債務整理するとクレカのポイントは失効!債務整理後にクレカを作る方法も解説!
クレジットカードの滞納が続き、一括請求をされたのですが払えないため債務整理をしようと思っています。その場合、貯めていたポイントはなくなってしまいますか?


債務整理によってクレジットカードが強制解約となると、貯めていたポイントは消滅してしまいます。そのため、債務整理前にポイントは利用することをおすすめします。
債務整理前でもポイントは利用できるのですね。でも今、ポイントで買いたいものがなく、クレジット機能だけ失効させることはできないですか?


クレジット機能付帯のカードの場合、クレジット機能のみを解約することは基本的にできません。もしも、カード会社にポイント機能のみ利用できるカードがあれば、そちらにポイントを移行して利用ができる場合がほとんどなので、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
債務整理をすると、原則すべてのクレジットカードが利用停止となります。
その際、貯まっているポイントは失効してしまいます。
そのため、債務整理の前にポイントを利用するか、移行しておくとよいでしょう。
ただし、ポイントを超えた利用額をクレジットカード払いとしてしまったり、利用ポイント数が大きすぎると債務整理手続きに支障が出る場合があります。
そのため、債務整理前に利用したいクレジットカードのポイントがある場合は、弁護士に相談してから利用するとよいでしょう。

