連帯保証人は債権者の請求を支払い拒否できない!支払後に本人や他の連帯保証人に請求は可能

連帯保証人 支払い拒否

友人の借金の連帯保証人になっていたのですが、借入先の会社から一括で支払ってほしいと通知が届きました。通知を見ると、友人は半年も支払いをしていなかったようです。絶対に迷惑をかけないといわれて名前を貸しただけなのですが、支払いを拒否することはできますか?

残念ながら、承諾したうえで連帯保証人になったのなら、基本的に支払い拒否はできません。債権者の要求どおり一括返済するか、難しければ法律事務所へ相談して分割返済の交渉をしてもらうことをおすすめします。

そうなのですか、でも今は支払いをする余裕がありません。確か、私以外にも2人、連帯保証人がついていたはずなのですが、その人達に請求してもらうよう債権者にお願いしたり、連帯保証人で1/3ずつ債務を負担することはできませんか?

たとえ他に連帯保証人がいたとしても、債権者の請求を拒むことはできないのです。また、すべての連帯保証人が債務全額に対して支払義務を負っているので、1/3だけ支払えばよいというわけにはいきません。支払いをする余裕がないのなら、無料相談などを利用して法律事務所へ相談するとよいでしょう。

連帯保証人となっている借金について債権者から返済を求められた場合、支払いは拒否できません。

連帯保証人は債権回収を確実におこなうために設定するものであり、主債務者が自己破産したり、支払困難になった場合の担保だからです。

債権者が財産の差押えに移行する前に、早めに借金を解決することをおすすめします。

連帯保証人になってしまった際の借金返済や債権者への分割交渉は、借金問題に詳しい弁護士へ相談しましょう。当サイトでも借金問題に詳しく、無料相談を受け付けている法律事務所を紹介していますので、困ったら問い合わせてみてくださいね。

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この記事でわかること
  • 自分以外に(連帯)保証人がいたとしても、債権者からの請求を拒否できない。
  • 賃貸借契約の連帯保証人になっている場合、更新時に署名・捺印していなくても支払義務がある。
  • 連帯保証人も時効が成立していれば支払義務をなくせる。

連帯保証人にきた請求を支払い拒否するのは困難

借金や家賃などの連帯保証人になっていると、主債務者(実際にお金を借りた人)が支払いをしない場合、債権者から連帯保証人に請求がきます。

連帯保証人の支払義務についてなんとなく理解はしていても、いざ請求が来てしまうと「自分はなんの対価も受け取っていないのに、支払だけさせられるのは納得いかない」という人もいるでしょう。

しかし、連帯保証人になってしまうと、基本的に債権者からの請求を拒否できません。

次の項目から、状況別に「なぜ連帯保証人が支払いを拒否できないのか?」について詳しくお伝えします。

主債務者から迷惑をかけないと言われていても支払義務がある

「絶対に迷惑をかけないから」という主債務者の言葉を信じて連帯保証人になったとしても、連帯保証人としての責任は免れません。

たとえ、主債務者と連帯保証人との間で、債務に関して絶対に迷惑をかけないという内容の念書や録音などが残っていたとしても、債権者との契約には何の影響もありません。

そもそも、連帯保証人は債権回収を確実におこなうために設定するものであり、主債務者が自己破産したり、支払困難になった場合の担保だからです。

そのため、主債務者と「絶対に迷惑をかけない」と約束していたとしても、何の意味もないのです。

他にも(連帯)保証人がいる場合も支払い拒否できない

連帯保証人と混同されやすい言葉で保証人というものがありますが、連帯保証人と保証人では責任の重さが大きく違います。

主債務者が滞納した場合、(連帯)保証人に支払義務が生じますが、保証人の場合は「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」により、一時的に支払いを拒める場合があります。

【催告の抗弁権】
債権者からの請求に対して「先に主債務者に請求してください」と主張できる権利。
【検索の抗弁権】
主債務者に十分な財産があり、支払能力がある事を証明すれば、その財産を差押えるように主張できる権利。

