公務員が債務整理する場合の注意点と弁護士に相談するメリットについて

公務員 債務整理

現在地方公務員として役所勤めをしているのですが、消費者金融からの借り入れが想像以上に増えて困っています。公務員でも債務整理は利用できますか?

「公務員は債務整理できない」というルールは存在しないので、借金問題を自力で解決できないのなら公務員でも債務整理で返済状況改善を目指すべきでしょう。他の債務者と同じように、借金を滞納すると遅延損害金・ブラックリストへの登録・残債の一括請求・強制執行などのペナルティが科されるからです。

公務員が債務整理するときの注意点はありますか?できれば借金を抱えていることや債務整理したことを誰にも知られたくないのですが…。

原則として、債務整理をしても職場に報告されないのでご安心ください。ただし、共済組合からの借り入れを債務整理対象に含めてしまった場合には債権者である共済経由で借金問題がバレるリスクが生じます。とはいえ、共済組合の借り入れ以外について任意整理をするなどの工夫を凝らせるので、過度に不安を覚える必要はありません。

また、公務員が抱える借金総額は高額になるケースが多いので、債務整理の手続き選択・具体的な和解交渉などが難航する可能性があります。「職場にバレたくない」「有利な条件で借金問題を清算したい」などの希望を叶えるためには、公務員の債務整理実績豊富な弁護士・司法書士に相談するべきでしょう。

高額の借金で悩まされている公務員は少なくありません。安定した職業であるためキャッシング審査に通りやすいこと、借入上限額が高めに設定されることが原因です。

もし、消費者金融などからの借り入れを自力完済できない状況なら、すみやかに債務整理をご検討ください。公務員でも債務整理で借金問題を改善できるため、滞納によって生じるペナルティ(遅延損害金・ブラックリストへの登録・強制執行など)を回避できるでしょう。

ただし、公務員が債務整理をする際には、手続き選択時に慎重な判断を要します。たとえば、共済組合からも借入れをしているのなら、職場にバレないような任意整理計画案を作ったり、合意が得られにくい債権者に対しては強気に和解交渉を迫ったりする必要があります。

したがって、公務員の債務整理では、借金問題の実績豊富な弁護士・司法書士のアドバイスが不可欠です。専門家に相談すれば、「職場や家族にバレたくない」「最善の方法で生活再建を達成したい」という希望を反映してくれるので、できるだけ早いタイミングでお問い合わせください。

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この記事でわかること
  • 公務員の借金問題も債務整理で解決できる。公務員の借金総額は高額になりがちなので、返済継続が難しいなら滞納ペナルティが生じる前に手続きに踏み出そう。
  • 公務員が債務整理を利用しても職場にバレることは考えにくい。ただし、共済組合からの借り入れを債務整理の対象に含める場合は注意が必要。
  • 公務員が任意整理を利用するときは、債権者から厳しい和解条件を提示される可能性が高い。できるだけ有利な条件を引き出すためには弁護士・司法書士のサポートを受けるべき。
目次
  1. 公務員でも安心して債務整理していい3つの理由
  2. 公務員の方が債務整理を行った実際の事例
  3. 公務員が債務整理を利用するときの5つの注意点
  4. 公務員が債務整理するなら弁護士・司法書士に相談しよう
  5. まとめ

公務員でも安心して債務整理していい3つの理由

「公務員なのに借金トラブルを抱えていて恥ずかしい」「公務員が債務整理を利用するのは問題がありそう」など、公務員としての身分が原因で自力完済以外の方法を検討しにくいと感じている債務者は少なくありません。

ただ、借金問題の解決が遅れて滞納状態におちいってしまうと数々のペナルティが科されるため、毎月の収入から返済額を用意するのが難しいのならすみやかに債務整理に踏み出すべきです。

そもそも、次の3つの理由から、公務員が債務整理に躊躇する必要はありません。

  • ①債務整理を利用しても公務員が処分を受けることはないから
  • ②債務整理を利用しても職場にバレる可能性は極めて低いから
  • ③日常的に官報をチェックする人はほとんどいないから

したがって、公務員でも安心して債務整理による借金問題解決を目指せるので、できるだけ早いタイミングで弁護士・司法書士に相談して適切なアドバイスをもらうべきだと考えられます。

それでは、公務員でも安心して債務整理を利用できる3つの理由について、それぞれ具体的に見ていきましょう。

①債務整理を理由として公務員が処分を受けることはないから

公務員が債務整理を利用しても懲戒処分(戒告・減給・停職・免職)を科されません

なぜなら、公務員に対して懲戒処分を科す場合には、国家公務員法・地方公務員法に定められている懲戒事由に該当する事実が存在しなければいけませんが、「借金問題を抱えていること」「債務整理を利用したこと」は法定の懲戒事由には該当しないと考えられているからです。

