免責不許可事由に該当すると自己破産が認められない?該当するケースと対処法を解説

自己破産における免責不許可事由とは? 免責不許可事由でも免責がおりる可能性はある!

自己破産手続きでは、免責不許可事由というものがあるそうですが、どういうものですか?

免責不許可事由とは、自己破産手続きにおいて、借金返済の免責を許可しない原因となるものです。免責不許可事由に該当している場合、自己破産で免責許可が得られない可能性が出てきます。

なるほど。免責不許可事由にはどういったものがあるのですか?

免責不許可事由の中で最も該当する場合が多いのは「浪費やギャンブルが借金の原因となっている場合」です。その他にも、自己破産手続きにおいて虚偽の報告をしたり調査に協力しないなど、手続自体が適正に行えない行為が該当します。

浪費やギャンブルといった理由が免責不許可事由にあたるなら、該当する人も多そうですね。

免責不許可事由に該当しても、裁判所が状況を踏まえて免責を与える「裁量免責」という制度で認可されることもあります。自分が免責不許可事由に当たるかどうか気になる場合は、一度法律事務所の無料相談を利用するとよいでしょう。

自己破産には免責不許可事由があり、借金の理由によっては自己破産をしても免責が認められず借金の返済義務がなくならないケースがあります。

免責不許可事由とは、自己破産において借金返済の免責を認めないケースを定めたもので、浪費やギャンブルで借金をした場合、返済できないことがわかっているのに借金を重ねた場合など多くのケースが指定されています。

これらに該当する場合、原則的には自己破産で免責が認めらません。

しかし、免責不許可事由に該当していたとしても、裁判所が情報を踏まえ、免責を認める「裁量免責」という制度があります。

裁量免責となるかは、依頼する弁護士の腕にも大きく左右されます。そのため、自己破産の実績が豊富な弁護士へ依頼するのがおすすめです。

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この記事でわかること
  • 免責不許可事由は、自己破産の免責が認められない一定の事由を定めたもの。
  • 免責不許可事由は11項目が指定されており、「自己破産での免責を悪用する行為」「債権者に不利益となる行為」「免責を与えるにあたって必要な調査を阻害する行為」が主な理由になっている。
  • 免責不許可事由に該当する場合でも、裁量免責によって免責を受けられることが多い。
  • 免責不許可事由に該当することが明らかな場合は、個人再生を検討するとよい。

免責不許可事由は自己破産において免責が認められない一定の事由を定めたもの

免責不許可事由とは、自己破産の手続きを経ても、借金の支払いの免責が許可されない事由のことを指します。

自己破産手続きは、借金の返済義務を全額免除してもらう大きなメリットのある手続きです。他方、債権者側から見ると、貸したお金が返ってこず、大きな損失につながるものでもあります。

そのため、手続きの進行を妨害したり、適正・公平な手続きを阻害したりする行為、債権者側が自己破産の趣旨から大きく外れる不利益を被る事実がある場合などは、免責が認められません。

これらまで認めてしまえば、自己破産制度そのものの信頼性が損なわれてしまうからです。

これらの免責が認められないケースを「破産法」では、免責不許可事由として定めています。

免責不許可事由の種類は11項目

免責不許可事由は具体的には以下のように定められています。

  • 不当な破産財団価値減少行為
  • 不当な債務負担行為
  • 不当な偏頗行為
  • 浪費または賭博その他の射幸行為
  • 詐術による信用取引
  • 業務帳簿隠匿等の行為
  • 虚偽の債権者名簿提出行為
  • 裁判所への説明拒絶・虚偽説明
  • 管財業務妨害行為
  • 7年以内の免責取得等
  • 破産法上の義務違反行為

多くの免責不許可事由が規定されていますが、ざっくりとまとめると「自己破産での免責を悪用する行為」「債権者に不利益となる行為」「免責を与えるにあたって必要な調査を阻害する行為」が免責不許可事由となっています。

自己破産は、債権者に不利益を我慢してもらって、債務者を救済する制度です。それだけに、免責が債権者にとって納得できるものであり、適法性のあるものであることが重要です。