しかし、連帯保証人にはこれらの権利がないため、主債務者に支払能力があったとしても請求を拒否できず、主債務者に代わって滞納分を払わざるを得ません。

また、主債務者に財産があったとしても、連帯保証人の財産が差押えられる恐れもあります。

さらに、保証人が複数いる場合、保証人には「分別の利益」があり保証人の頭数で割った金額のみを返済すればよいとされています。

【分別の利益】
複数の保証人が存在する場合に、その人数で割った金額のみ負担すればよいという権利。

そのため、例えば、債務が100万円で保証人が4人いる場合、保証人1人当たりの負担は25万円で済むことになります。

それに対し、連帯保証人はたとえ複数いても、一人一人の連帯保証人が債務の全額について支払義務を負っています。

そのため、債務が100万円で連帯保証人が4人いる場合は、4人とも100万円まで保証しなければなりません。

保証した金額より多額の請求をされても支払義務がある

「債権者からの請求額を見てみたら、保証した金額より高額になっていた」というケースもあります。

その場合、契約書に署名・捺印した時に貸付額が記載されておらず、後から書き入れられた可能性があります。

契約書記入の際に債権者も同席していて、口頭で確認された金額とは異なる金額が後から書き入れられた場合、口頭で確認された金額を超える請求は認められません。

また、契約書記入の際に債権者が同席していなかった場合も、基本的に当初確認された金額を超える請求は拒否しましょう。

もし、債権者が引き下がらない場合は、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

根保証だと契約時より高額の請求を受ける場合がある

根保証の場合も、保証した金額より多額の請求をされる恐れがあるので注意しましょう。

例えば、家賃の連帯保証人となっている場合、家賃は引っ越しをするまで毎月発生し続けます。

そのため、契約の時点では主債務者が家賃を滞納した場合、滞納総額がいくらになるか分かりません。

しかし、この遅れた家賃をすべて保証するというのが「根保証」です。

連帯保証人の支払義務には上限額がないので、主債務者の債務が増えれば増えるほど、連帯保証人の負担も大きくなります。

また、家賃以外にも根保証を利用した貸付をおこなう債権者もいます。

主債務者との一定期間内の取引について、一定限度額で保証するという契約を結ばせるのです。

この場合、契約書に署名・捺印した時の貸付額が100万円で、その100万円に関してのみ保証したと思っていたら、限度額いっぱいの500万円を請求されることがあります。

ただし、債権者が根保証について全く説明せず、100万円の貸付に関する保証だという連帯保証人の思い込みを利用して保証させたなどの場合は、100万円を超える請求が認められないこともあり得るのです。

2020年4月以降の根保証の契約は極度額の設定がなければ無効

2020年4月から施行された改正民法では、個人が保証人になる場合、極度額を定めていない根保証は無効となります。

極度額とは、保証人が主債務者の代わりに支払義務を負う金額の上限金額のことです。

契約時点で極度額が定められるので、連帯保証人が支払義務を負う金額は、契約の時点で決定します。

例えば、最初に極度額を100万円と定めれば、家賃滞納が200万円あっても連帯保証人が支払うべき金額は100万円までです。

極度額以上の保証を求められているのであれば、無効にできる可能性が高いですが、個人での交渉が不安であれば、法律事務所へ相談して交渉してもらうとよいでしょう。

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【家賃の場合】更新時に署名・捺印していなくても支払義務がある

賃貸借契約の場合、2年ごとに更新があるのが一般的ですが、更新の際に毎回連帯保証人から署名・捺印をもらうケースは少ないでしょう。

例えば、入居して5年の借主が家賃を滞納したので連帯保証人に請求がきた場合「更新の際、連帯保証人を引き受けた覚えはない」と支払いを拒否できるのでしょうか?

結論からいうと、このような場合でも、連帯保証人に支払義務が生じる可能性が高いです。

普通借家契約の場合「契約が更新されることが前提」であり、連帯保証人は更新後も保証の責任があることを承知で契約したとみなされます。

そのため、連帯保証人の同意(署名・捺印)がないまま更新されたとしても、滞納が発生すれば貸主は連帯保証人に支払いを請求できますし、連帯保証人は請求に応じなければなりません。

これは、合意更新の場合でも自動更新の場合でもあてはまるでしょう。

連帯保証人として一括請求された場合の対処法

前述したように、一度連帯保証人になってしまうと、債権者からの請求を拒否するのは難しいです。

しかも、連帯保証人が請求を受けるのは、一般的に主債務者が自己破産や長期滞納をした場合なので、原則一括での支払いを求められます。

それでは、債権者から一括請求を受けた場合、どのように対処したらよいのでしょうか。

次の項目から詳しくお伝えします。

連帯保証人になった覚えがないと主張する

多くの場合、連帯保証人になる手続きは契約書に署名・捺印をして、簡単な書類を用意するだけで済みます。

そのため、特に夫婦間や親子間で多いのが、印鑑を持ち出され、勝手に連帯保証人にされていたというケースです。

この場合、そもそも「自分は連帯保証人になっていない」と債権者に対してきちんと主張することが大切ですが、相手が納得しない場合は裁判で争うこともあります。

裁判では、連帯保証人の筆跡や印鑑の印影などを争っていきます。

支払義務を免れるためには、自分は連帯保証人になっていないことを証明する証拠を提示しなければならず、ハードルが高いといえるでしょう。

債権者に連帯保証人になった覚えがないと主張しても納得してもらえない場合は、できるだけ早く専門家である法律事務所へ相談することをおすすめします。

担保の設定がある場合は担保の売却額で相殺する

もし、あなたが連帯保証人として保証している債務に不動産などの担保が設定してある場合、担保を売却し、その売却額で債務を相殺できる可能性もあります。

しかし、前述したように、連帯保証人は債権者から請求があった場合、基本的にそれを拒むことができません。

また、例えば、連帯保証人の収入が極端に多く、担保になっている物件が売れそうにないという場合は「連帯保証人に対して裁判を起こす方が先」と債権者が判断する可能性があります。

