裁判所からの差し押さえ通知はかなり危険!?今後何が起きるかと差し押さえ回避方法を解説!

裁判所からの差し押さえ通知はかなり危険!?今後の流れと差し押さえ回避方法を解説!

裁判所から「仮執行宣言付支払督促」という書類が届いたのですが、この書類は何でしょうか?このまま放置しておいても良いですか?

仮執行宣言付支払督促とは借金の支払いを督促する書類で、返済に応じなければ財産を差し押さえることを知らせる最終段階の書類です。仮執行宣言付支払督促が届いたまま放置をしていると、強制執行といって現金や預貯金、給与等の財産を差し押さえられます。

仮執行宣言付支払督促は借金等、支払わなければいけないものを支払っていなかったときに、法的手続きに従って回収するためのものです。もしも心当たりがないのであれば「異議申し立て」が必要ですし、心当たりがあるならなおさら放置は厳禁です。

そういえば、数か月間支払いしていなかった借金があります。しばらく書類等が届いていなかったので、諦めたかな?と思っていたのですが…。もしこのまま差し押さえをされてしまうと、家族や会社にもバレてしまいますか?

現金等での全額回収が難しければ給与や家、車などの財産を差し押さえられます。その結果、会社や家族へもかならずバレます。どうしてもバレたくないとか、差し押さえだけは絶対に避けたいのであれば、今から間に合う強制執行回避の方法を検討してください。

借金の返済が滞っていると、最終的には裁判所から支払督促や仮執行宣言付支払督促といった書類が届きます。これらの書類が届くと財産差し押さえの最終段階であり、そう遠くない未来に強制執行がなされるでしょう。

強制執行が開始されるとまず真っ先に差し押さえられるのが、現金や預金などのお金です。実際には、お金を持っておらず借金の滞納を繰り返す方が大半を占めているため、借金を回収するために「給与」や「不動産・動産」を差し押さえます。

給与やその他財産が差し押さえられてしまえば、会社や家族、周囲の人々に借金の事実や借金を滞納した事実がかならずバレてしまいます。多くの方は「強制執行がなされる前にどうにかしたい」と思うことでしょう。

今回は、強制執行が開始されるとどうなるのか、裁判所から書類が届いたあとでも強制執行を止められるのか?について詳しくお伝えします。

この記事でわかること
  • 借金を滞納していても突然、強制執行が行われるわけではない。再三の連絡に応じない方にのみ、最終手段として行われるのが「強制執行」
  • 差し押さえの対象となる財産は、法律で定められている「差押禁止財産」以外の財産。同居家族の財産や生活に必要な財産を差し押さえられることはない
  • 裁判所からの書類が届いたあとでもまだ間に合う。早め早めの行動を取れば、いくつかの選択肢から強制執行を回避できる

借金の滞納を続けているといつ財産を差し押さえされる?

借金の滞納を続けていると、最終的には財産の差し押さえ(強制執行)が行われます。しかし、差し押さえは突然行われるわけではなく、電話や郵送物によって再三の連絡が行われているはずです。

差し押さえが開始されたときに「知らなかったから強制執行は無効!」「差し押さえの通知は受け取っていないから認めない」などと主張しても無駄です。

まずは借金の滞納から財産が差し押さえられるまでの一連の流れについてお伝えします。

ある日突然、強制執行が行われることは絶対にない

財産の差し押さえ(強制執行)が開始されるまでにはかならず、いくつかの段階を踏みます。差し押さえまでの流れは下記のとおり。

  1. 債権者(お金を貸した側、金融機関等)から差押予告通知書もしくは催促書が届く
  2. 裁判所から「支払督促」が届く
  3. 裁判所から「仮執行宣言付支払督促」が届く

裁判所から仮執行宣言付支払督促が届くのは最終段階で、このあと2週間経過すれば債権者があなたの財産を差し押さえられるようになります。

借金の滞納が始まると債権者からの督促が始まる

支払いの延滞が始まったときはまず、債権者(お金を貸した側)から電話や書面などの手段をもちいて督促の連絡が来ます。このとき「○月○日までに支払います」など、支払いを確約しておけば待ってもらえる可能性があります。

