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債務整理は家族に内緒で行える?バレずに行うための注意点

債務整理 家族に内緒

隠れてギャンブルにお金をつぎ込んで返済できないほど借金が増えてしまいました。債務整理を利用したいのですが、家族に内緒で利用できますか?

家族に内緒にすることを最優先にするなら「任意整理」がおすすめです。「将来利息カット」を目的とする債権者との交渉も通常短期間で終わらせられるので、比較的早いタイミングで完済に向けた減額和解案を作成できるでしょう。ただ、自己破産・個人再生に比べると減額効果が弱いという点はご了承ください。

実は、現在新型コロナウイルス感染症の影響で収入が不安定で、借金の返済を継続的にできるか不安です。任意整理で利息をカットして元本だけの返済計画に引き直してもらっても、完済までたどり着ける自信がありません…。

なるほど。「借金の減額割合」だけに注目すると、自己破産・個人再生をご希望ということですね。自己破産・個人再生は家族に内緒にしにくい債務整理ですが、ご家族と同居していないなどの事情があればバレずに手続きを進められる可能性もあります。

ご依頼を受けた専門家は、「家族に内緒にしたい」という希望を最大限叶えるべく慎重に手続きを進めます。また、家族に内緒で借金問題を片付けるには債務整理後の生活に生じる一定のデメリットにも注意が必要です。ですから、「家族に内緒で借金問題を解決したい」という目標を実現するには細部に至るまで弁護士・司法書士のサポートが不可欠だといえるでしょう。

債務整理は家族に内緒で利用可能です。

たとえば、債権者と直接交渉で和解契約を目指す「任意整理」は、家族への連絡なし・財産処分なし・家族が連帯保証人の借金は整理対象外にできるなどの特徴があるので、家族に内緒で手続きを終了させやすいです(もちろん、債務者の状況次第では「自己破産・個人再生」も家族に内緒で利用できます)。

ただし、債務整理手続き中・利用後の生活では、家族にバレる可能性がある瞬間が少なくありません。家族に内緒で借金問題を解決するなら、債務整理のデメリット等がゼロの状態になるまでは慎重な姿勢を保つべきでしょう。

したがって、「家族に内緒にしたい」という希望をもって債務整理に踏み出すなら、弁護士・司法書士への依頼が不可欠です。日を追うごとに借金問題は深刻になるので、できるだけ早いタイミングでご相談ください。

>>【債務整理を家族に内緒にしたい債務者へ】当サイトおすすめ弁護士への相談はこちら

この記事でわかること
  • 債務整理は家族に内緒で利用可能。ただし、「家族に内緒にしたい」というだけに注意を奪われると、返済状況を根本的に改善できないリスクがある。現在の借金状況と各手続きで得られる減額効果にも配慮しよう。
  • 「任意整理」は家族に内緒にしやすい債務整理手続き。裁判所を利用せずに債権者と直接交渉できるので、専門家に依頼をすれば債務者はほとんど手間をかけずに和解案を手に入れられる。財産処分・官報掲載などの手続き上のデメリットもほとんど存在しない。
  • 家族が連帯保証人になっていない・家族と同居していないなどの限定的な場合に限って、「自己破産・個人再生」も家族に内緒で利用できる。専門家のアドバイスを参考にしながら慎重に手続きを進めよう。

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債務整理を家族に内緒にすることは可能

債務整理とは、合法的に借金返済内容を軽減できる救済措置のこと。国が認めた借金救済制度です。

借金まみれで生活が疲弊している債務者が債務整理を利用する際には、任意整理・自己破産・個人再生から希望する生活再建手続きを選択しなければいけません。

  • ①任意整理:利息をカットして元本のみの分割払い計画を作り直せる
  • ②自己破産:原則すべての返済義務を免責して借金生活を終了させられる
  • ③個人再生:借金元本自体を減額して分割払い計画を作り直せる

ただ、「家族に借金問題を隠したい」「家族に内緒で債務整理を利用したい」と強く希望するなら、債務者の状況と照らし合わせながら慎重に手続きを選択する必要があります。

ここからは、家族に内緒で借金問題を解決したい債務者が手続選択肢に配慮するべきポイントについて、具体的に見ていきましょう。

※各債務整理手続きの特徴については「借金の減額制度とは債務整理のこと!利用の条件やデメリット、注意点について」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

