借金を払えないで訴えられたときはどうしたら良い?裁判所からの書類を放置するのはとても危険!

借金を払えないで訴えられたときはどうしたら良い?裁判所からの書類を放置するのはとても危険!

突然裁判所から書類が来て、中身を確認したら債権者から訴えられてしまったようです。どうしたら良いでしょうか?

借りたお金を返済しなければ、返済を求める訴訟を提起されることがあります。今回、裁判所から届いた書類はその類でしょう。まず、裁判所からの書類に対して絶対にしてはいけないことは「放置」です。かならず、裁判所もしくは債権者に対して反応を示してください。

正直なところ、訴えられたところで借金を返済できる見込みがありません。放置はダメとは言いつつも、反応しても「借金を返しなさい」と言われるだけですよね。どうすることもできないのでしょうか?

債権者に訴えられたあとでも、分割での支払い相談は可能です。支払う意志があるのであれば、まずは相談してみると良いでしょう。分割での返済も厳しいのであれば、今すぐにでも債務整理の検討をするべきでしょう。

「突然裁判所から書類が届いた」「借金を放置していたら訴えられた」など、借金をきちんと返済していないと最終的に裁判所から書類が届くことがあります。突然のことで驚かれる方も多いですが、訴状内容に心当たりがあるのであれば、かならず反応を示すようにしてください。

裁判手続きは法的強制力を持った手続きであるため、判決次第では債務者(お金を借りた人)の財産を差し押さえることも可能です。もし債権者(お金を貸した側)から訴えられても放置していると、債権者側の主張が全面的に認められてしまう恐れがあるでしょう。

借金を払える・払えないも含め、いかなる理由があろうとも「かならず反応を示すこと」が何よりも大切です。今回は、借金を延滞していて訴えられてしまった方に向けて、訴えられたときの対処法や訴えられたらどうなってしまうのか?について詳しくお伝えします。

この記事でわかること
  • 債権者に訴えられてもかならず「反応」することが大切
  • 裁判所からの書類を放置していると、財産の差し押さえをされる恐れがあり、家族や会社にもバレる
  • 訴えられても放置していると、債権者側の主張が全面的に認められるので要注意

債権者から訴えられて訴状が届いても、焦らず確実な対応が必要

裁判所から訴状が届いても突然のことで驚くでしょう。しかし、借金を払えないからと言って訴状を放置することだけは絶対に避けてください。

もしも訴状等を放置すれば、有無を言わさずあなたの財産を差し押さえられる恐れがあります。借金の存在を明らかにして、しっかりと対応をしてください。まずは「裁判所から訴状が届いたらどうすれば良いのか?」についてお伝えします。

裁判所からの書類を放置すると自分が不利になる

債権者(お金を貸した側)から訴えられて訴状が届いたら、借金を払える・払えないに関係なくかならず内容を確認してください。もし、中身を確認することなく放置してしまうと、債権者の主張が一方的に認められ、財産の差し押さえ等の強制的な手続きに踏み込まれる恐れがあります。

訴えられた時点で返済できる能力や資力があるのであれば、すぐにでも返済すべきでしょう。しかし、今すぐ返済が厳しいとか一括での返済が厳しいのであれば、分割払いについて債権者に相談をしてください。

争いがあるときは「答弁書」もしくは「異議申立書」をかならず提出

訴えられた借金に身に覚えがない場合や、後述するように消滅時効を援用できる可能性がある場合は、かならず「答弁書」や「異議申立書」を提出してください。これらを提出しなければ、債権者(お金を貸した側)の主張が全面的に認められます。

答弁書とは

答弁書とは、訴状記載の内容についての反論を記載する書面で、債権者から訴えられたときに送付される訴状に書式が同封されています。訴状に記載されている事実に誤りがあるときや、事実を否認したいときなどはかならず提出しなければいけません。

答弁書の提出期限は第一回口頭弁論の1~2週間前に設定されていることが多いです。この期日までに提出できない理由があるときも、かならず裁判所へ申し出てください。

異議申し立てとは

異議申し立てとは「支払督促」に対して「借金の事実がないから返済をしません」とか「消滅時効が成立しているので支払いません」などと反論することを言います。

異議申し立ては、支払督促を受領した日の翌日から起算して「2週間以内」と定められているので注意してください。この期日を超えてしまったときは、仮執行の宣言や強制執行に発展していくことになるでしょう。

