差し押さえ予告通知書が届いた後でも分割払いに変更できる!交渉を進めるポイントと債務整理の可能性を解説

住民税の差し押さえ予告通知書が届きました。実は、生活費補填のために消費者金融を利用しはじめたのですが、想像以上に返済が厳しく、借金だけではなく住民税も滞納してしまっています。このまま延滞がつづくとどうなりますか?

差し押さえ予告通知書が届いたということは、強制執行が目前に迫っているということです。税金や保険料を滞納した場合はいつ滞納処分が実行されるか分からない状態、そして、借金の支払いが滞っている場合は支払督促・訴訟という法的措置を経由して強制執行が実行されるという流れです。給与・財産などが差し押さえられて滞納分の返済に充てられます。

「期限までに全額返済しなければ差し押さえを実行する」と記載されていますが、毎月の支払いさえ難しい状況で、全額の返済は不可能です。今からでもなんとか分割払いに戻すことはできないでしょうか?

何を滞納したかによって対処法は異なります。借金を滞納して差し押さえ予告通知書が届いた場合には、債務整理を利用すれば返済状況を改善できます。任意整理・個人再生なら返済負担を軽減した状態で3年~5年で完済できる返済計画を作り直せるでしょう。

その一方で、税金や国民年金保険料などを滞納した場合には、債務整理で返済状況を改善することはできません。行政と直接交渉をして、分納を認めてもらいましょう。ただ、借金について債務整理を利用すれば税金等を支払いやすい家計環境を生み出せるはずです。このような返済計画について具体性をもって交渉すれば行政側の納得を得られやすくなります。総合的な判断が必要になるため、借金問題に強い弁護士に判断を仰ぐのがおすすめです。

差し押さえ予告通知書が届くと、強制執行・滞納処分は目前に迫っています。請求額全額の支払いができない状況がつづくと、すみやかに対策をとらなければ給与・財産などが差し押さえられてしまいます

住民税や国民年金保険料などの滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合、すみやかに行政などの窓口まで分割払いの交渉をしてください。住民税・国民年金保険料は債務整理の対象外なので、担当者の納得を得られない限り、分割払いは認めてもらえないからです。

これに対して、税金等の支払いだけではなく、借金の返済でも困っている状況なら、債務整理で借金の返済状況を改善して、すべての支払いをしやすい家計環境を作り出すことができます。消費者金融から差し押さえ予告通知書が届いた場合でも任意整理・個人再生を利用すれば分割払いに変更できますし、借金の返済負担が軽減されたら税金・保険料などの支払いも楽になるでしょう。

差し押さえ予告通知書が届いた以上、強制執行までは時間の余裕がありません。適切な方法で生活再建を目指すためには債務者の返済状況・支払い状況を総合的に考慮する必要があるため、すみやかに借金問題に強い弁護士までご相談ください

>>【差し押さえ予告通知書が届いた債務者の方へ】分割払いに戻したいなら当サイトおすすめ弁護士へご相談を

この記事でわかること
  • 差し押さえ予告通知書が届くと、期限までに借金全額・滞納分を一括返済しなければ強制的に債権回収が行われる。給与・預金口座・財産などが差し押さえられると二度と今まで通りの生活はできなくなる。
  • 借金滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合には、債務整理で返済状況の改善を目指せる。任意整理・個人再生なら、返済負担を大幅に軽減したうえで分割払いに切り替え可能。自己破産なら借金返済義務の免責を狙える。
  • 住民税・自動車税・固定資産税・国民年金保険料などを滞納した場合には、債務整理では対応できない。ただし、借金返済で家計が圧迫されている場合には、債務整理で借金返済状況を改善して税金等を支払いやすい環境を生み出せる。これらの下準備をしながら、税務署や行政の担当部局と分納について交渉しよう。
目次
  1. 差し押さえ予告通知書が届いた後でも税金・国保滞納分は分割払いを交渉できる
  2. 借金滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた後に分割払いに変更する方法は3つ
  3. 差し押さえ予告通知書の分割交渉を断られると財産・給与を処分される
  4. 差し押さえ予告通知書が届いたら弁護士に債務整理を依頼しよう
  5. まとめ