家族に内緒にするなら「任意整理」が最もバレにくい

任意整理 自己破産 個人再生
自宅への郵便物 隠しやすい 隠しにくい 隠しにくい
家族の提出物 不要(△) 必要なこともある 必要なこともある
官報掲載 なし あり あり
財産処分 なし あり なし
家族への連絡 なし なし なし
裁判所での手続き なし あり あり
職業制限 なし あり なし
連帯保証人の家族への配慮 できる できない できない
ブラックリストの登録期間 約5年 約10年 約10年
手続きにかかる期間 3~6ヶ月程度 6ヶ月~1年程度 1年~1年半程度

債務整理手続きには、「借金減額効果が大きい手続きほど、利用時に生じるデメリットも増える」という特徴があります。

つまり、借金返済義務を免責できる「自己破産」・借金元本自体を減額できる「個人再生」に比べて、将来利息のカットにとどまる「任意整理」は、特に次の4つの意味において、相対的にデメリット・負担なく手続きを進められるため家族に内緒にしやすいということです。

  • ①任意整理を利用しても親・妻・夫に連絡されない
  • ②任意整理なら家族が連帯保証人の借金を対象外にできる
  • ③任意整理なら財産処分を免れられる
  • ④任意整理で借金返済内容を軽減しても家族に影響はない

それでは、家族に内緒で任意整理しやすい4つの理由について、それぞれ具体的に見ていきましょう。

ワンポイント解説
任意整理の「利息カット」は強力な借金減額効果を有する

「借金減額効果が弱いなら任意整理を利用する意味がないのではないか」と疑念を抱く債務者は少なくありませんが、これはよくある勘違い。つまり、任意整理は「自己破産・個人再生に比べると」減額効果が弱いというだけで、将来利息をカットできるだけでも強力な減額効果が得られるという点を見落としてはいけません。債務者が返済苦におちいるのは「高利率条件を課される利息」が原因、将来利息をカットするだけで最終的な返済負担総額を約1/2に減額することも可能です。

①任意整理を利用しても親・妻・夫に連絡されない

借金問題は債務者個人の問題なので、家族(親・妻・夫)には無関係です。

つまり、任意整理交渉時に債権者が債務者家族に直接連絡することはないということ。また、家族が連帯保証人になっている場合・担保を提供している場合でない限り、債務者本人の代わりに家族が借金返済を求められることもありません

家族の収入を考慮した方が有利に任意整理交渉を進められるケースもある

本来、借金問題は家族とは無関係の問題ですが、任意整理では働いている家族の収入を交渉材料に使った方が有利な和解内容を引き出せる可能性がある点に注意が必要です。

たとえば、本人の月収20万円、妻の月収20万円、借金総額300万円の債務者が任意整理で返済状況改善を狙うケースについて考えてみましょう。

そもそも、任意整理交渉で作成される分割払い計画案は債務者が自由に決めて良いというものではありません。「短期間で融資額を回収したい債権者」と「できるだけ家計に負担が生じないような分割払い計画を作りたい債務者」との間で厳しい和解交渉をする必要があります。その結果、任意整理では「30~36回(3年程度)の分割払い」が妥協点とされるのが一般的です。借金総額が300万円なら、月々の返済額が約10万円に設定されることになります。

ここで、検討しなければいけないのが、「債務者の収入が和解案に耐えられるのか」という点です。

債務者の月収は20万円、生活費・家賃・教育費などを差し引いて毎月返済額10万円を用意するのは不可能に近いでしょう。すると、債権者は「債務者には任意整理後に完済を実現できる見込みが立たない。給料などを差し押さえた方が確実に回収できる」と判断する可能性が高いため、任意整理交渉が失敗に終わってしまいます(別途、自己破産・個人再生を検討する必要がありますが、そうすると家族に内緒にするのは難しくなるでしょう)。

これに対して、「借金返済について妻の協力も得られる」という状況を作り出すことができれば、「本人と妻の月収を合算した40万円」が任意整理の交渉材料となります。「月収が40万円あるなら毎月10万円ずつ返済するのは可能だろう」という納得を得やすいので、任意整理交渉が成功する可能性は高いです。

したがって、「家族に内緒にしたい」という希望さえ諦めることができれば、余計な不安を抱えることなく任意整理・自己破産・個人再生から借金状況に応じた手続きを選択しやすいと考えられます。「どうしても内緒にしたい」のならその方向性で手続きを進めるしかありませんが、秘密にすることにこだわるほど選択肢が狭まってしまう点にはご注意ください。

