債務整理後にまた借りることは可能?リスクや注意点、事例を紹介します

債務整理をした後に、また借金することは可能ですか?

はい、信用情報が回復すればまた借り入れはできるようになります。ただし、債務整理の対象とした会社では時間が経っても借り入れできないことが多いですね。

なるほど。過去に1度債務整理したのですが、また借り入れをしようかなと思っていて…。

借り入れ自体は時間が経てばできますが、できることなら借金はおすすめしません。実際、債務整理後に再び借金を繰り返してまた債務整理をしなければならない状況になってしまった方も多くいます。

そうなんですね…。

それに、2回目の債務整理は条件が厳しくなることもあるんです。救済措置とはいえ、何度も同じ理由で手続きするのは認められない場合もあります。できるだけ収入に合った生活をすることをおすすめします。

そうなんですか。借金を繰り返すことって、案外怖いんですね。先生の言葉で思いとどまれました!借金しないように頑張ってみます!

債務整理後でも、一定期間が経てば再び借り入れをすることは可能です。

クレジットカードも新たに申し込めるようになります。

ただし、債務整理の対象となった貸金業者は社内独自のブラックリストを持っていることが多いため、再度借り入れをするのは難しいでしょう。

このように債務整理後でも借り入れはできますが、借金を繰り返すことはおすすめしません。

借金は「債務」であり「リスク」でもあります。

万が一返済できないとペナルティが課されるほか、2度目の債務整理が認められない可能性も。

一度債務整理をしたら、それを機に生活を立て直して借金のない生活を心がけましょう。

自分ではどうしても借金がやめられない場合は、依存症が疑われるので医療機関の受診もおすすめします。

この記事でわかること
  • 債務整理をした後再び借金することは可能
  • ただし債務整理をした会社からは借り入れできないことが多い
  • 債務整理後に再び借金をするとあらゆるリスクが伴う
  • 2回目以降の債務整理には制限が付く
  • できるだけ借金のない生活を心がけるのがベスト

