間分の延滞金が加算され、債権回収会社から返済における厳しい内容が書かれた督促状や一括請求通知が連帯保証人・保証人に直接送付されます。

【送付される主な通知書】

  • 「奨学金の返還について」
  • 「個人信用情報機関への登録について」
  • 「奨学金返還延滞額の一括返還請求について(支払督促申立予告)」

返還が困難な場合には、必ず日本学生支援機構に連絡・相談することが大事です。

債権回収会社から奨学金返済の督促通知が届いたら弁護士に相談!

日本学生支援機構は奨学金の延滞が解消されない場合、債権回収会社に業務委託し、とても厳しい取り立てをおこないます。

以下は奨学金関連で債権回収を請け負っている会社の一部です。これらの債権回収会社から督促通知が来たら、すぐに弁護士へ相談しましょう。

  • 日立キャピタル債権回収株式会社
  • エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社
  • アルファ債権回収株式会社

>>債権回収会社から督促通知が来た人は早急に弁護士へ相談!【こちらから初回相談無料】

連帯保証人・保証人が返済不能なら全員が自己破産する恐れがある

奨学金を延滞し続け、返済不能扱いになった場合、連帯保証人・保証人に債務が移ります。

多額の奨学金を借りて延滞が続いた場合、連帯保証人・保証人の支払額は何千万にもなりますが、最も恐ろしい点は金額ではなく「連帯保証人の場合は奨学生本人と同等の責任が課される」という点です。

保証人のみならば「催告の抗弁」や「分別の利益」を主張することで返済における負担を減らすことはできます。

しかし、連帯保証人は「催告の抗弁」や「分別の利益」の主張が一切できず、奨学生本人が借りた奨学金を全額支払わなくてはなりません。

連帯保証人・保証人の両者が返済できなければ、奨学金に関わったすべての人が自己破産によって「免責」を得るしか解決方法はありません。

奨学金を自己破産で踏み倒すことは困難!

前の項目で説明した流れで、奨学金を自己破産で踏み倒すことは可能かどうかですが「一家全員自己破産」が許容できるならば踏み倒しは不可能ではありません。

しかし、奨学金を自己破産で踏み倒すことは、あまりにもリスクが大きすぎます。

【自己破産で踏み倒すルートについて】

  1. 奨学生本人が自己破産連帯保証人・保証人に債務が移る
  2. 連帯保証人が支払えない連帯保証人が自己破産。→保証人に一括請求される
  3. 保証人が分別の利益を主張しても返済できない場合自己破産によって免責
  4. 結果、奨学金に関わった人全員が自己破産

自己破産での踏み倒しは「全員が自己破産すれば解決」といった単純な話ではありません。

奨学金の免責を得るためには、当然として日本学生支援機構と裁判で争うことになります。

自己破産による免責の効果が奨学金に及ぶか否かが争点とされる裁判で必ず勝訴できるとは限りませんので、負けたら免責不許可。勝っても全員自己破産なので、解決方法としては最も避けるべきルートです。

奨学金の時効を成立させ踏み倒すことはできる?

奨学金も広い意味では借金です。そのためキャッシングやカードローンと同じ一般債権(債務)として扱われます。

このことから、奨学金にも時効が存在し「消滅時効・原則10年の時効期間」となります。

つまり、

奨学金の返済期日から返済について債権者に一切の連絡もせず、

残債があることを認めず、

債権者側からの裁判も起こされずに10年以上経過しているのなら、

「時効の援用」を主張することで時効が成立、奨学金は免責となり踏み倒すことが可能です。

  1. 返済期日から10年経過するまで「奨学金返済について一切の言質をしない・取らせない」
  2. 10年経過後、消滅時効の援用を主張
  3. 一切の中断事由がなく時効の成立が認められれば奨学金の返済が免責される

しかし、奨学金における時効援用での踏み倒しは「不可能に近い」というのが実情です。

奨学金の時効を成立させ踏み倒すことは不可能に近い

時効の成立ルートについて説明しましたが、日本学生支援機構はまず「時効を成立させない対応」をしてきます。

わかりやすくいうと、10年経過する前に債権回収会社に業務委託し裁判を起こされます。奇跡的に何もなくても10年経過後に自らが時効を主張しなければ時効の成立となりません。