②任意整理は家族が連帯保証人の借金を対象外にできる

家族が連帯保証人の借金を任意整理の対象から外せば、家族に任意整理を実施したことを内緒にできます。

そもそも、連帯保証人が付いている借金について債務整理を利用すると、連帯保証人が債務者の代わりに残債の返済義務を強いられます。たとえば、家族が連帯保証人になっているとき、債務者本人が任意整理に踏み出したタイミングで連帯保証人である家族が直接請求されるため、家族に借金の存在・任意整理を利用したことがバレてしまうでしょう。

ここで注目するべきなのは、「任意整理はどの借金を整理対象にするのかを債務者が自由に選択できる」というポイント(これに対して、自己破産・個人再生はすべての借金が整理対象になるので柔軟な返済計画設計ができません)。

つまり、「家族が連帯保証人の借金を任意整理の対象から外して契約通りに返済を継続する」「無担保の借金についてのみ任意整理を実施して返済状況を改善する」という対応が可能だということです。

消費者金融のカードローンやクレジットカードのリボ払いなど、多くの債務者が返済苦におちいる要因の金融商品は無担保で利用できるものがほとんどです。住宅ローンや個人間の借金など、家族が連帯保証人になっている例外的なケースだけを整理対象から外せば、家族に内緒にしながら任意整理の効果を充分に感じられるでしょう。

※連帯保証人に生じる迷惑の内容については「連帯保証人は一括請求を断れない?分割返済は可能?請求された場合の正しい対処法を解説」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

連帯保証人付き借金も整理対象に含める必要があるなら家族も一緒に債務整理を

債務者の置かれた状況次第では、家族が連帯保証人になっている借金について債務整理を利用しなければ根本的な解決に繋がらないこともあるはずです。

このようなケースでは、債務者本人だけが勝手に任意整理を実施しても意味がありません。なぜなら、債務者が回避した借金は、連帯保証人である家族がそのまま負担することになるからです。特に、連帯保証人である家族が同一生計で暮らしているのなら、債務者本人だけが債務整理に踏み出す実益は皆無でしょう。

したがって、債務者本人・連帯保証人である家族が同一生計で暮らしている場合には、本人・家族がそろって債務整理に着手する必要があると考えられます。当然ながら家族に内緒で借金問題を解決するのは不可能です。

ただし、関係者が同時に債務整理を利用する場合には、法律関係・手続きが複雑になりますし、債務整理を実施するタイミングにも留意しなければいけません。かならず債務整理に強い弁護士・司法書士に相談してください。

③任意整理は財産処分がない債務整理手続き

任意整理を利用しても「財産処分」というペナルティは科されないので、家族に内緒にしやすいと考えられます(この点については「個人再生」も同様です)。

手続き利用時に「財産処分」のペナルティが科される自己破産では、20万円以上の預貯金・99万円以上の現金・マイホームなどの不動産はすべて換価処分対象になるので手放さなければいけません。これでは、家族に内緒にするのは不可能に近いでしょう。

これに対して、任意整理を利用しても債務者の所有財産関係には一切影響がありません。手続き利用前後で資産状況に変化がないため、家族に内緒にしやすいと考えられます。

任意整理に踏み出すタイミングが遅れると強制執行で財産が取り上げられる

「家族にバレるのが嫌だから債務整理したくない」という債務者感情はもっともですが、「債務整理を利用せずに借金問題を放置すると遅かれ早かれ強制執行が実行されて家族に借金がバレる可能性が高い」という点を忘れてはいけません。

強制執行とは、借金を長期間滞納している債務者の財産・給料などを差し押さえて返済の代わりにする法的措置のことです。給料や預貯金口座が処分対象になるので、強制執行が実行されると家族に内緒にするのは不可能に近いでしょう。

つまり、「債務整理は家族に内緒にする方法を模索できるが、借金問題の深刻化は家族に内緒にできない」ということです。家族にバレることを恐れて何も対策を打ち出さない状況がつづくと、当然のように家族に借金がバレる事態におちいってしまいます。

したがって、債務整理に対する抵抗感を必要以上に抱くことには一切意味がないので、「家族に内緒にしやすい任意整理」を躊躇なくご決断ください。

※任意整理に踏み出すタイミングが遅れて強制執行が実行されたときのデメリットについては、「差し押さえ予告通知書を無視すると強制執行に!回避するための方法とは?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