ちなみに、裁判所を名乗って架空請求を行う詐欺も多発しています。実際に身に覚えのない借金の請求が来たときはまず、本当に裁判所からの書類なのかどうかを確認してください。そのうえで、裁判所であることが認められたときは答弁書や異議申し立てを行うようにしましょう。

もしも、裁判所を「名乗る」架空請求だったときは、一切反応せずに消費者センター等へ相談するなどの対応をしてください。

参考:総務省「督促手続・少額訴訟手続を悪用した架空請求にご注意ください」

債権者と交渉して分割払いを打診するのも有効な手段のひとつ

「借金の事実に争いはないけど、借金を払えない」という方は、訴えられたあとでも債権者(お金を貸した側)との交渉が可能です。債権者の目的は「借金を返済してもらうこと」です。

「何が何でも一括で返済をしてもらおう」と思っている債権者は少ないでしょう。あなたが誠心誠意対応すれば、訴えられたあとでも遅くはありません。自分での交渉が難しければ、弁護士へ依頼するのもひとつの手段です。

借金が払えないのであれば、債務整理を検討で根本的解決が必要

借金が払えないのであれば債務整理を検討してください。債権者(お金を貸した側)から訴えられたあとでも債務整理は可能です。

債務整理の手続きは下記の3つ。自分の状況に合わせて検討してください。

  • 将来の利息をカットして元金の完済を目指す「任意整理」
  • 借金を最大1/10まで大幅に減額する「個人再生」
  • 一切の借金を0にする手続き「自己破産」

それぞれ、メリットやデメリットが異なります。もっとも簡単に借金を減額できて、費用やデメリットが少ないのは「任意整理」です。ただ、任意整理は支払い能力がなければできません。働いていることや返済の意志が認められることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

個人再生や自己破産は法的な手続きであって、裁判所の決定によって借金を減らしたり0にしたりできます。

個人再生は、安定した収入がなければ利用できない反面、手元に住宅などの資産を残しながら、借金を大幅に減額できるメリットがあります。

自己破産は、一定以上の財産を失うなどのデメリットが大きい反面、最終的に借金がすべて免責される大きなメリットがあります。

いずれの債務整理手法もメリット・デメリットの両面があるので、自分の状況に合わせて適切な方法が何かを検討してください。「自分に合った債務整理がわからない」と思うのであれば、弁護士へ相談されることをおすすめします。専門家の知見から適切なアドバイスを行ってくれるでしょう。

訴えられてもなお、放置を続ければデメリットしか発生しない

借金の返済ができなくても、しっかりと対応していれば訴えられることは基本的にありえません。債権者(お金を貸した側)から訴えられたのであれば、あなたの対応が悪かったのでしょう。

もしも裁判所から訴状等が届いているのにも関わらず、放置を続けていれば最終的に財産を差し押さえられます。

「訴えられても払えないものは払えない」そう思われる方もいるかもしれませんが、放置ではなく債務整理等の根本的な借金問題の解決を目指したほうが良いでしょう。

借金を払えずに訴えられたらどうなってしまう?

借金を返済せずに放置し続けていると、最終的には借金の返済を求める裁判を起こされることがあります。もしも、訴えられてしまったら裁判所から書類が届いたり呼び出しをされたりするでしょう。

裁判所からの連絡にも対応しなければ、被告(訴えられた人)不在で被告に不利となる判決がくだされる恐れがあります。判決次第では、借金を一括で返済しなければいけなかったり、財産を差し押さえられたりします。

次に、借金を払えずに訴えられたらどうなってしまうのか?について詳しくお伝えします。

裁判所から特別送達で「支払督促」と「訴状」のいずれかの書類が届く

債権者(お金を貸したい人)からの再三の連絡を無視し続けると、債権者が裁判所に訴えを提起し、債務者(お金を借りた人)宛に書類が届きます。突然、裁判所から書類が届いてびっくりするかと思いますが、しっかり内容を確認して対応してください。

裁判所から届く書類は「特別送達特別送達とは裁判所から訴訟関係人に送付される方法で、送達の事実を証明できます」という送付方法で、支払督促もしくは訴状いずれかの書類が届きます。

