個人再生も官報への掲載は避けられない!掲載タイミングと周囲にバレる可能性を解説

個人再生も官報への掲載は避けられない!掲載タイミングと周囲にバレる可能性を解説

「自己破産をしたら官報に載る」とは、よく聞くのですが個人再生なら官報への掲載は避けられますか?

個人再生でも官報への掲載は避けられません。むしろ、官報へ掲載される回数は自己破産より個人再生のほうが多いですよ。

相談者:え?回数が多いとはどういうことですか?自己破産や個人再生によって官報へ掲載される回数は1回きりですよね?

違います。個人再生は自己破産よりも1回多い「3回」官報へ掲載されます。掲載されるタイミングは「手続き開始決定時」「決議もしくは意見聴取の決定時」「再生計画認可決定もしくは不認可決定時」です。

個人再生をすれば、最大で3回あなた(債務者)に関する情報等が官報へ掲載されます。官報へ掲載される事項は「債権者(お金を貸した側)へのお知らせ」という意味合いが強く、掲載されるタイミングによっても理由が異なります。

個人再生を検討されている方の中には、官報へ自分の情報が掲載されてしまうことで周囲の人にバレてしまうのではないか?と不安を抱えている方も多いです。しかし、実際にはこのような不安は不要です。

官報を閲覧する方は限られた一部の方であって、自分の情報のみがピンポイントで発見されてバレる可能性は極めて低いです。そこで今回は、個人再生でも官報へ掲載されてしまうのか?官報へ掲載されることによって受ける不利益やデメリットはあるのか?についてお伝えします。

この記事でわかること
  • 個人再生における官報掲載のタイミングは「手続き開始決定時」「決議もしくは意見聴取の決定時」「再生計画認可決定もしくは不認可時」の3回
  • 官報掲載回数の個人再生ですが、周囲の人にバレるリスクは極めて低い。過度な心配をする必要はない
  • どうしても周囲の人にバレたくない、官報への掲載を避けたい理由があるときは他の債務整理検討が必要。個人再生では、官報掲載を避けられる方法がない

個人再生による官報掲載は3回!掲載のタイミングはいつ?

個人再生によって官報へ掲載される回数は合計で3回です。債務整理の中では最多であり、官報掲載を避けたい方は注意が必要でしょう。

個人再生によって官報へ掲載されるタイミングは下記のとおりです。

  • 個人再生手続き開始の決定がされたとき
  • 書面決議もしくは意見聴取が決定したとき
  • 再生計画認可が決定したとき

以上3回掲載されることになりますが、まずはどういった目的で官報へ掲載をするのか?弁護士へ個人再生を依頼したあと何か月後くらいに掲載されるのか?などについてお伝えします。個人再生による官報掲載を懸念されている方は参考にしてください。

1回目は「個人再生手続き開始が決定したとき」

個人再生によって官報へ掲載される1回目は「個人再生手続き開始決定がされたとき」です。弁護士へ依頼したあと、個人再生に向けた準備をしておおよそ1か月程度で手続きを開始するか否かの決定がされるでしょう。

1回目の官報掲載理由は、個人再生手続き開始が決定したことを伝えて、各債権者(お金を貸した側)に対し「債権届出を受け付けますよ」と知らせる目的があります。

債権届出とは?

債権届出とは、債権者があなた(債務者)に対して「債権を有しています」と裁判所に届け出することを言います。個人再生は借金を大幅に圧縮する手続きであるため、債権額に応じた弁済額を得る権利を主張するためには、債権届出を出さなければいけません。

上記の目的から、1回目の官報では下記のことが掲載されます。

  • 事件番号
  • あなた(債務者)の氏名や住所
  • 決定年月日
  • 主文
  • 再生債権の届出期間
  • 一般異議申述期間
  • 管轄裁判所と支部

引用元:インターネット版官報

2回目は「書面決議もしくは意見聴取が決定したとき」

個人再生による官報掲載の2回目は「書面決議もしくは意見聴取が決定したとき」です。個人再生の申し立てからおおよそ3か月~4か月程度で書面決議もしくは意見聴取のタイミングが訪れるでしょう。

2回目の官報掲載理由は、個人再生を行う手続きによって異なります。小規模個人再生手続きのときは「再生計画に対する回答期限を知らせる意味」が込められています。よって、記載事項は下記のとおりです。

  • 事件番号
  • あなた(債務者)の住所と氏名
  • 決議に対する再生計画案
  • 再生計画案に対する回答期間
  • 決定日付
  • 管轄裁判所と支部

引用元:インターネット版官報

一方で、給与所得者等再生のときは「再生計画案に対する意見を言える期間を知らせるため」です。よって、下記のことが官報へ掲載されます。

  • 事件番号
  • あなた(債務者)の住所と氏名
  • 決議に対する再生計画案
  • 書面で意見を述べることができる事項
  • 決定日付
  • 管轄裁判所と支部