- 債務整理をすると、クレジットカードのポイントは失効する。
- 債務整理前のポイントを利用するときは、ポイントの範囲内に収める。
- 債務整理後、クレジットカードが作れるのは平均で5~10年後。
債務整理前にクレジットカードのポイントは利用か移行しよう
債務整理をすると、クレジットカードに貯まっているポイントは失効してしまいます。
そのため、債務整理前にポイントは利用するか移行しておくのがおすすめです。
ただし、債権者によってはポイントを返済の一部に充てられる場合もあるので、利用したいときはまず弁護士に相談するのがよいでしょう。
この項目では、債務整理前にクレジットカードのポイントを利用する際、押さえておきたいことをお伝えします。
債務整理前でもポイントの利用や交換は可能
債務整理前でもクレジットカードのポイントは利用できます。
また、景品やマイルなどへの交換なども可能です。
カード会社によっては電子マネーにポイントを移行できるので、そのサービスを利用するのもおすすめです。
債務整理の手続きが始まると、クレジットカードは利用停止となりポイントも失効するので、ポイントを利用するのであれば債務整理前がよいでしょう。
ポイントを超えた買い物は借金の減額や免除を妨げる可能性がある
債務整理前であれば、クレジットカードに貯まっているポイントの利用は可能です。
しかし、ポイントを超えた買い物をして、超えた分をクレジットカード払いにしてしまうと債務整理直前の借入とみなされる場合があります。
債務整理直前の借入は免責不許可事由となり、自己破産での免責や個人再生での再生計画に許可がおりなくなる可能性が高いです。
また、任意整理では債権者との交渉が不利となる場合があります。
そのため、債務整理前にクレジットカードのポイントを利用する場合は、ポイントの範囲内に収めるとよいでしょう。
ポイント機能のみのカードがあれば移行が可能
カード会社によっては、ポイント機能のみが利用できるカードを発行している場合があります。
そのようなカードは、クレジット機能やキャッシング機能は付帯しておらず、申込み時に審査がないのが通常です。
また、多くの場合その場で即時発行ができます。
利用しているカード会社にポイント機能のみのカードがあるのなら、そちらを発行してポイントを移行しておくのもよいでしょう。
現在利用しているクレジットカードのままで、クレジット機能を停止してポイント機能のみを利用し続けることは、原則できないので注意が必要です。
ポイント機能付きクレジットカードの借金を任意整理で解決した事例
Aさんは、ポイントの還元率が高いことから、買い物のほとんどをネットショッピングのカード決済でしていました。
しかし、自分がどれくらい買い物したかの確認は怠りがちで、利用明細を見て驚くことも。
ある月、どうしても返済が難しかったので、リボ払いへ変更しました。
その後、困ったときはリボ払いを利用し、それでも追いつかないときはキャッシングも利用するように。
気づいたら借金総額は150万円を超えており、消費者金融に借りるかどうかを金融事情に詳しい友人に話したところ、弁護士への相談を勧められました。
相談者 | 20代女性 |
---|---|
月々の収入 | 手取り18万円程度 |
借入状況 | カード会社合計3社から160万円 |
月々の返済額 | 7万円 |
任意整理後の返済額 | 月々7万円→4万円弱に減額 |
Aさんには返済意思がありましたが、月々7万円の返済額は家計を圧迫して次期に返済不能となることが明白でした。
そのため、弁護士と相談して任意整理をすることに。
債権者との交渉は無事に成立し、月々の返済額は約半分の4万円以下になったため、現在は弁護士のアドバイスの元、家計を上手にやりくりしながら無理なく返済をしています。
また、Aさんはポイント機能とクレジット機能が一体となっているカードを主に利用していました。
そのカード会社にはポイント機能のみのカードもあったので発行し、債務整理前にたくさん貯まっていたポイントを移行して、残すことができました。
債務整理後は手持ちのクレジットカードすべてが使えなくなる
債務整理をすると、以下のようなクレジットカードも含め、手持ちのクレジットカードはすべて利用停止となります。
- 未使用のクレジットカード
- 任意整理で債権者から外したクレジットカード
上記のようなカードは、債務整理の後もしばらく利用できますが、クレジットカード会社が途上与信カード会社が定期的に利用者の信用情報を調査することや更新時に債務整理の事実が知られると、強制解約されるのが通常です。
次の項目から、それぞれ詳しく解説します。
未使用のクレジットカードも途上与信や更新で利用停止となる
未使用のクレジットカードは、自己破産や個人再生の場合も債権者とはならないので、すぐに利用停止とはなりません。
しかし、カード会社は途上与信や更新時に利用者の信用情報を定期的に調査しています。
そのため、ずっと持ち続けることはできず途上与信や更新時に強制解約となるのです。
また、もしも任意整理や個人再生の返済中にクレジットカードを利用して滞納してしまうと、一括返済を求められたり再生計画が取り消される可能性があります。
その際、減額された借金が元の金額に戻ってしまうケースも少なくありません。
任意整理で債権者から外したカードも利用停止となる
任意整理では、手続きする債務を選ぶことができます。
そのため、手続きの対象としなかったクレジットカードは、任意整理をしてもすぐには解約されません。
しかし、途上与信や更新があると、強制解約されて利用停止となるのが通常です。
強制解約となると「社内ブラック」に登録され、そのカード会社の審査は永久に通らなくなる可能性があります。
そのため、任意整理で債権者から外したクレジットカードであっても、自主的に解約しておくことをおすすめします。
自主的に解約するのであれば、社内ブラックとなる可能性はほとんどありません。
債務整理後でもクレジットカードの審査が通りやすくするコツ
「債務整理するとクレジットカードが作れなくなる」
そのように聞いたことがある方は多いと思います。
しかし、債務整理をすると一生クレジットカードが持てなくなるということではありません。
債務整理後に審査が通りやすくなるのは「信用情報から事故情報が抹消されてから」です。
また、債務整理時に利用していないクレジットカード会社へ申込んだり、利用限度額を小さくするのも審査に通りやすいコツといえます。
この項目では、債務整理をした方がクレジットカードの審査を通りやすくするコツをお伝えしますので、参考にしてください。
信用情報から事故情報が抹消されてから申込む
信用情報とは、クレジットカードやローンの契約や支払状況等に関する情報で、滞納や債務整理をすると「事故情報」が登録されます。
