国民年金の未納状態を放置すると本当に差押えられる!差押予告書が届いてしまったら免除・猶予申請で差押えを回避しよう

友達に国民年金は未納のままでも問題ないと聞いたのですが、先日「差押予告書」が届きました。本当に放置しても大丈夫なのでしょうか?

差押予告書を無視してしまうと、実際に給与や財産の差押えがおこなわれます。国民年金の納付は国民の義務ですので差押えられる前に納付するようにしましょう。

そうなんですね。ただ、借金の返済で国民年金を納付する余裕がなくて・・・。他に税金の支払いもありますし、何を優先させたらよいのでしょうか?

借金は債務整理をすれば利息のカットや借金の元金自体を減額することができます。一方、租税や国民年金は債務整理の対象外です。そのため、自治体の窓口で租税などの免除や猶予手続きをしたあとに債務整理をして借金返済の負担を減らして納税を含めた返済計画を立て直すことをおすすめします。

国民年金を滞納し、実際に財産が差押えられている人は近年では年間4000人を超えています。

さらに、差押えの対象となる人の年収は引き下げられ、滞納期間も短くなっています。

督促状や差押予告書を無視してしまうと、いつ給与や財産を差押えられても文句は言えません。

国民年金保険料には、免除や猶予の制度が設けられていますので、納付が難しいときは自治体の窓口で申請をしましょう。

この記事でわかること
  • 国民年金の未納は差押えの対象である。
  • 国民年金には免除や猶予の制度がある。
  • 年金受給権は借金滞納による差押えの対象にならない。

国民年金の納付が困難なときにできること

国民年金への加入は国民の義務とされており、未納が続くと給与や財産が差押えられることがあります。

国民年金保険料は、申請をして免除されることはありますが、放置をして消滅することはありません。

また、国民年金に加入する手続きをおこなっていなくても20歳になると自動的に加入となります。

退職などで厚生年金から抜けた際も、国民年金に加入する手続きをしなくても自動的に加入となるので、滞納額は増えていくのです。

国民年金の督促状や差押予告書は絶対に無視せずに、届いてしまったらすぐに自治体の窓口や年金事務所へ相談しましょう。

納付が厳しい場合はすぐに自治体へ免除や猶予の相談をしよう

「国民年金の未納で財産の差押えまでされることはない」と聞いたことがある方も多いかと思いますが、近年では年間で4000人以上の方が国民年金の未納により財産を差押えられています。