引用元:インターネット版官報

ワンポイント解説
小規模個人再生と給与所得者等再生の官報掲載理由は似て非なるもの

小規模個人再生も給与所得者等再生も「回答期限を知らせるため」という目的は同じです。しかし、小規模個人再生の場合、再生計画は債権者(お金を貸した側)の賛否の意思表示を行い、多数決で決議を行います。

一方で、給与所得者等再生は債権者の同意を必要としない手続きであるため、債権者はあくまでも意見を述べられるにとどまります。

3回目は「再生計画認可の決定がなされたとき」

個人再生における3回目の官報掲載は「再生計画認可の決定がなされたとき」です。申し立てから6か月以内にはほとんどの方が、再生計画認可もしくは不認可の決定を受けています。

3回目の官報掲載をする目的は、債権者(お金を貸した側)に対して「再生計画の認可もしくは不認可」をしたことを伝えるためです。3回目の掲載時には、下記のことが官報に掲載されることになるでしょう。

  • 事件番号
  • あなた(債務者)の氏名と住所
  • 主文
  • 理由の趣旨
  • 決定日付
  • 管轄裁判所と支部

引用元:インターネット版官報

個人再生で官報掲載されると家族や会社にバレる?官報掲載によるデメリットは?

個人再生の申し立てをして再生計画手続きの決定がされれば、官報掲載を避ける方法はありません。しかし、官報へ掲載する理由はあくまでも債権者(お金を貸した側)にその事実や期限等を知らせる目的です。

不特定多数の方が見られると言っても、周囲の人にバレたりデメリットを受けたりする心配はほとんど必要ないでしょう。

次に、個人再生で官報へ掲載されると不利益を受けることはあるのか?家族や会社にバレる可能性はあるのか?についてお伝えします。

会社や家族、知人等にバレる可能性は極めて低い

個人再生をして3回も官報へ掲載されてしまえば、家族や会社、友人知人等にバレてしまうのではないか?と不安に思っている方も多いですが、そのような心配はほぼ不要です。

そもそも、官報に掲載される情報は政令や国会に関すること、皇室に関すること等がメインです。何かしらの目的を持って見ようと思わない限りは、自分の周りの人が官報を閲覧する可能性は極めて低いでしょう。

中には「そもそも官報とは何?」と、官報の存在すら知らない方も多くいるのが現状です。万が一、自分に近しい人で官報を閲覧することが趣味な人がいれば、バレてしまう可能性は高いですが、そうでもない限りは無駄な心配と言えるでしょう。

官報を閲覧する人は限定的

官報は見ようと思えば誰でも閲覧できます。しかし、官報を閲覧する人はごく一部の人のみであって、下記のような職に就かれている方がメインです。

  • 税関連従事者(税務署職員や市区町村の税担当者)
  • 信用情報機関
  • 闇金業者

官報は誰でも見られるものですが、一般の方が個人再生手続き開始決定者等を見ても何ら得することはありません。中には、破産者や個人再生債務者を閲覧することが趣味の方がいるかもしれませんが、自分の周囲にいる可能性は極めて低いでしょう。

官報の入手場所は限られている

官報は目的がなければ、なかなか購入する機会はありません。普通の新聞等とは異なり、コンビニ等で販売されていないため「官報を買おう」と思って行動をしなければなかなか見つけられるものではないでしょう。

たとえば広大な土地を有する北海道で官報を購入しようとすれば、札幌市にある「北海道官報販売所」の1店舗のみです。離れたところに住まわれている方が、わざわざ札幌市まで毎日官報を購入しに来る可能性は極めて低いでしょう。

官報が販売されている場所を知りたい方はこちら

また、官報はインターネットでも閲覧できますが、無料で閲覧できるのは直近30日以内のもののみです。30日経過以降は有料(一部は無料で閲覧できますが、個人再生等は有料)で閲覧できますが、月額1,672円もしくは2,200円の費用を支払わなければいけません。

何かしらの目的がない方は、月額2,000円前後の料金を支払ってまで官報を閲覧したいとは思わないでしょう。

毎日膨大な量の情報が官報へ掲載されるため発見が困難

毎日発行される官報は、記載されている事項が非常に多いです。仮に、破産や個人再生等に絞ったとしても、毎日20~30ページ以上が更新されています。一般の方が毎日官報を閲覧し、何の目的もなく膨大な情報量の中であなたを見つけ出すのは非常に困難でしょう。

「絶対に見つけよう」といった、確固たる意志がない限りは見つけることが非常に困難です。「たまたま見た官報でたまたまあなたを発見した」といったこともありえますが、きわめて低い確率といえるでしょう。