仮に待ってもらえなくても、真摯に対応するだけで心証が良くなるため、今後のためにもしっかり対応しておきましょう。

債権者からの連絡を無視したりいつまでも支払いをしないで延滞を続けたりしていると、第一段階である「差押予告通知書」「催促書」などと題した書面が届きます。

法的手続きへと移行される前に、この段階で支払いに応じるなどの対応をとるのが賢明でしょう。

裁判所から「支払督促」の書類が届く

債権者(お金を貸した側)からの書類等に反応しなければ、裁判所から「支払督促」が届きます。債権者から届く書類とは違って、裁判所から届く書類であるため、この時点で危機を感じる方も多いでしょう。

そして、裁判所から届く支払督促は「特別送達」で送付されます。この送付方法で送られてきた書類は、送達の事実を日本郵便が証明するため、「支払督促は受け取ってません」という言い訳は通用しないので注意してください。

また、特別送達として送られてきた書類を受け取らなかったときは、民事訴訟法107条の規定によって書留郵便等による送達が行われ、これをもって「受け取ったもの」としてみなされます。よって、受け取る・受け取らない関係なしに最終的には強制執行が開始されます。

参考:e-Gov「民事訴訟法(107条)」

裁判所からの督促を放置すれば「強制執行」となる

裁判所から届いた支払督促に対して、2週間以内に「督促異議申立書」を提出しなければ「仮執行宣言付支払督促」が届きます。この書類は財産差し押さえの一歩手前の段階です。仮執行宣言付支払督促が届いたあとも2週間以内であれば異議申し立てが可能です。

しかし、2週間経過しても異議申し立てがなかったその時点から、債権者(お金を貸した側)は財産の差し押さえが可能となります。

強制執行は「脅し」ではなく、かならず実行されるので要注意

強制執行に関する書類が届いても「脅し」としか思わず、届いた書類を放置していると本当に財産を差し押さえられます。

債権者(お金を貸した側)としても本音は「財産の差し押さえをしなくても、借金の返済をしてもらえること」を望んでいます。最終的には強制執行に至りますが、その前に債務者(お金を借りた本人)が「脅し」と感じて対応してくれればそれで良いです。

脅しで終わるも最終的に強制執行に至るも結局は、債務者の対応次第です。借金を支払えないのであれば、債務整理を検討すれば強制執行を避けられます。また、一時的に支払いが厳しいとしても、対処方法を真摯に検討すべきでしょう。

差し押さえ可能財産と差し押さえのできない財産

財産の差し押さえが決定しても、すべての財産が対象になるわけではありません。財産の中でも差し押さえの対象となる財産、対象にならない財産が明確に分けられています。

差し押さえ対象財産
  • 現金
  • 預貯金
  • 給与
  • 年金
  • 生命保険
  • 自動車
  • その他動産
差し押さえ対象外の財産
  • 本人以外が所有する財産
  • 生活に必要な財産

差し押さえの対象財産になっているものは「換金性の高い財産」から処分されます。預貯金等がなければ、給与や年金も差し押さえの対象となり、周囲の人に滞納をバレる可能性も高いです。

一方で、差し押さえ対象外の財産として「本人以外の財産」や「生活に必要な財産」があります。たとえ、同居家族や配偶者が所有する財産であっても、差し押さえられることはないので安心してください。

それでは次に差し押さえの対象になる財産、対象にならない財産について詳しく見ていきましょう。

優先して差し押さえられる財産は「預貯金」や「給与」

まず真っ先に差し押さえの対象となるのが預貯金や自宅等にある現金です。銀行にお金を残しておけば、裁判所から銀行に財産を差し押さえるよう通知がいくため即時差し押さえられます。

「銀行口座に入金していたら差し押さえられるから」という理由で出金しても、裁判所の執行官が訪れて財産を回収していくため、免れることは絶対にできません。

預貯金や現金での回収が難しかった方に対しては、給与の差し押さえを行います。給与の差し押さえは手取り額の1/4までと定められており、手取り月収20万円の方であれば最大で5万円/月までの差し押さえが可能です(手取りが44万円を超えるときは33万円を超えた部分が差し押さえ可能)。

ワンポイント解説
預貯金の差し押さえは要注意

銀行からの借入(目的ローンやカードローン等)がある方が、他の借金に対して差し押さえをされたときは、銀行の債務も一括請求されることがあります。銀行の債務に対してしっかり返済を続けていたとしても「預金を差し押さえたこと」が期限の利益喪失事由(一括返済事由)に該当する可能性があるためです。