参照:日本年金機構ホームページ

厚生労働省と日本年金機構は2018年度より、財産の差押えを受ける強制徴収者の対象を拡大しており、今後はさらなる対象者の拡大も予想されています。

また、差押えがおこなわれるまでの未納期間についても以前は13ヶ月だったものが7ヶ月に短縮されているのが現状です。

督促状や差押予告書が届いたらすぐに納付をするのが最善ですが、納付が難しい場合は自治体の年金窓口へ相談に行きましょう。

督促状が届いたら数日以内に必ず対応しよう

督促状が送付されてから10日が経つと、日本年金機構は財産の調査など、差押えの準備に移行できます。

督促状を受け取ってから10日ではないので注意しましょう。

つまり、督促状を受け取ったら数日以内に差押えがおこなわれる可能性もあるということです。

ただし、基本的に差押えまでの流れは以下のとおりです。

  1. 特別催告書が届く
  2. 最終催告書が届く
  3. 督促状が届く
  4. 差押予告書が届く
  5. 差押えがおこなわれる

基本的には差押えをおこなう前に、差押予告書が日本年金機構から届きますが、法律上は差押予告書を送付せずとも差押えができてしまうことを覚えておきましょう。

差押えが実行されてからだと、免除や猶予の申請は受け付けてもらえないことがほとんどです。

また、世帯主や配偶者も差押えの対象となります。

そのため、督促状が自治体から届いたのであれば数日以内に必ず自治体や年金事務所へ分割納付の相談をしたり、免除申請をすることが大切です。

基本的に国民年金の時効は成立しない

国民年金には2年間の時効がありますが、督促状が日本年金機構から送付されるとリセットされます。

現在国民年金の未納は日本年金機構で厳しくチェックされているため、督促状が送付されないまま2年が経過することはほとんどありません。

そのため時効の成立を狙っても、延滞税などが課せられて納付するべき金額が大幅に増えて行って納付がさらに困難になることが予想されます。

滞納分の納付が完了するまで差押えは原則解除されない

差押えられてしまった給与や財産は、滞納分の納付が完了するまで原則解除されません。

自治体や日本年金機構に差押えの解除を求めても、取り合ってくれないケースも多くあります。

また、差押えの解除だけでなく分割での納付も拒否されることも少なくありません。

国民年金の滞納による差押えを回避するには、免除や猶予の申請が有効ですが実際に差押えがおこなわれてしまうと、それらの申請はできないので注意が必要です。

世帯主や配偶者も差押えの対象となる

国民年金法では以下のように定められています。

第八十八条 被保険者は、保険料を納付しなければならない。
2 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
3 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。

引用元:e-Govポータル「国民年金法第88条」

つまり、自分が滞納をすると世帯主や配偶者も連帯して滞納分を納付しなければならなくなるのです。

督促状や催告書には、納付がない場合は世帯主や配偶者の財産が差押えられることがある旨もきちんと記載されています。

そのため、自分がきちんと対応をしないと、ある日急に世帯主や配偶者の給与や財産が差押えられてしまうことがあるのです。

自分を飛ばして世帯主や配偶者の財産が先に差押えられるケースも多く、親や配偶者に迷惑をかけないためにも督促状などの通知を無視することは絶対にやめましょう。

借金があり国民年金が払えない場合はまず借金自体を解消しよう

国民年金の納付が困難である理由が借金にあるならば、借金自体の解消をしましょう。

とはいえ、国民年金の滞納を放置したまま借金の返済に注力してしまうと、差押えがおこなわれてしまう可能性があります。

そのため、まずは自治体や年金事務所へ国民年金の免除や猶予の申請をしましょう。

国民年金の免除や猶予の審査期間に収入を増やして借金を完済する

国民年金の免除や猶予の申請をすると、審査に2~3ヶ月かかることが一般的です。

審査期間に短期のアルバイトを増やすなどして、借金の完済ができれば国民年金の納付に余裕ができるでしょう。

また、審査期間は原則差押えが実行されることはありません。

審査期間に差押えがおこなわれた場合は、行き違いによることが多いためすぐに年金事務所に連絡しましょう。

国民年金の支払いで借金返済に充てるお金が捻出できないときは債務整理を検討しよう

債務整理は、利息のカットや借金の元金自体を減額して借金返済の負担を軽減させる手続きです。

債務整理をしても滞納している国民年金には一切影響しませんが、納付が困難になっている原因が借金にあるならば、債務整理によって借金返済の負担を減らすことで納付に充てる金額の確保ができる場合があります。