債務整理をしてから一定期間が経てばまた借りることは実質可能

債務整理をしたからといって、永久に借り入れができなくなるわけではありません。

一定期間が経過すれば信用情報が更新され、債務整理をした履歴が消えるため借り入れの審査に通るようになります。

借り入れできるようになるまでの期間は債務整理手続きによって異なる

信用情報が更新され、借り入れできるようになるまでの期間はどの手続きをしたかによって異なります。

主な債務整理手続きと、借り入れできるようになるまでの期間は以下のとおりです。

債務整理手続きの種類 借り入れできるまでの期間
任意整理 5年
個人再生 7年
自己破産 10年

上記の期間を過ぎれば再び借金ができるようになる以外にも、以下のことができるようになります。

  • 家や車のローンを組む
  • クレジットカードを新しく作る
  • スマホの端末を分割購入する
  • 子どもの奨学金の連帯保証人になる

など

債務整理の対象企業からは借り入れできないことが多い

ただし、債務整理をした貸金業者については、再び借り入れできないことが多いです。

なぜなら、貸金業者には社内ブラックと呼ばれる独自の顧客情報があります。

一度債務整理をした顧客の情報は社内ブラックに残り続けることがほとんどです。

そのため、信用情報が更新されても、債務整理の対象とした会社からは借り入れできないことが多いのです。

グループ企業でも借り入れできない場合がある

債務整理した貸金業者でなくても、同グループの会社や親子関係にある会社からは借り入れできない可能性があります。

たとえば貸金業者として知られるアコムは、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社です。

仮にアコムからの借金を債務整理した場合、その後はアコムだけでなく三菱東京UFJ銀行からの借り入れもできなくなる可能性があります。

親会社に対して債務整理した場合も同様です。

債務整理後に新たな借り入れを検討するなら、債務整理した企業と全く関連のない貸金業者に申し込むと良いでしょう。

ブラックリスト掲載中にお金に困ってしまったときの対処法

では債務整理の直後、借り入れができないにも関わらずお金に困ってしまったらどうすれば良いのでしょうか。

できるだけ節約して収入を増やすなどした上で、取れる選択肢は主に2つです。

  1. 弁護士に相談して債務整理を再度検討する
  2. 国や自治体の補助制度を活用する

万が一、現在債務整理後でお金に困っている方がご参考にしてください。

弁護士に相談して債務整理を再度検討する

法律上、債務整理に回数制限はありません。

そのため、弁護士に相談して再度交渉(任意整理契約者と貸金業者の直接交渉により、将来利息の支払いを免除する手続きのこと。支払計画の見直し、支払機関の延長もできます。)を行うことも可能です。

債務整理手続きの途中で経済状況が変わった場合は、任意整理ではなく個人再生債務を最大10分の1にできる手続きのこと。裁判所を通して手続きを行います。自己破産債務を全額免除できる手続きのこと。裁判所を通して手続きを行います。などと手続きを変更することもできます。