そういった意味で、自己破産制度の信頼性を損なう行為や、悪用する行為を防止する目的であるといえるでしょう。

①不当な破産財団価値減少行為

破産財団とは、破産手続の申立人が所有する財産全体のうち、自由財産を除き、破産手続きにおいて処分され、債権者の配当となる資産を指します。

つまり、破産財団価値減少行為とは、破産手続きにおいて配当のための処分対象となる財産を、隠す・壊すなどの行為によって財産価値を減少させる行為を指します。

「不当な」という部分は、ざっくりというと「悪意をもって」ということになります。債権者に損害を与えることを意図してこのような行為を行うと、免責不許可事由に当たるということです。

財産価値を減少させる行為全般がこれにあたるため、市場価値に比べて安い価格で売却したり、無償で譲渡したりした場合も同様に免責不許可事由となります。

よくあるケースとしては、自宅を保有している場合の売買が考えられます。保有している自宅を親族間で取引する場合、市場価値などと照らして適正な価格での売買が行われない場合、免責が認められない可能性があります。

②不当な債務負担行為

破産手続の開始を遅らせることを目的に、著しく高い金利で借金をしたり、換金を目的にクレジットカードなどで買い物をし、購入額より著しく安い金額で売ったりすると、免責不許可事由に該当します。

著しく高い金利での借金とは、いわゆる「ヤミ金」からの借金がそれに当たります。

すでに返済が厳しいことをわかっているにも関わらず、返済資金を捻出し、破産手続きを遅らせることを意図して、闇金などによる借金を行った場合、免責不許可事由に当たります。

闇金からの借金は不許可理由に当たるだけはなく、大きなトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

また、クレジットカードで買い物をして、安い金額で換金する行為は、詐欺罪に該当する可能性もあります。刑罰を受けることもありえますので、これらの行為は絶対に行わないようにしてください。

③不当な偏頗(へんぱ)行為

特定の債権者だけに対して、義務がないのに返済をしたり担保を設定したりすると免責不許可事由にあたります。

「偏頗行為」とは、簡単に言うと特定の相手を有利にする、いわゆる「えこひいき」です。
自己破産手続では、すべての債権者を平等に扱うのが原則です。

特に義務もないのに、特定の債権者にだけ返済をしたり、担保を設定したりすることは他の債権者にとっての不利益となるため、免責不許可事由にあたります。

よくあるケースでは、家族や知人からの借金や、保証人がついている借金がある場合に、迷惑をかけたくないという理由で、該当のものだけ返済をする行為がこれに当たります。

④浪費または賭博その他の射幸行為

生活水準に見合わない無駄使いをしたり、ギャンブルなどによって著しく借金を増やしてしまうと免責不許可事由にあたります。免責不許可事由の中でも、この理由が最も多いといっても過言ではありません。

収入と見合わないようなブランド品を買い漁ったり、高級自動車の購入、キャバクラなどの風俗通いなどがこれに当たります。

ギャンブルについては、パチンコや競馬などの一般的なギャンブルだけでなく、株やFXなども同様です。

こういった行為によって、著しく借金を増やした場合は免責が許可されない場合があります。

「著しい」がどの程度かについては、収入などの状況などから総合的に判断されるので、ケースバイケースと言えるでしょう。

⑤詐術による信用取引

自分がすでに支払不能にあることを認識していたにも関わらず、返済は可能であると嘘をついて借金をし、財産を取得した場合は免責不許可事由にあたります。

詐術とは、「騙す行為」のことです。自分の収入や借金状況を偽り、借金をした場合などがこれに当たります。

借金だけでなく、クレジットカードや分割払いでの購入も同様です。クレジットカードや分割払いは、借金などと同様の信用取引です。これらによって商品などの財産を取得した場合も、免責不許可事由となります。