ただし、国民年金を滞納している場合は、まず自治体の窓口や年金事務所へ免除や猶予の申請をするのが先決です。

それと同時に債務整理手続きを進めることで、国民年金の滞納分を含めた返済計画を立てることができます。

滞納経験があっても将来の年金受給額を増やす方法

国民年金には、将来受給する金額を増やす方法があります。

その方法はさまざまで、付加保険料のように少額で始めれられるものもあれば、国民年金基金のように保険料は少し上がるけれど、将来の保証が手厚いものもあります。

これらの制度は、国民年金を滞納したことがあっても、今現在滞納をしていなければ加入ができることがほとんどです。

また、免除や猶予を受けた分の国民年金を後から追加で納めて将来の年金受給額を増やす制度もあるので活用するとよいでしょう。

それぞれ詳しくお伝えします。

付加保険料を追加して支払う

付加保険料は付加年金とも呼ばれ、定額保険料に月400円上乗せして納めることで、将来受給する年金額を増やせる制度です。

付加年金額は【200円×付加保険料納付月数】で計算され、この金額が年金受給開始後、毎年受け取れます。

例えば、30歳から60歳までの30年間、付加保険料を納めたときの年金受給額は以下のとおりです。

・追加で納める金額
400円×360月(30年)=144,000円

・追加で毎年受給できる金額
200円×360月(30年)=72,000円

つまり、年金受給を開始して3年目からは、付加年金額がそのままプラスの受給額となります。

また、付加保険料は途中での脱退や脱退後の再加入ができ、自治体の窓口で申請が可能です。

ただし、国民年金基金に加入している方は付加保険料を納めることができないので注意しましょう。

国民年金基金に加入する

国民年金基金は自営業やフリーターなどの人を対象とし、年金を上乗せして納めることで将来の年金受給額を増やすことができる制度です。

国民年金基金の特徴として、加入時の掛金額によって将来受け取る年金額が確定します。

また、掛金は全額社会保険料控除の対象となるので、確定申告をすると税金が軽減されます。

ただし、国民年金基金は加入後に途中で脱退することはできないので、加入する際の掛金は慎重に決めましょう。

加入条件などの詳細は、全国国民年金基金のページを参考にしてください。

参照:全国国民年金基金

免除・猶予された分の年金を追納する

前の項目で、納付が難しい国民年金は減免申請で猶予や免除されることがあるとお伝えしましたが、猶予や免除を受けた期間があると全額納付した場合に比べて年金受給額は少なくなります。

しかし、猶予や免除された期間の年金額を後から納めることで、将来の年金受給額を増やすことが可能です。

これを国民年金保険料の追納制度といいます。

国民年金の猶予や免除が認められると、定期的に日本年金機構から追納の通知が届きますので、受け取ったときに余裕があるときは追納の手続きをするのがおすすめです。

追納制度が利用できるのは、学生納付特例で免除を受けた期間も含みます。

また、追納した年金保険料は社会保険料控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるのもメリットの1つです。