公務員が懲戒処分を受けるのは次の場合に限られます。

(懲戒の場合)
第82条1項 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
1号 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項の規定に基づく訓令及び同条第四項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
2号 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
3号 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

引用元:国家公務員法

(懲戒)
第29条1項 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
1号 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
2号 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
3号 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

引用元:地方公務員法

たとえば、懲戒処分の対象になるのは、横領や贈収賄などの職務に関連した犯罪行為・痴漢や飲酒運転などの公務員としての信用を失墜させるような犯罪行為・パワハラやセクハラなどの非行行為・副業禁止規定違反などが挙げられます。つまり、個人的な借金問題は、公務員としての職務・仕事遂行能力には一切無関係の出来事なので、懲戒処分の対象にはなり得ないということです。

したがって、債務整理を利用しても「公務員」という身分を奪われることはないので、安心して借金問題解決に踏み出しましょう。

債務整理経験者でも公務員になれる

現在公務員試験を目指している人や、将来的に公務員への転職を希望している人のなかには、「債務整理の経験があると公務員になれないのではないか」と不安を抱えている場合もあるでしょう。

この点、過去に債務整理を経験していることは公務員資格の取得・採用の妨げにはならないのでご安心ください。なぜなら、公務員の欠格事由は法律で定められており、「借金問題を抱えていること」「債務整理の経験があること」は公務員の欠格事由には該当しないと考えられるからです。

公務員の欠格事由については、以下をご参照ください。

(欠格条項)
第38条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則で定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。
1号 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
2号 懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
3号 人事院の人事官又は事務総長の職にあつて、第百九条から第百十二条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
4号 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

引用元:国家公務員法

(欠格条項)
第16条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
1号 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
2号 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
3号 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
4号 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

引用元:地方公務員法

ただし、借金問題を抱えたまま公務員試験を目指すのは気苦労も多いでしょうし、受験勉強と返済生活の両立も簡単ではないでしょう。

したがって、現在公務員を目指している人が借金問題を抱えている場合には、できるだけ早いタイミングで生活再建の目途を立てるのがおすすめです。たとえば、今の段階で自己破産を選択しても公務員試験・採用活動には一切影響が出ないので、弁護士・司法書士までご相談ください。

ワンポイント解説
国・自治体にはブラックリスト情報の調査権限がない

債務整理を利用すると、任意整理なら約5年、自己破産・個人再生なら約10年間、信用情報機関に事故情報が登録された「ブラックリスト状態」になります。なかには、「信用情報にキズがついているのがバレると公務員試験に影響が出るのではないか?」と不安を抱える人もいるでしょう。ただ、信用情報機関に情報提供を依頼できるのは各団体に加盟している金融機関だけなので、国・地方公共団体が採用可否の判断のために信用情報にアクセスすることはできません(家族の信用情報についても同様です)。したがって、ブラックリスト登録期間中でも、それを理由に公務員になれない・公務員資格を奪われるということはあり得ないのでご安心ください。

②債務整理をしたことが職場にバレる可能性が低いから

債務整理を利用しても職場にバレる可能性は低いです。なぜなら、借金問題は債務者のプライベートな出来事なので、債務整理をしても裁判所や債権者から職場に通知が行くことはないからです。

むしろ、次のように、公務員が借金問題を放置して債務整理に踏み出すタイミングが遅れるほど、職場に借金問題を抱えていることがバレる可能性が高まる点にご注意ください。

  • 債権者が職場に電話連絡・訪問による取り立てを実施する(携帯電話への連絡がつかない場合に限り)
  • 滞納期間が長期化して給料が差し押さえられると国・自治体が強制執行手続きに巻き込まれる

したがって、「債務整理をすると職場にバレるか不安」ではなく、「債務整理を利用しないと職場に借金問題がバレる可能性が高まる」と考え方を切り替えて、借金問題と真正面から向き合う覚悟をもつべきだと考えられます。

※債務整理が職場・家族にバレるリスクについては、「自己破産をすると家族や職場などにバレる?知られるリスクと対処法について詳しく解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

③官報をチェックする人はほとんどいないから

債務整理のうち、自己破産・個人再生を選択した場合には、氏名・住所などが官報に掲載されます(任意整理なら官報掲載を回避できます)。債務整理を検討中の公務員のなかには、「官報に掲載されると周囲の人に借金問題がバレてしまうのではないか」と不安を抱えている人も少なくはないでしょう。