支払督促 訴状
債務者へ支払いを督促するものであって、異議申立てが行われなければ財産の差し押さえ(強制執行)に移る 裁判によって債務者の返済義務を認定し、言い渡す。判決の確定後、財産の差し押さえ(強制執行)に移る

上記のように、同じ「裁判所からの書類」であっても、内容や結果に差が生じます。とくに、支払督促は債権者から何度も届いているはずなので見慣れてしまっている方もいるでしょう。中には「今まで放置していても大丈夫だったから」という理由で放置してしまう方もいるかもしれません。

債権者からの書類等もさることながら、裁判所からの書類は「最終通告」です。絶対に無視をせずしっかり対応してください。最悪の場合、自分の財産を失うことになります。

支払督促を無視すれば財産を差し押さえられる

裁判所からの支払督促を無視し続けると財産を差し押さえられます。

支払督促から財産差し押さえまでの流れ
  1. 裁判所から支払督促が届く
  2. 仮執行の宣言(放置していた場合)
  3. 強制執行(財産の差し押さえ)が可能になる

上記の流れを見てもらえればわかるように、裁判所から届く「支払督促」は単なる支払いを促すものではなく「払えなければ財産を差し押さえますよ」という書類です。

訴えられたところで借金の返済ができないのであれば、債権者(お金を貸した人)に分割の相談をすると良いでしょう。分割での支払いも厳しいのであれば、弁護士へ相談して自己破産を検討してください。

払えないことを理由に裁判所からの連絡すらも放置してしまう行為は絶対に避けるべきでしょう。

訴状を無視し続けると一括返済命令の判決が言い渡される

「訴状」は、あなたが訴えられたことを知らせる書類です。債権者(お金を貸した側)から訴えられたときは訴状の他に下記の書類が届きます。

  • 口頭弁論期日呼出状および答弁書催告状裁判所へ来てもらう日時や訴状に記載されている事実を争うか否かの「答弁書」を求める書類です。

訴状が届いた方は訴訟を提起されている状態なので、決められた日時に裁判所へ出廷しなければいけません。また、訴訟内容に争いがあるか否かの答弁書も提出する必要があります。

債権者もあなたとの取引実績や契約書等を証拠として裁判所へ提出しています。まったく身に覚えのない借金ではない限り、争う必要はないでしょう。

訴状が届いているにも関わらず放置をしていると、最終的には被告(訴えられた人)不在で原告(訴えた人)側の全面勝訴となります。仮に後から、訴状記載の事実を争いたいとしても1度言い渡された判決を覆すことはできません。

原告側は借金の全額返済および遅延損害金の請求をしてくることでしょう。裁判所等からの連絡を放置せずに、しっかり対応しておけば返済額を最小に抑えられる可能性は十分にあります。自分の利益のためにも、しっかりと対応するべきでしょう。

一括請求で支払えなければ財産を差し押さえられる

債権者(お金を貸した側)から訴えられて、裁判所からの判決が言い渡されたあとも返済をしなければ、最終的に財産を差し押さえられます。これは、裁判によって勝訴した側は強制執行の手続きを通じて強制的に債権回収ができるためです。

裁判所からの書類等で驚くこともあるかもしれませんが、誠心誠意対応すれば債権者との話し合いも可能です。

財産を差し押さえられることで家族や会社に滞納がバレる

「どうせ差し押さえられる財産なんてないから」と思っている方、本当にそうでしょうか?財産の差し押さえ対象は、債務者(お金を借りた人)が所有する現金や高価なものに限らず「給与」も該当します。

そのため、会社や家族へ借金を滞納している事実や、強制執行をされた事実がバレてしまう可能性は非常に高いです。「借金を払えない事実を周囲に知られたくない」と思うのは当然でしょう。

知られないためには、差し押さえを回避するために借金を支払ったり債務整理をしたりするしかありません。

強制執行までいっても、債務者にとってメリットは一切なく、むしろ日常生活に多大な悪影響が生じてしまいます。書類等が届いたときにどのように対応すべきなのか?についてしっかりと考えるべきでしょう。もしも借金の返済が厳しいのであれば、債務整理の検討も必要になるでしょう。

