受任通知兼代金請求書とは?届いたときの影響や差押えを避けるための対処法を解説

受任通知兼代金請求書

受任通知兼代金請求書という書類が届いたのですが、これはどういう意味なのでしょうか?

受任通知兼代金請求書は携帯電話会社などの債権者が「未払いの代金を債務者から回収してほしい」と法律事務所へ委託したことを示す通知です。携帯料金などの未払いがあると送付されます。

受任通知兼代金請求書が届いたら、どう対応すればいいですか?

受任兼通知書が届いたら、請求どおり借金返済するのがベストです。もし払えない場合は法律事務所と自ら交渉して分割払いに変えてもらったり、弁護士へ依頼して債務整理で借金を減額するとよいでしょう。

携帯料金やインターネットの有料コンテンツなどの代金を払わずにいると、法律事務所から「受任通知兼代金請求書」が届くことがあります。

携帯電話会社やインターネットプロバイダ業者などの債権者が未払い代金の債権回収を法律事務所へ依頼したことを示す「受任通知」と、未払い代金の支払いを促す「請求書」がセットになったものが「受任通知兼代金請求書」です。

「受任通知兼代金請求書」が届いた後も未払いが続くと、裁判を起こされて財産や給与を差押えられてしまう恐れがあるため注意しましょう。

未払い代金があれば、基本的には請求どおり支払う必要がありますが、架空請求や時効成立など支払う必要のないケースも存在するため注意が必要です。

もし請求どおりに支払えない場合でも、債務整理をすれば支払代金を減額し返済を少し遅らせることもできるので、弁護士に相談しましょう。

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この記事でわかること
  • 受任通知兼代金請求書とは、携帯会社などの債権者から委託された法律事務所が「未払いの代金を払ってください」と債務者へ請求する通知のこと。
  • 受任通知兼代金請求書が届いた後、請求どおり代金を払わないと、財産や給与を差押えられてしまう。
  • 支払期日までに請求額を払えない場合は法律事務所へ分割払いを交渉したり、弁護士へ債務整理を依頼して支払金額を減らしてもらおう。

受任通知兼代金請求書とは未払い代金の支払いを促す請求書

このような「受任通知兼代金請求書」という書類が届いたことはありませんか?

受任通知兼代金請求書サンプル

受任通知兼代金請求書とは、「受任通知」と「代金請求書」がセットになった通知です。

  • 受任通知…債権者が法律事務所へ債権回収を委託したことを示す通知
  • 代金請求書…委託された法律事務所が債務者へ代金の支払いを請求する書類

まずは受任通知兼代金請求書の仕組みや送付されてくる原因を解説します。

債権者が法律事務所へ債権回収を委託したことを示す「受任通知」

まずは、法律事務所の介入を債務者へ知らせる「受任通知」について説明します。

例えば、携帯電話を利用する場合、携帯電話会社(債権者)はサービスを提供する代わりに携帯料金の支払いを受けますが、利用者(債務者)が携帯料金を支払わない際には代金の支払いを請求できます。

しかし、債権者には本来の業務があるため、未払い代金の請求まで手が回らない場合も多く、そうした場合に債権者は法律事務所へ債権回収を委託するのです。

このとき法律事務所が債務者から委託されて債権回収をおこなうことを債務者へ知らせる通知が「受任通知」になります。

委託された法律事務所が債務者へ支払いを請求する「代金請求書」

つづいて、商品やサービスの代金を請求する「代金請求書」の説明です。

代金請求書とは、文字どおり代金の支払いを促す書類で、債務者へ支払いを求める請求額や支払期限、支払先の口座番号などが指定されています。

  • 請求額・・・債務者が債権者へ支払う必要のある金額
  • 支払期限・・・債権者へ代金を支払わなければならない期限
  • 支払先・・・代金を支払われる側の債権者の銀行口座番号

受任通知兼代金請求書が届いても、基本的には代金請求書の記載どおりに未払いの代金を払わなければなりません。

受任通知兼代金請求書が届く原因は携帯料金や有料コンテンツの未払いなど

受任通知兼代金請求書が届く原因は、携帯料金や有料コンテンツなどの代金未払いです。

しかし、携帯電話会社などは督促をおこなうことが本業ではないので、債務者へ支払いを促す通知を送るような業務には最低限の人員しか割けません。

そのため、何度か催促しても債務者から代金の支払いがない場合、債権者は自社での債権回収を諦めて法律事務所へ委託するのです。

代金の払い忘れで受任通知兼代金請求書が届く場合、次のような原因が挙げられます。

  • 携帯電話の利用料金の未払い
  • インターネットのプロバイダ料金の未払い
  • 携帯電話やインターネットの有料コンテンツの利用料金未払い
  • ネット通販やフリマアプリでの後払い決済の未払い
  • 化粧品の定期コース契約の未払いなど