ただし、この詐術による信用取引が免責不許可事由に当たるのは、申立の一年前の日から破産手続き開始決定までの間が対象となります。

⑥業務帳簿隠匿等の行為

業務や財産の状況に関する帳簿や書類を隠したり、偽造したりすると免責不許可事由の対象となります。

給与所得者の場合は、あまり関係ないのかもしれませんが、個人事業主の場合であれば、確定申告書や決算書などさまざまな帳簿をつけています。

これらの帳簿は、財産の証拠となるものであり、これらを偽造したり隠匿したりする行為は財産を隠匿する行為と同様と考えられるため、免責不許可事由となります。

⑦虚偽の債権者名簿提出行為

虚偽の債権者名簿や債権者一覧を提出した場合も免責不許可事由にあたります。

自己破産はすべての債権者に公平・適正に配当を行うことが主な目的です。

債権者名簿の記載に虚偽があった場合、債権者であるのに破産手続きに参加できない、債権者ではないのに配当を受けるなど、公平・適正な配当が不可能となります。

ただし、これはあくまで「虚偽」の場合です。どういった場合が虚偽かというと、債権者に不利益を与えることを目的として、意図的に虚偽の債権者名簿を提出した場合がこれに当たります。

よくある例としては、家族や知人などが債権者にいた場合に、迷惑をかけたくないからと、あえて債権者名簿に入れないことなどが考えられます。

あくまで、意図をもって行った場合に該当するため、債権者の一部を書き忘れてしまった等では免責不許可事由には当たりません。

⑧裁判所への説明拒絶・虚偽説明

そのものずばりで、裁判所が調査のため、説明を求めているにも関わらず、説明を拒否したり、嘘をついたりすると免責不許可事由にあたります。

要するに自己破産で免責を受けるにあたって、裁判所の調査には協力する義務があるということです。

これに協力しないわけですから、免責が認可されないのは当然といえます。

⑨管財業務妨害行為

破産管財人の業務を、不当な方法で妨害した場合がこれに当たります。

自己破産は、借金の返済を全額免除される、債務者にとって大きなメリットのある手続きです。逆に債権者としては、貸したお金が返ってこないということでもあり、大きなデメリットが生じます。

そのため、自己破産手続きは、十分な調査や確認が行われる適正なものでなくてはいけません。

破産管財人は、その適正な手続きを進める立場にあり、この業務を阻害することは自己破産自体の進行を阻害するものです。
具体的には、財産の引き渡しに応じない、書類の提出を阻害するなどがこれに当たります。

⑩7年以内の免責取得等

7年以内に1度免責許可を得ている場合、若しくはそれに相当するような救済措置を受けている場合は、免責不許可事由に該当します。

それに相当するような救済措置とは、具体的には「給与所得者再生」などが挙げられます。

これらの大きなメリットのある救済を受けても尚、経済的更生が図られなかった人に再度免責許可は原則的に与えないと定められています。

⑪破産法上の義務違反行為

自己破産を行う人には「破産法」でさまざまな義務が定められています。

これらの義務に違反する場合は免責不許可事由にあたります。自己破産で果たすべき義務に違反しているわけですから免責が認められないのは当然と言えるでしょう

免責不許可事由に該当する場合の対処方法

免責不許可事由に該当するということは、免責が許可されない可能性があるわけですが、該当すれば認可されないわけではありません。

免責不許可事由に該当していたとしても、免責が許可されるケースは多くあります。

ここでは、免責不許可事由に該当する場合の対処方法について詳しく解説します。

「裁量免責」がおりないか弁護士に検討してもらう

破産法では、さまざまな事情を考慮した上で、裁判所が裁量において免責を認めることができる「裁量免責」という制度が規定されています。

実際のところ、免責不許可事由に該当する事象があったとしても「裁量免責」によって、免責が許可されることは多くあります。

裁量免責を受けられるかどうかは、一般的には「申立した本人に十分な反省が見られるか」「免責許可による経済的更生を図る必要性があるか」がポイントになります。

これらの判断や基準は裁判所に委ねられており、地域によっても異なります。不安な場合は、自身のケースで裁量免責が認められるかを、事前に弁護士に検討してもらうようにしましょう。