確かに、官報に情報が掲載されることによって、全国に対して債務者情報が発信される状態にはなります。

ただし、次の理由により、官報掲載によって家族・職場に借金問題がバレる可能性は極めて低いと考えられます。

  • 官報を購読している人はほとんど存在しない
  • そもそも官報の存在を知っている人も少ない
  • 官報の閲覧方法は限定的(図書館・インターネット・販売所で購入のみ)
  • Webで官報を無料閲覧できるのは発行日から30日以内
  • 官報掲載情報はインターネット検索でヒットしない仕様になっている

そもそも、官報に債務整理情報が掲載されるのは、金融機関などの債権者が情報にアクセスしやすいようにするためであって、全国民に周知することを目的としているわけではありません。

したがって、公務員が自己破産・個人再生を利用して官報に掲載されたとしても、職場に借金問題がバレることは考えにくいので、過度に不安を覚えずに債務整理に踏み出すべきでしょう。

※官報経由で自己破産・個人再生がバレる可能性については、「自己破産者が掲載される官報とは?官報掲載により周囲にバレるリスクがあるのかを解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

公務員の方が債務整理を行った実際の事例

「公務員が債務整理を行っても仕事には何の問題も生じない」とはいっても、実際に債務整理に踏み出すには勇気が要るものです。

そこで、実際に債務整理に踏み出した公務員の事例を参考に、債務整理で借金問題をどれだけ改善できるかの具体的なイメージを掴みましょう。

借金総額1,100万円を個人再生で解決したAさんの例(40代男性・公務員)

Aさんは、趣味の品物をカード決済する頻度が高く、カードローンなどの借り入れを頼っているうちに借金総額が1,100万円に。

パートナーの月収を合わせると世帯月収が毎月約40万円あること、十数年前に購入したマンション(住宅ローン返済中)を手放したくないという希望から、住宅ローン特則を利用できる個人再生で借金問題解決に成功しました。

Aさんが実施した個人再生の概要は次の通りです。

  • 個人再生によって借金総額1,100万円を220万円に減額(利息負担も免除)
  • 減額後の220万円について3年の分割払い計画を作成(1ヶ月の返済額約6万円)
  • マイホームの返済計画をリスケジュールして家計に余裕を作れた
  • 自己破産を利用するとマイホーム処分を免れられないので個人再生を選択
  • 借金総額が高額なので任意整理を断念

40代男性公務員の場合、所有財産が多く、借金総額も高額になるケースが少なくありません。

個人再生なら借金総額を大幅に減額したうえで財産処分も免れられるので、Aさんの状況には適した生活再建方法だったと考えられます。

引用:弁護士法人名古屋総合法律事務所

借金総額1,000万円を任意整理で解決したBさんの例(50代男性・公務員)

公務員ということで高額の住宅ローン審査に通ったBさんですが、想像以上に毎月のローン代金が家計を圧迫するようになったため、銀行・消費者金融からの借り入れを頼る機会が増えてしまいました。

借金総額が1,000万円に至ったことで個人再生を検討しましたが、住宅ローン特則の要件を充たさず断念。自己破産を利用するとマイホームの処分を免れられませんが、「マイホームを手放したくない」という希望を最優先にするために任意整理での解決を目指すことになりました。

Bさんが実施した任意整理の概要は次の通りです。

  • 任意整理で将来利息をカット。元本のみの分割払い計画を作成。
  • 毎月の返済額14万円・返済期間6年で和解契約成立(公務員であるため長期間の和解契約締結が可能)
  • 個人再生の住宅ローン特則を利用できない状況でマイホームを手元に残すなら任意整理しか選択肢が残されていなかった

本来、任意整理では30~36ヶ月程度の返済計画を作成するのが一般的です。つまり、総額1,000万円の借金問題について任意整理を選択した場合には、毎月約30万円の分割払いを求められる可能性が高いということです。

ただし、Bさんの場合には、「公務員」という安定した職業であることが幸いし、通常では交渉がまとまりにくい和解契約案を成立させることができました。

したがって、公務員であることは借金総額が膨れ上がるリスクを抱える一方で、公務員以外の債務者よりも幅広い選択肢から債務整理手続きを検討しやすいというメリットも存在するので、すみやかに弁護士・司法書士にご相談のうえ、希望を叶えやすい債務整理手続きを提案してもらいましょう。

引用:みお綜合法律事務所

公務員が債務整理を利用するときの5つの注意点

公務員であったとしても借金問題を抱えているのなら債務整理で返済状況の改善を狙えますが、公務員という職業柄、債務整理利用時には次の5つの注意点に配慮しなければいけません。

  • ①特別職の公務員が自己破産すると資格制限を受けるリスクが生じる
  • ②公務員の任意整理交渉ではボーナス払いなどの厳しい条件を突きつけられる可能性が高い
  • ③共済組合からの借金を債務整理対象に含めると職場にバレる危険性がある
  • ④退職金見込み額が債務整理手続きの選択に影響を与える
  • ⑤債務整理実施後は信用情報にキズがついた状態になる