差し押さえ予告通知書が届いた後でも税金・国保滞納分は分割払いを交渉できる

住民税(市民税)・自動車税・固定資産税・国民健康保険料・国民年金保険料などは、日本国民である以上、かならず支払いをしなければいけません。

個人間の借金問題解決に役立つ”債務整理”は活用できないので、税金や保険料滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合には、次の2つの対処法を目指す必要があります。

  • ①分割払いの交渉をする
  • ②指定期日までに請求額全額を支払う

ただし、毎月の保険料の支払いさえ難しい未納者にとって、請求額全額の支払いをするのは簡単ではないでしょう。

したがって、「差し押さえを待ってもらうこと」「一括請求を分割払いに切り替えてもらうこと」を交渉することが、現実的な対処法と考えられます。

税金等の滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いたらすぐに役所に相談に行く

税金等の滞納が原因で送付される差し押さえ予告通知書は、最終通告書です。

「払えないものは払えない」と感じるのは当然のことですが、だからといって、差し押さえ予告通知書さえも無視してしまうと、「この未納者は自主的に支払う意思がない」と判断されることに。これでは、近い将来かならず滞納処分が実行されて、財産などが差し押さえられることになるでしょう。

したがって、差し押さえ予告通知書が届いた場合には、払える・払えないにかかわらず、かならず市役所に相談に行ってください

「支払い意思があること」を行政側に伝えるだけで、滞納処分が実行されるまでの時間稼ぎをすることができるでしょう。

差し押さえ予告通知書が届いたら具体的な根拠をもって分割払い・支払い猶予を交渉しよう

税金等の滞納が原因で送付される差し押さえ予告通知書では、ほとんどのケースで未払い分全額の一括返済を求められている段階です。

期限までに全額の返済資金を用意できないのなら、次の内容について交渉を進めましょう。

  • ①分割払いについて交渉する
  • ②納付期限の延長・猶予について交渉する
  • ③今後の納付について減免制度の利用可能性を相談する

それでは、各交渉方法について、具体的に見ていきましょう。

※住民税を滞納したときの交渉方法については、「住民税を滞納していると会社にばれる?住民税を支払えないときにすべき対処法も解説」でも詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

分割払いについて交渉する

各種税金・保険料の滞納分については、交渉によって分割払いに変更してもらうことが可能です。ただし、未払い状態がつづいている以上、未納者の希望条件が全面的に採用されるとは限りません。

過去の未払い状況・現在の滞納額・未納者の収入事情などを総合的に考慮したうえで、一般的には次のような条件の分割払い計画を認めてもらえることが多いようです。

  • 分割払いの回数は最大でも12回程度(1年以内に完済するのが目安)
  • 毎回最低でも1万円ずつは分割払いをする

自治体の予算の関係もあるため、年度を超えての分割払い計画は認められにくいのが実情です。また、最初から少額ずつの長期返済計画を打診するのは、担当者から「返済の意思がないのでは?」と疑念を抱かれかねません。

未払いが発生している以上、担当者に誠実に向き合い、丁寧に交渉を進めるのがポイント。具体的な返済可能性を提示しながら、できるだけ有利な返済計画になるように尽力しましょう。

住民税の分割を断られたらすみやかに弁護士に相談を

税金等の滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合、すでに何度も督促状・催告書を無視しているケースがほとんどでしょう。このような深刻な未納者については、分割払いを交渉しても断られる可能性が高いです。

この場合、指定期日までに請求額を用意できなければ滞納処分が待っています。素直に滞納処分を受け入れるというのも選択肢のひとつですが、どの財産等が差し押さえられるか分からない状況において、行政側の裁量に完全に委ねてしまうのはリスクが高いでしょう。たとえば、自宅が処分されると引越しを余儀なくされますし、会社に連絡されて給与を差し押さえられる可能性もあるからです。

したがって、住民税などの分割払いを断られた場合には、次の3つの方法をご検討ください。

  • 弁護士に相談して家計の無駄をチェック・必要なら借金問題について債務整理に着手
  • 自宅にある高価ブランド品・自動車など、優先順位の低い財産を売却して返済資金を作る
  • 親族や家族に相談して返済資金を工面する(消費者金融や闇金を頼るのは厳禁)

特に、住民税等の支払い以外に借金返済で苦しんでいるのなら、借金について債務整理を利用して返済状況を改善し、住民税などを支払いやすい家計環境を作り出すという手段が役立ちます

