【債務整理で失敗しない弁護士の選び方】ホームページでわかる判断基準
債務整理したいけど、どうすれば良い弁護士さんを探せますか?


ホームページを見れば「債務整理の得意な弁護士か?」はある程度わかります。例えば「得意分野」に債務整理だけを挙げている弁護士であれば、専門知識も豊富なのでしっかり借金を減らしてくれるでしょう。
確かにそうかも!でも、良い弁護士さんって費用とかも高そう・・・


基本的に弁護士費用はホームページの記載どおりですが、費用を抑えたいなら「◯◯円〜」と記載している弁護士は避けた方がよいでしょう。無料相談できる弁護士事務所も多いので、実際に話を聞いてみるのがベストです。
債務整理するとき、もっとも重要なのが「どの弁護士に依頼するか?」です。
債務整理では債権者や裁判所を介した手続きが欠かせないため、担当弁護士には相手を説得するための交渉力が求められます。
とくに任意整理の場合、交渉力のない弁護士では「◯◯万円まで減額したい」と依頼しても、希望した金額まで減額できない可能性も否めません。
また、ホームページで記載されている弁護士費用と、実際に弁護士事務所で説明された金額が異なっていたというケースも多く、依頼後に費用が追加でかかる恐れがあります。
じつはホームページを見るとき、特定の箇所をチェックすれば「債務整理の得意な弁護士か?」や「どの程度の弁護士費用がかかるか?」といった点は予想できます。
また、いくつかの弁護士事務所で実際に相談したところ、親切な対応をしてくれる弁護士には共通する傾向があるようです。
この記事では、債務整理で失敗しないための弁護士の選び方を解説します。

- 債務整理を依頼する弁護士を選ぶ基準は「交渉力」「弁護士費用」「人柄」の3つ。
- ホームページを見れば「交渉力」と「費用」の優れた弁護士を絞れる。
- 「人柄」の良い弁護士ほど、依頼者の希望通りに借金減額してくれる。
債務整理を依頼する弁護士は「実績」「費用」「人柄」で選ぶべし
「債務整理で後悔した・・・」という方の失敗談を聞くと、大きく分けて2パターンがあります。
- 自分の希望通りの金額まで減額してもらえない
- 自分の想像以上に弁護士費用を請求されてしまう
1つ目は「借金を30万円まで減らしてほしい!」と依頼したのに、50万円までしか減額できなかったようなパターンですね。
2つ目は「弁護士費用は2万円だけでOKです」と言われていたのに、後から追加で成功報酬や手数料などを請求されてしまうようなパターンです。
こうした失敗を避けるには、次の3つを判断基準に債務整理を依頼する弁護士を選ぶとよいでしょう。
判断基準 | 影響 |
---|---|
実績 | どれだけ借金を多く減らせるか? |
費用 | 必要以上に請求されないか? |
人柄 | 親身になって対応してくれるか? |
ホームページで「実績」と「費用」を確認して、いくつか候補の弁護士を絞り込んでから、実際に相談へ行って「人柄」を確認するのがベストです。
【選び方1】ホームページが債務整理に特化しているか?
この記事をご覧になっているみなさん同様、債務整理を依頼する弁護士を探す際には、まずはインターネットで検索して探す方がほとんどだと思います。
しかし、検索結果の上位に表示されているからといって、必ずしも債務整理が得意な弁護士事務所とは限りません。
かならず依頼前には、弁護士事務所のホームページをよく読んで、得意分野や過去の実績を確認しましょう。
「債務整理の得意な弁護士であるか?」は、ホームページの「得意分野」や「実績」を確認するだけで目星をつけられます。
- 得意分野に債務整理だけを挙げている
- 過去の実績が多く記載されている
これらを満たす場合、債務整理でしっかり成果を上げてくれる弁護士である可能性が高いです。
得意分野の1番上に債務整理を挙げている
いくら弁護士歴が長くても、債務整理の経験が浅いようでは、債権者との交渉に失敗してしまう恐れがあります。
ほとんどの弁護士事務所は、ホームページに「得意分野」や「相談分野」を掲載しています。
「得意分野」の1番上に債務整理を掲げている場合、債務整理に関しては絶対的な自信がある証拠といえます。
とはいえ、弁護士も商売なので、得意分野に債務整理だけを掲載している事務所は少ないです。
次点として数ページにわたり債務整理の情報を掲載している弁護士事務所なども、債務整理に自信がある弁護士でしょう。
- 「得意分野」の1番上に債務整理を掲げている
- 数ページにわたり債務整理の情報を掲載している
過去の実績が多く掲載されている
「◯◯に強い弁護士」と記載している事務所がありますが、実際にどの程度の業務をこなしているかはわかりませんよね。
弁護士がどの程度、債務整理を扱った経験があるかを知りたければ、これまでの実績の数で比較するのがベストです。
弁護士事務所のホームページの多くが「実績」や「事例」として、過去に弁護士が担当した案件を掲載しています。
ただし、弁護士事務所のサイトには、良い実績も悪い実績もすべて掲載されているわけではなく、好意的な実績ばかりが掲載されやすい点は留意してください。
