うつ病でも借金を債務整理できる?債務整理の前に知っておきたい借金解決策

うつ病で仕事ができず、借金の返済ができません。うつ病でも債務整理はできるんでしょうか?

うつ病で収入がなくても債務整理はできます。手続きには診断書が必要となりますので、診察を受けて診断書をもらってくださいね。任意整理や個人再生は借金がゼロになるわけではないので、収入がないのであれば自己破産を検討したほうがいいでしょう。

うつ病でも自己破産の手続きができるんですね。でも自己破産をするとしばらくお金は借りられなくなりますよね?どうやって生活をしていけばいいか心配です。通院にもお金がかかりますし…

自己破産の後は傷病手当金や生活福祉資金貸付、生活保護などが利用できます。収入がなくても生活費や治療費は確保できますので安心してくださいね。

借金の返済は心にストレスがかかるものです。借金とうつ病、同時に悩んでいるという方も少なくはないはずです。

債務整理ができればストレスが軽減される可能性が高いにも関わらず、うつ病でも債務整理ができるのか分からず困っている、ということはありませんか?

「うつ病が原因で借金をしてしまい、返済できない」
「お金を借りた後にうつ病になり、返済の目途が立たない」

等、人によって借金とうつ病の関係は異なると思いますが、どちらの場合でも債務整理はできます。

悩みが続いているうちは何も変わりません。困った時は弁護士にどの債務整理が向いているのか、どのような支援制度が受けられるのかを相談しましょう。

この記事でわかること
  • うつ病でも債務整理をすることはできる。診断書が必要となるため発行してもらうこと
  • 個人再生や任意整理は返済がなくなるわけではない。収入がない場合は自己破産を
  • うつ病でも様々な経済的支援が受けることができ、自己破産後でも生活費・治療費は確保できる

うつ病で借金が返せない時はまずはどうすればいい?

うつ病になると仕事に大きく支障をきたしますので、収入が減ったり、収入がなくなったりする人が多いです。治療費もかかるため家計が厳しくなる方がほとんどでしょう。

それでも借金の返済日は毎月やってきます。もう借金を返していくのが辛くなった、という方がまずすべき事は以下の2つです。

  • 病院で診察を受けうつ病の診断書をもらう
  • 障害年金の手続きを行う

病院で診察を受けうつ病の診断書をもらう

この先債務整理や様々な申請を行う上で、診断書が必要になる場面は非常に多いです。通院をしている人は、診断書を作成してもらうために引き続き通院する事をおすすめします。

まだ病院に行っていないという方は、うつ病の診察を行っている病院を受診しましょう。

うつ病の診察を行っているのは「精神科」「心療内科」の診療を行っている病院や、「メンタルクリニック」という名称がついた診療所です。予約が必要である場合が大半ですので、電話やネットなどで予約を入れてから来院しましょう。

「うつ病」の診断を下すタイミングは医師によって違います。中には診断書を出すことに協力的でない医師もいますので、依頼をしても診断書を出してもらえない場合は医師の変更を検討しましょう。

診断書には料金がかかる

診断書は医療保険の対象ではありませんので、原則として自費扱いです。

料金は病院によって異なり、3,000円前後のところが多いです。複雑な内容になると3,000円~10,000円になる場合もあります。診断書の発行には翌日~数日かかることもありますので、受診前に問い合わせをして確認することをお勧めします。

障害年金の手続きを行う

うつ病により収入がなく、生活に支障が出ている場合は障害年金を受給できます。国民年金に加入している方は「障害基礎年金」、厚生年金に加入している方は「障害厚生年金」を申請できます。

加入している年金 申請できる年金
国民年金 障害基礎年金
厚生年金 障害厚生年金

障害年金は後半で解説をする「傷病手当」との併用ができず、「生活保護」を先に受けた場合は支給額が下がるため、他の支援制度より優先して準備を行いましょう。

受給には以下の条件があります。

  • 初診日が年金に加入している期間である
  • 初診日の先々月から1年間に保険料を滞納していない
  • 加入期間のうち3分の1以上年金を滞納していない

障害年金を申請する場所はお住まいの市町村を管轄している年金事務所ですが、手続きが完了するまでに何度か窓口に行く必要があります。

また申請には、発病してから現在までの経過を自分でまとめた「病歴・就労状況等申立書」なども準備しなくてはいけません。

障害年金の手続きは弁護士に依頼をすることが可能です。弁護士に依頼をすることで提出書類を用意する手助けをしてもらえたり、病院が診断書の作成に協力的でない場合に対応をしてもらえたりします。

自分で手続きをするのが難しい、という方は弁護士への依頼も検討してみましょう。

うつ病で収入がなくても債務整理はできる?