また、奨学金は一般的な賃金業者よりも時効の起算点が複雑です。奨学金の時効は各回の分割弁済金の返済期日ごとに個別進行するため、いつから10年経過したかの判断が非常に難しいです。

加えて、日本学生支援機構は延滞金の回収に力を入れており、時効期間の経過分も含めて請求してくるので、専門家ではない一個人が時効の成立を目指すのは困難を極めます。

奨学金の返済を時効で免れるためには、いくつもの複雑な条件をクリアし消滅時効の成立を目指さなくてはならないので、弁護士などの専門家と一緒に解決を目指していく他ありません。

奨学金が払えないときは日本学生支援機構に相談し救済制度を活用

奨学金は数十年という長期に渡り返済していく借金です。

数十年間ずっと経済的に安定して滞りなく奨学金の返済ができる人もいれば、事情があって返済が難しくなる人もいます。

社会人になると、お金がかかるライフイベントが色々と起こりますが、いざ奨学金の返済が難しくなったとき絶対にしてはいけないことがあります。

それは「奨学金の延滞」です。

なぜかというと、延滞の事実があると、日本学生支援機構が返済困難となった人に対して用意している「返還猶予・減額・免除制度」が利用できなくなるからです。

制度が利用できなければ、いくら返済できない事情があっても、日本学生支援機構からの取り立ては止まることなく、借金返済が泥沼化していきます。

奨学金を延滞しそうだなと思ったら必ず、日本学生支援機構に相談することが重要です。

また、すでに延滞していて、日本学生支援機構ではない債権回収会社から督促通知が来ているなら、必ず弁護士に相談しましょう。

延滞する前に日本学生支援機構へ返済できない事情を相談する

奨学金の返済ができないとわかった時点で、日本学生支援機構の返還相談窓口へ電話し相談しましょう。

【相談窓口「奨学金に関するお問い合わせ」】
電話番号:0570-666-301(ナビダイヤル)
→アナウンスに従い「3」を押す(奨学金の返還について)
→「3」(返還についてのご相談)を押す

通話がつながると本人確認のため、奨学生番号を聞かれます。すぐに答えられるよう、事前に返還誓約書等に明示されている奨学生番号をメモしておくとよいでしょう。

担当者と電話が繋がったら返済が難しい理由などを伝えます。担当者と一緒に今後の方針(奨学金の猶予・減額・免除等)を決めていくことになりますので、返済困難な事情は具体的に話しましょう。

また、奨学金延滞前の段階では原則として、奨学生本人からの相談しか受け答えしてもらえません。必ず奨学生本人から直接日本学生支援機構に電話しましょう。

参照:日本学生支援機構「返還に関するお問い合わせ」

奨学金の返還猶予・減額返還・返還免除制度を活用する

基本的に返済できないといった相談をした後には、返還猶予・減額・免除のいずれかの制度を利用する方針となります。

また、経済的な理由で返済できない場合は「経済困難」という事由で制度の利用申請をします。

ただし、これらの制度は無条件で利用できるわけではなく、返還猶予・減額・免除それぞれ事細かに制度利用における条件が定められており、所定の審査もされます。

ほとんどの場合、制度利用条件さえ満たしていれば審査によって制度利用ができないといったことにはなりませんが「100%審査が通るわけではないこと」は念頭に置いておきましょう。

経済困難における「奨学金の返還期限猶予制度」の概要と受ける条件

まず、奨学金の返還猶予制度は最大10年間の猶予が可能です。(適用期間は1年間ごと)

例えば、20歳から返済開始された場合だと最大30歳まで返済を猶予してもらえることになります。

猶予期間中は月々の奨学金返済が一切なくなるため、奨学金以外に抱えている借金の返済にお金を充てる余裕が生まれます。

ただし、1年ごとに猶予願と所得証明書等の書類を提出しなければならないのと、当然申請者の収入にも規定の条件があります。

条件1 給与所得者の年間収入金額(税込)が300万円以下(昨年の収入を見られる)
条件1※ 自営業の場合は年間所得が200万円以下
条件2 経済困難となる事情は致し方ない事情かどうか