借金の返済状況を改善できたことを行政側に示すことができれば、住民税等の分割払いについて担当者からの納得を得られる可能性が高まるでしょう。そのためにも、まずは弁護士に相談をして、返済状況を総合的にカウンセリングしてもらうことを強くおすすめします。

納付期限の延長・猶予について交渉する

滞納分の税金等を分割払いするのさえ難しいというケースもあるでしょう。

この場合には、支払い期限の延長や猶予について相談することも可能です。消費者金融などの営利目的で貸金業を営んでいる場合とは異なるので、比較的融通が利きやすいでしょう。

ただし、分割払い交渉と同じように、どのような条件でも納付期限の延長・猶予を認めてもらえるわけではありません。

支払い意思があることを前提として、「いつまで待ってもらえれば支払いができるのか」について具体的な根拠を示しましょう。たとえば、再来月まで待ってもらえればボーナスが入ってくる、遺産相続協議が終了するまで待って欲しいなどのように、説得力のある主張を展開できれば、行政側が待ってくれる可能性は高まります。

ただし、住民税・各種保険料の支払い期限延長・猶予は認めてもらいやすいですが、自動車税・固定資産税については交渉のハードルが高いのが実情です。新型コロナウイルス感染症関連の徴収猶予を相談できる場合があるので、詳しくは窓口までお問い合わせください。

※国民年金保険料を滞納したときの交渉方法については、「赤色の特別催告状が届いたけど払えない!国民年金保険料をの猶予・免除方法や債務整理の必要性を解説」でも詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

今後の納付について減免制度の利用可能性を相談する

固定資産税・住民税は最初から年4回の分割払いが可能です。また、自動車税(軽自動車税を除く)についても、経済的事情等を理由として分割払いをすることができます。

つまり、各種税金の支払い期限が到来する前ならスムーズに分割払いに変更できる制度が用意されているので、担当部局まで詳しい内容をご相談ください。

ただ、新型コロナウイルス感染症の影響等によって収入減を強いられているという場合など、分割払いでも支払いが難しいということもあるでしょう。

そのような場合には、経済的困窮者などが利用できる減額・免除制度をご活用ください

住民税の減免制度 ・生活保護などの公的扶助制度を利用:全額免除
・障害者・未成年・ひとり親:所得に応じて一定割合減額
・失業や収入6割以下に減少:所得に応じて一定割合減額
固定資産税の減免制度 ・生活保護受給者が登記簿上の名義人
・公益のために不動産が使用される場合
・災害などで不動産が滅失・甚大な損害を受けた場合など
減免事由・固定資産税優遇の特例措置などは多岐にわたるので税務署までお問い合わせください。
自動車税の減免制度 身体障害者手帳・戦傷病者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳取得者が日常生活のために必要な自家用車について自動車税減免制度が用意されている。障害等級等によって細かい要件が定められているので、福祉事務所・自動車税事務所までご相談ください。
新型コロナウイルス感染症の影響 地方税納税者への影響緩和のために、地方税法が改正されて多様な納付猶予制度が用意されている。

参照:新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方税における対応について(総務HP)
参照:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)(東京都主税局HP)
参照:軽減措置(東京都主税局HP)

※国民健康保険料を滞納したときの交渉方法・各種減免制度については、「国民健康保険は滞納すると差し押さえに!払えないときの対処法3つを紹介」でも詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

借金滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた後に分割払いに変更する方法は3つ

消費者金融や銀行などの金融機関からの借り入れを滞納したことが原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合、残債の一括請求を分割払いに切り替える手段として、次の3つが考えられます。

  • ①弁護士に任意整理を依頼する
  • ②弁護士に個人再生を依頼する
  • ③差し押さえ予告通知書を送付した債権者に直接分割払い交渉をする
  • ④自己破産を利用すれば分割払いの必要なく借金返済義務から免責される

借金問題の解決には、債務整理が有効です。国が認めた借金減額制度なので、合法的に返済状況の改善を目指せます。任意整理・個人再生・自己破産のなかから自分に適した方法を選択してください。

それでは、差し押さえ予告通知書送付後に分割払いに変更する方法について、それぞれ具体的に見ていきましょう。

※一括請求を分割払いに変更する方法については、「一括請求を払えないなら分割払いの交渉を!返済継続が難しい場合の対処法も解説」でも詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