④任意整理を利用しても家族に影響はない

まず、債務者本人が任意整理を利用しても家族に「直接的な影響」は生じない、という点を押さえましょう。

先ほど紹介したように、連帯保証人でない限り家族が請求されることはありませんし、家族名義の財産が処分されることもないので、この意味では家族に内緒にしやすいと考えられます。

ただし、任意整理で受けるデメリットによって「間接的な影響」が及ぶリスクがある点には注意が必要です。たとえば、クレジットカードが使えない・住宅ローンを組めないなどの弊害に見舞われるため、これがきっかけで家族にバレる可能性が生まれます(詳しくは「こちら」をご確認ください)。

自己破産や個人再生もバレずにできる可能性があるケース

債務者のなかには、自己破産・個人再生を利用して任意整理以上の借金減額効果を欲している人も少なくはないでしょう。

自己破産・個人再生は家族に内緒にしにくい債務整理手続きですが、次のような条件が揃っている場合には、債務者の状況次第では家族にバレずに手続きを進めることが可能です。

  • ①家族と同居していないケース
  • ②家族が連帯保証人になっていないケース
  • ③自己破産のデメリットが実質的に軽減されているケース

それでは、家族に内緒で自己破産・個人再生できる場面について、それぞれ具体的に見ていきましょう。

※家族に内緒で自己破産できるかについては、「自己破産は家族に内緒でできる?家族にバレるケースと手続の際の注意点を詳しく解説」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

①家族と同居していないケース

家族と同居していない場合には、家族に内緒で自己破産・個人再生を利用しやすい状況です。

家族と同居していると、次のような場面で自己破産・個人再生を利用したことがバレる可能性が高いです。

  • 裁判手続き(再生委員との面接・債権者集会への出席など)のために、平日仕事を休まなければいけない
  • 同一家計で生活している家族の給与明細・収入証明書・退職金証明書などを提示しなければいけない
  • 自己破産をすると一定範囲の財産が処分される

同居していないということは、裁判所に訪問するために平日仕事を休んでも家族に不信感をもたれる心配はありません

また、同一家計で暮らしていないのなら家族の給与明細等を提出する必要もないので、手続き進行に支障は生じないでしょう。

さらに、自己破産で財産が取り上げられても、同じ空間で日々生活をしていない限りは、後から言い訳をする余地はあると考えられます(もちろん、預貯金の処分によって口座残高が不自然に減っていることが知られると、自己破産がバレる可能性は否定できません)。

したがって、家族と同居していない場合には、個人再生なら家族に内緒で手続きを進めやすい自己破産なら家族に内緒で免責許可を得る可能性を見出せる、というイメージが適切でしょう。

②家族が連帯保証人になっていないケース

自己破産・個人再生では、債務者が抱えているすべての借金が整理対象です。

したがって、家族が連帯保証人になっている借金が存在する場合には内緒にするのは不可能すべての借金について家族が連帯保証人になっていないのなら内緒にする可能性が見出せる、と考えられます。

なお、夫婦共有名義でマイホームを購入している場合のように、連帯保証関係ではないものの共同で財産を形成しているケースでは自己破産・個人再生を隠しきるのは難しいとご理解ください。

また、家族間でお金の貸し借りがある場合も、自己破産・個人再生での清算対象になるので内緒にするのは不可能です。

③自己破産のデメリットが実質的に軽減されているケース

自己破産は特に家族に内緒にするのが難しい債務整理手続きですが、「自己破産が家族にバレる可能性が高い」と言われる理由は、自己破産のデメリットが大きいことにあります。

ただ、債務者ごとに借金状況・生活実態は異なるものです。自己破産のデメリットが実際どこまで深刻なものになるかは、債務者の状況によって違いが生まれます。

相対的に軽減される可能性がある自己破産のデメリットは次の3点です。

  • ①債務者名義の財産が処分される
  • ②財産関係・借金関係が複雑な状況だと「管財事件」で手続きに時間・費用がかかる
  • ③免責不許可事由(借金の原因がギャンブル・浪費など)が存在すると、「管財事件」「裁量免責」で手続きの難易度が高くなる

たとえば、「債務者名義の財産がほとんど存在しない・債権者は消費者金融などの貸金業者だけ・収入減少などのやむを得ない理由で借金をした」という状況の債務者の場合、財産が処分されることもありませんし、「同時廃止事件」という簡略化された破産手続きを利用できるため、免責許可決定を獲得するまでの過程で、「家族にバレる原因となる自己破産のデメリット」を回避できます。