具体的には、以下の企業などが債権者として受任通知兼代金請求書に記載されています。

  • 三菱UFJニコス
  • リンクライフ
  • U-NEXT
  • BIGLOBE
  • セディナ
  • ヤフー
  • メルカリ
  • ドコモ
  • ソフトバンク
  • KDDI
  • エイベックスエンターテインメント
  • レコチョク
  • メディアドゥ
  • BookLiveなど

上記のような事由や債権者に心当たりがある場合、債務者には請求どおりに未払い代金を払う義務があるため注意しましょう。

受任通知兼代金請求書が届いたらどうなる?

受任通知兼代金請求書が届いた場合、債務者側にどのような影響があるのでしょうか。

よく誤解されますが、督促状の送り主が債権者から法律事務所に変わっただけという単純な問題ではありません。

受任通知兼代金請求書が届くと、携帯電話を強制解約されたり、新規契約ができなくなるなどの制約や、裁判を起こされるリスクなども生じます。

つづいて、受任通知兼代金請求書が届くことによる債務者への影響を解説します。

現在利用中の携帯電話を強制解約される

受任通知兼代金請求書が届く原因でもっとも多いのが、携帯料金の支払い滞納です。

携帯料金の支払いがない場合、支払期日から約15日後には携帯電話の回線が止められて利用停止となり、支払期日から約2ヶ月で携帯電話を強制解約されてしまいます。

受任通知兼代金請求書が届く頃には、すでに携帯電話を強制解約されているケースが多いですが、強制解約されると同社での再契約だけでなく他社での新規契約も難しくなるため注意しましょう。

また、携帯料金を滞納すると「遅延損害金」という罰金が支払代金に加算されてしまう点も留意する必要があります。

  • NTTドコモ:年利14.5%
  • au:年利14.6%
  • ソフトバンク:年利14.5%

携帯料金の滞納による遅延損害金の利率は基本的に年利14.5%ですが、携帯本体を分割払いで購入した場合、さらに年利6.0%の利息損害金も加算されてしまいます。

クレジットカードやローンの新規契約ができない

クレジットカードやローンを新規契約する際、カード会社やローン会社は債務者の「信用情報」から支払能力を確認しています。

信用情報とは、次のような債務者の借入先や借入額などの返済状況を記録して、ほぼすべての金融機関や貸金業者などで共有している情報です。

  • 債務者の個人情報(氏名・住所・電話番号・勤務先など)
  • 借入状況(借入先・借入額など)
  • 入金履歴(請求額・入金額・入金日など)
  • 延滞の有無など