①弁護士に任意整理を依頼する

任意整理とは、将来利息の返済を免除してもらったうえで、3年~5年の分割払い計画を作り直す債務整理手続きのことです。裁判所を利用せずに債権者と直接交渉して手続きを進めるという点に特徴があります。

ただし、差し押さえ予告通知書を受け取った債務者が注意しなければいけないのが、任意整理には強制執行を停止する効力がないという点。せっかく任意整理交渉を進めたとしても、債権者がいつ差し押さえを実行するか分からないという不安定な状態に置かれることになります。

そこで、任意整理で一括請求を分割払いに切り替える際には、弁護士に依頼をして、「任意整理交渉後は強制執行を実行しないこと」を和解契約に盛り込んでもらう必要があります。これによって、「強制執行を回避する」「分割払いに変更して完済を目指す」という目的を達成できるでしょう。

任意整理のメリット ・将来利息の返済が免除される
・最終的な返済負担総額を大幅に軽減できる
・裁判所を利用せずに手続きを進められる
・3年~5年で完済できる返済計画を作り直せる
・連帯保証人への迷惑を避けられる
任意整理のデメリット ・返済計画次第では毎月の返済額が増えるリスクがある
・債権者が交渉に応じてくれないと手続きを進められない
・強制執行を停止する効力がないので交渉に盛り込む必要がある

②弁護士に個人再生を依頼する

個人再生とは、裁判所を利用して借金元本自体を減額してもらう債務整理手続きのことです。将来利息しかカットできない任意整理とは異なり、借金元本にまで踏み込んで一定割合での減額を狙うことができます(最大1/10)。

個人再生の最大のポイントは、住宅ローン特則を利用すればマイホームに住みつづけながら減額された借金の完済を目指せるという点。「今の生活を維持しながら3年で借金を完済したい」と希望する債務者におすすめの手続きです。

また、個人再生には強制執行を停止する効力があるので、差し押さえ予告通知書が届いた債務者にとってメリットが大きいと考えられます。

ただし、個人再生は裁判所における手続きが複雑というデメリットが存在します。債務者個人で書類を用意したり、裁判所からの認可を受けるための再生計画書を作るのはハードルが高いので、かならず借金問題に強い弁護士にご依頼ください。

個人再生のメリット ・借金元本を最大1/10まで減額できる
・住宅ローン特則を利用できる
・自己破産のように借金の原因を問われない
・自己破産のように財産が処分されることがない
・任意整理以上の減額効果を受け取りながら、原則3年で完済を目指せる
・差し押さえ予告通知書を受け取った債務者でも強制執行を回避できる
個人再生のデメリット ・裁判所における手続きが複雑
・サラリーマンなどの安定した給与所得者でなければ認可を得られない
・任意整理よりも手続きに時間・費用がかかる

③差し押さえ予告通知書を送付した債権者に直接分割交渉しても良い

どうしても債務整理を利用したくないという債務者は、差し押さえ予告通知書を送付した債権者に連絡をして、一括請求をもう一度分割払いに変更できないかを交渉してみましょう。

借金の返済方法は、当事者間の合意によって決定して良いもの。債権者が認めてくれさえすれば、延滞期間が長期化した債務者でも分割払いに切り替えることができます

ただし、直接交渉で分割払いに切り替えることのメリットは、「債務整理のデメリットを回避できる」という点だけです。

そもそも悪質な滞納状況にある債務者に対して分割払いの切り替えを認めてくれる可能性は低いですし、原則として利息条件は契約当初のまま。つまり、今までと同じような厳しい返済生活がつづくということです。

これでは、仮に債権者側が分割払いへの切り替えを認めてくれたとしても、いずれ返済が滞ることが目に見えています。そして、万が一ふたたび滞納が発生すると、債権者は容赦なく強制執行に踏み出すでしょう。

それならば、差し押さえ予告通知書が届いた段階で債務整理を利用した方が、長期的なスパンで物事を考えたとき、債務者にとって利益が大きいと考えるのが適切です。債務整理を利用することによって一定のデメリットは発生するものの、「返済しやすい分割払い計画を手に入れられる」という最大のメリットが得られるのは債務者にとって歓迎すべきことでしょう。

