債務整理による不動産への影響は?自宅を手放さずに済む方法を解説します

債務整理による不動産への影響は?自宅を手放さずに済む方法

債務整理をすると財産を没収されると聞きましたが、自宅や土地といった不動産も手放すことになるのでしょうか?

確かに債務整理の手続き方法によっては財産を没収されることがありますが、自宅に関しては自己破産以外の手続きをすればそのまま所有し続けられます。

ただし、別荘や賃貸のために所有している物件などは個人再生でも没収されるので注意してください。

不動産への影響が全くないのは任意整理のみとなります。

では自宅を失いたくないなら自己破産以外の選択をした方が良いのですね。

確かに自己破産をすると自宅は手放すことになりますが、借金は全額免除されるので多額の借金を抱え返済不能の状態なら自己破産が最良の選択となるでしょう。

自宅を所有し続けることにこだわるよりも借金問題を解決するのを優先して考えるべきです。

借金がなくなれば早期の生活再建が可能になり、いずれまたマイホームを購入できるでしょう。

自分に合った債務整理を行わなければ意味がありませんから、まずは弁護士の無料相談を活用してみてください。

分かりました!自宅を手放さずに済むかもしれませんし、まずは近くの弁護士事務所を探してみます。

債務整理をすると自宅や土地などの不動産を手放す必要があるか心配していますね。

自宅を失うと家族にも迷惑をかけてしまうので債務整理を諦めるべきか悩むでしょう。

しかし、債務整理によって自宅を失うのは自己破産という手続きをした場合のみです。

債務整理には他に任意整理と個人再生という手続きがありますが、これらは自宅を維持したままにできるので安心してください。

当ページでは、債務整理で不動産を失うケースや、不動産を手放すことになった後どう住まいを確保すべきかなどについて解説していきます。

たとえ債務整理で不動産を失ってしまう場合でも、事前に詳細を把握しておくことができれば安心して手続きに踏み切れるはずです。

この記事でわかること
  • 債務整理で不動産を失うケースや失わずに済むケース
  • 債務整理で不動産を失うとしたらいつまでに引っ越しが必要なのか
  • 債務整理で不動産を失った後の住まいの選択肢

債務整理では自宅などの不動産を手放さずに済む方法もある

債務整理をしても自宅や土地といった不動産を必ず手放すことになるとは限りません。

実は債務整理の手続き方法によっては不動産を所有したままにできるのです。

ここでは債務整理をすると不動産へどう影響があるのかについて解説していきます。

不動産を手放す必要があるかは債務整理の手続きによって異なる

債務整理には任意整理と個人再生、自己破産という3つの手続き方法がありますが、不動産を没収されるのは個人再生と自己破産です。

さらに言うと、現在居住している自宅を没収されてしまうのは自己破産のみです。

手続き方法別に不動産への影響を紹介します。

任意整理なら不動産を回収されることはない

債務整理のうち不動産への影響が一切ないのは任意整理です。

任意整理とは弁護士が債権者側と和解交渉を行い、将来の利息をカットしてもらう手続きです。

利息がなくなることで元本の返済がスムーズに進み、早期完済が目指せます。

なぜ任意整理なら不動産への影響がないのかと言うと、任意整理では対象とする債権者を選択できるからです。

住宅ローンを借入している金融機関を任意整理の対象から除外しておけば、マイホームは手放す必要がありません。

もちろん、すでにローンを完済している不動産についても没収されることはないのです。

ただし、任意整理は借金の大幅な減額は期待できませんから、元本だけを3~5年で完済できるほどの借金がある場合に向いている手続きと言えます。

個人再生は現在居住している自宅は回収されることはない

個人再生は不動産を回収される可能性がある手続きですが、現在居住している自宅だけは影響を受けません。

個人再生とは裁判所を介して借金を5分の1程に減額してもらう手続きで、大幅に借金を減らせるので多額の借金を抱えていても早期完済が目指せます。

その代わりに、原則としてローンを支払中の財産は没収されてしまいます。

しかし、個人再生では住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という制度があるため、マイホームに関しては住宅ローンを支払中でも手放さずに済みます。