ただし2回目の債務整理や手続きの変更を求める場合、貸金業者側の対応が厳しくなることが考えられます。

一度債務整理したにも関わらず、返済を履行できていないと見なされ、厳しい条件を提示されるでしょう。

また、2回目の債務整理について制限が設けられている手続きもあります。

こうした理由から、2回目の債務整理は1回目のようにスムーズに手続きできないこともしばしば。

専門的知識のある弁護士に相談した上で、対処法を考えましょう。

国や自治体の補助制度を活用する

状況によっては、国や自治体で出している補助金が使える場合もあります。

補助金は借金と異なり、返済しなくて良いお金なので適宜活用しましょう。

たとえば失業者に対する失業手当、ハローワークを通じて再就職した人を対象とする再就職手当など。

ハローワークインターネットサービス

補助金についてはお住まいの自治体のホームページを見るか、役所に直接問い合わせて確認しましょう。

また、生活福祉資金貸付制度など無利子で国からお金を借りられる制度もあります。

連帯保証人を立てるなどの条件はあるものの、貸金業者から借りるよりもよほどお得です。

生活福祉資金貸付制度|厚生労働省

闇金からは借り入れできる場合があるが絶対に利用しない

債務整理直後でも、闇金からなら借り入れできる場合があります。

しかし闇金は法外な高金利で利益を上げる、違法な組織です。

絶対に使わないようにしましょう。

闇金は少しでも返済が滞れば、危険な手段を使ってでも取り立てを行います。

また、個人情報の売買で返済させるなど、手段を選びません。

一度闇金を利用すると、中々縁を切れないのも特徴です。

闇金を利用することは犯罪の片棒を担ぐのと同じことだと考えましょう。

もし闇金を利用してしまった場合は、すぐに弁護士に相談して縁を切ることをおすすめします。

債務整理をしてからまた借りるのはあらゆるリスクがある

せっかく債務整理をして借金を清算しているにも関わらず、また借りることでさまざまなリスクが生じます。

  • 再び返済困難に陥る可能性がある
  • 2回目以降の債務整理は制限が付く
  • 多重債務や自転車操業になる可能性がある
  • 将来設計が崩れる

債務整理をしたら生活の仕方を変えて、借金をしないで済むように工夫しましょう。

再び返済困難に陥る可能性がある

再び借金をすれば、以前の借金をしたときと同じ状況に戻るだけです。

以前と比べて生活スタイルが改善されていない限り、同じことを繰り返す可能性が高いでしょう。

こうした状況で、少しでも収入やライフスタイルが変われば、一気に家計が圧迫されて返済困難に陥る場合も考えられます。

つまり債務整理後にまた借りることは、再びリスクを負うのと同じ。

一度債務整理で清算できた返済義務をまた背負うことには、何のメリットありません。

2回目以降の債務整理は制限が付く

債務整理の中でも任意整理するには貸金業者の同意が必要となるため、そもそも2回目の債務整理をすることに同意してもらえなければ手続きができません。

手続き自体の同意は得られても、1回目よりも厳しい条件を貸金業者から出される可能性が高いです。

また、1回目の債務整理で個人再生または自己破産をした場合、前回から7年以上経っていないと2回目の手続きは認められません。

自己破産の場合は7年が経過していても、債務整理に至った理由が前回と同じだと、裁判所から手続きを認められない場合もあります。

無条件に破産管財人破産手続きにおいて、申立人の財産を調査したり処分する権利を持つ人のこと。一般的に弁護士が破産管財人を担当します。が付く可能性が高く、その分手続き費用が高額になるケースも。