ワンポイント解説
差し押さえ予告通知書が届いた債務者は既にブラックリストに登録されている

債務整理のデメリットとして、「ブラックリストに登録される」というものが挙げられるのが一般的です。当初の契約通りに返済をしないため、信用情報にキズが付くことを避けられません。ブラックリストに登録されると、クレジットカードが使えなくなる・ローンを組めない・賃貸物件の入居審査に通りにくくなるなどのデメリットが生じるでしょう。
ただし、差し押さえ予告通知書を受け取った債務者は、「ブラックリストに登録されるのを避けたい」という理由で債務整理を躊躇する必要がないという点を押さえておくべき。なぜなら、差し押さえ予告通知書が届いたということは、借金の延滞期間が長期化しているということ。つまり、長期延滞を理由に、すでに信用情報にキズが付いていると考えられます。
したがって、差し押さえ予告通知書を受け取った債務者は、債務整理のデメリットが相対的に軽減された状態なので、デメリットを気にせずに債務整理に踏み出しやすいといえるでしょう。

自己破産を利用すれば分割払いの必要なく借金返済義務から免責される

任意整理・個人再生を利用すれば借金残債の一括請求を分割払いに切り替えることができます。

しかし、債務者のなかには、「明日の生活費さえ苦しい」「減額されたとしても完済まで返済を継続するのが難しい」「これ以上借金返済生活をつづける気力がない」という人もいるはずです。そのような場合には、中途半端に分割払いに切り替えて泥沼にはまるのではなく、自己破産を利用して借金生活を終わらせるという選択肢をご検討ください。

自己破産とは、裁判所を利用して借金返済義務の免責を狙うという債務整理手続きのことです。分割払いではなく、返済義務の帳消しという点に特徴があります。

ただし、「借金が免責される」というメリットばかりに注目してはいけません。メリットが大きいということは、デメリットもそれに比例して重くなるということ、弁護士に相談をして、自己破産のメリット・デメリットを比較衡量してもらったうえで、適切な判断を仰ぎましょう。

自己破産のメリット ・借金返済義務が免責される
・無職、フリーター、専業主婦でも利用できる
自己破産のデメリット 財産が処分生活に最低限必要な財産以外は処分対象になる。マイホームや自動車、20万円以上の預貯金は手元に残せない可能性が高い。される(差し押さえが実行された場合と同等の被害を受けるリスクあり)
・免責されない支払い義務がある(非免責債権一定の支払い義務は自己破産でも免責されない。たとえば、養育費や税金・一定範囲の損害賠償義務がこれに当たる。
・ギャンブルが原因の借金など(免責不許可事由免責不許可事由が存在すると、裁量免責を経なければ免責許可を獲得できない。ギャンブルや浪費・株式取引の失敗が原因で借金を背負った場合や、財産隠し・クレジットカード現金化などがこれに当たる。)だと免責までのハードルが高い(裁量免責免責不許可事由が存在する場合でも例外的に免責許可を狙える手続きのこと。債務者が真摯に反省している・生活再建のサポート体制が整っているなどの事情を担当裁判官が審尋手続きにおいて判断することになる。
・破産手続き中に職業制限を受ける仕事がある(警備員など)

差し押さえ予告通知書の分割交渉を断られると財産・給与を処分される

次に掲げるケースでは、財産・給与・預貯金口座などが処分されることになります。

  • 住民税などの滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いたのに無視をした
  • 住民税などの滞納について分割交渉を断られた
  • 消費者金融などの金融機関からの差し押さえ予告通知書を無視した

差し押さえ予告通知書を無視するのは論外です。延滞期間が長期に及んでいるだけでも「悪質な未納者・債務者」だと判断されかねないので、かならず債権者・自治体の窓口まで連絡をしてください。

しかし、差し押さえ予告通知書が郵送されるような長期延滞の状況では、分割払いの交渉を断られることもあるでしょう。この場合には、次のものが差し押さえられることによって債権の回収が目指されます。

  • 給与:会社が手続きに巻き込まれるので職場に連絡がいく。社会的信用を失う可能性が高い。
  • 預貯金口座:口座残高から引き落とされる。口座凍結のリスクがあるので、他の支払いにも影響が出る。
  • その他財産:不動産・動産を問わず、債務者名義の財産は処分対象になる。保険料・税金の滞納では、世帯主・配偶者の財産も処分される可能性があるので、家族にも迷惑がかかる。