住宅は生活の基盤のため、引き上げてしまうと債務者の経済的な更生の妨げとなる危険があるため、住宅ローン特則が設けられているのです。

ただし、住宅ローン督促を利用するには以下の条件を満たしている必要があります。

  • 個人再生の要件を満たしている
  • 住宅資金貸付債権であること
  • 本人が所有している住宅であり本人の居住用の建物であること
  • 床面積の2分の1以上の部分が居住用であること
  • 不動産に住宅ローン以外の抵当権がついていないこと
  • 保証会社による代位弁済後6ヶ月を経過していないこと

個人再生の主な要件には、将来的に継続又は反復した収入があり再生計画に沿った弁済が可能なこと、住宅ローンを除いた借金総額が5,000万円を超えないことです。

また、住宅ローン特則の条件には、本人居住用の建物であることと記載があるので、たとえば別荘や賃貸のために所有している投資物件などは対象外です。

また、事務所兼自宅で居住スペースが床面積の2分の1未満の場合なども住宅ローン特則が利用できないので注意してください。

これら全ての条件を満たしているなら自宅にそのまま住み続けられるので、任意整理をしても支払いきれない借金があるなら個人再生を検討すべきです。

自己破産では不動産を回収されることになる

債務整理のうち不動産への影響が最も大きいのは自己破産です。

自己破産とは裁判所を介して借金が返済不能であることを認めてもらい、借金を全額帳消しにしてもらう手続きです。

その代わりに自己破産ではローン残債の有無に関わらず資産価値が20万円を超える財産は原則として回収の対象となります。

自宅や土地などの不動産は資産価値が20万円を超えるはずですから、所有し続けることはまずできません。

自宅を手放すことになるなら自己破産だけは避けたいと考えるかもしれませんが、無職の状態や借金が5,000万円を超えていて個人再生ができないなら自己破産を検討するしかないのです。

