債務整理後は賃貸契約に影響がある?債務整理後もスムーズに部屋を借りる方法を解説

先生、債務整理をすると、賃貸契約にも影響があるのでしょうか?

原則として、現在住んでいる家の賃貸借契約には影響がありません。ただし債務整理後、引っ越して新たに賃貸借契約を結ぶ場合は、債務整理をしたことが影響して審査に通らないケースもあります。

そうなんですね…。では、ブラックリストが解除されるまで引越しはできないということでしょうか?

いえ、そんなことはありません。不動産の審査において、個人の信用情報を確認するのは信販系の賃貸保証会社だけです。つまり信販系以外の賃貸保証会社が付いた物件や、公営住宅を検討すれば債務整理が影響することはありません。

そうなんですね!知りませんでした。

はい、信販系以外の賃貸保証会社はいくつかあります。しかし、まずは信用情報を審査時に見られない物件を探していることを不動産会社に相談してみるのが手っ取り早いでしょう。

なるほど。ありがとうございます!参考になりました。

債務整理をしても、基本的に現在住む家の賃貸契約には影響しません。

債務整理をしたこと自体は、大家や不動産管理会社が退去を求める正当な理由にはならないからです。

ただし、債務整理の前後で家賃を滞納していた場合は別です。

3ヶ月以上家賃を滞納し、督促を無視すると滞納から約半年で強制退去させられるケースもあります。

また、債務整理後に引越しをして賃貸契約を結ぶ場合は、信販系以外の賃貸保証会社を選びましょう。

契約者の信用情報を元に入居審査をするのは、信販系の賃貸保証会社だけです。

それ以外の保証会社は信用情報を閲覧できないので、債務整理をしたことが審査に影響することはありません。

債務整理をしたことがネックにならないよう、スムーズに家探しをするにはまず不動産屋に相談してみましょう。

また、公営住宅を検討するのもおすすめです。

この記事でわかること
  • 債務整理をしても、基本的に現在の物件には影響がない
  • ただし家賃の滞納が理由で強制退去を命じられる場合や、信販系の保証会社から更新時に契約解除を言い渡されることはある
  • 債務整理後に引越しをするなら、信販系以外の賃貸保証会社が付いている物件を探すのがおすすめ
  • ブラックリストに載っていることは不動産屋にも相談するとスムーズ
  • 公営住宅に住むのも1つの手段