【申請の必要書類】

・前年度の「所得証明書、収入金額または所得金額が明記されている市県民税(所得・課税)証明書、住民税非課税証明書」※いずれか1点を提出

・奨学金減額返還願&チェックシート(相談後に送付されますが、WEBでダウンロードも可能)

※マイナンバーの提出で証明書の提出を省略できます。

ちなみに、奨学金の返還猶予制度は猶予期間分だけ後ろに返還期間がずれるだけなので、将来的に返還する奨学金の総額は変わりません。

加えて、延滞記録があると次年の審査が通らなくなる恐れもあります。

奨学金の延滞がある場合は、必ず解消後に申請しましょう。

参照:日本学生支援機構「返還期限猶予」

奨学生本人の昨年における年間収入が300万円以下であること

奨学金の返還猶予制度は、申請時からみて昨年の年間収入が300万円以下でないと受けられません。

アルバイトやフリーターの場合は適用されやすいですが、奨学金以外の借金返済等の事情でお金をたくさん稼いでしまうと、年間収入が300万円以上となるケースがあります。

この場合、奨学金以外の借金があるなどの事情は一切加味されないので、人によっては返還猶予も受けられず借金+奨学金の返済で借金苦になる可能性があります。

ですが「特別な支出」控除申請というものがあり、制度利用条件である年間収入300万円から差し引けるお金があります。

この控除を利用して年間収入300万円以下に抑えることができれば、猶予制度が利用条件をクリアできます。

奨学金の返還猶予を受けるためには、計画的に年間収入を300万円以下にすることが大切ですね。

参照:日本学生支援機構「特別な支出」の控除一覧

経済困難における「奨学金の減額返還制度」の概要と受ける条件

奨学金の減額返還制度は、毎月の奨学金返済金額を1/2~1/3にまで減額して返済していくことが可能となる制度です。(適用期間は1年ごと)

最大で15年間の減額返還が可能です。

奨学金の返済総額は変わりませんが、追加での分割利息や遅延損害金、保証料等が一切発生することはないので、経済的に困窮している奨学生にとっては非常にありがたい制度です。

ただし、減額返還制度にも収入条件等があるのと、1年ごとに猶予願と所得証明書等の書類を提出しなければならないのは返還猶予制度と変わりません。

条件1 給与所得者の年間収入金額(税込)が325万円以下(昨年の収入を見られる)
条件1※ 自営業の場合は年間所得が225万円以下
条件2 経済困難となる事情は致し方ない事情かどうか
【申請の必要書類】
・前年度の「所得証明書、収入金額または所得金額が明記されている市県民税(所得・課税)証明書、住民税非課税証明書」※いずれか1点を提出

・奨学金減額返還願&チェックシート(相談後に送付されますが、WEBでダウンロードも可能)
申請の必要書類※:マイナンバーの提出で証明書の提出を省略できます。

減額返還制度は返還猶予制度と違って、少しずつ奨学金を返還していく制度です。そのため、返還期限は借入した当初よりも長引きます。

しかし、失業や傷病など一時的に返済が困難となった際に有効活用できる制度なので、返還猶予申請が通らなかった人も含めて制度の利用を検討するとよいでしょう。

また、返還猶予制度と同じく、奨学金の延滞が解消された状態で申請が可能です。

参照:日本学生支援機構「減額返還」

奨学生本人の昨年における年間収入が325万円以下であること

減額返還制度の収入条件は、年間収入325万円以下です。

「返還猶予申請をしようと思ったけど、収入条件を少しだけ超してしまった」という人は減額返還制度を利用できる可能性があるので申請してみるとよいでしょう。

また、返還猶予制度と同じように特別な支出の控除等で年収を抑えることができます。

減額返還制度は、返還猶予制度よりも収入条件が若干緩い分、正社員でも制度を利用できる可能性がありますね。

「返還免除制度」は奨学生本人が死亡・身体障害で就労不能と認められた場合のみ

奨学金の返還免除制度で全額・もしくは半額を免除してもらうには、相当な事由がないと基本的に認められません。

なので、経済困難を事由とする場合の利用は非常に条件が厳しい制度です。

条件 奨学生本人が死亡、または身体障害(精神障害も含む)で就労不能
【申請の必要書類】
・【奨学生の死亡による場合】貸与奨学金返還免除願(相続人、連帯保証人連署。機関保証制度加入者は相続人のみ。)、本人死亡の事実を記載した戸籍抄本、個人事項証明書又は住民票等の公的証明書(コピー不可)