ちなみに、追納ができるのは過去10年分までなので追納の計画も早めに立てておくとよいでしょう。

追納制度の詳細は、日本年金機構のページを参考にしてください。また、申請用紙もこのページからダウンロードできます。

参照:日本年金機構

前納で割引適用を受ける

国民年金には前納制度があります。

前納制度を利用して1年度分を現金払いで納付すると、年間3,520円が割引かれます。

2年度分だと14,590円、半年分でも810円の割引を受けられる制度です。

この割引額は、年率4%で計算した額であり、年平均では約1.8%の割引となります。

詳細な金額を知りたい場合は、年金事務所に問い合わせをしてみるとよいでしょう。

前納は2年度分、1年度分、6ヶ月分の中から自分が希望する分だけ納付ができます。

差押予告書が届いたらすぐに免除や猶予の申請をしよう

差押予告書が届いたらすぐに納付をするか、納付ができなければ自治体の窓口で免除や猶予の申請をしましょう。

差押予告書が届いたら、明日にでも差押えが実行される可能性があります。

また、差押えがおこなわれてしまった後では免除や猶予の申請はできません。

もしも免除や猶予が承認されなかった場合、原則一括での納付が求められます。

そのため、審査期間に滞納分の資金を調達し、審査が通らなかった場合に備えておくとよいでしょう。

学生は「学生納付特例制度」の対象となるのですぐに申請しよう

20歳以上の学生は、学生納付特例制度の対象となります。

ただし、この特例制度は自動的に適用されるわけではなく必ず申請が必要です。

万が一申請を忘れていた場合は、差押え前に自治体や年金事務所へ申請に行きましょう。

修業期間が極端に短かったり、海外の学校に進学した場合は学生であっても学生納付特例制度が受けられないことがあるので注意が必要です。

学生納付特例の対象となっている学校は、日本年金機構のホームページで確認できます。

参照:日本年金機構ホームページ

経済的に納付が困難であれば「保険料免除制度」の申請をしよう

失業や所得が減少してしまったときなど、経済的に国民年金の納付が困難であれば「保険料免除制度」の申請をしましょう。

ただし、本人・配偶者・世帯主全員の所得が一定以下でないと免除は認められません。

免除を受けた期間は年金の受給資格期間に算入されますが、将来年金を計算する際は保険料を納めたときより半分の金額となります。

また、免除には全額、3/4、1/2、1/4の4種類があり、申請時はこれに猶予を含めた5つに優先順位をつけて申請します。

免除されなくても「納付猶予制度」で納付期限に猶予ができる

滞納期間分の免除が認められなかった場合でも、納付猶予制度によって納付期限を猶予してもらえることがあります。

納付猶予制度の申請は、保険料免除制度と同時にでき、結果も同時にわかります。

猶予期間に明確な定めはないため、審査後も納付が厳しいときなど猶予の優先順位を全額免除の次にするのも手段の1つです。

ただし、納付猶予になった場合、猶予期間は将来の年金額に反映されません。

年金受給権は借金の差押え対象にならない

年金を受給中に借金を滞納してしまったとしても、年金受給権は差押え対象になりません。

そもそも国民年金は、日本国憲法第25条の条文にある「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するための制度なので、差押え禁止財産とされています。

ただし、税金を滞納してしまった場合などは年金が差押えの対象となることがあります。

年金受給中の方は、債務整理をして借金問題を早めに解決するのがよいでしょう。

国民年金が差押えの対象となる状況

以下のような場合は、国民年金が差押えの対象となる可能性があります。

  • 年金が銀行口座に振り込まれたとき
  • 公租公課を滞納したとき
  • 年金担保貸付を受けたとき
  • 私的年金は差押え対象となる

差押え禁止の対象となっているのは「年金受給権」であり、年金を受け取る権利です。

そのため、年金が預金口座に振り込まれた時点で預金扱いとなり、差押えの対象となります。

預金扱いとなった年金の差押えを回避するには、差押禁止範囲変更の申し立て手続きをしましょう。

また、税金の滞納をしたときは年金も差押えられることがあるので注意が必要です。

私的年金とは、私的に保険会社などと契約している個人年金のことで、所有財産とみなされて差押えの対象となります。

年金受給者の借金問題は債務整理で早めに解決しよう

年金受給者の場合、借金返済に年金の大半を充ててしまい、税金の滞納をしがちだという人も多いのではないでしょうか。

税金の督促は書面での通知であることが多く、取り立てが厳しくないように感じますが、差押えは裁判所を通さずにおこなえますし、年金も差押えの対象となります。

年金を差押えられると、普通の生活もままならなくなってしまうことがほとんどだと思うので、年金受給中の方は借金問題をなるべく早く解決するべきです。

弁護士に債務整理を依頼すると、利息のカットや借金の元金自体を減額することができ、借金の負担を大幅に減らすことができます。

債務整理にはいくつかの方法があり、どれを選択すべきかは個々の状況によるため、まずは弁護士に相談をしてみるのがよいでしょう。

債務整理については以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。

まとめ

近年では、国民年金保険料の滞納による差押え対象者の範囲が拡大され、年間で4000人以上もの人が財産を差押えられています。

自治体や年金事務所によっては電話や訪問で督促をしていますが、書類での通知のみであるところも多いです。

そのため、書類を確認しておらず、ある日急に給与や銀行口座、財産が差押えられたという事例も少なくありません。

国民年金は免除や猶予の制度もあるため、滞納をそのままにせず、納付が難しいときは自治体や年金事務所に相談しましょう。

また、借金の滞納による差押えは年金受給権には及びません。

ただし、租税の滞納など例外も多くあるので、年金受給者の借金問題は債務整理をするなど、早めに解決するのがよいでしょう。

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