債務整理をしても今住んでいる物件に影響はない

債務整理をしても、基本的に現在住んでいる物件の契約には影響がありません。

なぜなら双方の同意を伴わない賃貸契約の解除には、借地借家法の定める「正当事由」と呼ばれる理由が必要だからです。

契約者が債務整理をしたということは、正当事由には該当しません。

つまり債務整理したことを理由に、大家や不動産管理会社が退去を求めてもよいといった法律はないということです。

なお、正当事由にあたるのは借主が家賃を滞納している場合や、建物が老朽化し立ち退かないと危険な場合などが該当します。

また、不動産会社は契約者の信用情報を閲覧できません。

そのため、原則として不動産会社に債務整理をしたことが知られることもないのです。

ただし例外的に退去を求められる場合もある

基本的に債務整理は現在の家に影響がないものの、例外的に退去を命じられてしまうケースもあります。

それは以下のような場合です。

  • 家賃を滞納している場合
  • 賃貸契約の契約更新を断られる場合
  • 賃貸契約の内容変更に同意できない場合

それぞれの内容と対処法について見ていきましょう。

家賃を滞納している場合

家賃を滞納している場合は、債務整理をしたかどうかに関係なく強制退去を命じられることがあります。

1ヶ月分の家賃滞納で急に退去を命じられることはほぼないものの、3ヶ月以上家賃を滞納している場合は危険です。

契約解除の連絡が来て、その後強制執行不動産会社が裁判所に申し立てをして、契約者を強制的に退去させる手段。という形で退去を命じられる可能性があります。

もし家賃の督促が来たら、放置せずに不動産会社か大家にすぐ連絡しましょう。

そのときは支払いが難しくても、期限を決めて支払うことを約束すれば応じてくれるケースもあります。

督促状を無視すると支払う気がないと判断され、強制執行などといった強硬手段に出られる可能性が高いです。

また、家賃を滞納すると滞納分に加えて遅延損害金支払いの延滞に伴い、発生した損害金のことも請求されるケースが多い傾向にあります。

限界まで支払いの督促を無視し続けると、滞納分以上のお金を支払う必要がある上に、家も明け渡さなければなりません。

そのため家賃が払えない場合はできるだけ早く大家に相談の上、お金が作れ次第滞納分を支払うことをおすすめします。

家賃滞納で強制退去を命じられるまでの流れ

家賃を滞納してから強制退去を命じられるまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 翌日~1ヶ月以内に電話や書面で督促が来る
  2. 1~2ヶ月後連帯保証人へ連絡が行く・内容証明郵便が届く
  3. 3~6ヶ月後「契約解除通知」が内容証明郵便で届く
  4. 裁判所へ請求の申し立て
  5. 6ヶ月後以降は自主退去かもしくは強制執行による退去