・【身体障害(精神障害も含む)で就労不能による場合】貸与奨学金返還免除願(本人、連帯保証人連署。機関保証制度加入者は本人のみ。)、返還困難となる事情を証明する書類(収入に関する証明書類)、医師又は歯科医師の診断書(日本学生支援機構所定の用紙)

参照:日本学生支援機構「返還免除」

返還猶予・減額の申請手続きは毎年一回ずつ!忘れると不承認となるので注意

奨学金の返還猶予・減額制度は毎年一回ずつ申請手続きが必要です。(毎年奨学生の収入状況を確認し審査している)

そのため、意識せずに稼ぎすぎてしまうと収入条件を超してしまい、猶予・減額制度の適用外となってしまうので、日々収入明細を付けるなどで管理を徹底しましょう。

また、奨学金の返還猶予制度の場合、猶予期間が終了する3ヶ月前に「奨学金返還期限猶予期間の終了と返還開始のお知らせ」という書類が送付されます。

返還猶予を引き続き受けたい場合は、早めに猶予の更新手続き(再申請)をしましょう。

お知らせ書類の中には、再申請書類も同封されているので指示通りに申請していけば問題ありません。

参照:日本学生支援機構「奨学金の返還に関する各種通知について」

日本学生支援機構の救済制度以外で払えない奨学金を対処する方法

日本学生支援機構の奨学金返還猶予・減額・免除制度を利用しようと思っても、制度利用における条件を満たさなければ利用できません。

そのときに「一体どうやって奨学金の返還に対処すればよいのか」悩みますよね?

この項目では「副業して奨学金の返済金を稼ぐ方法」と「親族からの金銭的援助」という2つの対処方法について詳しく解説していきます。

副業等の仕事を増やして奨学金の返済に充てるお金を稼ぐ

もしも、前項で紹介した奨学金の返還猶予・減額・免除制度が適用されなかった場合、どうにかして奨学金を返済していくしかありません。

現在の収入で足りないのであれば、副業等でお金を稼いで返済に回していく必要があります。

長い期間継続して返済していくという奨学金の特性上、工事現場などの体力を使う日払いの副業や確実な収入が得られないせどりなどで稼ぐよりも、安定して継続的に収益を上げられる副業を選んだほうが良いでしょう。

【おすすめの副業】WEBライター

パソコンかスマホと文章力があれば、奨学金の月々返済分は稼げます。

まず、クラウドソーシングサービス経由でライター契約するのが基本です。ライティング能力が上がると文字単価が高めの直接契約の依頼がくるようにもなります。

ライターの中には月々20万円以上稼いでいる人もいるので、本業と同等の収入を得ることも夢ではありません。

【おすすめの副業】イベント派遣スタッフ

休日も働けるのであれば、ひと月で3日ほど仕事の時間に充てることで、奨学金の月々返済分は稼げます。

イベントが好きな人は楽しい気持ちで稼げるため、心理的負担も軽いです。

ちなみに、自分が好きな案件の中で日給8,000円以上の案件を選んだほうがいいです。日給が安すぎると拘束時間や仕事量の割に合わないので、時間を無駄にしてしまいます。

また、拘束時間が長い現場や現場自体が遠方にある案件は、交通費や宿泊費等がかかるので避けたほうがいいです。

【おすすめの副業】Uber Eatsなどの宅配ドライバー

最近は、携帯一つで手軽に登録・仕事ができる宅配ドライバーの仕事があります。

Uber Eatsなどの宅配ドライバーは原付バイクに乗れなくても、自転車があればお金を稼げます。

また、自転車での配達は日々の運動不足やストレス解消にもなるので、奨学金の返済で暗くなった気分をリフレッシュさせるメリットもあります。

自転車が乗れれば誰でもできる簡単な仕事なので、奨学金の返済分だけを稼ぎたい人にとってはおすすめの副業かもしれませんね。

親族などに奨学金の返済を援助してもらう

奨学金の返済において最も厄介な点は、連帯保証人・保証人が設定されていることです。

そのため、返済不備によって連帯保証人・保証人の家族などへ悪影響が出てしまう状況を先に変えることが重要です。

奨学金の借入総額が300万円以下(※)と平均よりも低く、経済的余裕のある親族(連帯保証人や保証人なども含む)がいれば、その人に援助してもらって先に奨学金を一括で返済してしまう、という手段があります。