何らかの代金を滞納して受任通知兼代金請求書が送付された場合、その事実も信用情報に記録されてしまいます。

すると、カード会社やローン会社から「うちの会社でも代金を滞納するのでは?」と思われてしまい、クレジットカードやローンを新規契約できない可能性が高いです。

請求どおり支払わないと法律事務所から裁判を起こされる

受任通知兼代金請求書に記載された期日までに支払いがないと「これ以上待っても債務者は代金を払わない」と考えた法律事務所は裁判を起こして債務者に支払いを求めます。

この場合、法律事務所が「支払督促」または「民事訴訟」を裁判所へ申立てするケースが多いです。

もし裁判所から「支払督促」や「訴状」が届いた場合、すでに裁判が起きている状態ですので、速やかに「督促異議申立書」または「答弁書」を裁判所へ送付しましょう。

そのまま放置すると、法律事務所側の主張が全面的に通るため、強制執行によって債務者の財産や給与が差押えられてしまいます。

支払督促や訴状が届いた場合の対処法は、それぞれ以下の記事を参考にしてください。

裁判によって債務者の財産や給与が強制的に差押えられる

本来払うべき代金を払っていない以上、法律事務所との裁判では債務者が敗訴するケースが大半です。

裁判の結果、強制執行による差押えが言い渡されると、以下のような債務者の財産や給与が裁判所命令で強制的に差押えられてしまいます。

  • 現金(66万円を超過した部分)
  • 給与(1/4の金額または33万円を超過した部分)
  • 銀行口座
  • 自宅(持ち家のみ)
  • 車など

強制執行による差押えの判決が出れば、債権者と交渉したり、裁判所に異議申立てをしても撤回は困難ですので、早い段階で弁護士へ債務整理手続きを依頼しましょう。

受任通知兼代金請求書が届いた後に差押えを避ける対処法

受任通知兼代金請求書が届いた後、支払期限までに代金を払わないと財産や給与を差押えられますが、法律事務所や弁護士へ連絡して対処すれば差押えは避けられます。

支払期限までに代金を払えない場合でも、差押えを回避できる対処法は以下の2つです。

  • 発送元の法律事務所と交渉して、分割払いに変更してもらう
  • 弁護士へ債務整理を依頼して、払える金額まで支払代金を減らしてもらう

それぞれの対処法について、具体的に解説していきます。

発送元の法律事務所へ連絡して分割払いを交渉する

支払期限までに未払い代金の支払いが難しい場合、受任通知兼代金請求書を発送した法律事務所へ連絡して、分割払いへ変更してもらえないか交渉しましょう。

交渉成立すれば、請求された代金をいますぐ一括で払うのではなく、少額ずつ長期的に払っていく形になるため、いったん差押えを回避できます。

ただし、分割払いへの変更後に再び支払いが滞ると、やはり財産や給与を差押えられてしまうため、変更後に請求された金額は必ず期日までに払うようにしましょう。

減額ではなく分割払いなら応じてもらいやすい

債務者の財産や給与を差押えする裁判にも費用がかかるので、法律事務所も可能であれば裁判を起こさずに債務者から未払い代金を回収したいと考えています。

しかし、債権者から委託された金額を回収できなくなる以上、法律事務所の判断だけで支払代金の減額に応じてもらえる可能性は低いです。

分割払いであれば、裁判費用をかけずに債権者から委託された金額を回収できるため、法律事務所が認める可能性は高いので交渉してみるとよいでしょう。

支払いが難しい場合は弁護士へ債務整理を依頼する

電子書籍の代金払い忘れなど、未払い代金が数千円程度ならよいですが、携帯料金の滞納が重なる場合など、未払い代金が数十万円を超えてしまうケースが存在します。

また分割払いに応じてもらえても「3~4回払いまでしか認めません」や「最低でも毎月◯万円以上は支払ってください」といった厳しい条件を提示されるケースも多いです。

このように受任通知兼代金請求書に書かれた未払い代金の支払いが難しい場合、支払代金を減らせる「債務整理」という手続きを弁護士へ依頼するとよいでしょう。

債務整理を依頼すれば、弁護士が法律事務所と交渉して差押えを回避してくれる上、支払代金そのものを減額またはゼロにできるので、代金を払わずに解決できる可能性もあります。

債務整理すれば支払代金を減額またはゼロにできる

弁護士へ債務整理を依頼すれば、支払代金を減額またはゼロにできるため、支払いが難しい場合も減額後の金額を払うことで差押えを回避できます。

また他にも借金がある場合、受任通知兼代金請求書で請求されている代金以外の借金も減額できるので、経済的負担が大きく軽減されます。

債務整理には3種類の方法があり、次のようにそれぞれ減らせる金額などが異なるため、自分にあった方法を選ぶとよいでしょう。

方法 減らせる金額
任意整理 利息の全額または一部を減額
自己破産 借金の利息と元金をすべてゼロにする
個人再生 借金の利息と元金を両方1/5から1/10まで減額

それぞれの債務整理の違いや手続き方法に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

受任通知兼代金請求書が届いた場合は内容に心当たりがあるか確認する

受任通知兼代金請求書が届いたら「請求された内容に心当たりがあるか?」を必ず確認しましょう。

以下のような理由から「請求内容に心当たりはあるが、すでに払い終えているはず・・・」と誤解される方も少なくありません。

  • 家族や友人へ支払いを依頼したが、忘れられている。
  • すでに支払った別の代金と勘違いしている。
  • 他の支払方法にしたつもりが、誤って後払いを選択している。
  • 残高不足のせいでクレジット払いや口座振替が支払いできていない。
  • クレジットカードの更新により、支払方法が後払いへ変更とされている。
  • 誤った口座へ入金してしまい、支払いの確認が取れていない。
  • 料金を払っていないことを忘れたまま解約していた。
  • 定期コースを解約したつもりだが、解約が完了していない。
  • 他の月の請求と勘違いしている。