自己破産をためらい借金をそのまま放置していても、結局返済不能となれば差し押さえに発展し自宅を没収される可能性もあります。

1日も早く借金問題を解決し生活再建をしたいなら、勇気を出して自己破産を進めるべきです。

不動産が債務者本人の名義でなければ手放す必要はない

自己破産では自宅を含め不動産は回収されてしまいますが、これは債務者名義の不動産だけです。

たとえ債務者と同居していても、配偶者や子供、親名義の不動産は手放す必要はありません。

なぜなら債務整理は債務者本人に帰属する問題だからです。

しかし、不動産を共同名義で所有している場合は注意が必要です。

共同名義の不動産があり自己破産する際には、自己破産の申請を行った破産者の持ち分だけが競売にかけられることになります。

共同名義人が不動産を競売にかけたくない場合は、破産者の持ち分を買い取らなければなりません。

債務整理前に不動産の名義変更をすると財産隠しになるので注意

債務整理で不動産を失うのを避けるため債務者名義の不動産を家族名義に変更してしまえば良いのではと思うかもしれませんが、違法行為になるので絶対にやめましょう。

個人再生や自己破産の手続きを行う場合、所有している財産を申告するのですが、財産を隠して虚偽の申告をすると詐欺再生罪や詐欺破産罪に該当し罰せられてしまいます。

財産隠しと見なされるのは、財産を少なく申告する以外に債務者名義の財産を配偶者などの名義に変更する、財産を故意に破損して価値を下げるといった行為も含まれます。

財産隠しは罰則の対象となるだけでなく、個人再生では再生計画不許可となりますし、自己破産では免責不許可となります。

つまり、債務整理そのものができなくなるのです。

財産は細かく調査されますから、債務整理前に名義変更をしてもバレてしまいます。

財産隠しをする危険についてまとめた記事も是非参考にしてくださいね。
https://step-saimu.jp/bankruptcy-namechange/

賃貸物件で家賃をきちんと支払えているなら債務整理による影響はない

債務整理のうち自己破産をすると所有している不動産を失うことになりますが、賃貸物件に住んでいる場合はどうなのか気になるでしょう。

実は家賃を滞納している場合に個人再生や自己破産をすると、滞納分の家賃も整理の対象となります。

特に自己破産では借金全額が免責となるので、家賃を回収できない貸主が賃貸契約に基づいて退去を命じる可能性はあります。

なお、債務整理を理由に賃貸契約を解約することはできませんので、家賃の滞納さえなければ自己破産をしても影響はありません。

自己破産で不動産を手放すことになった後の生活や住まいはどう変わるのか

債務整理のなかでも自己破産をすると不動産への影響は大きいため、破産後の生活や住まいはどうなるのか不安になりますよね。

実は自己破産をしても最低限の財産は残せますし、住まいを確保することもできるので破産後も一般的な生活は送れるはずです。

自己破産手続きをしても6ヵ月から1年はそのまま住み続けることができる

債務整理のうち自己破産では自宅を失うことになりますが、破産後すぐに引っ越すとなれば精神的にも金銭的にも余裕がないでしょう。

しかし、破産手続きをしても退去日までは今の家に住み続けることができます。

自己破産をすると自宅は競売というオークション形式で売りに出されます。競売の大まかな流れは以下の通りです。

  1. 競売開始の決定
  2. 不動産の状況調査
  3. 入札期限の決定及び対象不動産の公開
  4. 売却許可決定及び代金の納付

裁判所が売却許可決定をして代金が納付されたら、家の所有権は買受人に移転されます。

そうなると破産者は退去日を決めて家を明け渡さなくてはなりませんが、競売が開始されてから退去日が確定するまでに6ヵ月〜1年程度かかるのが一般的です。

そのため、次の住まいを探す期間は十分確保できるでしょう。

自己破産後10年間は住宅ローンを組むことはできなくなる

自己破産をして自宅を手放すことになっても、また新たに住宅ローンを組めば持ち家を手に入れられると考えるかもしれませんが、実は自己破産後10年間はローンを組めなくなります。

