身分証悪用の借金は返済義務なし!金融機関へ自分の借金ではない事実を伝えよう

先日、身分証を紛失してしまい、その身分証を誰かが悪用して私の名義で借金をしたようです。身に覚えのない金融機関から次々と請求が来て、怖くてたまりません。どうすればよいでしょうか?

自分でした借金でなければ、返済せずに済む可能性が高いでしょう。身分証の紛失に気づいた際、すぐに警察へ遺失届を提出しましたか?

はい。飲み会の帰りだったのですが、お店に問合せても見つからなかったので、その日中に最寄りの交番へ遺失届を出しました。

それなら、借金の契約より前に遺失届が出されていたことが証明できれば、金融機関にも納得してもらえる可能性が高いです。まずは金融機関に身分証悪用による借金であることを伝えて、納得してもらえないようなら法律事務所に間に入ってもらうと早く解決できるでしょう。

身分証の紛失や盗難にあい、その身分証を悪用され他人が勝手に借金をしたというケースは珍しくありません。

身分証悪用による借金の場合、原則として本人に返済義務はありません。

ただし返済義務がないからと放置してしまうと、借入やクレジットカードの発行ができなくなる恐れがあります。

また、少しでも返済してしまうと借金の契約を追認したとみなされ、借金全額について返済義務が生じてしまうのです。

このように、身分証悪用による借金を放置したり、安易に自力で対処するのは危険です。

身分証を悪用され他人が勝手に借金したと気づいたら、早急に法律事務所へ相談しましょう。

当サイトでは相談無料の法律事務所を紹介しているので、ぜひ気軽に相談してくださいね。

この記事でわかること
  • 身分証悪用による借金は原則として本人に返済義務はない。
  • 身分証悪用による借金を返済すると「追認」となり返済義務が生じるため、絶対に返済してはいけない。
  • 身分証悪用による借金の請求が来たら、金融機関へ連絡して借りていない事実を伝え、金融機関が納得しなければ法律事務所へ相談するとよい。

身分証悪用による借金は本人に返済義務があるか?

借金は借入理由にかかわらず、名義人本人が返済義務を負うのが通常です。

では、自分の身分証を悪用され他人が勝手に借金をした場合はどうなるのでしょうか。

この場合、身分証を悪用された経緯や借金後の本人の行動によって、本人に返済義務が生じるかは変わってきます。

次の項目から「身分証悪用による借金は本人に返済義務があるか」について、詳しくお伝えします。

原則として本人に返済義務はない

他人が自分の身分証を悪用し、自分になりすまして借りた借金は、原則として本人に返済義務はありません。

貸金業法によって、本人がおこなっていない借金の契約は無効と定められているからです。

ただし返済義務がないからといって、身分証悪用による借金が発覚したのに放置するのは危険です。

借金を返済せず滞納すると、信用情報に事故情報が載ってしまい、借入やクレジットカードの発行ができない「ブラックリスト入り」した状態になるからです。

信用情報・・・申込内容・契約内容・支払状況・残高などで構成されており、主に信用情報機関に加盟するクレジットカード会社や銀行などの金融機関から登録された情報。

信用情報機関・・・信用情報を管理している「CIC」「JICC」「KSC(全銀協)」の3つの機関。

また事故情報は一度載ると借金の滞納が解消され、さらに5年が経過するまで残り続けるといわれています。

そのような事態を避けるためにも、事故情報が載ってしまう前に金融機関へ連絡し、身分証を悪用され他人が勝手に借金した事実をしっかりと伝えることが大切です。

返済すると「追認」となり返済義務が生じる

前の項目では、借金を滞納すると信用情報に事故情報が載るとお伝えしました。

ただし事故情報の掲載を防ぐために、金融機関から請求が来たらとりあえず払える範囲で返済するのはおすすめできません。

名義人本人が金融機関に1円でも返済してしまうと、借金の契約を追認したとみなされるからです。

追認した借金は、たとえ身分証を悪用され他人が勝手にした借金であっても、本人に返済義務が生じてしまいます。

そのため、たとえ1回でも1円でも絶対に返済してはなりません。

自ら個人情報を漏らした場合は返済義務が生じる恐れがある

大学構内で「アンケートに答えたら報酬を出す」と言われて答えた。報酬の支払いのために銀行口座番号を聞かれ、運転免許証の画像も撮影された。翌日、消費者金融から借入の本人確認の電話があったため「アンケートに答えたが、借入の申込みはしていない」と断った。今後も個人情報が悪用されないか心配だ。相手の連絡先は分からない

