自己破産するとどうなる?申請中の生活で制限がかかるものとやってはいけないことを詳しく解説

自己破産するとどうなるのか徹底解説! 生活や家族、仕事や将来への影響は?

自己破産で借金問題を解決しようと考えているのですが、自己破産申請中の生活に影響はありますか?

自己破産を申し立てると、免責許可確定後だけではなく、自己破産の申請中の生活にも注意しなければいけない変化が生じます。やってはいけないことを事前に把握しておかなければ、免責許可が得られないリスクさえ生じるでしょう。

では、万が一、自己破産申請中の生活でやってはいけないことをやってしまったらどうなりますか?

事情にもよりますが、免責許可が得られずに借金返済義務が残る可能性があります。裁量免責の道を探ったり他の債務整理を選択したり、模索すべき選択肢は考えられるので、まずは弁護士までご相談ください。

自己破産とは、一定以上の財産を手放す代わりに借金の返済義務をなくす手続きで、国に認められた借金の救済措置です。

ただ「自己破産をすると人生終わり」や「自己破産をすると就職ができなくなる」といった話しを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

これらはすべて誤解で、自己破産はむしろ人生の再スタートを目指す制度です。

そのため、自己破産を考えるほど借金に困ったら、ぜひ弁護士に相談してみてください。自己破産の仕組みやメリット、もちろんデメリットについても教えてくれます。

当サイトでは、自己破産に詳しい弁護士を多数紹介しています。現在、借金で悩んでいるのなら、ぜひ一度無料相談を受けてみてはいかがでしょうか。

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この記事でわかること
  • 自己破産申請中の生活では、債務者自身の財産の管理・処分権限を失ったり、今まで加入していた生命保険が解約されたりなど、いろいろなデメリットが生じることがある。
  • 自己破産申請中の生活において、債務者には守るべき注意点がある。財産を隠したり、特定の債権者だけに弁済したりすると免責不許可事由に該当しうるので、免責不許可のリスクが高まる。
  • 自己破産で借金問題を改善するなら弁護士に相談するのがおすすめ。自己破産申請中の生活における注意点なども教えてくれるので、安心できる環境の中で免責許可までたどり着くことができる。
目次
  1. 自己破産申請中は生活にどんな影響が出る?今までとの変化を解説
  2. 自己破産申請中の生活における注意点とは?やってはいけないことを押さえよう
  3. 自己破産申請中の生活に不安があるなら弁護士に相談しよう
  4. まとめ

自己破産申請中は生活にどんな影響が出る?今までとの変化を解説

自己破産を利用すれば抱えているほとんどすべての借金の返済義務が帳消しになりますが、他方で、債務者の生活にはいろいろな場面で影響が生じます

そこで、自己破産申請中の生活に生じる影響や、「自己破産で影響が出るのでは?」と疑問や誤解が多い場面について、以下12項目をピックアップして解説します。

  • 自己破産申請中は財産の管理・処分をする権利を失う
  • 自己破産申請中に生命保険などは解約される
  • 自己破産申請中も生活保護は受け取れる
  • 自己破産申請中の生活では郵便物の管理制限・移動制限が加えられる
  • 自己破産申請中の生活では職業制限が生じる場合がある
  • 自己破産申請中の生活で携帯電話が強制解約されるケースがある
  • 自己破産を申請すると奨学金に影響が出る
  • 自己破産を申請すると住居に影響が出ることもある
  • 自己破産を申請しても結婚に影響は出ない
  • 自己破産を申請しても離婚する必要はない
  • 自己破産を申請しても銀行口座は使える場合が多い
  • 自己破産を申請しても就職活動には影響しない

それでは、自己破産申請による生活への影響や誤解について、それぞれ見ていきましょう。

自己破産申請中は財産の管理・処分をする権利を失う

自己破産を申請すると、管財事件か同時廃止事件のいずれかに振り分けられて、それぞれの事件に応じた形で手続きを進める必要があります。

そのうち、管財事件に振り分けられた場合には、裁判所によって選任された破産管財人が債務者の財産を調査・管理・換価処分するので、債務者自身が自分の財産を管理・処分する権利を失うことになります。