信用情報に事故情報が登録されていると、原則クレジットカードやローンの審査は通りません。
ただ、事故情報は一定期間が経つと抹消されます。
事故情報が抹消されるまでの期間は、平均で5~10年です。
そのため、最低でも5年は新規のクレジットカードやローンは利用できないと考えたほうがよいでしょう。
信用情報を管理している信用情報機関に開示請求をすると、自分の信用情報に事故情報が登録されているかを確認できます。
そのため、債務整理後にクレジットカードを申込むときは5年程度待ち、信用情報を確認してから申込むのがよいでしょう。
信用情報の開示方法は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
良好なクレジットヒストリーを作成する
クレジットヒストリーが良好であることは、クレジットカードの審査においてとても重要です。
クレジットヒストリーとは、クレジットカードやローンの利用履歴のことで、債務整理をすると白紙になります。(スーパーホワイト)
クレジットヒストリーが白紙だと「過去に金融事故を起こしたのではないか」と考えられて、クレジットカードの審査に落ちてしまう可能性が高いです。
そのため、ある程度クレジットヒストリーを作ってからクレジットカードに申込むのがよいでしょう。
すぐに実践できることとしては、携帯電話やネットショッピングを分割払いにして、毎月確実に支払を続けるとクレジットヒストリーは磨かれます。
焦って申込んで審査に落ちてしまうと、その事実も信用情報に登録されるので注意が必要です。
債務整理時に利用していなかったカードを申込む
債務整理時に利用していたクレジットカードは「社内ブラック」に登録されている可能性があります。
社内ブラックは、信用情報から事故情報が抹消されても社内独自の情報として永久的に保存されます。
また、社内ブラックはグループ会社内で共有されている場合が多いため、債務整理時に債権者であった金融機関やカード会社のグループ会社も避けるとよいでしょう。
以下は、グループ会社の一例です。
- セディナカード→三井住友ファイナンシャルグループ
- エポスカード→丸井グループ
- 楽天カード→楽天グループ
- ルミネカード→JR東日本グループ
社内ブラックは企業独自の情報であるため、登録されているかを確認する方法はありません。
ただ、事故情報が抹消されているにも関わらず審査に落ちた場合は、社内ブラックに登録されていると疑った方がよいでしょう。
一社ずつ申込む
一度にたくさんのクレジットカードを申込むと「この人は相当お金に困っている」と判断されて、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
また、いくつものカード会社へ同時に申込みをした履歴がクレジットヒストリーに残るのも、あまり好ましくありません。
そのため、クレジットカードの申込みは一社ずつしましょう。
その際、比較的審査に通りやすいとされているカード会社に申込むと、審査に通る可能性が高くなります。
例えば、楽天カードは比較的審査が通りやすいといわれています。とくに、新規入会キャンペーンをしているときがおすすめです。
ただし、債務整理時に借入があったなどといった、個別の事情に大きく左右されるので注意が必要です。
審査に落ちたら次の申込みまでは半年程度開ける
クレジットカードの審査に落ちると、その事実が信用情報に約半年間登録されます。
審査落ちの情報が登録されている期間は、クレジットカードの審査に通りにくいです。
その期間にクレジットカードに申込んで、審査落ちの情報を積み重ねてしまうとますます審査に通りにくくなってしまいます。
そのため、一度クレジットカードの審査に落ちてしまったら、再度の申込みは半年程度の期間を開けて審査落ちの情報が抹消されてからがよいでしょう。
利用限度額は最小限・キャッシング枠は0で申込む
債務整理後にクレジットカードに申込むときは、利用限度額を最小限度額に設定して申込むとよいでしょう。
限度額が大きいほど、審査は厳しくなるのが一般的です。
そのため、良好なクレジットヒストリーがないうちに限度額を大きくして申込んでも、審査には通らない可能性が高いです。
また、キャッシング枠も同様の理由から、0か0に近い枠で申込むことをおすすめします。
審査の通りやすさだけでなく、債務整理後に借金を繰り返さないためにもクレジットカードを申込むときは「最小限度額・キャッシング枠0」に設定するとよいでしょう。
まとめ
クレジットカードに貯まっていたポイントは、債務整理前に利用か移行しておくのがよいでしょう。
ただし、ポイントを超えた利用や、利用するタイミングには注意が必要です。
また、債権者によってはポイントを返済の一部として認めてくれる場合があります。
そのため、クレジットカードのポイントを利用したいときは、事前に弁護士へ相談するとよいでしょう。
債務整理後は一定期間クレジットカードが作れなくなります。
債務整理後にクレジットカードの審査を通りやすくするコツは以下のようにお伝えしました。
- 信用情報から事故情報が抹消されてから申込む
- 良好なクレジットヒストリーを作成する
- 債務整理時に利用していなかったカードを申込む
- 一社ずつ申込む
- 利用限度額は最小限・キャッシング枠は0で申込む
債務整理後にクレジットカードを利用する場合は、使いすぎに十分注意して借金を繰り返さないようにするのが大切です。

債務整理にかかる費用と相場は?お金がなくても手続きはできます!
債務整理にどれぐらいの費用がかかるのか、心配になっていませんか?ただでさえ月々の返済に追われているのに、プラスで費用を捻出することは相当な負担に感ずるのではないでしょうか。 もちろん、債務整理を行うには弁護士に支払う費用や、個人再生や自己破[…]

債務整理を検討すべき10個のタイミング!タイミングを逃すと発生するリスクや弁護士・司法書士の選び方も解説
借金の返済が苦しくても、なんとか返済できると思って債務整理をためらう方は意外と多くいます。 債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」などさまざまな方法で苦しい状況を改善してくれますが、タイミングを誤るとその選択肢はどんどん狭まってし[…]

債務整理はどのような流れで行われる?必要な書類、期間も合わせて解説
債務整理は、債権者や裁判所が関わる手続きのため、手続きにはいくつかの段階を経ていく必要があります。 また、自己破産や個人再生の場合、手続きを進めることが適正であることを認めてもらうために多くの書類を集めなければなりません。 それらの書類の収[…]