それでは、公務員が債務整理を利用するときの5つの注意点について、それぞれ具体的に見ていきましょう。

①特別職の公務員が自己破産すると資格制限を受けるリスクが生じる

公務員が「自己破産」による借金問題解決を希望する際には、資格制限を受ける可能性がある点に注意が必要です(個人再生・任意整理の場合には資格制限は生じないので特別な配慮は不要です)。

次のような役職に就いている公務員は、自己破産手続き開始~免責許可決定が確定するまでの間は仕事ができなくなります。

  • 人事官
  • 各種委員会(公正取引委員会・公害等調整委員会など)の委員長・委員
  • 各種公庫(環境衛生金融公庫・住宅金融支援機構など)の役員
  • 公証人役場の公証人
  • 簡易郵便局局長

このように、自己破産による職業制限を受けるのは特殊な役職に就いている場合に限られます。つまり、一般の公務員は自己破産を申し立てても普段と変わらずに仕事をすることができるということです。

また、資格制限が生じる期間は、自己破産手続きがスタートしてから免責許可決定が確定して復権するまでの数ヶ月間だけです。特別職の公務員が自己破産をしたからといって一生元通りの仕事をできなくなるというわけではないのでご安心ください。

※公務員が自己破産するときの注意点については、「公務員が自己破産するとバレたり懲戒免職になる?仕事への影響や処分を受ける可能性について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

ワンポイント解説
自己破産で免責許可決定が得られなくても復権は可能

特別職の公務員が自己破産をした場合には、「免責許可決定の確定によって復権し、職業制限が解ける」という流れとなりますが、免責不許可事由(財産隠し・深刻な浪費が原因)が存在する場合には免責許可が得られない可能性があります。この場合には、自己破産における免責許可決定で復権を狙うことはできませんが、①借金を完済する・②個人再生に切り替えて「当然復権」を狙う・③任意整理に切り替えて「申し立てによる復権」を狙う・④10年経過による「当然復権」に期待する、という方法でふたたび公務員の特別職に復帰することができます。仕事の状況などと照らし合わせて手続きを選択する必要があるので、特別職公務員として仕事をしている場合には、かならず弁護士・司法書士に相談しましょう。

②公務員の任意整理交渉ではボーナス払いを求められる可能性が高い

公務員が「任意整理」による借金問題解決を狙う場合には、債権者との間で進める和解交渉に注意が必要です。

なぜなら、「公務員」という安定した職業に債権者が注目して、ボーナス払い・短期間での分割払いなどの厳しい条件を突きつけられる可能性が高いからです。

任意整理におけるボーナス払いとは、毎月の通常返済額に加算して、ボーナス月は追加で支払いを求められる返済方法のこと。ボーナス払いを強いられると手元に残るお金が減るため、家計がひっ迫する・住宅ローンの返済スケジュールに影響が出るなどの支障が生じます。

したがって、公務員ができるだけ負担を軽減しながら任意整理計画案をまとめるためには、任意整理交渉に慣れた弁護士・司法書士に依頼をして有利な和解条件を引き出す必要があります。債務者個人だけで任意整理交渉を実施すると実践不可能な返済スケジュールを求められて生活再建を達成できないリスクがあるのでご注意ください。

③共済組合からの借金を債務整理対象に含めると職場にバレる可能性がある

公務員の場合、福利厚生の一環として共済組合による貸付け制度を利用することができます。金融機関からの融資と比べて低金利条件で借りられること(無利息~年利率1.26%)・連帯保証人の提供不要・給料からの天引き方式で返済できること・信用情報にキズがついていても融資を受けられることなど、公務員にとってメリットが大きいため利用する人が少なくありません。

そして、消費者金融などの借金問題を抱えている公務員債務者の多くは、共済貸付けを利用しているはず。このような状況のとき、共済貸付けを債務整理の対象に含めてしまうと職場に借金トラブルを抱えていることがバレる可能性が高いため注意が必要です。

もちろん、共済貸付けを債務整理の対象に含めて職場に借金バレをしても処分等には至らないので過度におそれる必要はありませんが、社会的信用が失墜するのを避けたいのなら債務整理時に次のポイントを押さえましょう

  • 全債務が整理対象になる自己破産・個人再生は避ける
  • 共済貸付け以外の借金について任意整理を実施する

このように、任意整理なら柔軟に返済計画を作り直せる反面、公務員であることから厳しい和解条件を提示されるおそれが高いため、和解交渉は計画性をもって丁寧に進めなければいけません。

弁護士・司法書士に依頼すれば債務者の希望をできるだけ反映した和解計画案作成に尽力してくれるので、共済貸付けを利用している場合にはかならず専門家の力を借りましょう。