さすがに1,000万円以上の奨学金だと親族に援助してもらえる可能性は薄いですが、数百万円なら援助ができるという人がいるかもしれません。

親族からお金を援助してもらうことに抵抗があるかもしれませんが、返済できない状況が続くと結果的に悪影響を与えてしまいます。

それよりも、奨学生と連帯保証人・保証人の三者が力を合わせて奨学金を解消し、その後に負担してくれた親族にきちんと感謝を忘れず少しづつでも返済していくことが、最善の道です。

※日本労働組合総連合会の資料によると奨学金の平均借入額は「312.9万円」とのこと。

参照:日本労働組合総連合会「高等教育無償化の推進と奨学金制度のさらなる拡充」チラシ資料

奨学金を債務整理で解決する上手なやり方!

基本的に奨学金は債務整理に向いていない負債のひとつです。

というのも、連帯保証人・保証人が設定されているので、その人達への影響を考えなくてはならないためです。

※奨学金の解決方法で債務整理がおすすめできない理由については、以下の記事を参考にしてください。

ただし、カードローンや金融機関などの借金が影響して、奨学金自体の返済ができないといったケースでは、債務整理によって奨学金以外の債務を上手に圧縮し返済の余裕を生むことができます。

まず、債務整理には「任意整理」「自己破産」「個人再生」の3種類の借金整理方法があります。

この3種類の借金整理方法において、債務を選別して整理することが可能なのは「任意整理」のみです。

他「自己破産」「個人再生」は奨学金を含む全ての債務で手続きを進めるため、手続き後に日本学生支援機構からの連帯保証人・保証人への督促など、さまざまな悪影響が発生します。

そのため、奨学金を含む借金を債務整理で解決する場合は「任意整理」が最適です。

任意整理は奨学金だけを除外し借金の整理ができる

任意整理は名前の通り、自分が抱えている借金の中から任意のものだけを選択し、債務整理手続きを進められます。

まず、任意整理の依頼先は司法書士か弁護士になります。依頼時に債務状況を詳しくヒアリングされますので、包み隠さずすべての債務を伝えましょう。

奨学金以外の借金だけを任せる予定でも「奨学金を〇〇万円借りていて、今返済できない状況です」ということを担当者へ素直に伝えることで、今後の返済計画が無理のないものなのか判断し、司法書士や弁護士が状況に適した解決方法を提示してくれます。

任意整理の手続きが確定した後は、月々の借金返済額が抑えられるので、お金にも少し余裕が生まれます。

そして、奨学金の返済も滞りなくできるような状況なれば、あとは生活を維持しつつ債務のすべてを解消していくだけです。

その間に、収入を上げるために努力すれば、早期に借金を完済できるかもしれません。

任意整理で奨学金を含めると連帯保証人・保証人に一括請求されるので注意

任意整理の手続きで奨学金を含めてしまった場合、日本学生支援機構は奨学生本人から連帯保証人・保証人に取り立てを始めます。

奨学金本人の返済が見込めない場合、日本学生支援機構は早めに貸したお金すべてを回収するために動きます。具体的には連帯保証人・保証人には月々の返済ではなく奨学金一括請求の通知が送付されます。