ちなみに住宅ローンだけでなく車のローンや、カードローンなども同様です。

なぜなら、自己破産を含め債務整理をすると、個人の属性やクレジット契約等の情報を管理している個人信用情報機関において金融事故の記録がつくからです。

ほとんどの金融機関や消費者金融は個人信用情報機関に加盟しており、消費者から申込があれば信用情報を照会し返済能力の有無を確認します。

しかし、信用情報に金融事故の記録があれば貸し倒れになるリスクがあると判断し融資は行いません。

そのため、債務整理をすると最長10年は各種ローンやクレジットの契約ができなくなるのです。

なお、10年経過し信用情報から債務整理の履歴が消えれば、ローンやクレジットカードなどの審査にも通過できるようになるので安心してください。

自己破産をしても最低限の財産は残る

自己破産をすると資産価値が20万円を超える財産は没収されるとお伝えしましたが、全ての財産を没収されるわけではありません。

破産後の生活に必要な財産として法的に認められている自由財産は手元に残せるのです。

そのため、破産によって自宅を失い、引っ越す際にも生活への心配はしなくて良いです。

自由財産に該当する財産はこちらです。

  • 新得財産
  • 差押禁止財産
  • 99万円以下の現金
  • 自由財産拡張が認められた財産
  • 破産管財人が破産財団から放棄した財産

新得財産とは破産手続開始決定後に取得した財産のため、破産手続開始決定後に取得した財産は没収されずに済みます。

また、差押禁止財産には生活必需品が含まれますから、破産後も家具や家電などはそのまま使い続けられます。

さらに、99万円以下なら現金も手元に残せるので、引っ越し費用や新居への入居費用もまかなえるでしょう。

自己破産と聞くと所有している財産全てを没収されるイメージを持つでしょうが、破産後の生活を維持できる程度の財産は残せると分かれば安心ですね。

自己破産で自宅を失った後の住居の選択肢

自己破産をした後10年は住宅ローンの審査に通過しないので持ち家を購入することはできません。

しかし、破産後でもマイホーム購入以外の方法であれば住居は確保できるので安心してください。

賃貸物件を借りる

事故破産後をしたことで賃貸契約を断られる心配はないので、賃貸物件なら借りることができます。

しかし、賃貸物件でも保証会社の審査が必要になる場合は審査で落とされてしまう可能性があります。

保証会社が信用情報機関に加盟しているなら、ほぼ確実にその物件を借りることはできません。

破産後に賃貸物件を借りるならば、保証会社ではなく連帯保証人を立てるタイプの物件を選ぶと良いでしょう。

もしくは配偶者やお子さんに安定した収入があるなら、その人の名義で賃貸契約をすれば保証会社の審査が必要な物件でも借りられる可能性が高いです。

さらに、民間の賃貸物件ではなく県営や市営などの公営住宅も選択肢に含めると良いでしょう。

リースバックを利用する

自己破産をしても、リースバックという方法ならば現在の家にそのまま住み続けることができます。

リースバックとは、一旦は自宅を売却するものの、賃貸契約を交わして借りる方法です。

自宅にそのまま住み続けられるので、自己破産によって同居する家族に迷惑をかけたくない、周囲に破産したと知られたくない場合に適しています。

ただし、自宅の所有権はなくなってしまいます。

また、自己破産をした家をリースバック契約する際には、相場通りの金額で売却することや債権者や破産管財人に承諾をもらうことなどの注意点がありますから、不動産業者や弁護士などと相談したうえで決断すべきです。

実家や親族が所有する家で住まわせてもらう

自己破産をして賃貸物件を借りたりリースバックを利用したりするならば賃料を支払う必要がありますから、無職だとまず賃貸契約を交わすことはできません。

そういった場合、実家や親戚の家に住まわせてもらうのも一つの手段となります。

もちろん、事情を話して承諾を得る必要はあります。

親族の家に住まわせてもらっている間に定職に就けば、賃貸物件を借りることもできるようになるでしょう。

債務整理による不動産への影響についてのQ&A

債務整理をすると自宅や土地などの不動産は回収されますか?

債務整理のうち任意整理なら不動産を回収される心配はありませんし、個人再生でも現在居住している自宅は手放さずに済みます。
ただし、個人再生では別荘や投資用物件などは回収されます。
また、自己破産では自宅を含めた不動産は回収されてしまいます。

債務整理で自宅を手放すことになったらいつまでに引っ越せば良いですか?

債務整理のうち自己破産をすると自宅を手放す必要がありますが、退去日までは住み続けることができます。
競売開始となってから退去日が確定するまでに6ヵ月〜1年程度かかるので、破産手続きをしてもすぐ引っ越しを迫られることはありません。

債務整理で自宅を手放すことになっても賃貸物件は借りれますか?

債務整理をすると個人信用情報機関にてブラックリスト状態となりますが、賃貸物件なら借りられる場合があります。
ただし保証会社の審査が必要な賃貸物件は、信用情報機関に照会され審査に通過しない可能性が高いです。
保証会社ではなく連帯保証人をつける物件や、同居する家族名義で賃貸契約を交わすなら問題ないでしょう。

まとめ

この記事のまとめ
  • 任意整理なら不動産への影響はない
  • 個人再生なら自宅は手放さずに済む可能性が高い
  • 自己破産は自宅を含め不動産を手放すことになる
  • 自己破産をしても家族名義の不動産は手放す必要はない
  • 自己破産後も賃貸物件を借りたりリースバック契約をしたりすることはできる
債務整理手続きにおいて債務者が所有している不動産を手放す必要があるのは、個人再生と自己破産のみです。

なお、個人再生については、住宅ローン特則の条件を満たせばローンを完済していなくても自宅を手放さずに済みます。

ただし、債務整理のうちどの手続きが向いているのかは、債務者の収支状況や借金の残金などによって異なるので、専門家である弁護士に判断してもらいましょう。

弁護士も債務者の希望に寄り添った手続きを考えてくれるので、不動産への影響が不安なことは打ち明けておくと良いです。

自己破産では債務者名義の自宅を手放すことは避けられませんが、その代わりに借金を免除してもらうことができるので、弁護士に薦められたとしたら躊躇せず手続きに踏み切るべきです。

なお、自己破産をしても賃貸物件を借りたりリースバック契約をしたりして住まいは確保できるので安心してください。