  • 管財事件:債務者が所有している財産を処分して債権者に配当する必要があるので、破産管財人が選任されて破産手続きが慎重に進められる自己破産の原則類型。
  • 同時廃止事件:債務者が処分すべき財産を所有していないので破産手続きを進める必要がなく、免責手続きで免責許可の可否だけが判断される自己破産の例外類型。

例えば、管財事件の破産手続きが進行している間は、債務者は自分の所有している自動車を勝手に売却することはできません。

なぜなら、債務者が所有している自動車は、破産管財人による管理・換価処分を行い、その価額は債権者に平等に配当される必要があるからです。

管財事件で管理・処分権限を失うのは取り上げられる財産だけ

ただし、債務者が自分の財産を一切処分できないとなると、債務者自身の生活にかなりの圧迫感が生じますし、場合によっては、最低限度の生活さえままならない可能性さえ生じかねません。

ここで押さえておくべき点は、自己破産を利用してもすべての財産が処分されるわけではないということです。

具体的には、自由財産に該当する財産は手元に残すことができ、自由財産に対する管理・処分権限は自己破産申請中も失われません。

自由財産とは、自己破産を申請しても取り上げられない債務者の財産で、以下に列挙するものです。自己破産後の債務者の生活の拠り所とする趣旨から、すべての財産を取り上げるのは酷だという判断に基づきます。

  • ①新得財産(自己破産手続き開始決定後に取得した財産)
  • ②差し押さえ禁止財産
  • ③99万円以下の現金
  • ④①~③以外の拡張された自由財産(裁判所が許可したもの)
  • ⑤破産管財人の放棄分

例えば、上述の自動車の例に沿って言えば、債務者が所有する自動車は、本来であれば自己破産で処分される財産です。

しかし、自動車のローン返済が既に終了していて、かつ、自動車の市場価格が20万円以下の場合には、「自由財産の拡張分」(④)として、債務者が手元に残すことができるという運用がなされています。

一般的な目安ですが、普通乗用自動車の減価償却期間は6年、軽自動車は4年とされているので、この期間が経過している自動車について市場価格は0円として扱われ、債務者に財産の管理・処分権限が残る可能性が高いです。

また、万が一市場価格が20万円を超える自動車であったとしても、生活に欠かすことができないなどの事情がある場合には、さらに裁判所に対して「自由財産の拡張分」として扱うように申し立てることができます。

したがって、自己破産で手元に残せる財産を増やして生活への影響を軽減するために、自己破産のノウハウのある弁護士に依頼することをお勧めいたします。

自己破産申請中に生命保険などは解約される

債務者が生命保険や学資保険に加入している場合、自己破産を申請することで解約されるケースがあります。

なぜなら、学資保険は積み立て型ですし、生命保険の中には解約返戻金の定めが契約に含まれている商品があり、これらは債務者の財産と考えられるので、債権者に配当すべき財産として換価処分の対象になるからです。

ただし、すべての保険が処分対象になって解約されるわけではなく、「自由財産拡張」(④)との関係で解約を免れる場合があります。

具体的には、20万円を超える払戻し等があるかどうかという基準で、強制解約されるかが決せられます。

したがって、掛け捨て型の生命保険解約返戻金が20万円以下の生命保険積み立て型の学資保険が20万円以下の場合であれば、自由財産の拡張分として手元に残すことができる可能性が高いでしょう。

さらに、学資保険については、積み立てた金額次第ではありますが、子どもの教育への配慮の観点から、例外的に20万円を超える積み立て額であったとしても自由財産の拡張分として手元に残せる場合があるので、弁護士の力を借りて、学資保険の契約を維持できるように働きかけてもらいましょう。

自己破産申請中も生活保護は受け取れる

借金返済で苦しむ債務者の中には、生活保護生活保護とは、経済的に困窮しており、しかも、仕事に就くことができないなどの事情がある場合に、「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」ために、生活費などが支給される福祉制度です。預金や財産などがないことが受給条件に掲げられていますが、新型コロナウイルスによる経済不況の影響から、家族・親族からの支給要件は緩和されています。を現在受給している、あるいは、今後生活保護の受給を検討しているという人もいるでしょう。