その時点で、連帯保証人・保証人に任意整理の事実が知られてしまいますので、手続きする債務の内容には十分注意しましょう。

自己破産で奨学金含む借金全ての免責を得た後、機構に奨学金分割返済の相談をする

「連帯保証人・保証人に知られてもいい」「借金の事実を既に話している」といった状況であれば、自己破産によってすべての債務を一旦解消する方が良いケースもあります。

どうあっても自己破産でしか債務解消できないほど多額の借金を抱えてしまっている場合は、直接相談先の弁護士から自己破産を提案されることも多いです。

自己破産の場合、すべての債務を含める手続きなので奨学金も債務整理内容に入れなくてはいけません。当然、連帯保証人・保証人に一括請求がされます。

ですが、自己破産後でも日本学生支援機構と相談することで、奨学金を分割で返済していくことが認められるケースもあります。

自己破産しても「日本学生支援機構への相談で分割返済が認められる可能性がある」

これは日本学生支援機構の公式HPや配布資料に直接書かれていないことですが、奨学生本人が自己破産して一括請求の通知がきても、連帯保証人・保証人が一括で返済できない状況においては、ある程度分割返済の相談にのってくれます。

日本学生支援機構側で早く奨学金を全額回収したい思惑は確かにありますが、無いものは無い状況の人に一括返済を求めたところで、いつまで経っても回収できません。

あげく、連帯保証人・保証人も自己破産で免責を得てしまったら、最終的に貸し付けた金額が一銭も回収できず終わってしまいます。機構側は一銭も回収できない方がデメリットは大きいと考えています。

なので、日本学生支援機構は「きちんと返済する意志がある債務者からの相談」の場合、自己破産後でも分割返済を認めることがあります。

奨学金の一括請求をされたときは慌てずに、日本学生支援機構に分割返済の相談をしましょう。

奨学生が自己破産手続き中は連帯保証人・保証人が代わりに返済する

まず注意点として、自己破産手続き中の奨学生本人が直接日本学生支援機構に奨学金の返済をしてはいけません。免責が認められなくなる可能性があります。

また、自己破産手続き中は連帯保証人・保証人が日本学生支援機構に返済しなくてはなりません。そのため、債務者である奨学生本人は自己破産でお金に余裕が出た分、奨学金の返済金を毎月忘れずに連帯保証人・保証人に渡しておく必要があります。

流れとしては・・・
奨学生本人は借金を肩代わりしてくれた連帯保証人・保証人に月々返済
→連帯保証人・保証人は奨学生本人から受け取ったお金を日本学生支援機構に返済

個人再生で奨学金含む全ての借金の負債を約5分の1程度に減額して返済

車などの財産を残したい場合、個人再生の手続きが最適です。

個人再生は自己破産同様、奨学金など全債務を含めなくてはならないので、連帯保証人・保証人に日本学生支援機構から一括請求がいきます。

自己破産のように全債務の免責とまではいきませんが、借金を約5分の1程度にまで減額できるのと、車や預貯金、生命保険などの財産を残せるという点がメリットです。

所有権留保財産ローンなどで買った商品の売買代金が完済できておらず、所有権が買主ではなく売主にある財産のこと。所有権留保(特約)は売主が代金支払の担保のために設定するものであり、完済まで商品の所有権を自己に留保する効力をもちます。は引き上げられる可能性があります。

個人再生でも連帯保証人・保証人に一括請求がいくので借金が多額なら自己破産を推奨

奨学金を含む借金が多額かつ、残したい財産が特になければ自己破産を推奨します。

任意整理で解決できない借金はどちらにせよ自己破産か個人再生で解決するしかなく、奨学金の債務がある場合どちらも連帯保証人・保証人に一括請求の通知が送られます。

であれば、自己破産で全債務の免責を得たほうが奨学生本人にとってもメリットが大きいですし、連帯保証人・保証人に請求されている奨学金のお金を毎月工面していかなくてはならない状況を考えると尚更、他の債務は一切無くしておいたほうがいいでしょう。

債務整理後に奨学金の返済をしなくてはならないのに、個人再生で中途半端に債務を残す意味は全くありません。

債務整理で奨学金を含めた借金を上手に解消・返済した例

【ケース1】奨学金と消費者金融の借金総額が800万円以上ある30歳が自己破産後に奨学金を分割で返済

奨学金を借りていたAさん(30歳)は就職後、奨学金の返済をしていましたが、仕事がうまくいかず職場を転々とする日々でした。

収入が低く、奨学金の猶予を受けていた時期もありましたが、気づけば年齢も30歳。

奨学金返還猶予制度の適用期間も終わり、返還が開始され生活はさらにきつくなり、元々精神的に打たれ弱い部分もあったAさんは経済的余裕の無さから「うつ病」になってしまいます。