このように、債務者の置かれた状況によっては自己破産のデメリットが実質的に軽減されるので、家族に内緒にしながら借金返済義務の免責を獲得できる余地を見出せるでしょう。

※管財事件・同時廃止事件の違いについては、「自己破産で管財人がつくとどうなる?同時廃止事件との費用の違いも詳しく解説!」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

債務整理を行ったことが家族にバレるきっかけになること

家族に内緒で債務整理を行うときには、手続き開始~終了時・その後の生活のなかで、家族にバレやすいポイントについて注意を払う必要があります

一般的に、債務整理を行ったことが家族にバレるきっかけになるポイントは次の5点です。

  • ①信用情報にキズがつくことで生じる制限
  • ②自己破産による財産処分
  • ③裁判所からの郵送物
  • ④連帯保証人である家族への請求
  • ⑤官報の情報

それでは、債務整理を疑われるきっかけになる5つのポイントについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

①信用情報にキズがつくことで生じる制限

債務整理を利用すると、信用情報機関に事故情報(異動情報)が登録されて信用情報にキズがついた状態になります。いわゆる「ブラックリストに登録された」状態のことです。

ブラックリストの登録期間は、任意整理なら約5年間、自己破産・個人再生なら約10年間。この期間が経過すれば信用情報は「ホワイト」に戻りますが、ブラックリスト登録中は日常生活に次のようなデメリットが生じるために、家族に債務整理を疑われる可能性があります。

  • 発行中のクレジットカードが使えなくなる
  • クレジットカードの付帯サービス(家族カード・ETCカード)が使えなくなる
  • クレジットカードの新規発行も認められない
  • 住宅ローン・カーローンなど、新しくローン契約を締結することができない
  • 賃貸物件の入居・更新審査に影響が出る(信販系の家賃保証会社付き物件の場合のみ)
  • 子どもが日本学生支援機構から奨学金を借りるときに人的保証制度を使えない(親に連帯保証人資格が認められないため)
  • 携帯電話の個別割賦販売契約に影響が出る(端末代金を分割払いできない)

たとえば、債務者名義で発行したクレカの家族カードを妻に渡している場合、債務整理が原因でクレジットカードが強制解約されるので家族カードも使えなくなります。今まで使っていたカードを手放すことについて不信感を抱かれる可能性が高いです。

また、子どもの学費のために奨学金制度を利用する場合、日本学生支援機構では人的保証制度・機関保証制度のどちらかを利用することを求めています。親が連帯保証人になって人的保証制度を利用するのが一般的ですが、信用情報にキズがついている債務者には連帯保証人資格が認められないため、人的保証制度によって奨学金を借りることができません

このように、債務者の世帯状況次第では、ブラックリスト登録期間中に生じる制限が理由で債務整理の利用履歴がバレる可能性が生じます。

なお、ブラックリストによる弊害に対する代替措置を利用すれば、信用情報にキズがついていることを内緒にできる可能性を高められます。債務整理手続き終了後~事故情報が抹消されるまでは、決して気を抜かずに生活を送りましょう。

※ブラックリストに登録される実害については、「債務整理の履歴は何年残る?ブラックリスト入りする影響と対処法」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

②自己破産による財産処分

自己破産による財産処分は家族にバレる可能性が高い最大のポイントです。

自己破産では、次に挙げる「自由財産」だけを手元に残せます。つまり、以下に列挙するもの以外はすべて換価処分の対象になるので手放さなければいけません。

  • 新得財産:破産手続き開始決定後に債務者が取得した財産
  • 差し押さえ禁止財産:生活維持に必要な家具・電化製品、教材、仕事道具など
  • 99万円以下の現金
  • 20万円以下の預貯金
  • 自由財産の拡張:裁判所が特別に許可した財産
  • 破産管財人が放棄した財産

分かりやすい具体例がマイホーム。自己破産による財産処分でマイホームは手放さなければいけないので、同居家族に自己破産を内緒にするのは不可能です。

このように、自己破産で財産処分が実施されると家族に内緒にするのは難しいですし、生活環境の変化によって家族に迷惑がかかるリスクもあります。債務者名義の財産が多い場合には、任意整理・個人再生による解決も視野に入れて生活再建方法を検討しましょう。

※自己破産の財産処分の詳細については、「自己破産のデメリットは?今後の生活への影響を最小限に抑える方法と合わせて解説!」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