住民税などの滞納で差し押さえ予告通知書が届いたらいつ滞納処分を実行されてもおかしくない

注意を要するのが、借金を滞納した場合と住民税・保険料などを滞納した場合とでは、強制執行・滞納処分が実行されるまでのスピードが異なるという点です。

具体的には、借金を滞納した場合は、支払督促・訴訟という法的手続きを経てからでなければ強制執行は実行されません。なぜなら、「債権者の請求内容が法的にも正しいものである」ということを裁判所に認めてもらわなければ強制執行ができないからです(これを、「債務名義」と呼びます)。

したがって、借金を滞納した場合には、差し押さえ予告通知書が届いてから実際に強制執行が実行されるまでは最低でも1ヶ月程度の期間は空くことになります。その間に、異議申し立てや答弁書の提出などによって反論する機会が与えられますし、債務整理に踏み出すだけの余裕もあるでしょう。

これに対して、住民税や国民年金保険料を滞納して差し押さえ予告通知書が届いた場合には、訴訟などが提起されることなく滞納処分が実行されるという流れをたどります。なぜなら、私人間の借金とは異なり、税金などの納付義務は法的に明らかな存在なので、わざわざ裁判手続きを経る必要がないからです。

したがって、住民税等の滞納によって差し押さえ予告通知書が届いた場合には、差し押さえがかなり目前に迫っている緊迫感の高い状況であるとご理解ください。すみやかに自治体に分割払いの交渉に行き、また、家計改善などの方法についても具体的に検討を進めましょう

※家計改善に活用できる公的支援制度などについては、「コロナで自粛中に借金返済できないなら金融機関へ相談!国・自治体・企業の支援も利用しよう」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

差し押さえ予告通知書が届いたら弁護士に債務整理を依頼しよう

最後通牒である差し押さえ予告通知書が送付された場合、すみやかに弁護士に相談することを強くおすすめします。

なぜなら、弁護士に相談することによって、次のメリットが得られるからです

  • ①弁護士なら債務者・未納者に適した生活再建手法を提案してくれる
  • ②弁護士に債務整理を依頼すれば差し押さえ予告通知書送付後でも強制執行を回避できる
  • ③弁護士に債務整理を依頼すれば債権者からの取り立てが止まる
  • ④お金をめぐるトラブルは無料で弁護士に相談できる

それでは、差し押さえ予告通知書が届いたときに弁護士に相談するメリットについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

①弁護士なら債務者・未納者に適した生活再建手法を提案してくれる

弁護士に相談すれば、債務者にとって適切な生活再建手法を提案してくれます

たとえば、住民税などの税金・国民年金保険料を滞納している場合、債務整理では滞納問題を解決できないため、差し押さえ予告通知書に対応するためには、原因を究明したうえで別の方法を検討しなければいけません。

借金返済が家計を圧迫していることが原因なら、債務整理で借金問題を解決したうえで、税金などを支払いやすい家計環境を整えるという手段が考えられます。また、弁護士なら、市役所での交渉方法や利用できる公的支援制度などについても詳しく教えてくれるでしょう。

また、借金問題を債務整理で解決する際にも、借金問題に強い弁護士だからこそ、債務者の実情に即した手続きを検討してくれます。任意整理で利息をカットするだけで良いのか、個人再生で元本減額まで踏み込むべきなのか、分割払いが不可能なので自己破産を利用するべきかなど、家計簿や各種支払い状況を総合的にチェックして判断してくれます

差し押さえ予告通知書が送付されて強制執行間近の債務者には、手続き選択に迷っている時間は残されていません。借金問題のノウハウ豊富な弁護士に相談をして、今すぐに生活再建のステップを歩み始めましょう。

②弁護士に債務整理を依頼すれば差し押さえ予告通知書送付後でも強制執行を回避できる

弁護士に債務整理を依頼すれば、差し押さえ予告通知書送付後でも強制執行を回避できます

自己破産・個人再生を選択すれば、手続きの申し立てによって、債権者は強制執行に踏み出せなくなります。

また、任意整理には強制執行を停止する効力はありませんが、債権者との交渉で「強制執行に踏み出さない」旨を合意内容に盛り込むことによって、強制執行を遮断することが可能です。