参考:裁判所「差押可能な給料の範囲」

給与の差し押さえで会社に借金の滞納がバレる

給与が差し押さえられてしまったときは、会社に「借金をしていた事実」「借金の返済をしていなかった事実」がバレてしまいます。とくに給与は差し押さえ順位が高いため、現金等の財産がなければ真っ先に差し押さえ対象になるので注意してください。

また、金融関連会社に勤められている方であれば、仕事に多大な影響を及ぼす恐れがあります。「会社にバレたくない」と思うのであれば、強制執行が行われる前にしっかり対応しておきましょう。

現金での回収が難しければ自宅や車を処分される

預貯金や現金、給与等を差し押さえても回収しきれなかったときは、車や家、その他動産を差し押さえられます。財産を差し押さえられたあとは「競売競売とは、差し押さえられた財産を裁判所が売却する手続きです。売却時は一般の方含め、誰でも参加ができる官公庁オークションで行われます。相場よりも安い価格で売却されることも多いので、可能な限り差し押さえは避けたいのが本音でしょう。自分の財産がいくらくらいで売却されるのか不安な方は「官公庁オークション」で同等のものがないか探してみてください。」にて換価処分(お金に変えること)し、債権者(お金を貸した側)に返済されます。

強制執行によって車や家、その他動産を失ってしまえば当然家族にも借金の事実がバレてしまいます。最悪の場合、家族からの信頼や会社からの信頼等社会的信用を失うことにもなりかねません。

同居家族の財産は差し押さえの対象外

強制執行で差し押さえの対象となる財産はあくまでも「本人の財産」に限られています。たとえ同居家族であっても、他人名義のモノや他人の所有するモノであれば差し押さえられないので安心してください。

ただし、差し押さえの対象となるか否かは「実質的所有者はだれか」で判断されます。

たとえば、債務者がお金を出して買った車を配偶者名義としていた場合、実質所有者が「債務者本人」と判断されることがあります。

上記のように単に名義で判断されるわけではなく「実質的にだれが所有しているのか」で判断される点に注意してください。

財産のみならず社会的信用を失う恐れがあるので要注意

強制執行が開始されると「財産」を失います。また、財産を失う過程や結果の中で社会的信用も失いかねません。たとえば、給与が差し押さえられてしまえば、会社からの評価やお金に関する信頼を失ってしまうでしょう。

また、給与が減ることで家族等の生活にも影響を与えかねません。家や車を失うことによる生活の不便性も感じられるでしょう。結果的に家族からの信頼や信用を失う結果にもなりかねません。

強制執行によって失うものは財産のみではないことを理解し、強制執行を免れるための行動について考えていくべきでしょう。

生活に必要な最低限のモノは差し押さえの対象外

生活に必要なものは差し押さえの対象にはなりませんが、生活に必要か否かの判断はある程度決められています。

生活必需品として認められるもの
  • 生活家電・衣類・寝具
  • 生活に必要な1か月分の食料・燃料
  • 職業・学業に欠かせないもの
  • 標準的な2か月分の生活費
  • など

参考:e-Gov「民事執行法(131条)」

差し押さえを回避するためにできることとは?

「差し押さえ(強制執行)を回避したい」そう思うのは当然です。しかし、思うばかりで何もしなければ当然、強制執行が開始されます。

財産を守るために今すぐできることは下記の2つのみです。差し押さえの回避を探しているのであれば、下記のいずれかを検討してください。

  • 今すぐ債権者(お金を貸した側)もしくは裁判所へ連絡をし「支払う意思」を見せる
  • 返済が厳しいなら債務整理手続きを開始する

借金を支払えば当然差し押さえは回避できます。しかし中には、支払う意思があっても支払い能力がない方もいます。そういった方は「債務整理」を検討してください。支払いもしくは債務整理をしなければ、強制執行を回避することはできないでしょう。

今すぐに債権者もしくは裁判所へ相談をし「支払う意思」を見せる

債権者(お金を貸した側)や裁判所から届いている書類にしっかり目を通し、支払う意思を見せてください。このとき「一括での支払い能力」がなくても、債権者によっては分割を認めることがあります。