③裁判所からの郵送物

借金問題を抱えている状態、債務整理を利用した場合には、裁判所から自宅に届いた郵便物を家族に見られてトラブルがバレるということがあり得ます。

たとえば、自己破産・個人再生を債務者本人で進める場合には、裁判所から呼出状などの通知が届くことがあります。また、任意整理で一部の借金について和解交渉中でも、整理対象から外した借金の債権者が法的措置に踏み出した場合、裁判所から支払督促・訴状が届きます。

裁判所からの郵便物は「特別送達」で届けられるため、郵便ポストに投函されるのではなく受け取りが必要です。つまり、債務者本人が不在中なら、家族が直接郵便物を受け取ることもあるということです。

なお、債務整理を専門家に依頼すれば郵便物の受取先が法律事務所になるため、郵便物がきっかけでバレることはなくなります。

④連帯保証人である家族への請求

家族に内緒で債務整理をしたとしても、家族が連帯保証人になっていると借金問題はかならずバレます

なぜなら、主債務者が債務整理によって契約通りに返済しないことが原因で、債権者が連帯保証人に残債を返済請求するからです(連帯保証人宛に請求書が届きます)。債権者から請求を受けた連帯保証人はいかなる理由をもってしても返済を拒絶することができません。

つまり、連帯保証人が債権者から通知を受け取った段階で、「主債務者に返済トラブルがあったこと」がバレるということです。理由を問い詰められると、債務整理をしたことを告白せざるを得ないでしょう。

したがって、家族内で借金問題について法律関係にある人がいる場合には、できるだけ早いタイミングで自分から借金問題について相談をして今後の解決方法について話し合ってください(場合によっては、同居家族も一緒に債務整理を実施する必要があります)。

⑤官報の情報

自己破産・個人再生を利用した場合には、官報に掲載されることが原因で家族にバレる可能性があります(これに対して、任意整理は官報掲載がないので心配する必要はありません)。

【個人再生で官報に掲載されるタイミング】

  • ①個人再生手続き開始が決定したとき
  • ②書面決議もしくは意見聴取が決定したとき
  • ③再生計画認可決定のとき

【自己破産で官報に掲載されるタイミング】

  • ①破産手続きの開始決定のとき
  • ②免責許可決定のとき

つまり、個人再生なら3回、自己破産なら2回、官報に掲載されるタイミングがあります。氏名・住所・事件番号などが広く国民に周知されるため、家族が官報を見る機会があると、個人再生もしくは自己破産の事実を知られることになります。

ただし、現実的には官報がきっかけで家族にバレる可能性は極めて低いのが実情です。なぜなら、そもそも官報を日常的にチェックしている人はほとんどいませんし、膨大な掲載量から特定人物の情報だけを見つけ出すのは困難だからです(インターネット等で無料検索できる期間も「30日」に限定されています)。

したがって、官報がきっかけで身近な人に債務整理の事実を知られるリスクは低いと考えられるので、過度に怖がる必要はありません。

※官報に掲載される内容・周囲にバレるリスクについては、「自己破産者が掲載される官報とは?官報掲載により周囲にバレるリスクがあるのかを解説」で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

家族に内緒で債務整理するために弁護士や司法書士は何をしてくれるのか?

家族に内緒で債務整理を成功させるには、弁護士・司法書士への依頼が不可欠です。

なぜなら、専門家は「家族に内緒で債務整理を利用したい」という債務者の希望を叶えるために、次の5つの努力をしてくれるからです。

  • ①家族にバレにくい債務整理手続きを選んでくれる
  • ②債権者から直接連絡が来ないようにしてくれる
  • ③法律事務所からの郵便物の見た目などを工夫してくれる
  • ④法律事務所からの連絡手段も工夫してくれる
  • ⑤バレないための生活の過ごし方についてアドバイスをしてくれる

それでは、家族バレを防ぐために専門家が尽力してくれる5つのポイントについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

①バレにくい手続きを選んでくれる

弁護士・司法書士は、債務者の希望を叶えるためにできるだけ家族にバレにくい手続きを選びつつ、生活再建の可能性についても配慮してくれます。

たとえば、「家族に内緒にしたい」という希望を叶えるためには「任意整理」が有力候補となりますが、債務者の収入が不足していたり、借金総額があまりに高額だったりすると、任意整理では借金問題の解決が達成されないリスクがあります。