自己破産も生活保護も、いずれも利用者を経済的に救済する目的の制度ですが、あくまでも別々の制度なので、自己破産の申請によって生活保護を受給できなくなることはありませんし、生活保護受給中でも自己破産の申請は可能です。

なお、生活保護として支給された費用では、借金の返済は認められていないので、任意整理・個人再生との併用はしにくいという実情があります。

したがって、生活保護を受給している人が借金返済で困っているのなら、自己破産が最適の債務整理手続きであると考えられます。

自己破産申請中の生活では郵便物の管理制限・移動制限が加えられる

自己破産の申請中の生活では、郵便物の管理、移動の自由に関する制限を受けます。

債務者宛の郵便物は破産管財人のもとに転送され、破産管財人のチェックを受けてからしか債務者自身が確認することができません。

また、裁判所の許可がなければ、引越しはもちろんのこと、旅行や出張に行くことは認められません。もちろん、裁判所が許可しないことはほとんどないので、仕事への影響はあまり生じないでしょう。

ただし、これらの生活への制限が生じるのは自己破産手続き中だけで、免責許可決定が確定した段階で、制限は解除されるので、生活への影響は一時的なものと考えられます。

自己破産申請中の生活では職業制限が生じる場合がある

自己破産申請中の生活において、職業制限がかかるために、自己破産前のように仕事ができなくなるケースがある点に注意が必要です。

自己破産で職業制限が生じるのは、警備員や各種士業などの限られた職種なので、一般企業に雇用されているだけなら、大抵の場合職業制限は無関係です。

しかし、職業制限に抵触する職業や資格に基づいて仕事をしている場合には、自己破産により仕事を奪われることになるので、職場に相談して配置換えや休職手続きなどの対応を取ってもらう必要があります。

ただし、自己破産による職業制限が生じるのは、自己破産手続き中だけです。免責許可決定が確定したタイミングで「復権復権とは、自己破産手続きの開始決定により「破産者」の身分になった債務者が、免責許可決定の確定などのタイミングで身分が回復することを言います。厳密には、免責許可で復権することを「当然復権」と呼び、その他にも、免責許可決定が得られなかった場合に備えて、いくつかの復権方法が用意されています。」するので、それ以降は再び仕事に就くことができます。

自己破産を申請しても就職活動に影響はない

なお、仕事との関連で、自己破産の申請が就職活動に影響するのではないかと懸念する債務者もいますが、自己破産が就職活動に影響するのは、職業制限がかかる仕事についてのみです。

しかも、その影響が生じるのは、職業制限が生じている自己破産手続き中だけのことなので、基本的には影響はないものと考えて差し支えありません。

また、自己破産の事実は官報に掲載されますが、採用募集をかけている企業が官報を逐一検索することはありませんし、そもそも官報は簡単に検索できるシステムを採用していません。

さらに、就職希望先が金融機関である場合も、採用の判断のために信用情報を確認することは目的外使用として禁じられています。

したがって、自己破産を申請しても就職活動に影響することはありません。

自己破産申請中の生活で携帯電話が強制解約されるケースがある

自己破産申請中の生活では、携帯契約が強制解約されて、携帯電話・スマホが使えなくなるケースがあります。

携帯電話・スマホが強制解約されるのは、携帯の使用料金を滞納していたり、端末代金を分割払いしていたりする中で自己破産を申請した場合です。

したがって、使用料金の滞納がなく、かつ、端末代金を完済している状態で自己破産を申請しても携帯電話は今まで通り使えるのでご安心ください。

なお、自己破産の申請によって携帯契約が強制解約されたとしても、免責許可決定が確定すれば新規の携帯契約を締結できるようになるので、自己破産によって将来的に携帯電話が使えない生活がくるわけではありません。

ただし、自己破産をするとブラックリストに登録され、以後5年~10年はローンを組めなくなるので、新規に携帯契約を締結したり機種変更したりする際には、端末代金を一括払いする必要があります。