上記のことからも、個人再生における官報掲載を過度に心配する必要はありません。官報掲載を懸念して個人再生に踏み込めないのであれば、弁護士に相談してみてください。

個人再生で官報へ掲載された情報は一生消えることはないけど過度な心配は不要

一度でも官報へ掲載されてしまった事項は、一生消えることはありません。官報は本来、紙媒体であるため物理的に一生残るのは言うまでもありません。

また、インターネットでもお金さえ支払えば一生分を閲覧できます。事実、昭和22年5月3日からの情報が未だに残り続けています。そのため、官報へ掲載された事実は一生涯ついてまわることになるでしょう。

とは言いつつも、官報掲載を過度に心配する必要がないのは何度もお伝えしている通りです。インターネットで閲覧できるとはいっても有料ですし、特定の日時をピンポイントで当てて、あなたを見つけ出すことは困難でしょう。

官報へ掲載されても大きな被害を受けることはない

個人再生をして官報へ掲載されても、何かしらの不利益を受けることはありません。先にもお伝えしたように、官報記載の目的は「債権者へのお知らせ」です。官報に掲載されていることを理由に、今後のクレジット契約等を断られる心配もありません(官報掲載がバレる可能性が少ないため。バレたら契約を断られる可能性があります)。

唯一、官報へ掲載されたことによって迷惑な行為を受けるとすれば、闇金からの勧誘です。個人再生をした直後で信用情報に問題があるときは、ローン契約等の審査通りにくくなります。そのような弱点をついて、あまい謳い文句で法外な利子で貸し付けを行います。

官報では氏名や住所等がすべて公になってしまうため、闇金業者からのDM等は避けられないでしょう。その際、闇金からの勧誘に絶対に引っかからないようにしてください。

官報掲載を避けたいなら個人再生以外の債務整理検討を

個人再生による官報掲載を避けたい方や、官報掲載の回数を減らしたい方は他の債務整理を検討すると良いでしょう。任意整理であれば、官報に1度も掲載されることなく借金の減額が可能です。自己破産も官報掲載の回数を「2回」に抑えられるため、官報掲載を懸念されている方は検討してください。

最後に「とにかく官報掲載による身バレや借金の事実をバレたくない」という方が検討すべき、債務整理についてお伝えします。債務整理は個人再生のみではないので、自分にあった手続きを検討すると良いでしょう。

任意整理であれば官報掲載は避けられる

任意整理をすれば官報の掲載を避けられます。ただ、任意整理では「将来の利息のみがをカットされるのが一般的であるため、個人再生ほど借金を減額できません。

借金返済額と官報掲載によるリスクを検討したときに、どちらが良いか検討してみると良いでしょう。どちらにすれば良いかわからないときは、弁護士へ相談するのもひとつの手段です。

自分の生活を再建させるためには何をするべきなのか?妥協すべきなのかしないべきなのか?など、あなたにピッタリの手続きを提案してくれることでしょう。「官報への掲載を避けたい」そう思うのであればまずは、弁護士へ相談してください。

個人再生をすると官報へ掲載されるって本当?回数やタイミングは?

個人再生をすると官報へ掲載されるのですか?

個人再生をすれば、その事実が官報へ掲載されます。

個人再生による官報掲載回数は何回ですか?

個人再生による官報掲載回数は「手続き開始決定時」「決議もしくは意見聴取の決定時」「再生計画認可決定もしくは不認可決定時」の3回です。

官報に掲載されることで家族や会社にバレたり、不利益を受けたりすることはないですか?

家族や会社にバレる可能性は極めて低いです。詳しくは本記事でお伝えしていますが、官報を閲覧する方の数や掲載されている情報量を考えれば、バレる心配は必要ないでしょう。また、官報掲載による不利益を受けることもほとんどありません。安心して個人再生手続きを開始してください。

まとめ

今回は、個人再生における官報掲載の回数やタイミングについてお伝えしました。個人再生での官報掲載は合計で3回「手続き開始決定時」「決議もしくは意見聴取の決定時」「再生計画認可決定もしくは不認可時」とのことでした。

個人再生をすれば絶対に官報掲載を避けられませんが、周囲の人にバレるリスクや官報掲載によって受ける被害は限定的です。そのため、あまり過度に心配する必要はないでしょう。

どうしても官報掲載を避けたいとか、官報掲載の回収を減少させたいと思うのであれば、任意整理を検討してください。

総合的に見て適切な債務整理手続きを選択するには、弁護士へのご相談をお勧めいたします。

今回お伝えしたことを踏まえて、自分がどのような債務整理をするべきなのか?個人再生が本当に正解なのかも含めて考えるきっかけにしてください。

阿部 由羅
監修者

重すぎる債務は、生活を大きく圧迫するだけでなく、精神的にも大きな負担となってしまいます。完済の見込みがつかない借金を返し続けるよりも、一度債務整理を行い、経済的にも心理的にも新たにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
債務整理を行う際には、債務者の方のご状況やニーズに合わせた手続きの選択や対応が必要になります。困難な状況に陥ってしまった方でも、債務の問題を解決するための糸口はきっと見つかります。円滑な債務整理を実現するために、弁護士として親身になってサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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