ただし、再三の督促等を放置してきた結果なので、かならず分割を認められるとは限りません。あくまでも「誠心誠意対応することで、認められる可能性がある」程度に思っておくと良いでしょう。

ここで分割が認められたり一括での返済が済んだりすれば、訴えを取り下げられるため、財産を差し押さえられることはありません。

返済が厳しいなら債務整理を検討すべき

借金の返済が厳しいのであれば、債務整理を検討してください。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類ありますが、すべての手続きで借金を減額もしくは0にできます。

法的手続き 手続きの結果
任意整理 利息を免除、返済期日の延長
個人再生 借金を最大1/10に減額
自己破産 借金が0になる

法律上、自己破産や個人再生の手続きを開始した時点で、強制執行を開始することができなくなります。仮に仮執行宣言付支払督促が出されていたとしても、差し押さえられることはないので安心してください。

ちなみに、自己破産や個人再生等の債務整理手続きは会社にバレる心配がほとんどありません。一方で、強制執行が開始されてしまえば、給与も対象になるため借金の事実と借金を滞納していた事実が明らかになります。「今さらだけど会社にバレたくない」と思われている方は、債務整理を検討してください。

なお、債務整理の相談は弁護士事務所で受け付けています。現在の状況を伝えたうえで、自分に最適な対処法を弁護士と模索してみても良いでしょう。

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差し押さえ決定後は任意整理の効力が薄れる

債務整理のひとつである「任意整理」は、債務整理の中で唯一法的手続きではありません。そのため、強制執行を禁止する法律が存在せず、仮執行宣言付支払督促が届いたあとは強制執行が開始できます。

任意整理は債務整理の中でもデメリットが少ないのが特徴で、債務整理によるデメリットを最小にしたい方にはおすすめです。しかし、仮執行宣言付支払督促が行われた段階では、任意整理の効果はほとんどなくなってしまいます。

任意整理を含む債務整理を検討されている方は、早め早めで手続きを開始したほうが良いでしょう。遅くなればなるほど、状況は悪化する一方なので注意してください。

何もしないのはとても危険、借金が払えないなら弁護士へ相談を

払う意思も見せない、債務整理手続きも開始しないのであれば、強制執行が開始されます。強制執行が行われれば、多くのものを失ってしまうのは前述のとおりです。少しでも被害を最小に抑えたいとか、財産を守りたいと思うのであれば、とにかく行動することが大切です。

借金が払えなくても、債務整理費用を支払えるほどの資力がなくても、とりあえず弁護士へ相談してください。弁護士費用の分割払いも可能な場合があります。「何をすれば良いかわからない」と思っている方ほど、弁護士へ相談して解決されることをおすすめします。

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まとめ

今回は、借金を滞納し続けて裁判所から強制執行の知らせが来たらどうなるのか?についてお伝えしました。

借金の滞納を続けていたとしても、ある日突然差し押さえに来るわけではありません。再三の督促や裁判所からの支払督促等、何段階もの手続きを経て行われるものです。早めに行動をしておけば避けられる事態であっても、放置を続ければ事態は悪化する一方です。

裁判所から届く書類は特別送達という書類で送付され、仮に受け取らなくても「受け取ったもの」としてみなされるため、強制執行は開始されます。強制執行によって失うものは、財産のみではなく会社や家族からの信用や信頼も失う事態となるでしょう。

仮執行宣言付支払督促が届いたからもうダメだ。と考える必要はありません。最終的に強制執行が開始されるまでであれば、借金の支払いや債務整理で強制執行を回避できます。借金等の事実をバレたくない、財産や信用を失いたくないと思うのであれば、まずは弁護士へ相談されてみてはどうでしょうか。

阿部 由羅
監修者

重すぎる債務は、生活を大きく圧迫するだけでなく、精神的にも大きな負担となってしまいます。完済の見込みがつかない借金を返し続けるよりも、一度債務整理を行い、経済的にも心理的にも新たにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
債務整理を行う際には、債務者の方のご状況やニーズに合わせた手続きの選択や対応が必要になります。困難な状況に陥ってしまった方でも、債務の問題を解決するための糸口はきっと見つかります。円滑な債務整理を実現するために、弁護士として親身になってサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。