上記は、2020年1月30日の西日本新聞に掲載された事例です。

事例のようなケースで、仮に他人が身分証の本人になりすまして借金ができたとしましょう。

この場合「なりすましによる借金だから返済義務がない」と本人が主張しても、自ら個人情報を漏らしたとして金融機関と争いになる可能性があります。

見ず知らずの人に身分証の画像を撮らせたり、銀行口座番号やキャッシュカードの暗証番号などを伝えたりしてはいけません。

もし事例のような勧誘や身に覚えのない借金に気づいた時は、すぐに最寄りの消費生活センターまたは消費者ホットライン(局番なしの188)へ相談し警察にも情報提供しましょう。

参照:全国の消費生活センター等_国民生活センター

【借入先が闇金だった場合】闇金の貸付自体が違法なので返済義務はない

借入先が正規の貸金業者ではなく、闇金だった場合はどうなるでしょうか?

闇金からの借金の場合、そもそも貸付契約自体が違法で返済義務がない場合もあります。

違法な高金利が設定されている場合や相手の取立行為が悪質な場合などは、貸付自体が公序良俗に反するとして無効となるのです。

以下の記事では、保険証を悪用され闇金から請求が来た場合の返済義務や対処法について、詳しく紹介しているので参考にして下さい。

身分証悪用による借金の請求が来たらどうする?

もし身分証を悪用され他人が勝手にした借金の請求が、本人である自分のところに来たら、どうすればよいのでしょうか。

このような場合、まずは一刻も早く金融機関へ連絡し、身分証を悪用され他人が勝手に借金した事実をしっかりと伝えることが大切です。

ただし金融機関が納得しない場合は、法律事務所へ相談して金融機関へ内容証明を送ったり、裁判によって自分がした借金ではないことを証明しなければならない可能性があります。

次の項目から「身分証悪用による借金の請求が来たらどうすればよいか」について、順を追ってお伝えします。

金融機関へ連絡して借りていない事実を伝える

前述したように、まずは金融機関へ連絡して、身分証を悪用され他人が勝手に借金した事実を伝えましょう。

放置してしまうと信用情報に事故情報が載り、借入やクレジットカードの発行ができなくなってしまいます。

また、少しでも返済すると借金の契約を追認したとみなされ、借金全額について返済義務が生じてしまうので、金融機関と話すのが面倒でも安易に返済するのはおすすめできません。

もし「金融機関と自分で交渉するのは不安」という場合は、消費生活センターや警察へ相談してみるとよいでしょう。

事前に遺失・盗難届の提出や身分証の再発行をしておく

身分証悪用による借金の請求の有無にかかわらず、身分証の紛失・盗難に気づいたらすぐに遺失・盗難届の提出と身分証の再発行をおこないましょう。

借入がおこなわれる前に遺失・盗難届が提出されていたり、身分証の再発行がおこなわれていたと分かれば金融機関も納得してくれやすくなります。

また、もし金融機関が納得せず裁判となった場合も、あなたにとって有利な証拠となるでしょう。

金融機関へ内容証明を送る

金融機関へ身分証悪用による借金について「返済義務がない」と主張する場合、ただ電話などで連絡するのではなく内容証明を利用すると効果的です。

内容証明・・・郵便サービスの1つで、郵便の内容・発送日・相手が受取った日付などを郵便局が証明するサービス。

内容証明で主張することには、以下の2つの効力があります。

  • 自分は請求に応じない意向が硬いことを明確に示せる。
  • 自分が主張した内容を後日証明できる。

また、内容証明を送っていれば、裁判になった場合に裁判前の段階における自分の主張内容を、裁判で証拠として提出できます。

これにより、裁判になる前から自分が「身分証悪用による借金なので返済義務がない」と主張していたことを裁判所で証明でき、自分の主張に一貫性があると裁判所に認めてもらえるでしょう。