ワンポイント解説
ブラックリストの債務者でも共済貸付けなら利用できる

共済貸付けを利用する際には、信用情報機関への照会なしでお金を借りることができます。つまり、消費者金融などへの返済を2ヶ月以上滞納して「長期延滞」を理由にブラックリストに登録されている公務員でも共済組合からなら融資を受けられるということです。借金が原因で生活費にも支障が出るような状況でも共済組合というフォロー体制が整っているので、資金繰りが厳しいときには他社からの追加融資ではなく共済組合を頼るようにしてください(もちろん、同時並行的に債務整理について検討する必要はあります)。

④退職金見込み額が債務整理手続きの選択に影響を与える

公務員が「自己破産」での解決を希望する場合には、退職金見込み額が原因で不利な状況に追い込まれるリスクがある点に注意が必要です。

まず、押さえる必要があるのは、自己破産で免責を狙うためには、債務者名義の財産などを処分しなければいけないという点。新得財産破産手続き開始決定後に取得した財産差し押さえ禁止財産生活するために最低限必要な財産等のこと。家財道具や子どもの教材など。・99万円以下の現金などの「自由財産」だけは手元に残すことができますが、自由財産に含まれない財産は処分対象とされます。

そして、解雇処分などを受けない限り、公務員は高額の退職金を受け取ることが確約された職業です。つまり、退職金債権も債務者が所有している財産であると考えられるため、次の範囲において自己破産の際には換価処分を免れられないということです。

  • ①退職時期が未定の場合:自己破産時点における退職金見込み金額の1/8が換価処分対象
  • ②自己破産中に退職予定・自己破産前に退職済みで退職金受け取り前の場合:退職金の1/4が換価処分の対象
  • ③すでに退職金を受け取っている場合:家計に流入したとみなされ、99万円以上の現金・20万円以上が全額処分対象

特に注意を要するのが、現段階において退職予定はなく、向こう数十年は公務員として勤務する予定があるケースです(①)。

なぜなら、この場合には、現段階における退職金見込み金額の1/8が換価処分対象に含まれますし、自己破産手続き中に1/8相当額のお金を裁判所に支払わなければいけないからです(この時点で実際に退職して退職金を受け取ってしまうと、今後給料を受け取ることができなくなってしまうため、生活再建が実現しません)。

つまり、公務員が自己破産をする際には、破産手続き中に退職金見込み額の1/4~1/8に相当する金額を自力で調達しなければいけないということです。もちろん、裁判所によっては分割払いを認めてくれるケースもありますが、退職金債権の1/4~1/8相当額を払えないという状況にもなりかねないでしょう。このような場合には自己破産を諦めざるを得ないため、柔軟に個人再生・任意整理を検討する必要があります。

このように、公務員が自己破産を希望する場合には乗り越えるべきハードルが少なくないので、かならず弁護士・司法書士に相談のうえ、現実的な生活再建方法を選択しましょう。

※自己破産における退職金の取り扱いについては、「自己破産で退職金は資産扱い!換価処分対象外となる退職金はある?会社にバレず退職金見込額証明書を取得する方法も解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

ワンポイント解説
職場にバレずに退職金見込額証明書を発行する方法とは?

自己破産選択時には財産調査のために裁判所へ「退職金見込額証明書」を提出しなければいけません。ただし、職場に「自己破産するので退職金見込額証明書を出してください」とは素直に言いにくいもの。職場にバレずに退職金見込額証明書を貰うためには、①ファイナンシャルプランナーの相談に必要・②住宅ローン審査で必要・③親族が受ける融資の連帯保証人審査に活用したい、などの回答が役立ちます。なお、就業規則に退職金についての詳細な規定が存在する場合には、就業規則のコピーを退職金見込額証明書に代用できる場合があるので、専門家までご相談ください。

⑤債務整理実施後は信用情報にキズがついた状態になる

債務者の職業が公務員であるか否かにかかわらず、債務整理を利用した後は信用情報機関に事故情報が登録されます。これは、「ブラックリスト状態」と言われるものです。

ブラックリストに登録されると、債務者の日常生活には次のようなデメリットが生じます。

  • ①現在発行中のクレジットカードがすべて強制解約される(ETCカードなどの付帯サービスも利用不可)
  • ②新規のクレジットカード発行ができなくなる(入会審査に通らないため)
  • ③新規にローンを組めなくなる
  • ④スマートフォンの端末代金を分割払いできなくなる(一括購入なら可能。また、回線契約自体も問題ない。)
  • ⑤子どもの奨学金借り入れ時に機関保証制度を強いられる(親の連帯保証人資格が認められないので)
  • ⑥賃貸物件の入居審査・更新審査に悪影響が出る(信販系の家賃保証会社付き物件のみ)