自己破産後の生活再建の中では、高額なスマホの本体代金を一括払いするのは簡単ではないでしょうから、格安スマホや型落ちの商品を選ぶなどの工夫をしましょう。

携帯契約以外の場面でもブラックリストの弊害は生じる

ブラックリストに登録されることによって生じるデメリットは以下の通りです。

  • 新たな借金・ローンを契約できない
  • 賃貸物件の契約審査に通らない可能性
  • クレジットカードを使用できない
  • 携帯電話・スマホの分割払いができない
  • 奨学金の保証人になれない

このように、ブラックリストへの登録は、元債務者の日常生活にいろいろな場面で不便を強いるものです。

どのようなデメリットが生じるのか、また、どうすれば各種デメリットを軽減できるのかについては、借金問題に強い弁護士にご相談ください。

自己破産を申請すると奨学金に影響が出る

自己破産を申請することで奨学金に影響が出ます。

奨学金を現在返済しているのか、将来的に奨学金の貸与を検討しているのかによって生じる影響が異なるので、それぞれについて解説します。

現在返済中の奨学金では連帯保証人に迷惑がかかる

まず、生活の中で奨学金を返済している場合には、自己破産を申請して以降は返済が不要になるので、奨学金の残債は免責されます。

自己破産手続きがスタートすれば返済負担から解放されるので生活再建をしやすくなる半面、連帯保証人が代わりに返済負担を強いられるので、迷惑がかかってしまいます。

家族・親族などの連帯保証人に迷惑をかけたくないのなら、任意整理を利用して、奨学金以外の借金について債務整理を行うしかありません。

今後の奨学金は借りるためのハードルが上がる

次に、自己破産手続きが終了した後に子どものために奨学金を借りる際には、自己破産をした本人はブラックリストに登録されるので保証人になれないというデメリットが生じます。

ただし、奨学金の貸与については機関保証制度があるので、一定の手数料負担さえ我慢すれば、奨学金を貸与する道は残されています。

自己破産を申請すると住居に影響が出ることもある

自己破産を申請すると、現在の住居に影響が出ることがあります。

まず押さえておくべき点は、現在賃貸物件で生活をしている場合には、自己破産を申請したからと言って退去する義務が生じることはありません。

ただし、家賃を数ヶ月滞納している場合には、それが理由で契約を解除されることがあるので、生活環境維持のためにも、家賃の滞納は避けてください。

次に、現在所有物件で生活をしている場合には、自己破産の申請によって自宅が処分対象になるので、住む場所を確保するために、賃貸物件などの契約を強いられます。

しかし、自己破産で免責許可が確定されると信用情報機関に事故情報が登録されるので(ブラックリスト入り)、賃貸契約の入居審査に通らないリスクが生じます。

もちろん、賃料の支払い条件にクレカ審査が伴わない物件や大家さんと直接交渉できる物件を探せば賃貸借契約を締結することは可能ですが、希望条件に適った物件を見つけるのは簡単ではないでしょう。

自己破産を申請しても結婚に影響は出ない

自己破産を申請したことを申告する義務はないので、結婚相手にも伝える必要はありません

戸籍や住民票に自己破産の履歴が登録されることもないので、過去の自己破産が結婚相手に知られることもないでしょう。

ただし、結婚後、マイホーム購入のために住宅ローンを組んだり、一緒に住む賃貸物件を探したりする際には、住宅ローンを組めない、クレジットカードを所有できない、賃貸物件の入居審査に通らないというデメリットが露見してしまうので、結婚相手に疑念を抱かれるリスクが生じます。

自己破産を利用して借金状況を改善できた状況なら、結婚相手に打ち明けておく方が生活に支障は生じにくいと考えられます。

自己破産を申請しても離婚する必要はない

自己破産を申請したからと言って、離婚をする必要はありません。なぜなら、自己破産は法律上の離婚原因には当たらないからです。

ただし、自己破産とは関係なく離婚が視野に入っている状況ならば、自己破産と離婚のタイミングや、離婚条件の内容には注意が必要です。

というのも、離婚をする際には財産分与が行われるので、夫婦の共有財産は配偶者との間で分割されるからです。

他方、自己破産では、債務者の財産を換価処分して債権者に配当する必要があるので、配偶者と債権者の間で利益が相反する事態が生じます。

例えば、自己破産の直前に離婚が成立して常識の範囲を超えた財産分与を行ってしまうと、財産隠匿が問題となり、免責不許可事由が存在するとして免責不許可決定が下されかねません。