内容証明は自分で送ることもできますが、法律事務所へ依頼すると以下のようなメリットがあります。

  • 弁護士名義で送ることにより金融機関に請求を断念させる効果が強まる。
  • 内容証明を受取った金融機関からの連絡対応も弁護士に任せられる。

のちのち裁判になった時のことなどを考えると、内容証明は重要な証拠となるので、専門家である法律事務所へ依頼し確実な形で送ることをおすすめします。

当サイトでは無料相談ができる法律事務所を紹介しているので、まずは気軽に相談してみてください。

>>【初回相談無料】内容証明の送り方について相談できる法律事務所はこちら

「債務不存在確認訴訟」を起こす

内容証明を出して「身分証悪用による借金なので返済義務がない」と主張しても金融機関が納得しない場合、自分がした借金ではないことを裁判で証明する必要があります。

この場合、自分が原告となり金融機関を被告として「債務不存在確認訴訟」を起こすことになります。

債務不存在確認訴訟は、民事訴訟の中の確認訴訟の一種です。

債権の存否について紛争がある場合に、債務者とされている人を原告、債権者と主張している人を被告として、被告の主張する原告の債務が存在しないことの確認を求めます。

訴訟において通常は原告が債権を主張するところ、債務不存在確認訴訟では原告が債務の不存在を、被告が債務の存在を主張するのです。

債務不存在確認訴訟で原告の債務不存在が認められれば、法的に返済義務がないことを証明できます。

債務不存在確認訴訟を自分でおこなうのは困難!法律事務所へ相談しよう

訴訟では以下のような点が争点となります。

  • 本人の意思確認があったか?
  • 実印や本人の筆跡が使われているか?

手書きの契約書を貸金業者が持っている場合は、自分の筆跡と比較して自分のものではないことを証明できます。

契約書の筆跡が自分のものではなかったり、実印が使われていなかった場合には、返済義務がなくなる可能性が高いでしょう。

なお相手は貸金業者ですから、敗訴してしまった場合にも発生日から3年間は損害賠償請求ができます。

ただし、実際のところ訴訟は手間と時間がかかり、自分でおこなうのが困難です。

そのためほとんどの場合、法律事務所へ相談しておこないます。

もちろん債務不存在確認訴訟を法律事務所へ依頼するとなると費用が必要ですが、当サイトでは費用の分割払い可能な法律事務所を紹介しています。

相談も無料で受付けているので、まずは気軽に相談してみてください。

身分証を悪用されて借金されたかも。確認する方法は?

「クレジットカードを発行しようとしたら、今まで借金を滞納したことがないのに審査が通らなかった」

このような場合、身分証を悪用され他人が勝手に借金をした恐れがあります。

まずは以下のような事柄に心当たりがないか確認してみましょう。

  • 以前に身分証の紛失・盗難にあったことはないか?
  • 家族や同僚などが目を離した隙に身分証を持出した可能性はないか?

もし身分証を悪用され他人が勝手に借金をした可能性があるなら、一刻も早く確認することが大切です。

次の項目で「身分証悪用による借金があるか確認する方法」について詳しくお伝えします。

信用情報機関から信用情報を取寄せる

自分が契約した借金でなければ、手元に契約書の控はありません。

それどころか自分で金融機関を選んで借金したわけではないので、どこの金融機関から借りているかもわかりません。

そのような状況で、身分証悪用による借金があるかどうかを確認したい場合、信用情報機関から信用情報を取寄せましょう。

信用情報を取寄せれば、自分でも把握していない借金の借入先・借入額・返済状況などの情報を調べられます。

なお信用情報機関は3つありますが、それぞれ加盟している金融機関が異なるので、3つすべての信用情報機関から信用情報を取寄せることをおすすめします。

信用情報の取寄せ方について、詳しくはこちらの記事で紹介しているので、参考にしてください。

身分証の紛失・盗難にあった。借金に悪用されないための対策は?