うつ病の方でも債務整理はできます。しかし任意整理や個人再生の場合は債務整理後も返済を続けていくことになります。収入がない方は自己破産を視野に入れましょう。

任意整理・個人再生は収入がないと厳しい

「債務整理をすれば借金が大幅に減る」と考えている方が多いです。確かに借金は減りますが、任意整理や個人再生の場合は借金が全く無くなるわけではありません。

任意整理の場合、減額がされるのは以下の3つです。

経過利息 最後の返済日から和解成立(任意整理終了)までに発生する利息
遅延損害金 返済が遅れた際にかかる損害金のこと
将来利息 和解成立から完済までにかかる将来の利息

基本的に元本は減額することができず、任意整理が終わった後は一定の金額を毎月返済していくことになります。

個人再生の減額基準については個人の資産によって変動するため一概には言えないのですが、最低弁済額個人再生を行った際に最低でも支払わなくてはいけない金額のこと。民事再生法で定められています。は以下のように決められていますので、支払い金額がこれ以上低くなることはありません。

借金総額 最低弁済額
100万円未満 全額
100万円~500万円未満 100万円
500万円~1500万円未満 借金総額の5分の1
1100万円~3000万円未満 300万円
3000万円~5000万円未満 借金総額の10分の1

個人再生は借金の金額が高いほど減額される幅が大きいですので、小口の借金では大幅な減額が見込めないのです。

逆にうつ病を治療しながらでも仕事ができる場合、任意整理や個人再生を行うことができます。債務整理後も一定の返済を続けていく必要がありますが、自己破産と違い財産を手放さなくてよいというメリットがあります。

うつ病でも自己破産はできる

自己破産は裁判所に申請をし借金の支払いを全て免責してもらう制度です。自己破産後は借金が全てなくなりますので、返済から完全に解放されます。

うつ病では自己破産ができないのではないか、と不安になる方もいると思います。実際に自己破産ができる条件は以下の2つです。

  1. 借金が払えない状態である
  2. 借金の理由が免責不許可事由にあたらない

2つ目の「免責不許可事由」の具体的な例は、以下のようなことが当てはまります。

・ギャンブルや著しい浪費で借金を増やした
・破産手続きの際に財産隠しをした
・買ったものを換金する目的でクレジットカードを使った
・7年以内に自己破産をしている

うつ病などの精神疾患があることは破産が許可されない理由にはなりません。つまりうつ病でも自己破産が可能ということです。

うつ病で自己破産をする場合に気をつけたいポイント

うつ病の方が自己破産をする時の流れは健康な方が破産をするときと一緒です。しかしうつ病であるからこそ気をつけなくてはいけない事が2点あります。

  1. 診断書を裁判所に提出できるようにする
  2. 弁護士に相談をし、うつ病であることを伝える

診断書を裁判所に提出できるようにする

自己破産の申請をする際は、借入をした経緯と返済ができない事情を説明しなくてはいけません。

例えばうつ病が原因で借金が増えて自己破産をする場合「うつ病で収入がなくなり生活費を用意するために借金をした」ということを説明する必要があります。

元々借金があり、うつ病が原因で支払いができない場合は「うつ病で仕事を辞めた(休んだ)」ということを伝えなくてはいけません。

そのためには医師の診断書を用意し、申告内容が事実であることを証明する必要がありますので、診断書を発行してもらう準備をしましょう。

弁護士に相談をし、うつ病であることを伝える

自己破産は自分でも手続きができますので「自力でやろう」と考えている方もいるかもしれません。しかし自己破産を自分で行うにはかなりの手間がかかります。

自己破産の手続きを弁護士に依頼すると、裁判所に提出する書類の準備をしてもらえるだけでなく、裁判所に同行してもらうこともできます。

破産手続きには裁判所に出廷する審尋というものがあり、借金をした理由や経緯などを質問されます。弁護士に依頼をしていれば、裁判所から質問をされても代わりに答えたりその場で助言をしてくれたりするので安心です。