悪い実績も調べたい場合、検索エンジンで「(弁護士名)評判」と調べるとよいでしょう。
弁護士会から懲戒処分を受けた経歴がない
弁護士の悪い実績を調べる目安となるのが、懲戒処分を受けた経歴の有無です。
もし 「頼んだことをしてくれない」「弁護士費用に納得がいかない」といった不満が依頼者から寄せられた場合、担当弁護士は弁護士会から懲戒処分のペナルティを受けます。
弁護士が業務停止のような懲戒処分を受けた場合、原則として一般に公開されます。
過去の懲戒処分は「弁護士懲戒処分検索センター」というサイトで閲覧できるので、調べておくとよいでしょう。
【選び方2】債務整理にかかる弁護士費用が明確か?
債務整理を依頼する以上、なるべく弁護士費用は抑えたいですよね。
弁護士事務所のホームページには、次のような弁護士費用が掲載されているので、これらを確認すれば「どのくらい弁護士費用がかかるか?」を把握できます。
費用 | 説明 |
---|---|
相談料 | 弁護士への相談時に払う費用 |
依頼料 | 弁護士への依頼時に払う費用 |
報酬金 | 債務整理に成功した場合のみ払う費用 |
手数料 | 事務処理に対して払う費用 |
また弁護士が債務整理に成功した際に支払う報酬金には、以下の3種類があります。
種類 | 説明 |
---|---|
解決報酬金 | 業者と和解した際に払う報酬金 |
減額報酬金 | 減額できた金額に応じて払う報酬金 |
過払金報酬金 | 回収した過払金に応じて払う報酬金 |
しかし、弁護士費用を明確に記載していない事務所へ依頼すると、あとから予想外の費用を請求されてしまう恐れもあるため注意が必要です。
せっかく債務整理で借金を減らしたのに、弁護士費用のせいで家計が圧迫されては意味がありません。
弁護士費用を抑えつつ、費用の追加請求も避けるには、次の条件を満たす弁護士事務所へ債務整理を依頼しましょう。
- 無料相談をおこなっている
- 分割払い・後払いに対応している
- 弁護士費用の表記が「◯◯円〜」ではない
無料相談をおこなっている
債務整理に自信のある弁護士は、相談料ではなく成功報酬で利益をあげるため、基本的に無料相談を受け付けています。
逆にいうと、相談料を取る弁護士は債務整理を得意としていない可能性が高いです。
極端な話、無料相談に対応していない弁護士事務所は選択肢から外して問題ありません。
債務整理を依頼する場合、フラットな見解を得るためにも、複数の弁護士事務所へ相談した方がよいので、無料相談に対応している事務所をいくつか調べておきましょう。
分割払い・後払いに対応している
「債務整理したいけど、弁護士費用が払えない」と悩まれる方は少なくありません。
とくに任意整理の場合、減額後も借金返済を続ける必要があるので、ふたたび借金滞納しないためにも、できるだけ弁護士費用を抑えて返済額に充てたいところです。
債務整理を依頼する際、いますぐ弁護士費用を用意できない場合には「分割払い」や「後払い」を認めてくれる事務所もあります。
依頼者の事情を理解してくれる弁護士事務所であれば、1回あたりの返済額が少なくなるように、分割回数を変更してくれる事務所も多いです。
まずは債務整理後の生活を立て直すことが最優先ですので、分割払い・後払いに対応している弁護士事務所へ依頼するのがよいでしょう。
弁護士費用の表記が「◯◯円〜」ではない
弁護士費用について「◯◯円〜」と表記しているホームページは多いですよね。
たしかに債務整理へ着手してみないと、最終的な費用はわからないかもしれませんが、ある程度の予想はできるはずです。
「こうなった場合の費用はこの程度」とケース別で費用を明記していない弁護士事務所は、後から追加で費用を請求してくる恐れもあります。
予想外の出費を避けたいのであれば、弁護士費用を「◯◯円〜」ではなく「◯◯円」と明記している弁護士事務所がよいでしょう。
任意整理の弁護士費用は5万円以内が相場
かつては「報酬規程」というルールによって弁護士費用が決められていました。
現在では、それぞれの弁護士事務所が弁護士費用を自由に設定できますが、いまだに報酬規定のルールを参考に設定している事務所も少なくありません。
種類 | 金額 |
---|---|
解決報酬金 | 1社あたり2万円以下 (商工ローンは5万円以下) |
減額報酬金 | 減額した分の10%以下 |
過払金報酬金 | 回収額の20%以下(訴訟の起きない場合) 回収額の25%以下(訴訟の起きた場合) |
任意整理の場合、弁護士費用を報酬規程と同じく5万円以下に設定している事務所が多いため、それ以上であれば割高といえます。
より正確に相場を知りたい場合、複数の弁護士事務所で費用を比較すれば、だいたいの相場がわかるでしょう。
費用 | 相場 |
---|---|
任意整理 | 約5万円+減額した分の1〜2割 |
自己破産 | 約30万円〜 |
個人再生 | 約40万円~ |
【選び方3】相談対応が親切な弁護士であるか?