前述したように、身分証を悪用され他人が勝手に借金をしたとしても、原則として本人に返済義務はありません。

ただし状況によっては、身分証悪用による借金だと証明するのが難しかったり、金融機関が納得しないと裁判に発展して解決までに大変な手間と時間がかかる恐れもあります。

そのようなリスクを防ぐために、身分証の紛失・盗難にあったと気づいたら、借金に悪用されないようすぐに対策をとる必要があります。

次の項目から「身分証の紛失・盗難にあった場合に、借金に悪用されないための対策」について詳しくお伝えします。

紛失・盗難にあったらすぐに警察へ遺失・盗難届を提出する

身分証の紛失・盗難にあったと気づいたら、速やかに遺失・盗難届を提出しましょう。

届出はどこの警察署・交番・駐在所でも受付けていますが、早期発見のためにはできるだけ紛失・盗難にあった場所を管轄する警察署・交番・駐在所へ届出をするとよいでしょう。

なお紛失・盗難にあった場所が広範囲で、管轄する警察署が複数にわたる場合でも、1つの警察署に届出をすれば手続きは完了します。

届出の方法は、主に以下の2種類です。

  • 警察署・交番・駐在所へ直接来訪して提出する。
  • 「電子申請・届出システム」を利用してインターネットで提出する。

こちらのページから「電子申請・届出システム」を利用して遺失届を提出できます。

参照:【e-kanagawa電子申請】利用者管理:利用者ログイン

なお「電子申請・届出システム」は遺失届専用なので、盗難届を提出したい場合は警察署・交番・駐在所へ直接届出をしてください。

信用情報機関へ「本人申告」をする

本人申告とは、身分証の紛失・盗難にあった場合、自分の信用情報に身分証を紛失した旨を登録することで、加盟している金融機関へ注意喚起をおこなう制度です。

本人申告を利用することで、身分証悪用による借金を未然に防止する効果が期待できます。

利用する場合は、各信用情報機関へ本人申告の手続きをしましょう。

なお信用情報機関によって加盟している金融機関が異なるので、すべての信用情報機関へ本人申告をすることをおすすめします。

参照:本人申告とは|情報開示とは|指定信用情報機関のCIC

参照:本人確認書類の紛失・盗難等について |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関

参照:本人申告の手続き | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会

免許証コピーを悪用して借金するのは困難

「コンビニで免許証のコピーを取った際、免許証自体はちゃんと財布に戻したのに、肝心の用紙の方をコピー機に残して帰宅してしまった」

このような場合「免許証のコピーを悪用して他人が勝手に借金をしないか」不安になりますよね。

結論からいうと、免許証のコピーを悪用して借金をするのは困難だといえます。

金融庁に登録している正規の貸金業者は、金融庁によってお金を貸す際に厳重な本人確認をおこなうよう義務付けられているからです。

そのため契約の際は写真付身分証と本人の顔が一致しているかしっかりと確認し、無人契約機の場合でもカメラ確認をおこないます。

もし十分な本人確認をせずお金を貸したことが分かると、金融庁から指導が入り最悪の場合「業務停止命令」が下るおそれもあるのです。

よって、免許証のコピーを入手できたとしても免許証の本人になりすまして借金をするのは極めて困難だといえるでしょう。

審査の緩い貸金業者は借りられる恐れもある

前述したように、免許証のコピーを入手しても免許証の本人になりすまして借金をするのは困難です。

ただし、なかには審査の緩い貸金業者もあり、十分に本人確認をしないまま借金の契約がおこなわれるケースもあります。

また兄弟など容姿が似ている人が免許証のコピーを入手して本人になりすました場合、カメラ確認などではなりすましだとわからない恐れもあります。

そのようなリスクを避けるため、免許証のコピーであっても紛失・盗難にあった場合は信用情報機関の本人申告などを利用して身分証悪用による借金を防ぐ対策をしましょう。

まとめ

身分証を悪用され他人が勝手に借金をしたとしても、原則として本人に返済義務はありません。

しかし放置してしまうと、信用情報に事故情報が載り、一定期間は借入やクレジットカードの発行ができなくなるため、早急に対処するとよいでしょう。

また紛失・盗難にあった身分証を悪用され、他人が勝手に借金をした恐れがある場合は、すぐに信用情報機関から信用情報を取寄せて確認することをおすすめします。

もし信用情報を取寄せても内容がよくわからない場合は、法律事務所へ相談してみましょう。

信用情報は専門用語が多く見方が分かりづらいため、専門家である弁護士などに確認してもらうのが確実です。

当サイトでは相談無料の法律事務所を紹介しているので、ぜひ気軽に相談してくださいね。

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