ただし、債務整理を原因とする事故情報は、任意整理の場合には約5年、自己破産・個人再生の場合には約10年で抹消されます。つまり、これらの期間が経過すればブラックリスト情報は抹消されるので、信用回復して事故情報登録前の状態に戻るということです。

そもそも、借金を2ヶ月以上延滞すると、「長期延滞」を理由にブラックリストに登録されてしまいます。公務員が背負う高額の借金を自力完済できないのであれば、遅かれ早かれ信用情報にキズがつくのは間違いないので、ブラックリスト入りは避けられない問題でしょう。

したがって、借金の自力完済が難しいのなら、今の段階で債務整理に切り替えて、信用回復の時期を前倒しする方が賢明だと考えられます。弁護士・司法書士に相談すれば、ブラックリスト登録期間中のデメリット克服方法などについても具体的なアドバイスが得られるので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

※ブラックリスト登録期間中のデメリットの詳細・対処法については、「債務整理の履歴は何年残る?ブラックリスト入りする影響と対処法」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

公務員が債務整理するなら弁護士・司法書士に相談しよう

公務員が債務整理で借金問題解決を目指すなら、弁護士・司法書士への相談が不可欠です。

もちろん、債務整理は債務者自身だけでも利用できますし、専門家を頼らなければ相談料・着手金・成功報酬などの依頼料を節約できます。

ただ、公務員が債務整理する際には注意点が少なくありませんし、弁護士・司法書士に依頼をすれば次の3つのメリットを手にすることができる点を見落とすべきではないでしょう。

  • 公務員としての事情を考慮して適切な債務整理手続きを選択してくれる
  • 弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば債権者からの取り立てが即時停止する
  • 弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば滞納ペナルティの深刻化を回避できる

それでは、公務員が債務整理利用時に弁護士・司法書士へ相談する3つのメリットについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

※「専門家に相談するのは気がひける」という公務員債務者は、「借金相談で怒られるは誤解!弁護士や司法書士は責めることなく借金問題を解決!借入と収支を整理しておこう!」をご参照ください。法律事務所に訪問したときのイメージや事前準備方法などについて解説しています。

弁護士・司法書士は公務員の状況に適した債務整理手続きを選択してくれる

弁護士・司法書士に相談すれば、公務員として置かれた立場・現在の借金状況・今後の世帯状況などを総合的に考慮して、自分にぴったりの債務整理手続きを選択してくれます。

ここまで紹介したように、債務整理には自己破産・個人再生・任意整理の3種類の手続きが存在します。どの手続きを利用しても公務員の抱える返済状況を抜本的に見直すことができますが、同時に、自分に適した手続きを選択しなければ効果的な生活再建が実現しないというリスクをはらむもの。専門家による丁寧なヒアリング・手続き選択は不可欠といえるでしょう。

各手続きの特徴は次の通りです。弁護士・司法書士に相談する前に情報を整理しておけば、ご自身の希望を伝えやすいでしょう。

手続きの種類 手続きの概要 減額効果
任意整理 ・裁判所を利用せずに債権者と直接交渉する手続き
・家族、職場に知られずに手続きを進めやすい
・公務員相手だと債権者から厳しい和解条件を突きつけられるリスクあり
・共済貸付けを除外、連帯保証人付きを対象外にするなど、自由度の高い返済計画を組める
・借金の将来利息をカットできる
・最終的な返済負担総額を1/2程度に圧縮できる可能性あり
・残債の一括請求後でも3年程度の分割払い計画を作成できる
自己破産 ・裁判所を利用する手続き
・すべての借金が整理対象になる
・財産処分、職業制限、移動制限などの自己破産特有のデメリットが多い
免責不許可事由ギャンブルや浪費が原因で借金を背負ってしまった場合・破産手続きを妨げる事情が存在する場合・クレジットカード現金化などの違法取引の形跡がある場合などは、免責不許可事由が存在するとして借金返済義務が帳消しされにくくなる。ただし、免責不許可事由が存在する場合でも、裁量免責という特殊手続きによって免責を狙う余地は残されている。非免責債権消費者金融などの借金は自己破産の免責対象になるが、税金や住民税、養育費、一定範囲の損害賠償請求権は、その性質上自己破産では免責されない。つまり、非免責債権の比率が多い状況では自己破産による解決は不向きだと考えられるので、別途調停などの方法に踏み出す必要がある。などの手続き上の注意事項も多い
・借金返済義務の免責を狙える
個人再生 ・裁判所を利用する手続き
・住宅ローン特則でマイホームを手元に残せる(自己破産のデメリットを回避できる)
・裁判所における手続きが複雑
・住宅ローンを除く借金総額次第で元本減額率が異なる(最大1/10まで圧縮可能)
・残債の一括請求後でも原則3年の分割払い計画に引き直せる(最長5年まで)