結局のところ、債務整理で減額できる金額は、弁護士の人柄による部分が大きいです。
債務整理は「できれば◯◯万円まで減額してほしい」「家は残したいので自己破産は避けたい」といった依頼者の希望が関わるため、弁護士との意思疎通が大切になります。
ですので、相談する段階で「この弁護士ならなんでも話せる」「遠慮せずに質問できる」「安心して任せられる」と思える、親切な弁護士へ依頼するのがベストです。
「親切な弁護士であるか?」を確認するには、以下の点をチェックしましょう。
- 経験豊富な事務員が対応してくれる
- 手続き完了まで担当弁護士が一貫している
- 依頼者からの連絡に早く返答してくれる
- デメリットやリスクも説明してくれる
- 依頼者の要望を尊重してくれる
実際に弁護士事務所で相談する際、どのような言動がよく見られるか解説していきます。
弁護士本人または経験豊富な事務員が対応してくれる
まず弁護士事務所へ相談にいくと、弁護士本人ではなく事務員が応対する場合があります。
そもそも事務員がある程度の法律知識を備えていないと、きちんと依頼主の状況を把握できない上、弁護士にも曲解されて伝えられてしまう恐れがあります。
弁護士や事務員の法律知識の有無を確認するには、次の点をチェックしましょう。
- 依頼者の質問に素早く答えてくれるか?
- 依頼者の質問について資料を見ずに返答できるか?
- 1つの質問に1分以上かけて解説してくれるか?
また経験上、以下のように事務員の対応が親切でない事務所は避けた方がよいです。
- いくら電話をしても弁護士事務所に繋がらない
- 電話が繋がらない際に折り返し連絡してくれない
- 事務員に対応を任せきりで弁護士本人と一切会話できない
相談に事務員が同席する場合や、軽い聴取だけを担当する場合は仕方ありませんが、弁護士本人が一切対応せず、すべて事務員に対応させる弁護士事務所は避けましょう。
手続き完了まで担当弁護士が一貫している
弁護士が多数所属している事務所を「共同事務所」と呼び、1~2名ほどの弁護士のみで運営している事務所を「個人事務所」といいます。
共同事務所の強みは、さまざまな専門分野の弁護士が集まっているため、債務整理の得意な弁護士に巡り合える可能性が高いことです。
しかし、担当弁護士が一貫していないと、弁護士同士の情報交換のせいで対応が遅れるだけでなく、依頼者の発言内容が正しく伝わらない恐れもあります。
共同事務所で債務整理を依頼する前には「同じ担当弁護士が一貫して対応してくれるか?」を必ず確認しておきましょう。
依頼者からの連絡に早く返答してくれる
対応の遅い弁護士へ債務整理を依頼すると、債権者から裁判で訴えられてしまう恐れがあります。
貸金業法によって、弁護士による受任通知送付後の債権者から債務者への直接連絡は禁止されているため、弁護士へ債務整理を依頼すると、すぐに取立てが止まります。
しかし、受任通知送付後であっても、債権者から債務者への訴訟の提起は禁止されていないのです。
依頼者からの連絡に早く返答してくれる弁護士は、債務整理にもスピーディーに取組んでくれる傾向にあります。
一方で依頼者への連絡が遅い弁護士は、スケジュールや手続きに不明点が出ても、スムーズに債務整理が進まず、それだけ時間も長くかかってしまいます。
裁判を避けたいのであれば、債務整理は連絡の早い弁護士へ依頼するのが安心でしょう。
デメリットやリスクも説明してくれる
債務整理には、借金を減らせるメリットだけでなく、クレジットカードやローンが契約できなくなるといったデメリットもあります。
あいまいな表現ばかりする弁護士よりも、メリットもデメリットもはっきり説明してくれる弁護士の方が、後で予想外のトラブルを被るリスクが少ないです。