あくまでも、債権者の判断によるということを覚えておきましょう。

担保を売却しても請求額が残ると連帯保証人に請求がいく

前述のような、担保を売却して債務を相殺するという方法は、あくまでも担保の売却額が債務を上回る場合に有効です。

そのため、担保を処分した後に債務が残ってしまう場合は、不足額について連帯保証人に請求がいくことになるでしょう。

5年以上滞納している場合は時効援用で支払義務をなくす

最終返済日から5年以上経過している債務であれば、時効援用をすることで支払義務をなくせる場合があります。

時効援用ができるのは主債務者だけと思っている人もいるかもしれませんが、連帯保証人も時効援用をすることで支払義務をなくすことは可能なのです。

ここで注意してほしいのが、連帯保証人が時効援用をして債務が消滅しても、主債務者の支払義務は残るということです。

逆に、主債務者が時効援用して債務が消滅した場合は、連帯保証人の支払義務もなくなります。

また、時効成立までの期間に時効の中断事由があると、時効期間がリセットされてしまいますが、主債務者による時効中断事由があった場合、連帯保証人の時効期間もリセットされます。

しかし、連帯保証人による時効中断事由があった場合は、連帯保証人の時効期間はリセットされても、主債務者の時効期間には影響がありません。

そのため、主債務者が時効援用すれば、連帯保証人の時効が成立していなくても、主債務者の債務と一緒に連帯保証人の債務も消滅します。

時効援用の方法や時効の中断事由についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事で紹介しているので参考にしてください。

一括返済に応じて後から主債務者や他の連帯保証人へ請求する

もし、一括返済に応じる資力があるならば、債権者の要求どおりに一括返済するのが最も早く解決する方法です。

この場合、連帯保証人は自分が債権者に支払った金額を後から主債務者に請求できます。

これを求償権といいます。

また、主債務者からの回収が困難な場合でも、自分とは別に連帯保証人がいる場合は、連帯保証人の頭数で割った分を他の連帯保証人に請求することも可能です。

債権者と分割返済の交渉をする

債権者は「連帯保証人に自己破産などの債務整理をされるより、分割返済でも回収できた方がよい」と考えていることが多いです。

そのため、分割弁済の交渉が成立する余地はあります。

ただし、自力で分割交渉する場合は、完済まで高額な利息も併せて支払うよう要求される恐れもあるため、注意しましょう。

また、時効が成立していた場合は、時効援用で支払義務をなくせるチャンスを逃す恐れもあります。

自力で交渉する前に、時効が成立している可能性がないか、専門家である法律事務所へ相談することをおすすめします。

法律事務所に相談して適切なアドバイスをもらう

一括返済に応じるのが難しい場合は、法律事務所へ相談するのがおすすめです。

前述したとおり、自力で分割返済の交渉をすると、高額な利息も請求される恐れがあります。

また、一括返済後に主債務者や他の連帯保証人へおこなう請求も、法律事務所にアドバイスをもらいながらおこなうのが確実です。

当サイトでは無料で相談できる法律事務所を紹介していますので、少しでも気になることがあれば、気軽にご相談ください。

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連帯保証人の支払義務を避けるには?

連帯保証人は債権者からの請求を拒むのが難しいため、連帯保証人の支払義務を避けるには、そもそも請求を受けないようにするのが一番です。

次の項目から、債権者から請求を受ける前に、連帯保証人の支払義務を避けるためにするべきことをお伝えします。

連帯保証人の変更・解除を申し出る

債権者の合意が得られれば、契約途中で連帯保証人を変更・解除できます。

ただし、以下のような条件がつくのが一般的です。

  • 自分と同程度の収入がある別の連帯保証人を立てる。
  • 不動産を担保として差し出す。

債権者の合意が得られない場合は、基本的に契約期間が満了するまで契約を解除できません。

信頼できる相手でも連帯保証人になるのはやめておく

主債務者との信頼関係が十分である場合にのみ、連帯保証人を引き受けるのはもちろんですが、一番は勇気をもって断ることでしょう。

身内や親しい友人から頼まれた場合は断りづらいとは思いますが、最初から自分の手に負えないことが分かっている責任を負うべきではありません。

連帯保証人になってほしいと頼まれたらすぐに印鑑は押さず、一度立ち止まって連帯保証人の負う責任についてよく考えてください。

まとめ

連帯保証人になることは、債務に対して主債務者と同じ責任を負うことに他なりません。

もちろん、主債務者がきちんと返済している限り問題はおきませんが、主債務者が返済をしないと、連帯保証人に請求がくることになります。

自分がなんの対価も受け取っていない債務を、背負わされるのは嫌だと思うなら「連帯保証人になってほしい」と頼まれても断る勇気をもつことです。

もし、連帯保証人になってしまい債権者から一括請求を受けているなら、できるだけ早く法律事務所へ相談して状況に合った適切なアドバイスをもらいましょう。

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「今現在、請求されている債務の負担がどれくらい軽減されのか?」簡単に調べることができますので、ぜひご利用ください。