公務員の借金の利息をカットできる「任意整理」

任意整理を利用すれば、消費者金融などの貸金業者から課される高利率の利息負担から逃れられます

たとえば、現在借金総額500万円(年利率15%)を抱えている場合、任意整理を利用しなければ完済までに次のような利息負担を強いられます。

毎月の返済額 利息負担総額 支払い総額 返済期間
10万円 2,895,537円 7,895,537円 79回
12万円 2,106,927円 7,106,927円 60回
15万円 1,508,492円 6,508,492円 44回

任意整理を利用すれば、利息発生総額を0円に抑えたうえで、元本のみの分割払い計画を作り直せます。返済期間の短縮化・支払い負担総額の減額によって、効率的に生活再建を目指せるでしょう。

ただし、たとえば任意整理で3年完済の分割払い計画で和解契約が成立した場合、毎月の返済額は約14万円となります。任意整理前の毎月の返済額よりも月々の負担が増えるリスクがあるのでご注意ください(弁護士・司法書士に相談をして実践可能な返済計画を債権者と交渉してもらうのがおすすめです)。

公務員の借金返済義務を免責できる「自己破産」

自己破産を利用すれば、消費者金融などからの借金返済義務を帳消しにできます。つまり、自己破産は、「今すぐに借金返済生活を終わらせたい」と希望する債務者におすすめの債務整理手続きだといえるでしょう。

ただし、借金返済義務の免責という絶大なメリットを手にするためには、相応のデメリットに耐えなければいけません(債権者・債務者間の利害のバランスを取るためです)。

自己破産を利用すると次のようなデメリットを避けられないので、メリット・デメリットを天秤にかけて、自己破産を利用するべきかご判断ください

  • 債務者名義の財産が処分される(「自由財産」だけは手元に残せる)
  • 破産手続き中は職業制限が生じる可能性がある(一般の公務員には無関係なデメリット)
  • 破産手続き中は移動制限が生じる(出張のたびに裁判所の許可が必要になる)
  • 破産手続き中は郵便物を自分で管理できなくなる
  • 自動車税や罰金、慰謝料などは免責の対象外になる

公務員の借金元本額自体を減額できる「個人再生」

個人再生を利用すれば、消費者金融などの借金元本自体を減額して原則3年の分割払い計画を作り直せます

次のように、住宅ローンを除く借金総額に応じて元本減額率が定められています。

借金総額(住宅ローンを除く) 減額割合(=最低弁済額)
100万円未満 借金全額(減額なし)
100万円~500万円未満 100万円に減額
500万円~1,500万円未満 1/5に圧縮
1,500万円~3000万円未満 300万円に減額
3,000万円~5,000万円 1/10に圧縮

たとえば、消費者金融から総額500万円の借金を抱えている公務員が個人再生を利用した場合、減額率は1/5なので借金返済総額を100万円に減額することが可能となります(しかも、3年の分割払い計画を作り直せるので、毎月の返済額は約3万円で収まります)。

したがって、「自己破産のデメリットを回避したい」「公務員という立場が原因で借金総額が高額になってしまったので任意整理以上の減額効果が欲しい」と希望する場合には、個人再生で借金問題解決を目指すべきでしょう。なお、個人再生手続きは複雑な内容になっているので、スムーズな手続き進行を希望するのなら弁護士・司法書士に依頼することを強くおすすめします。

弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば債権者からの取り立てが停止する

弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、その時点で債権者からのすべての取り立てが停止します。これは、専門家が債権者に送付する受任通知に債権者の取り立てを禁止する効力があるからです(貸金業法第21条1項9号)。

債権者からの取り立てが停止するということは、以下のようなリスクから解放されることを意味します。

  • 自宅に届く督促状・催告書などが原因で家族に借金トラブルがバレるのを回避できる
  • 頻繁にかかってくる携帯電話への督促電話を家族に不審に思われなくなる
  • 回収担当者が自宅訪問をして家族が不安を感じるのを防げる
  • 職場への問い合わせ・訪問を予防できるので、職場に迷惑をかけずに済む

債権者による督促行為は、債務者本人だけではなく家族・職場に迷惑が生じ得るものです。

専門家に債務整理を依頼すればその時点で取り立てストレスから解放されるので、債務整理準備・生活再建に集中しやすくなるでしょう。

※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

ワンポイント解説
専門家への依頼によって返済自体も一時的にストップする

借金苦でお困りの債務者のなかには債務整理費用の捻出に不安を覚えている人も少なくありませんが、弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、依頼時~債務整理手続き終了時までの間、毎月継続していた返済自体をする必要がなくなります(自己破産の場合には、その流れの延長で返済生活が終了するということです)。したがって、毎月高額な返済を継続していた公務員ほど、その分を債務整理費用・生活費に回しやすくなるでしょう。

弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば借金滞納ペナルティの深刻化を回避できる

借金総額が高額になる傾向にある公務員ほど、借金滞納時のペナルティが厳しい内容になる可能性が高いので、早期に弁護士・司法書士に相談をして適切な債務整理手続きに踏み出すべきでしょう。

債務整理利用前に滞納問題を抱えてしまうと、延滞日数に応じて次のようなペナルティが段階的に生じます。

  • 【滞納翌日~】日割りで遅延損害金が発生する(年利率20%)
  • 【滞納翌日~】厳しい取り立てがスタートする
  • 【滞納2ヶ月~3ヶ月頃】信用情報にキズがつく
  • 【滞納2ヶ月~3ヶ月】期限の利益を喪失して残債を一括請求される(自力完済が不可能になる段階)
  • 【滞納3ヶ月以降】強制執行により財産等が処分されるリスクが高まる

したがって、現段階で借金の滞納が生じているか否かにかかわらず、借金総額を自力完済するのが難しいと判断できる状況なら、滞納ペナルティが重くなる前に債務整理を視野に入れるべきだと考えられます。

弁護士・司法書士に相談すれば、「債務整理を利用しなければどうなるか」についても具体的なイメージを伝えてもらえるので、将来的な展望を抱きにくい債務者はすみやかにヒアリングを実施してもらいましょう。

※借金滞納時に生じるペナルティについては、「借金が返せない!発生するペナルティと適切な対処法について」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

まとめ

公務員は安定した職業と社会的に評価されているため、容易にローン審査などに通ってしまいます。そのため、公務員ほど収入の範囲内で返済できる限度を超えた借金を抱えるリスクがあり、滞納時のペナルティも深刻になる傾向が強いです。

公務員でも債務整理で借金問題解決を目指せます。そして、公務員が債務整理を利用したとしても、仕事に影響が生じることはありません

ただし、公務員が債務整理をする際には、任意整理交渉の進め方・共済貸付けとの関係など、注意を払うべきポイントが多数存在します。

したがって、公務員が債務整理を実施する場合には、弁護士・司法書士に相談をして慎重に手続きを進めるべきだと考えられます。公務員の債務整理の実績豊富な専門家なら、公務員が抱える事情を丁寧に斟酌してスムーズに手続きを進めてくれるので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

公務員の債務整理に関するQ&A

公務員でも債務整理できますか?債務整理をすると処分を受けますか?

公務員の懲戒事由に「借金問題を抱えていること」「債務整理を利用したこと」は掲げられていないので、公務員でも仕事に影響なく債務整理を実施することができます。ただし、特定の公務員が自己破産を利用した場合にのみ「職業制限」のリスクが生じるので、職業制限対象の役職に就いている場合には手続き選択にご注意ください。

公務員が債務整理を利用すると職場にバレますか?

公務員が債務整理を利用しても職場にバレる可能性は極めて低いでしょう。なぜなら、債務整理に踏み出しても裁判所等から職場に通知がいくことはありませんし、自己破産・個人再生を利用した旨が掲載される「官報」を日常的にチェックしている人はほとんどいないからです。ただし、債務整理の対象に「共済組合からの借り入れ」を含んでしまうと組合経由で借金トラブルがバレるリスクがあるので、任意整理計画を柔軟に組み立てるなどの方法で対策をするべきでしょう。

公務員におすすめの債務整理手続きはどれですか?

借金を抱えている公務員にとって適切な手続きは異なります。たとえば、「どのようなデメリットを被ったとしても借金問題解決を最優先にしたい」のなら自己破産が適切でしょうし、「マイホームを手放したくない」のなら個人再生・任意整理を検討するべきでしょう。また、「共済貸付けを債務整理対象に含めたくない」のなら任意整理を選択せざるを得ませんし、「マイホームを残しながら高額になった借金元本自体を減額したい」のなら個人再生がおすすめです。このように、債務整理手続き選択時には、自分の状況・希望などの諸要素を総合考慮する必要があるので、弁護士・司法書士からのヒアリングが不可欠だと考えられます。

公務員が任意整理を利用するときの注意点はありますか?

任意整理は柔軟に和解契約を作り直せるという点で魅力的な債務整理手続きですが、債務者が「公務員」という安定した身分に就いている場合には、債権者から「ボーナス払い」「短期間での完済計画」を求められる可能性が高いです。したがって、債権者からの要望を受け入れるだけでは厳しい和解内容になるおそれがあるため、少しでも有利な条件で和解案をまとめるには交渉実績豊富な専門家のアドバイスが不可欠でしょう。