裁量免責は「十分に反省していること」・「手続きに協力的であること」が重要

裁判所から裁量免責を得るには、「十分に反省していること」・「手続きに協力的であること」が重要です。

例えば、該当することが最も多い浪費やギャンブルによる借金の場合、これまでの経緯について十分に反省し、今後の生活を改善していけるなら、多くの場合は免責許可を得ることができるでしょう。

このように自己破産手続きの調査によって、本人が十分に反省していることや、自己破産以外の手続きによって経済的更生が図れない場合には、裁量免責が認められることがほとんどです。

重要なのは、しっかりと反省し今後の経済的更生を目指すことです。自己破産手続きの救済の意図を踏まえ、過去を反省し生活を改めましょう。

また、裁判所や管財人の調査にしっかりと協力し、嘘などはつくことなく真摯に対応してください。

裁量免責の場合は管財事件となることが多い

免責不許可事由に該当し、裁量免責を受ける場合は管財事件となる可能性が高いことは認識しておきましょう。

通常、債権者へ配当するだけの財産を所有していない場合は、破産手続開始とともに手続きが終了する「同時廃止」が選択されます。

しかし、免責不許可事由に該当している場合には、「裁量免責」を与えていいかを確認する必要がでてくるため、財産の有無に関わらず管財事件として扱われるケースがあります。

管財事件の場合、破産管財人の選任、財産やその他の調査などにより、同時廃止とくらべて、費用・期間ともに負担が大きくなります。

詳しくは以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

個人再生であれば免責不許可事由は設定されていない

明らかに免責不許可事由に該当し、裁量免責が得られそうにない場合は個人再生手続を選択する方法もあります。

個人再生の場合、免責不許可事由がありません。自己破産において、最も多い免責不許可事由である、浪費やギャンブルの場合であっても、個人再生であれば要件を満たすことで利用が可能です。

実際、免責不許可事由に該当することが明らかな場合には、はじめから個人再生を申立するケースも多くなっています。

ただし、個人再生の場合は、自己破産と異なり、認可後に減額された借金を返済していく必要がある点は認識しておきましょう。

個人再生については以下の記事にて詳しく解説していますので、参考にしてください。

まとめ

自己破産手続きにおいては、制度の適正な運用を保護するため、免責不許可事由が定められています。

免責不許可事由とは、借金返済の免責を許可しない理由となる事象で、浪費やギャンブルによる借金の場合や、調査に協力しない場合など多くの事情が破産法によって定められています。

ただし、免責不許可事由に該当していたとしても、免責を受けられないということではありません。裁判所が状況を踏まえて免責を与える「裁量免責」が得られる可能性も十分に残っています。

実際、免責不許可事由に該当する場合であっても多くの場合は、裁量免責による免責を受けることができています。

重要なのは、自己破産で免責を受けるにあたって、これまでの生活を反省し改めることです。そのうえで、免責を得るにあたって、手続きに真摯に対応していれば、ほとんどの場合は問題ないといえます。

不安な場合には、事前に弁護士等に相談するなど不安を解消した上で手続きに望みましょう。

自己破産のよくある質問

免責不許可事由とは何ですか?

自己破産において、借金返済の免責を認めないケースを定めたものです。

裁判で免責不許可事由とされるとどうなるのですか?

自己破産をしても借金の返済義務がなくなりません。
裁判費用なども返ってこないので、自己破産したことが無駄になってしまいます。

免責不許可事由に該当する可能性があるのですが、自己破産しないほうがよいですか?

「裁量免責」といって免責不許可事由にあたる場合でも、裁判官の裁量で免責が許可されるケースがあります。
その場合、自己破産が得意な弁護士へ依頼して自己破産手続きを進めるのがおすすめです。
STEP債務整理「債務整理が得意なおすすめの弁護士を紹介」

免責不許可事由で自己破産が認められなかったら、どうしたらよいですか?

個人再生へ方針転換することをおすすめします。
個人再生では借金の理由は問われません。
個人再生でも借金総額を大幅に減額できるので、弁護士へ相談してみるとよいでしょう。

自分の借金が免責不許可事由にあたるかわからなくて困っています。どうしたらよいですか?

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