【Aさんの状況】

奨学金返済総額 500万円
その他債務総額 300万円以上
月々の収入 25万円

うつ病の影響で働けず収入が安定しないため、いよいよカードローンやクレジットカードによる借金に頼る生活となりました。

借金の返済額も膨れ上がってしまったため、奨学金の返済も遅れ遅れとなり、ついには延滞することに・・・

奨学金の延滞によって日本学生支援機構からの督促が始まり、ついには見覚えのない会社から厳しい内容が記載された一括請求の通知が届きました。

カードローンなどの借金と奨学金、両方の債務があるAさんに奨学金の連帯保証人であるAさんの母が「債務整理をして借金をまず無くそう」と提案し弁護士に相談しました。

債務総額が300万円以上という状況に加え、すでに奨学金の一括請求がきていたため、弁護士は自己破産での解決を提案。

このときにAさんの母が日本学生支援機構とも相談し「必ず遅れなく返済していくので分割で返済したい、一括では支払えない」と伝えたところ、分割返済が認められました。

結果、他の債務は自己破産で一切無くなり、精神的な重荷から解放されたAさんは仕事をしながら、奨学金を安定して返済できるようになりました。

【ケース2】奨学金と消費者金融の借金総額が400万円以上ある26歳が奨学金返還猶予中に他の借金を任意整理で解消!

Bさん(26歳)は大学卒業後、就職活動がうまくいかずアルバイトで生活を繋いでいたため、毎年奨学金の返還猶予制度の申請をして返済を先延ばしにしてもらっていました。

Bさんは日々、生活でお金が足りないときにクレジットカードを利用しショッピングなどをしていました。リボ払いの設定をしていたため債務は減らず、借金がどんどん膨れ上がり、自分の収入ではほぼ返済できない金額になってしまいます。

そして、足りないところはクレカ払い、翌月には収入のほとんどが返済に消え、日々の生活は自転車操業で食いつなぐような状況になってしまいました。返済が追いつかないものに関しては延滞し督促通知も届くようになります。

【Bさんの状況】

奨学金返済総額 300万円
その他債務総額 150万円以上
月々の収入 18万円以下

Bさんは借金をどうにかしないといけないと思い、インターネットで借金解決方法を調べていたところ「債務整理」という手続きを知ります。

しかし、奨学金は猶予をもらっている状態で債務整理をすると猶予が終わり、返済の督促が届くという情報も目にしたため、債務整理に踏み込めませんでした。

そんな中、借金問題に関して無料で相談ができるという弁護士事務所をみつけたので、Bさんは試しに相談をしました。

すると、弁護士から「奨学金の債務を含めない、任意整理という借金解消方法がある」と説明され、奨学金を除外し自分が解消したい借金だけを解消できるとBさんはアドバイスを貰ったので、任意整理の手続きを進めることになります。

任意整理の手続き開始後は督促通知や電話も止まり、精神的にも借金から解放された結果、奨学金の猶予は維持しつつ、それ以外の債務を計画的に返済していくことができました。

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奨学金が払えないときは猶予・減額・免除制度を活用しよう!

奨学金は猶予・減額・免除と、さまざまな救済制度が整っています。

そのため、学校卒業後に働く気力が一切沸かないなどの理由が無い限り、奨学金を延滞し一括請求の通知が来るような状況にはならないはずです。

ではなぜ、奨学金を延滞する人がいるのかですが、多くの場合「他の借金を作ってしまう」ことが理由です。

他の借金があるため奨学金を延滞してしまうケースでは、債務整理などで借金を解消することを最優先に考えたほうが将来的にも良いといえます。

連帯保証人・保証人にバレたくないなどで返済を自分一人で頑張っても、生活が苦しくなる一方で、どんどん悪い状況に陥ってしまう恐れもあります。

借金の中に奨学金も債務として含むような複雑な状況の場合、早めに諸々の事情を弁護士へ相談し、解決策を提示してもらいましょう

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