1回目の債務整理で個人再生の「住宅資金特別条項」を利用していれば、住宅ローンも含めて完済していなければ減額した借金が元通りになるおそれもあります。

1回目と違い、2回目の債務整理は手続きがスムーズにいかないばかりか、借金を減額できないリスクがあるのです。

多重債務や自転車操業になる可能性がある

借金は一度すると、何度も繰り返してしまう場合があります。

するといつの間にか多重債務多重債務の場合、もし返済が苦しくなったときに複数社から一度に請求がくることになります。になる可能性があるのです。

多重債務の場合、もし返済が苦しくなったときに複数社から一度に請求がくることになります。

さらに多重債務になっていると新たな借り入れやカードの申し込みに通りにくくなるケースも。

また、借金を借金で返す自転車操業は特に危険です。

自転車操業を続けるとどんどん支払う利息が膨らみ、首が回らなくなります。

結果的に2回目の債務整理が必要な状況になるので、できるだけ借金は繰り返さないよう心がけましょう。

将来設計が崩れる

債務整理をしたことで、余裕のある生活を計画していたはずです。

しかし再び借金をすると、将来設計が狂ってしまうかも知れません。

たとえば借金のせいでマイホームが買えなくなる、結婚式が挙げられなくなる、車が買えなくなるなど。

借金で将来の選択肢が狭まるリスクがあるのです。

債務整理後に借金を繰り返して返済困難に陥った人の事例

会社員のTさんは6社から合計550万円の借金をしてしまい、返済が困難になったため自己破産をしました。

しかしその10年後、信用情報が回復して借り入れの審査が通るようになると、再び数250万円もの借金をしてしまったのです。

おまとめローンローンを1社に一本化することで、金利差分の返済額を減らすこと。を使いつつ、なんとかはじめのうちは返せていたものの、子どもの養育費などが返済を圧迫。

その後も借金は増え続け、Tさんは多重債務に陥り借金を借金で返す状態にまで陥ってしまいました。

困り果てたTさんは、クレジットカードを現金化するという手段に出ました。

しかしこれはカードの規約違反にあたるため、カードは利用停止に。

現在ではお金を調達する方法がなくなり返済も困難な状態になったため、再び債務整理を検討しているそうです。

軽い気持ちでまた借りてしまったものの、現在はひどく後悔しているとTさんは述べます。

借金をしないで生活するためのポイント

借金をしないためには、以下の方法を実践してみましょう。

  • 手持ちのお金だけでやりくりすることを徹底
  • 臨時収入は使わず貯金
  • 1月の出費を計算
  • 「借金=債務」という認識を持つ

債務整理後は同じことを繰り返さないために、借金をしなくて良い環境を作り出すことが大切です。

手持ちのお金だけでやりくりすることを徹底

借金は単なる収入の前借ではなく、利息が付くものです。

少額の借金で大した利息ではないと感じても、それが度重なればかなりの出費になっているはずです。

手持ちのお金だけで生活をやりくりすれば、こうした無駄な出費が発生することはありません。

債務整理を機に、できるだけ現金での生活を心がけましょう。

また、カードがないと不便な方はデビッドカードやプリペイドカードをおすすめします。

これらは利用してすぐ口座からお金が引き落とされるので、将来の収入に期待して使いすぎる心配がありません。

臨時収入は使わず貯金

ボーナスなどの臨時収入を貯金しておくことで、生活に余裕が生まれます。

衝動的にお金を使うことを抑えるのも、借金から抜け出すポイントの1つです。

臨時収入が入るとつい何に使おうか考えてしまいがちですが、一旦落ち着いてすぐに使わないことを心がけましょう。

目先のものよりも、高価な家や車が手に入ることを想像しながら貯金を続けるのもおすすめです。

1月の出費を計算

使った額を記載することで、収入とのバランスを可視化できます。

あらかじめ自由に使えるお金の額は決めておき、それを超えないように生活することを心がけましょう。

特にギャンブルなど趣味にお金を使いすぎてしまう人は、収支管理が重要です。

自分が何にお金を使いすぎているのか、削れる出費はないか検討すれば、収支のバランスを改善できます。

「借金=債務」という認識を持つ

借りたお金は、自分の自由にできるお金ではありません。

返せなくなったら相応のリスクが伴うことを忘れないようにしましょう。

「自分が自由にできるのは、今手元にあるお金だけ」という認識を持つことが大切です。

 

どうしても借金をしてしまいそうになる場合の対処法

自分の意志で借金をやめるのが難しく、再び借金をしそうになる場合は以下の対処法を試しましょう。

  • 日本貸金業協会へ相談
  • 医療機関へ相談

日本貸金業協会は、収支管理や借金問題で困っている方をサポートするための窓口です。

オンライン相談や面談での相談を受け付けており、状況にあったアドバイスやサポートをしてくれます。

日本貸金業協会相談窓口

借金への依存症が疑われる場合、医療機関での治療が必要な場合もあります。

中には依存症を専門とした外来もあるので、ぜひお近くの医療機関をお探しください。

借金依存症治療ができるのは、主に「精神科」「心療内科」「クリニック」「依存症専門外来」です。

そのほか、借金癖の治し方については以下の記事で詳しく解説しています。

借金癖は自分で治せる!借金をしないための環境づくりや考え方を解説

債務整理後の借金に関するQ&A

自分の信用情報が元に戻ったかどうかは、どう判断すれば良いのでしょうか?

信用情報機関に問い合わせれば、自分の信用情報が照会できます。割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関(CIC)や日本信用情報機構(JICC)など、信用情報機関に問い合わせ確認しましょう。
割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関(CIC)
https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
日本信用情報機構(JICC)
https://www.jicc.co.jp/kaiji/

2回目の任意整理で相手から同意が得られなかったらどうなるのでしょうか?

同意しない貸金業者を除いて任意整理を進めるか、個人再生や自己破産などといったほかの債務整理手続きを進めることを検討します。もちろん、できる限り交渉はした上での対処法です。

2回目の債務整理をうまく進めるポイントはありますか?

任意整理の場合は、相手との交渉をすすめることが重要です。個人再生や自己破産の場合は、前回と同じ理由で借金をしていないことがポイントになります。前回とは状況が変わっており、監査に向けて努力していることを裁判所に伝えることが重要です。

まとめ

この記事のまとめ
  • 債務整理をした対象の貸金業者は時間が経っても借り入れできないことが多い
  • 債務整理をした以外の貸金業者なら、ブラックリストが解除されれば借り入れできる
  • 債務整理後に再び借金することはリスキー
  • 2回目の債務整理は手続きが厳しくなる
  • 債務整理後は、借金をしなくて済むようにライフスタイルを改善するのがおススメ

債務整理の後でも、一定期間が経てば借金はできます。

しかし、最も良いのは借金をせずに生活することです。

借金は返済義務を負う契約であり、常に返せなかったときのリスクが伴います。

また、2回目の債務整理は1回目のように行きません。

手間もコストも余計にかかる上、借金を減らせない可能性もあります。

1回債務整理をしたことがある方は、再び借金をすることが非常にリスキーであることを把握しましょう。

そして収支のバランスを考えつつ、できるだけ手元のお金で生活することをおすすめします。