このように、債務者の状況次第では、自己破産と離婚のタイミングや離婚条件を調整する必要があるので、民事事件・家事事件に関する経験が豊富な弁護士に依頼をして、離婚・自己破産が共に円滑に進むようにアドバイスを求めましょう。

自己破産を申請しても銀行口座は使える場合が多い

自己破産を申請しても銀行口座は当然には凍結されないので、必要な引き落としなどに支障が生じることはありません。

ただし、口座を開設している銀行から借金をしていたりする場合には、自己破産の申請によって銀行が破産債権者にカウントされるので、銀行口座が凍結され、解約されることがあります。

なお、銀行口座の開設とブラックリストの影響は一切関係がないので、自己破産後に新規に口座開設をすることは妨げられません。

自己破産申請中の生活における注意点とは?やってはいけないことを押さえよう

自己破産の申請中は、債務者は自己破産後の生活再建に向けた準備を行うだけではなく、以下5項目について注意が必要です。

  • 裁判所・破産管財人に対して誠実に行動する
  • 財産や借金の状況はすべて正確に申告する
  • 免責不許可事由に抵触しうる行為はしない
  • 自己破産申請中はギャンブルをしない
  • 自己破産申請中の注意点を破ったときの対処法

それでは、それぞれの注意点について見ていきましょう。

裁判所・破産管財人に対して誠実に行動する

自己破産を申請すると、裁判所や破産管財人から説明を求められたり、必要書類の提出を求められたり、さまざまな形で指示をされます。

裁判所・破産管財人の指示に従わなければ心証が悪くなりますし、免責許可の妨げにもなりうるので、自分自身が自己破産手続きの当事者だという意識をもって、誠実な対応を心がけましょう。

財産や借金の状況はすべて正確に申告する

自己破産を申請する際には、自分がどれだけの財産を所有しているのか、どれだけの借金を抱えているのかについて、すべて正確に申告しましょう。

申告漏れがあると公正な形で破産手続きが進行しないので、最終的には免責が許可されないというデメリットとして跳ね返ってくる可能性があるからです。

免責不許可事由に抵触しうる行為はしない

自己破産で免責許可を獲得するためには、「免責不許可事由が存在しないこと」という条件が求められます。

つまり、以下に列挙する免責不許可事由が存在すると、自己破産で免責許可を得られなくなるので、免責不許可事由に抵触しうる行為は避けなければいけません。

  • ①債権者に配当する財産を隠匿・損壊・不利益処分など、価値を不当に減少させる行為をしたこと
  • ②クレジットカード現金化などの不正な取引履歴があること
  • ③特定債権者にだけ弁済すること(偏頗弁済)
  • ④過度の浪費・ギャンブル・射幸行為などが原因で借金を作ったこと
  • ⑤破産手続きの中で管財人等に対して虚偽説明や職務妨害をしたこと
  • ⑥帳簿等の書類を隠滅・偽造・変造したこと
  • ⑦7年以内に免責許可を得ていること

例えば、自己破産で借金が免責されることを見越して、自己破産手続き前に新たに借金をしたりクレカで買い物をしたりしてしまうと、破産手続きの公平性を阻害するとして免責が認められない可能性があります。

また、自己破産で財産が処分される前に、親族などの特定の債権者に対して弁済をしたり、携帯の強制解約を免れる目的で滞納料金だけを弁済したりすると、偏頗弁済に該当するので免責が認められない可能性があります。

このように、自己破産手続き中に免責不許可事由に該当する行為を取ってしまうと、最終的に「免責不許可」という形で債務者に跳ね返ってくることになるので、自己破産申請中の生活には注意してください。

自己破産申請中はギャンブルをしない

自己破産申請中にギャンブルをすることは今後生活再建を目指そうという債務者がギャンブル行為を行っているというのは裁判所の心証を悪化させる可能性があるので避けてください。