一般的に、滞納から約2ヶ月で大家は裁判所に強制執行を申し立てる準備を始めます。

電話や普通の手紙でなく、内容証明郵便が来たらその合図です。

支払う見込みがなくても、取り急ぎ支払う意思はあることを大家に伝えましょう。

大家としても、住人がいなくなって一から募集をかけるのは面倒です。

そのため、ある程度支払いを待ってくれる可能性があります。

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賃貸契約の契約更新を断られる場合

債務整理をした後、次の更新時に契約を解除される場合があります。

これは、信販系の保証会社が付いている場合にあるケースです。

信販系の保証会社は、契約締結時だけでなく契約更新時にも審査を行います。

このとき、信用情報から債務整理をしたことが明らかになり、契約更新を断られることがあるのです。

この場合は、新しい保証会社を選ぶ、または連帯保証人を付けるなどの対応が必要です。

ただし、契約者が直接交渉しようとしても取り合ってもらえない場合も多数。

まずは不動産屋に相談してみるのがおすすめです。

賃貸契約の内容変更に同意できない場合

債務整理に関係なく賃貸契約の内容が変更され、契約者が同意できない場合は退去しなければならない場合もあります。

ただし、契約の解除と同じように、契約の変更にも「正当事由」が必要です。

大家の身勝手な事情で契約を一方的に変更することはできないため、正当事由に該当しないと判断される場合は弁護士に相談してみるのも手です。

また、もし変更があっても半年から1年前にアナウンスを行うのが原則なので、急に家を出なければならないということはありません。

家賃をクレジットカード払いしている場合は注意

家賃をクレジットカードで支払っている場合は、気づかない間にカードが使えなくなって家賃を滞納している可能性があるので注意しましょう。

債務整理をすると、対象となったカードは使えなくなります。

また、債務整理の対象から外しても、カード会社で与信途上が行われて利用停止される場合もあるのです。

与信途上とは、カード会社が利用状況や不正利用がないかを確認するための審査です。

与信途上で債務整理したことが明らかになると、まれにカードが使えなくなることがあります。

家賃を払っているクレジットカードが与信途上で利用停止になった場合、家賃の引き落としができないため「滞納」という扱いになってしまいかねません。

クレジットカードで家賃を払っている場合は、債務整理をする前に支払い方法を変更しておくのがおすすめです。

変更には貸主側との協議が必要となるため、不動産会社かオーナーに相談してみましょう。

クレジットカードの請求を払えないとどうなる?滞納長期化のリスクと対処法を解説

債務整理後に賃貸契約を結ぶ場合は審査に通りにくくなる場合がある

債務整理後に新たな賃貸契約を結ぶ場合、入居時の審査に通りにくくなる場合があります。

債務整理をするとその履歴が信用情報に残り、いわばブラックリストに載った状態になります。

一部の賃貸保証会社では入居時の審査で信用情報を参照しているため、ブラックリスト状態になっていると審査に通らないことがあるのです。

自己破産後の引っ越しは保証会社に注意!管財事件なら自己破産中は裁判所の許可が必要

信販系の賃貸保証会社が付いている場合は審査に通りにくい

審査に信用情報を閲覧するのは信販系の賃貸保証会社だけです。

「信販系」の保証会社とは、信販会社が運営する保証会社のこと。

信販会社は販売信用をメインの事業としており、保証会社以外にもクレジットカード会社などで知られます。

なお、信販系以外の賃貸保証会社なら、債務整理をしても審査に影響はありません。

信販系の賃貸保証会社

では、信販系の賃貸保証会社は具体的にどういった会社が挙げられるのでしょうか。

以下の会社は、比較的知名度の高い信販系の管理会社です。

管理会社名
株式会社アプラス・株式会社エポス・オリエントコーポレーション・株式会社ジャックス・株式会社セゾン・株式会社セディナ・株式会社ライフ
など

賃貸保証会社における審査の流れ

物件の入居を申し込む際、審査は以下の流れで行われます。

  1. 必要書類の提出
  2. 審査
  3. 本人確認
  4. 審査結果通知

審査で賃貸保証会社がチェックするのは、信用情報だけではありません。

信販系に限らず、ほとんどの保証会社では以下のようなポイントも審査されているので、注意しましょう。

  • 家賃が月収の1/3を下回っているかどうか(年収基準)
  • 連帯保証人の支払い能力
  • 仕事の安定性
  • 仕事の種類
  • 勤続年数
  • 人柄

債務整理による信用情報の状態で審査に落ちることもありますが、上記の理由が原因で審査に落ちてしまうケースもあります。

引越し先を探すなら月収と家賃のバランスが取れた物件を検討した上で、不動産屋を味方に付けて保証会社に支払い能力をPRしていきましょう。

債務整理後賃貸契約をスムーズに結ぶコツ

債務整理したことを把握できるのは、信用情報を閲覧できる信販系の保証会社だけです。

つまり、信用情報を見られない契約体系の物件を探せば審査に影響はないということ。

債務整理の影響なく賃貸契約を結ぶには、以下の方法がおすすめです。

  • 信販系以外の保証会社を利用
  • 保証会社のいらない物件を探す
  • 公営住宅に住む

ではそれぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

信販系以外の保証会社を利用

信販系以外の保証会社は、主に、全国賃貸保証業協会(LICC)と賃貸保証機構(LGO)の2種類に分かれます。

いずれも信用情報を参照することはなく、債務整理による審査の影響を受けません。

全国賃貸保証業協会(LICC)には、具体的に以下のような保証会社が加盟しています。

管理会社名
株式会社アルファー・アーク株式会社・株式会社エム・サポ・エルズサポート株式会社・興和アシスト株式会社・株式会社ギャランティー・アンドファクタリング・株式会社近畿保証サービス・ジェイリース株式会社・全保連株式会社・賃住保証サービス株式会社・ホームネット株式会社・株式会社リクルートフォレントインシュア・株式会社レジデンシャルサービス
など