例えば「まだ債務整理しない方がいい」など、債務整理以外の選択肢も検討してくれる弁護士であれば、弁護士費用よりも依頼者のことを親身に考えてくれている証拠です。
また、親切な弁護士であれば、依頼者が納得するまで説明する時間を惜しみません。
くわしいデメリットやリスクを説明をせずに、とにかく「早く債務整理しましょう!」といった結論ばかりを述べる弁護士は避けた方がよいでしょう。
依頼者の要望を尊重してくれる
債務整理で悩んでいる方の大半が「なるべく家は手放したくない」や「できるだけ弁護士費用は抑えたい」といった事情を抱えていると思います。
次のような、自分勝手に債務整理を進める弁護士へ依頼すると、希望どおりの結果が得られにくいだけでなく、依頼者自身のストレスにもなります。
- 依頼者の希望を無視して弁護士が主導権を握る
- 正論ばかりで依頼者の心情に配慮してくれない
- 「私に任せておきなさい」とばかり言ってくる
本当に親切な弁護士であれば、依頼者へ親身に寄り添って、債務整理後の生活までアドバイスをくれることも多いです。
債務整理の終了後も付き合いが続く場合もあるので、弁護士選びは妥協せずに、親身になって考えてくれる弁護士を探しましょう。
実際に債務整理した経験者に聞いた弁護士選びの体験談
債務整理を依頼する弁護士の選び方を解説しましたが、実際に相談へ伺った際の雰囲気がわからない方も多いと思います。
相談に伺う弁護士によっては、債務整理を断られてしまったり、親切に対応してくれないケースも少なくありません。
ここでは、実際に債務整理で借金を減らした経験者の体験談を2つ紹介します。
1社目で断られたが2社目で債務整理できたケース
FX投資に失敗したせいで借金が膨らんでしまい、近所の弁護士事務所に相談しました。
しかし、そこでは借入理由について弁護士に怒られてしまった上に「債権者と交渉しても無駄」と債務整理を断られてしまいました。
けれど、債務整理の実績が豊富な別の弁護士事務所へ相談にいくと「多額の債務を抱えて不安でしたね・・・」と窓口の事務員さんが優しい言葉をかけてくれたんです。
もちろん弁護士さんも親身になって話を聞いてくれて「借入額が多いけれど、家だけは残したい」という私の希望どおり、個人再生で借金を1/5まで減らしてくれました。
いま考えると、はじめから債務整理を得意としている弁護士事務所へ相談すればよかったです。
債務整理以外のアドバイスもくれたケース
「家を残して借金を減らすには個人再生がオススメ」と知り、ネットの口コミで評判のよかった弁護士事務所へ無料相談を受けました。
しかし、手続きには「退職金見込額証明書」が必要と言われて、会社にバレるのが嫌で一瞬諦めようとしたところ、親切な弁護士さんが会社にバレない取得方法をアドバイスしてくれたんです。
弁護士さんの助言どおり会社に申請したところ、本当にバレずに取得できたので、現在はその弁護士事務所さんで再生手続きを進めています。
他にも控除制度を教えてくれたおかげで、返済もだいぶ楽になったので、親切な弁護士さんへ依頼してよかったと思います。
まとめ
この記事では、債務整理で失敗しない弁護士の選び方を解説しました。
ホームページの「実績」や「費用」を見れば、弁護士の交渉力や弁護士費用は把握できます。
ただし、最終的には、弁護士との会話から自分が感じた印象が大切です。
どんなにネットで評判の良い弁護士だとしても、相談時にうまく話が噛み合わないと、こちらの意図しない結果になってしまうかもしれません。
ほとんどの弁護士事務所で無料相談ができるので「この人なら安心だ!」と思える弁護士に出会えるまで、いくつか相談してみることをおすすめします。
当サイトでも、債務整理について無料相談できる弁護士を掲載しているので、ぜひご相談ください。

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