自己破産の依頼は認定司法書士にもできますが、司法書士は弁護士と違い代理権がありません。手続きの補佐ができても裁判所へ同行はできませんので気をつけましょう。

またうつ病であることを隠して依頼をすると自己破産の手続きは進みません。自己破産の際はうつ病が原因で返済ができない、もしくは借金が増えたということを裁判所に伝えなくてはいけないためです。

そのため弁護士にもうつ病であることを伝えておきましょう。可能であれば、うつ病の方の債務整理の実績がある弁護士を選ぶとよいでしょう。無料相談を利用する段階で実績があるかどうかを確認をしてみて下さい。

生活費を工面する方法

債務整理をした後は借金ができなくなります。うつ病で働けない方が生活費を工面するには様々な制度があります。

  • 傷病手当金
  • 生活福祉資金貸付
  • 生活保護

傷病手当金の手続きを行う

「傷病手当金」は健康保険に加入している方であれば誰でも利用できる制度です。病気やケガをして働けなくなった際、給与の3分の2にあたる金額を最大で1年6か月の間受け取ることができます。

支給が受けられる条件は以下の通りです。

  • 業務外でのケガである(労災の条件ではないこと)
  • 連続した3日間を含み4日以上仕事に就けない
  • 給与の支払いがない

出勤をしていなくても給与をもらっている場合は申請の対象になりませんので注意しましょう。

慌てて退職届を出さずにまずは休職届を出すこと

仕事が大きなストレスになっている方の場合、金銭面の心配がなくなれば退職をしたい、と考える方が多いはずです。

退職後でも傷病手当金の申請はできますが在職時と条件が変わるため、手当金をもらえるはずが対象外になってしまった、というケースが実際にあります。

休職後に退職をすることもできますので、まずは休職届を提出しましょう。

ただ休職届は企業によって規定が異なり、休職制度自体が存在しない会社もあります。法律で規定がされていないため、制度の有無はもちろんのこと、休職できる条件や期間なども様々です。あらかじめ会社に確認をしておきましょう。

退職後は傷病手当金の支給に条件があるため注意

退職後も傷病手当金を申請できる条件は以下の2つです。

  1. 退職日までに1年以上の健康保険の加入期間があること
  2. 資格喪失時(退職日)に傷病手当金を受けている、もしくは受けられる条件を満たしている

傷病手当金を受けられる条件というのは先述の項目で解説をした条件です。その中の「連続した3日間を含み4日以上仕事に就けない」という条件を満たすには、退職日に仕事に就けない状態でなくてはいけません。

しかし実際に退職をする場合、最後に挨拶をしたり引き継ぎをしたりするために出勤をする方が多いのではないでしょうか。やる事があるからと言って退職日に出勤をすると上記の条件を満たさなくなり、傷病手当金が受けられなくなります。

どうしても出勤しなくてはいけない場合、有給休暇や欠勤で処理をしてもらってください。

生活福祉資金貸付を検討しよう

生活福祉資金貸付とは国から低金利でお金を借りられる制度で、以下の4書類があります。

総合支援資金 生活を送るための費用
福祉資金 仕事のための費用、介護や障害サービス利用のための費用
教育支援資金 低所得世帯に所属する人の進学費用
不動産担保型生活資金 不動産を担保として生活資金を貸付する制度

うつ病の人であれば「総合支援資金」に申込ができます。うつ病が原因で収入が減少もしくはなくなった場合、二人以上の世帯であれば月20万円以内、一人なら月15万円以内の金額を借入できます。

保証人がいれば無利子で、保証人がいなくても年1.5%で借り入れができますが、あくまでも「貸付」ですので返済をしなくてはいけません。返済できる見込みがない場合は借り入れができないこともあります。