ただ、債務者が処分するべき財産を所有していなければ家族にバレずに「自己破産」するのは不可能ではありませんし、逆に、所有財産が多く自己破産が不向きな状況なら、専門家が手続きを代理することによって家族にバレずに「個人再生」で生活再建を目指す余地も残されているでしょう。

弁護士・司法書士は依頼者の希望を最大限叶えるために努力をしてくれる存在です。同時に、依頼者の未来ができるだけ明るいものになるように、諸般の事情についてバランスを取りながら正しい道を示してくれるものでもあります。

「家族に内緒にしたい」「借金問題を解決したい」という2つの要請が相反する場面でも、上手く着地点を見つけながら人生をやり直す道筋を照らしてくれるので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

②債権者から連絡が来ないようにしてくれる

弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、数日以内に債権者から直接連絡がくることはなくなります。これによって、督促等が原因で家族にバレる心配はなくなるでしょう。

債権者からの連絡が停止するのは、専門家が債権者に送付する「受任通知」の効果のおかげ。受任通知を受け取った債権者は、債務者に対するすべての取り立てが禁止されます(貸金業法第21条1項9号)。

また、受任通知送付後(=債務整理依頼後)は、弁護士・司法書士が代理人として裁判所・債権者との窓口になってくれます。さらに、手続き終了時、(任意整理・個人再生の場合には)その後の分割払い生活中も、何かトラブル等が発生した場合には、すべて専門家が連絡対応を担当してくれます。

※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

③郵送物の見た目などを工夫してくれる

債務整理手続き中は、時として法律事務所との間で連絡を取り合う機会が必要となります。

実は、法律事務所から届いた郵便物を家族に見られて、債務整理を依頼していることが家族にバレるというケースは少なくありません。

弁護士・司法書士側もこのような事情をよく分かっているので、事前に「家族に内緒で債務整理を成功させたい」という希望を専門家に伝えておけば、法律事務所から送られてくる封筒の見た目などを工夫してくれます。

「法律事務所の名前を記載しない」「個人名で郵送してくれる」などの配慮を期待できるので、家族に内緒でコンタクトをとりやすいでしょう。

④自宅に電話しないなど連絡手段を工夫してくれる

書面の郵送方法だけではなく、法律事務所との連絡の取り方・面談のタイミングなどについても丁寧な配慮を期待できます。

たとえば、「休日に外出すると不自然だから仕事帰りに法律事務所に訪問したい」という債務者には、平日の夜遅くでも面談時間を調整してくれるでしょう。また、「自宅に電話されると家族が出て不審に思われる」と不安な債務者の場合には、携帯電話への直接連絡・電話の時間帯をあらかじめ指定・電話ではなくメールでやり取りなどの方法で代用してくれます。

借金問題解決の実績がある専門家ほど、債務者が抱える多種多様な悩みへの対応方法のノウハウがあります。円滑に手続きを進めたいのなら、債務整理に力を入れている専門家に依頼するのがおすすめです。

※信頼できる法律事務所の探し方ついては、「債務整理はネット完結できる?注意すべき借金減額サービスの特徴について」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

⑤バレないための生活の過ごし方についてアドバイスをもらえる

弁護士・司法書士に相談すれば、債務整理の利用がバレないための日常生活の送り方について具体的なアドバイスを期待できます。

家族に内緒で借金問題を解決しきるためには、債務整理手続き自体が終了した段階で油断をしてはいけません債務整理手続き終了後も数々の制限事項が生じるので、これらが原因で家族にバレないように最大限注意を払いながら日々を過ごしましょう。

デビットカードがクレカの代わりになる

信用情報にキズがついている期間中はクレジットカードを使えなくなるため、今まで通りにカード決済をすることができません。

ただ現在では、クレジットカードとほとんど変わらない範囲で使用できるデビットカード事前チャージ式のプリペイドカードなどでキャッシュレス決済が可能なので、普段の買い物等の場面でそこまで不便を感じずに済むはずです。

デビットカードに変更する理由を家族に問われたときには、口座から即時引き落としができるので家計管理に役立つなどのデビットカードのメリットを言い訳にして説得するのが効果的でしょう。

※債務整理後も使えるカード決済については、「債務整理後ブラックリストになってもカード決済は可能!利用可能な3つのカードを紹介」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