賃貸保証機構(LGO)には、以下の保証会社が加盟しています。

管理会社名
ALEMO(アレモ)株式会社・株式会社Casa(カーサ)・日本セーフティー株式会社・フォーシーズ株式会社

審査の緩さで選ぶなら、賃貸保証機構(LGO)の保証会社がおすすめです。

賃貸保証機構(LGO)は別名「独自系保証会社」とも呼ばれ、信販系やLICCのデータベースを参照せず、申込時の情報だけで審査を行います。

そのため、他社で家賃の滞納をしたことがあっても審査には影響しません。

また、審査も通すことを前提としているので、基本的に審査基準は緩めです。

一方、LICC系の保証会社は加盟会社同士で契約者のデータベースを共有しています。

そのため、LICC系の保証会社で家賃を滞納したことがある場合は、避けた方が良いでしょう。

なおLICCのデータベースは、保証委託契約が終了しても5年は残るとされています。

保証会社のいらない物件を探す

保証会社は、万が一契約者が支払い不能に陥ったときに支払いを立て替えてくれる機関です。

そのため、多くの大家は保証会社や保証人を付けることを必須としています。

ただし、以下のような物件なら、保証会社不要で契約できる場合があります。

  • 大家が早く入居者を決めたいと考えている
  • 物件が古い
  • 物件の立地や設備が悪い
  • 事故物件

条件の良い物件があるとは限りませんが、不動産屋に相談すれば紹介してもらえる可能性があるでしょう。

また、家賃1ヶ月分を敷金として納めることで、1ヶ月分の家賃滞納を保証したことになり、保証会社不要にしてもらえる可能性もあります。

同じ理由で、クレジットカード払いにすると保証会社不要になる場合も。

いずれにしても保証会社を付けるか付けないか、大家と交渉するのは不動産屋の担当者です。

まずは保証会社なしの物件を探している旨を伝えて、物件を紹介してもらうと手っ取り早いでしょう。

また、物件検索サイトSUUMOでは「保証会社不要」という条件で物件が検索できます。

公営住宅に住む

公営住宅なら、信用情報に関係なく入居できます。

公営住宅とは、自治体が経済的に困窮した人を対象に貸し出す物件です。

公営住宅を運営する自治体は信用情報を参照できないため、ブラックリストに載っていても問題なく入居できます。

ただし、公営住宅の入居は応募者の中から抽選で決まることが多いため、必ず入居できるわけではありません。

また、入居には以下の条件が必須となります。

  • 住む家に困っている
  • 同居している、またはこれから同居する予定の家族がいる
  • 入居する世帯の所得月額が法令で定める金額以下

抽選で選ばれたのち、上記を中心に審査が行われます。

自分が公営住宅に住めるかどうか知りたい方は、「入居資格判定シミュレーション」のページで必要事項を入力の上、お確かめください。

債務整理後の借金に関するQ&A

貸主から更新を拒否されたら、素直に従うしかないのですか?

更新拒否の理由が、借主の家賃滞納など正当事由に該当する場合は従うしかありません。しかし、少しでも貸主の主張に疑問がある場合や、正当事由とは思えない理由で更新を拒否された場合は弁護士に相談の上、貸主と協議するという手もあります。

万が一立ち退く場合の立ち退き費用はいくらが相場ですか?

一般的に、家賃6ヶ月分が相場とされています。つまり家賃8万円/月の物件なら、48万円が立ち退き料として妥当な金額といえます。また、立ち退きを求められる場合は借地借家法により、半年~1年前から契約更新をしない旨を伝える必要があります。つまり借主には立ち退きを宣告されてから半年から1年の猶予があるので、その期間で新たな家を探す、という流れが一般的です。

信販系以外の保証会社が付いた物件は、どのように探せば良いですか?

保証会社で物件を選ぶより、物件のあたりを付けてから保証会社を確認して、信販系の保証会社が付いた物件を避けると良いでしょう。多くの保証会社は、物件の管理会社と契約を結んでいることが多くあります。
また、インターネットで探すのが難しければ不動産屋に直接相談してみるのも手です。不動産屋の中には信販系の保証会社しか使えないところもありますが、場合によっては保証会社不要の物件などを紹介してもらえるかもしれません。

まとめ

この記事のまとめ
  • 債務整理をしても原則として現在の賃貸物件に影響はない
  • ただし例外的に退去を求められる場合がある
  • 新しく賃貸契約をする場合、信販系の保証会社が付いた物件は審査に通らない場合がある
  • 新規契約をするなら信販系以外の保証会社が付いた物件を
  • 公営住宅や保証会社不要の物件に申し込むのもおすすめ

債務整理をしても、基本的に現在の賃貸契約には影響がありません。

ただし、家賃の滞納には注意しましょう。

クレジットカードで支払っているつもりでも、与信途上でいつの間にかカードが使えなくなって滞納扱いになっている場合も考えられます。

万が一督促が来たら決して無視せず、期限付きで支払うことを早急に連絡しましょう。

また、新たに家を探すなら信販系以外の保証会社が付いた物件がおすすめです。

不動産屋をうまく活用して、スムーズな家探しを実現してください。