生活保護費は借金返済には使えない

国からの支援で一番有名なものは「生活保護」。生活保護で受給されるお金は返済義務はありませんので、生活保護のお金で借金返済をしよう、と考える方もいると思います。

生活保護で借金を返済することは禁止されています。もし返済していることが分かれば不正受給とみなされ、生活保護が打ち切られる可能性があります。

また逆に借金をするとその金額が収入とみなされ、生活保護費が減額されたり打ち切られたりします。そのため生活保護と生活福祉資金貸付は併用することはできません。

今借金の返済に苦しんでいて生活保護を受けたいと考えている方は、自己破産の手続きを行ってから申請をしましょう。

生活保護を申請できる条件とは

生活保護は最低限の生活を保障するための制度で、申請には条件があります。自己破産をした人は最低限の財産以外は手放している状態ですので、生活保護の対象となる可能性が非常に高いです。

  • 資産がや収入が国が定める基準に満たない
  • 就労ができない、もしくは就労ができても十分な生活費が得られない
  • 年金などの社会保障給付を受けても生活費が足りない

年金や給付金を受けていても、その金額が最低限の生活費に足りていない場合はその不足分を申請することができます。

生活保護の申請手順

生活保護を申請してから受給までの流れは以下の通りです。

  1. 福祉事務所に相談に行く
  2. 必要な書類を用意し申請をする
  3. 福祉事務所の担当者による訪問調査・資産調査を受ける

生活保護を申請するには、まず自治体の福祉事務所に相談に行きましょう。生活保護を受けられる対象であった場合は必要な書類を用意し、申請を行います。

申請後は福祉事務所の担当者が訪問調査や資産調査を行い、保護が受けられるかどうか、保護費をどれくらい支給するかを審査します。原則として申請から14日以内には生活保護を受けられるかが決まります。

近年は生活保護の不正受給が問題になっている影響もあり、担当員は厳しく審査や指導を行っています。生活保護の審査や指導は、うつ病を患っている方にとっては精神的に負担が大きいのではないでしょうか。

不安に感じる方は生活保護の申請手続きを弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士が行える業務は非常に幅広いです。

ワンポイント解説

弁護士は生活保護に関しては以下のような手続きを行うことができます。
・生活保護の申請、変更の代理業務
・福祉事務所との交渉代理

生活保護を受ける際の相談・申請ができるのは本人や同居の親族、扶養義務者です。しかし弁護士はこの手続きを代理することができる上、書類を用意する手助けも行えます。

また生活保護の受給中は福祉事務所からの指導を受けることがあります。生活保護中は「仕事を探してください」と促される「就労指導」をされることもあり、うつ病の方にとってはかなりの精神的負担になる恐れがあります。

そのような時に弁護士に相談をすると、指示を撤回するよう交渉したり、理不尽な指導に異議を申し立てたりしてもらえます。うつ病を治すにはストレスをできるだけ軽減することが非常に大切ですので、一人で抱え込まないようにしてくださいね。

まとめ

この記事のまとめ
  • うつ病で借金が返せない時は傷病手当金などを活用する
  • 収入がない場合は自己破産を検討したほうがよい
  • 生活保護は借金返済に充てられないため自己破産後に申請すること

うつ病で仕事ができなくなった場合、傷病手当金を申請することで収入の3分の2を受給できます。

傷病手当金は使い道が自由ですので借金の返済に充てることもできますが、うつ病を改善するにはできるだけストレスの元を減らすことを優先させましょう。借金で悩んでいる場合は債務整理をお勧めします。

うつ病で収入がない状態でも債務整理は行えますが、債務整理をすれば必ず借金がなくなるわけではありません。収入が見込めない場合は自己破産を検討しましょう。

うつ病でも仕事が継続できる場合は任意整理や個人再生を行うとデメリットは少ないですが、返済は続くことになります。

うつ病の方が生活費を工面する方法としては傷病手当金のほか生活福祉資金貸付、生活保護があります。

生活保護は借金の返済に充てることができないため、任意整理・個人再生を行った人には不向きです。自己破産を検討している方は破産手続き完了後に生活保護の申請を行いましょう。

この記事を書いた人

大木

大手消費者金融会社の元社員です。勤務していた経験を活かし、金融系のテーマをメインに執筆活動を行っています。分かりやすく、借金に悩んでいる人が読んで安心できるような記事作成を心がけています。よろしくお願いします。