ETCカードも代替手段が豊富

通勤などで高速道路を利用する機会が多い債務者にとって、ETCカードが使えなくなるのは不便でしょう。

ただ、次の代替手段を利用すればETCカードと同じサービスを受けられるので、都度料金所で現金を支払う必要はありません。

  • ETCパーソナルカード
  • ETCコーポレートカード
  • 法人ETCカード
  • 家族カード付帯のETCカード

※ETCカードの代替手段については、「自己破産後にETCカードを持つことはできる?パーソナルカードや法人ETCカードを利用しよう」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

マイホーム購入の話題は頭金準備の言い訳を

信用情報にキズがついている債務者は住宅ローンを組めないことが多いので、家族のなかでマイホーム購入に向けた話題があがると債務整理利用歴がバレる可能性が出てきます

その場合には、「今はマイホーム購入のための頭金を貯金するのに集中しよう」「頭金が多い方が住宅ローン返済が楽になる」など、具体的な計画性をもって話し合いをすると言い訳をしやすいでしょう(実際、借金問題解決後にマイホームを購入する際にも役立つ計画です)。

奨学金借り入れ時は機関保証制度を活用しよう

親の信用情報にキズがついている状態だと、日本学生支援機構の人的保証制度を利用できません。

ただ、人的保証制度が利用できない人のために機関保証制度が用意されているので、奨学金借り入れ時に機関保証制度を利用すれば子どもの学費・進学費用を捻出することが可能となります。

なお、機関保証制度を利用すると、返還時に一定の保証料が発生するため、奨学生である子どもに余計な金銭負担を強いることになる点につきご注意ください。

「社内ブラック」は消えないので債務整理対象の金融機関との取引は厳禁

信用情報機関に登録されたブラックリスト情報は約5年~10年で抹消されますが、各金融機関が自社内でデータ収集している「社内ブラック情報」は半永久的に消えません。つまり、過去に債務整理の対象にした金融機関(グループ企業も含む)との間では、借金問題を解決した後でも取引ができなくなるということです。

したがって、債務整理を利用した後は、ローン契約等を利用する金融機関を慎重に選ぶ必要があります。よく考えずに申し込みをして審査落ちをしてしまうと、家族に不信感を抱かれるリスクが生じるでしょう。

まとめ

家族に内緒で債務整理をするなら、かならず弁護士・司法書士に依頼をして手続きを進めましょう。

なぜなら、「家族にバレないようにする」「借金問題を確実に解決する」という2つの命題に対応するためには、債務者の置かれた具体的な状況を踏まえて、慎重に手続きを選択する必要があるからです。

手続きを選ぶ段階・手続きを進める途中・手続き終了後、すべての段階で債務整理が家族にバレるリスクが存在します。

弁護士・司法書士の力を頼れば家族にバレるリスクを最大限抑えながら生活再建を目指せるので、借金問題が深刻化する前にご相談ください。

家族に内緒で債務整理を利用するときのQ&A

家族に内緒で債務整理はできますか?

債務者の状況次第ですが、家族に内緒で債務整理を利用して借金問題を解決することは可能です。たとえば、任意整理は手続き自体がシンプルで家族にバレるリスクは少ないでしょう。また、家族と同居していない・家族が連帯保証人になっていないなどの条件を充たす場合には自己破産・個人再生を利用するのも不可能ではありません。状況に照らして手続きを判断する必要があるため、かならず弁護士・司法書士のアドバイスを参考にしてください。

もっとも家族に内緒にしやすい債務整理手続きはどれですか?

家族に内緒にしやすい債務整理手続きは「任意整理」です。整理対象の借金を自由に選べますし、手続き自体も短期間で終わることが多いので軽微な負担で生活再建の道筋を歩み出せるからです。ただし、任意整理は自己破産・個人再生と比べて借金減額効果が弱く、和解契約締結後も原則3年程度返済生活がつづくため、債務者に返済を継続できるだけの経済力が求められます。借金返済状況が深刻ならば、自己破産・個人再生を選択しつつ、家族に内緒にしやすい方法を模索するべきでしょう。

債務整理が家族にバレるきっかけは何ですか?

手続き終了後の生活に生じる制限事項が原因で債務整理がバレるケースが少なくありません。たとえば、クレジットカードが使えない・住宅ローン審査に落ちるなどが家族にバレるきっかけです。なお、任意整理なら約5年、自己破産・個人再生なら約10年が経過すれば、信用情報機関に登録されたブラックリスト情報は抹消されるので、当該期間経過後はバレるリスクなく安心して生活を送れるようになるでしょう。

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