請求内容に心当たりがないからといって、そのまま代金を支払わずに放置すると、財産や給与を差押えられてしまう恐れがあります。

しかし、利用した事実のない代金を架空請求されている場合や、実際に利用していても5年以上経過している場合、代金を支払わなくてよい可能性もあるため注意が必要です。

心当たりがない請求は事務所名を騙った架空請求の恐れがある

受任通知兼代金請求書に書かれている債権者や請求額を確認して、内容に心当たりがない場合、架空請求の恐れがあります。

近年、法律事務所の名前を騙った架空請求が多発しており、受任通知兼代金請求書が届いても、内容を確認せずに支払うとお金を騙し取られてしまうため注意が必要です。

請求内容の事実確認をするには、受任通知兼代金請求書に記載されている債権者と法律事務所へ連絡しましょう。

ただし、受任通知兼代金請求書に記載されている電話番号は架空請求業者のものである恐れもあるため、債権者や法律事務所の公式ホームページに記載されている電話番号へ必ず連絡しましょう。

5年経過していれば時効により支払義務がなくなる

もし受任通知兼代金請求書の内容に心当たりがある場合でも、最後に代金を払った日から5年以上が経過していれば、時効が成立するため今後は代金を払う必要がありません。

ただし、5年間で未払い代金を一部でも支払っていたり、電話口で支払いを約束するなどの債務承認をしていると、時効が成立しないので注意が必要です。

また時効が成立していても「時効援用」を申請しない限り、借金の返済義務はなくならないため忘れずに手続きしましょう。

時効援用の手続き方法は、こちらの記事を参考にしてください。

受任通知兼代金請求書が届いたとき返済を遅らせてもらうことはできる?

受任通知兼代金請求書が届いたとき、支払期限までに代金を払えない場合でも法律事務所または弁護士へ連絡すれば、支払いを遅らせてもらうことは可能です。

法律事務所へ連絡して分割払いに変更してもらえば、結果的に払う金額は変わりませんが、支払期限以降へ返済を先延ばししてもらえる可能性があります。

また分割払いに変更しても支払代金が払えないといった場合も、弁護士へ債務整理を依頼すれば、弁護士が法律事務所と交渉して、支払代金を減額した上で返済計画を立ててもらえます。

いずれにせよ、支払期限までに代金を払えない場合は、そのまま放置すると財産や給与を差押えられてしまうので、まずは必ず法律事務所や弁護士へ相談しましょう。

まとめ

受任通知兼代金請求書は未払い代金の支払いを促すために債権者から委託された法律事務所が送付する書類です。

ただし、架空請求や時効成立により支払義務のない可能性もあるため、まず受任通知兼代金請求書が届いたら内容に心当たりがあるかを確認しましょう。

内容に心当たりがある場合、受任通知兼代金請求書が届いても請求どおりに代金を払えば、財産や給与の差押えは回避できます。

どうしても支払いが難しい場合、法律事務所と交渉して分割払いに変更してもらうか、弁護士へ債務整理を依頼して支払代金を減額してもらいましょう。

受任通知兼代金請求書の仕組みと対処法

受任通知兼代金請求書とは、どんな意味ですか?

滞納されている代金を債務者から回収するように、債権者が法律事務所へ委託したことを示す通知です。

受任通知兼代金請求書が届いたら、どのように対応すればよいですか?

請求どおり請求額を払うのがベストですが、もし払えない場合は法律事務所と自ら交渉しましょう。

受任通知兼代金請求書が届いた後も未払いが続くと、どうなりますか?

代金の未払いが続くと、裁判を起こされて財産や給与を差押えられてしまいます。

受任通知兼代金請求書どおりに代金を支払えない場合、どうすればよいですか?

代金の支払いが難しい場合、弁護士へ債務整理を依頼して、借金を減らしてもらいましょう。

受任通知兼代金請求書が届いた後、返済を遅らせてもらうことはできますか?

発送元の法律事務所または弁護士へ連絡すれば、支払いを遅らせてもらうことが可能です。

監修者
得意分野
  • 借金問題
  • 相続
  • 交通事故
所属事務所
力武法律事務所
所属弁護士会
長崎県弁護士会
登録番号
46405
経歴

佐賀県伊万里市出身
2003年 伊万里高等学校卒業
2007年 日本大学法学部法律学科(法職課程)卒業
2009年 東北大学法科大学院修了
2012年 弁護士登録し、岩永法律事務所(現:弁護士法人岩永・新富法律事務所)に勤務
2018年 力武法律事務所開業

長崎で力武法律事務所を運営しております、力武伸一です。「皆様にとってより身近な法律事務所でありたい」を理念として掲げ、お悩みの相談を受け付けております。ご相談いただく方々は、さまざまな不安や悩みを抱えておられます。その不安を、より「早く」大きな安心に変えることを意識しております。
また、弁護に関わる法律は難解な言葉も多いため、理解しやすいように「分かりやすく」説明いたします。相談の際には、平日の昼間だけでなく夜間、土日祝日、弁護士が直接「親しみやすく」接することを心掛けております。

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