自己破産申請中にギャンブルによって新たに借金をしたり、ギャンブルが原因で自己破産手続き中の家計収支が崩れたりするようなことがあると、破産管財人に疑念を抱かれる可能性があります。

特に、すでに自己破産申請前の浪費やギャンブルなどで免責不許可事由があり、裁量免責を目指す場合には、免責審尋の際の判断に影響を及ぼす可能性が高いです。

したがって、自己破産申請中はギャンブルをせずに、真摯に破産手続きの進行に注力しましょう。

自己破産申請中の注意点を破ったときの対処法

自己破産申請中の注意点を破った場合には、以下の方法で次なる手段を模索する必要があります。

  • 裁量免責で免責許可を狙う
  • 自己破産以外の債務整理を検討する

以下で、それぞれの方法について検討します。

裁量免責で免責許可を狙う

免責不許可事由に相当するような事情がある場合でも、担当裁判官の判断で免責許可が下される場合があります。これを裁量免責と言います。

裁量免責で借金の返済義務を免れるためには、裁判官に対して反省の態度を示し、今後の生活再建を約束するなどの効果的なアプローチが必要です。

したがって、裁判官の納得を得て裁量免責されるように、自己破産に関する経験が豊富な弁護士に相談するのがおすすめです。

自己破産以外の債務整理を検討する

自己破産では免責を得られずに借金問題の解決に迫られるのなら、個人再生や任意整理を利用して現在の窮状を改善する道を探りましょう。

ただし、各債務整理には、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。

債務者の状況に対して適切な債務整理手段を選択するためにも、弁護士への相談は欠かせません。

自己破産 個人再生 任意整理
メリット ・借金を帳消しにできる ・任意整理よりも大幅に借金総額を減額できる
・ローン返済中の自宅を手元に残せる
・利息や遅延損害金をカットできる
・債権者の合意を得られる範囲で減額できる
・裁判所を利用しない手続きなので柔軟な対応ができる
デメリット ・自由財産以外の財産が処分される
・ブラックリストに登録される
・職業制限が生じることがある
・裁判所の手続きが複雑
・ある程度収入がなければ利用できない
・ブラックリストに登録される
・借金減額効果が弱い
・ブラックリストに登録される

自己破産・個人再生・任意整理については、以下のリンク先で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

自己破産申請中の生活に不安があるなら弁護士に相談しよう

自己破産で借金問題を解決するのなら、債務者だけで申請するのではなく、弁護士の力を借りるのがおすすめです。

なぜなら、自己破産を弁護士に相談すれば、以下のメリットを得られるからです。

  • 弁護士に相談すると返済督促がストップする
  • 弁護士に相談すると少額管財事件を使える
  • 弁護士費用や相談料に配慮してくれる弁護士は多い

それでは、各メリットについて解説します。

弁護士に相談すると返済督促がストップする

債務整理を弁護士に依頼すると、受任した段階で弁護士が各債権者に受任通知を送付するので、債権者からの返済督促がストップします。

自己破産手続きに入る前の準備段階で返済ストレスから解放されるので、債務者は債務整理手続きと生活再建に集中できます。

弁護士に依頼すると少額管財扱いになる

自己破産手続きには、同時廃止事件・管財事件・少額管財事件の3種類の手続きがあります。

債務者に処分すべき財産がほとんどない場合には簡素な手続きである同時廃止事件で比較的短期間のうちに免責許可までたどり着ける一方で、債務者が財産を抱えている場合には破産管財人を選定して慎重に手続きを進める管財事件に分類されてしまいます。

ただし、管財事件に分類される場合でも、弁護士に依頼したときに限って、少額管財事件で債務者の手続き負担・コスト負担を軽減することができます。

同時廃止事件 管財事件 少額管財事件
費用 ・予納金:1~3万円程度
・弁護士費用(依頼する場合):約30万円
・予納金:50万円~
・弁護士費用(依頼する場合):30万円~
・予納金:20万円~
・弁護士費用(必須):30万円~
期間 2ヶ月~4ヶ月 半年~1年以上 4ヶ月~8ヶ月