「差し押さえ予告通知書」という緊迫感のある書類が届いた債務者にとって、財産を差し押さえられたり、給与への強制執行で会社に借金のことがバレたりするのは何としても避けたいはず。弁護士はこのような債務者側のニーズを汲み取って法的措置をとってくれるでしょう。

③弁護士に債務整理を依頼すれば債権者からの取り立てが止まる

弁護士に債務整理を依頼すれば、債権者からの取り立てが停止するというメリットが得られます。

なぜなら、弁護士が債権者に送付する”受任通知”には、返済督促をやめさせる効力があるからです。

これによって、債権者からの取り立て圧力のない環境のなかで、債務整理の準備活動や生活再建をスタートできます。

ただし、債務整理では税金の滞納に対処することができません。したがって、市役所等からの督促状・催告書を停止することはできない点についてご注意ください。

※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

④お金をめぐるトラブルは無料で弁護士に相談できる

借金問題などのお金をめぐるトラブルは、弁護士に無料で相談できます。

借金の返済や保険料等の支払いで苦しんでいる債務者にとって、専門家への相談や債務整理は費用面の不安があるはずです。

ただ、借金問題に強い弁護士の場合、相談料無料・弁護士費用の分割払い・法テラスとの提携によって、お金の工面を心配せずに相談できる環境を用意してくれているので、安心してお問い合わせください。

※費用面のサポート体制が充実している弁護士事務所ついては、「任意整理の費用相場を知りたい!借金に強い法律事務所16社を紹介!無料相談も可能!」をご参照ください。

まとめ

差し押さえ予告通知書を受け取ったときは、すみやかに対処法に踏み出す必要があります。

なぜなら、差し押さえ予告通知書は深刻な滞納状況にある債務者・未納者に送付される最後通告だからです。無視をしたり、これ以上滞納がつづいたりすると、財産・給与などが差し押さえられることになります。

借金の滞納が原因なら、弁護士に債務整理を依頼するのがおすすめの方法。強制執行を回避できるだけでなく、完済可能な分割払いへの変更など、返済状況を根本的に改善できるはずです。

また、住民税・国民年金保険料などの滞納が原因なら、自治体窓口まで分割払い・支払い猶予などの交渉に行ってください。真摯な姿勢で具体的な返済可能性を提示できれば、直近での滞納処分は回避できるでしょう。

どのような状況で返済苦におちいっていても、借金問題に強い弁護士に相談すれば、生活再建の糸口を提示してくれるはずです。強制執行・滞納処分まで時間がないので、すみやかにご相談ください。

差し押さえ予告通知書送付後の分割払いについてのQ&A

住民税や国民年金保険料の滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合、分割払いに戻すことは可能ですか?

住民税などの国民の義務を怠った場合には、債務整理では分割払いに変更することはできません。自治体の窓口や税事務所に足を運んで、分割払い・返済猶予・減免制度の利用についてご相談ください。新型コロナウイルス感染症の影響などで減収した等の事情があれば、分納について前向きに話し合うことができるでしょう。

借金滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合、分割払いに戻すことは可能ですか?

借金の延滞期間が長期に及んで債権者から差し押さえ予告通知書が届いた場合には、すみやかに債務整理に踏み出すべきです。任意整理・個人再生を利用すれば一括請求を分割払いに戻すことができますし、自己破産なら借金返済義務自体が免責されるので分割払いをするまでもなく借金生活を終わらせられます。

住民税滞納で差し押さえ予告通知書が届いたのですが、分割払いを断られました。どうすれば良いですか?

分割交渉に失敗した以上、指定期日までに返済資金を用意する必要があります。消費者金融などには決して手を出さず、親族などに相談しましょう。もちろん、滞納処分に応じるのも選択肢のひとつですが、どの財産が差し押さえられるか分からない以上、易々と言いなりになるのはおすすめできません。なお、借金返済が原因で住民税を支払えていない場合には、借金問題について債務整理を利用し、住民税を支払える家計環境を用意するという手段が考えられます。滞納処分までに時間がない状況なので、すみやかに弁護士までご相談ください。

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