ワンポイント解説
給与の差し押さえは1/4まで

給与は原則として「手取り額の1/4まで差し押さえ可能」です。毎月の手取りが20万円の方は「5万円」が差し押さえの上限額です。他に差し押さえられる財産がなければ、給与のみで完済を目指すことになります。返済期限が長引けば長引くほど、自分や家族への負担は大きくなるでしょう。

最終返済日から5年以上経過していれば「消滅時効」を援用できる可能性がある

最終返済日から5年以上経過しているときは「消滅時効」を援用できる可能性があります。消滅時効とは、債権者(お金を貸した側)が持つ権利である「返済を受ける権利」が、期間経過により消滅することを言います。

最短で、債権者がこの権利を行使できることを知った時から5年経過したときは、消滅時効によって権利が消滅すると定められています。借金のケースでは、「権利行使できることを知った日」は最終返済日を指すため「最終返済日から5年経過後」は消滅時効を援用できる可能性があるのです。

「消滅時効が成立する期間」は下記のように定められています。

  • 債権者が権利を行使できることを知った時から「5年」経過したとき
  • 権利を行使できる時から「10年」経過したとき

参考:e-Gov「民法(166条)」

ただし、債権者は消滅時効を「中断」させることができます。中断によって、5年間の期間がリセットされるため、一概に「最終返済日から5年」とは言えない点に注意してください。

※2020年3月31日以前に成立した債権については、消滅時効期間は一律「債権を行使できる時(=最終返済日)から10年」となります。

中断に該当する事由
  • 債権者からの請求
  • 差し押さえ・仮処分
  • 承認(債務者が1円でも返済したり、返済を約束したりすること)

以上に該当するときは、消滅時効が中断されます。もしも、長期間請求が来ていなかった債権者から突然請求が来たときは、消滅時効が成立していることも考えられるでしょう。可能であれば消滅時効の援用も検討してください。

まとめ

今回は、借金を延滞・放置していて債権者(お金を貸した側)に訴えられたときはどうなってしまうのか?についてお伝えしました。

「訴訟を提起される」これは、最終手段のひとつです。判決次第では、債務者(お金を借りた人)の財産を強制的に差し押さえることも可能となるでしょう。

強制的な差し押さえがなされれば、自分の持つ財産を失うのみならず、会社や家族にもバレてしまう可能性が高いです。借金を抱えている方であっても「家族や会社にバレたくない」そう思うのは当然です。

訴えられたあとでも借金の返済ができないのであれば、債務整理で根本的な解決をするべきでしょう。支払督促がきたあと、訴えを提起されたあとでも債務整理は可能です。「借金を返済したいけどできない」そのような悩みを抱えている方はまず、弁護士へ相談してみてください。

阿部 由羅
所属事務所
ゆら総合法律事務所
所属弁護士会
第二東京弁護士会
登録番号
54491
経歴

東京大学法学部卒業・同法科大学院修了
2016年12月 弁護士登録(69期)
2016年12月~2019年12月 西村あさひ法律事務所(不動産・金融・一般企業法務など)
2020年1月~2020年10月 外資系金融機関法務部
2020年11月 ゆら総合法律事務所 開設

弁護士登録後、西村あさひ法律事務所入所。不動産ファイナンス(流動化・REITなど)・証券化取引・金融規制等のファイナンス関連業務を専門的に取り扱う。民法改正・個人情報保護法関連・その他一般企業法務への対応多数。

同事務所退職後は、外資系金融機関法務部にて、プライベートバンキング・キャピタルマーケット・ファンド・デリバティブ取引などについてリーガル面からのサポートを担当。

弁護士業務と並行して、法律に関する解説記事を各種メディアに寄稿中。

重すぎる債務は、生活を大きく圧迫するだけでなく、精神的にも大きな負担となってしまいます。完済の見込みがつかない借金を返し続けるよりも、一度債務整理を行い、経済的にも心理的にも新たにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
債務整理を行う際には、債務者の方のご状況やニーズに合わせた手続きの選択や対応が必要になります。困難な状況に陥ってしまった方でも、債務の問題を解決するための糸口はきっと見つかります。円滑な債務整理を実現するために、弁護士として親身になってサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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