以上のように、少額管財事件を利用できれば、費用を抑えつつ、短期間で免責許可までたどり着けます

したがって、債務者が管財事件に分類されざるを得ないような事情を抱えている場合には、弁護士への依頼は必須と言えるでしょう。

※同時廃止事件、管財事件、少額管財事件について詳しく知りたい方は「自己破産の同時廃止と管財事件は何が違う?振り分けの基準やメリット・デメリットを比較」をご覧ください。

弁護士費用や相談料に配慮してくれる弁護士は多い

借金問題を弁護士に相談する場合には、相談料無料で対応してくれる弁護士が多いです。また、債務整理にかかる弁護士費用についても分割払いなどに柔軟に対応してくれます。

したがって、「費用が用意できないから」という理由で弁護士への相談を躊躇せずに、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

自己破産を申請することで、債務者の生活にはいろいろな変化が生じ、債務者自身にも生活の中で行動に注意しなければいけなくなります。

しかし、法律の素人である債務者にとっては、「何をやってはいけないかが分からない」という人もいるでしょう。

そこで、自己破産などの債務整理を希望する場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。

借金問題に関する経験が豊富な弁護士に依頼すれば、適切な形で債務整理手続きを進めるためのアドバイスを期待できます。

弁護士への相談が早いほど、窮状から脱して生活を再建できる日も近付きます。できるだけ早期に弁護士に相談するようにしましょう。

自己破産のよくある質問

自己破産をすると家族の財産も差押えられますか?

差押えの対象となるのは、原則債務者の財産だけです。
ただし、名義が曖昧であったり実質債務者の所有物だと判断されると差押えられる場合もあります。

生活保護受給中なのですが、自己破産できますか?

はい、可能です。
むしろ生活保護として支給された費用では、借金の返済は認められていないので、任意整理・個人再生は難しく、生活保護受給中に借金で悩んだら自己破産を検討するのがよいかと思われます。

現在、警備員として働いているのですが、自己破産したらどうなりますか?

警備員は職業制限がかかるので、一定の期間職につけなくなります。
そのため、職場に相談して配置換えや休職手続きなどの対応を取ってもらうとよいでしょう。
復権するまで1年以上かかる場合もあるので、事前に弁護士へ相談することをおすすめします。
STEP債務整理「債務整理が得意なおすすめの弁護士を紹介」

学生で自己破産したら就活に影響はありますか?

基本的に、自己破産をしても就活に影響はありません。
ただし、自己破産の手続き中に職業制限がかかる仕事にエントリーすることはできないので、注意しましょう。

自己破産をするのですが、友人の借金だけ先に返せますか?

友人への借金を先に返すと、偏波弁済とみなされて免責不許可事由となる可能性があります。
そのため、先に返済はしないようにしましょう。
自己破産後に、任意で返済していくことは可能です。

阿部 由羅
所属事務所
ゆら総合法律事務所
所属弁護士会
第二東京弁護士会
登録番号
54491
経歴

東京大学法学部卒業・同法科大学院修了
2016年12月 弁護士登録(69期)
2016年12月~2019年12月 西村あさひ法律事務所(不動産・金融・一般企業法務など)
2020年1月~2020年10月 外資系金融機関法務部
2020年11月 ゆら総合法律事務所 開設

弁護士登録後、西村あさひ法律事務所入所。不動産ファイナンス(流動化・REITなど)・証券化取引・金融規制等のファイナンス関連業務を専門的に取り扱う。民法改正・個人情報保護法関連・その他一般企業法務への対応多数。

同事務所退職後は、外資系金融機関法務部にて、プライベートバンキング・キャピタルマーケット・ファンド・デリバティブ取引などについてリーガル面からのサポートを担当。

弁護士業務と並行して、法律に関する解説記事を各種メディアに寄稿中。

重すぎる債務は、生活を大きく圧迫するだけでなく、精神的にも大きな負担となってしまいます。完済の見込みがつかない借金を返し続けるよりも、一度債務整理を行い、経済的にも心理的にも新たにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
債務整理を行う際には、債務者の方のご状況やニーズに合わせた手続きの選択や対応が必要になります。困難な状況に陥ってしまった方でも、債務の問題を解決するための糸口はきっと見つかります。円滑な債務整理を実現するために、弁護士として親身になってサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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