無職でも借金滞納の差し押さえを回避する方法!滞納し続けるリスクと合わせて解説

無職でも借金滞納の差し押さえを回避する方法!滞納し続けるリスクと合わせて解説

新型コロナウイルスの影響で借金の返済中なのに無職になってしまいました。滞納がつづくと財産を差し押さえられると聞いたのですが、無職になっても厳しい処分を受けるのですか?

貸金業者からの借り入れについては債務者が無職かどうかは関係なく強制執行によって財産が差し押さえられます。さらに、債務者自身がお金を出して購入したと認められる場合には、家族名義の財産も処分対象になるので注意が必要です。

ひとり暮らしなので処分されるような高価な財産はないはずなのですが…。無職なので給与ももらっていませんし、「差し押さえられるものがなければ大丈夫」ということにはなりませんか?

もちろん、今の時点では被害はないようにも見えるでしょう。しかし、今後債務者自身が仕事を再開すると給与・財産が差し押さえられる状態に。今借金問題に向き合わずに”強制執行の空振り”を狙ったところで、いつ差し押さえられるか分からないという不安定な状態になるだけです。

無職の債務者にとって大切なことは、「今」借金問題を解決して、将来のためにやり直すきっかけを作ることです。そのためには、弁護士に債務整理を相談するのが効果的な方法。できるだけ早期に対応をはじめましょう。

ニート・無職で借金をしたのに返済が滞ると強制執行によって財産・給与が差し押さえられます。状況次第では、家族の私物が差し押さえによって処分されるリスクもあるので注意が必要です。

「無職だから給与はもらっていない」「貯蓄を生活費に回しているので財産なし」でも関係はありません。今後就職をして給与をもらったり財産を形成したりすることになると、将来的にこれらが差し押さえ対象になることに変わりません。

したがって、無職の債務者が最優先に考えなければいけないのは、“今”借金問題を解決してこれからの生活に備えること。無職で借金を抱えてしまった現状を克服するために、前向きな方法を実践しましょう。

もちろん、家族などからの助けで借金を返済するのも1つの方法ですが、どうしてもお金を払えないのなら弁護士に債務整理を依頼してください。借金問題に強い弁護士なら、かならず無職の債務者でも差し押さえを回避できる方法を提案してくれます。

この記事でわかること
  • 無職・ニートでも、借金を返済できないと財産が差し押さえられる。ほとんどの貸金業者はいったん貸し付けた債務者の就業事情を考慮してくれない。
  • 無職・ニートの債務者本人に財産がなくても家族の私物が差し押さえられるリスクもある。家族への迷惑を考えると、すみやかに差し押さえを回避するための対策をとるべき。
  • 差し押さえを回避したいからといって新たな借金に手を出してはいけない。弁護士に債務整理を依頼すれば無職の債務者でも生活再建のきっかけがつかめるので、できるだけ早期に相談しよう。
目次
  1. 借金を返せないままだと無職・ニートでも財産を差し押さえられる
  2. 無職で借金を返済できないままではどんどんペナルティが大きくなる
  3. ニート・無職で借金の返済が難しいなら現実的な対処法を検討しよう
  4. まとめ

借金を返せないままだと無職・ニートでも財産を差し押さえられる

債務者が無職・ニートであろうと低収入であろうと、金銭消費貸借契約(民法第587条)を締結した以上は借金を返済しなければいけません。契約をしたときには仕事をしていたけれども、病気・怪我が理由で退職したり新型コロナウイルスによる不況の影響で職を失ったりした場合でも特別な配慮はほとんど期待できないでしょう。

したがって、無職・ニートでも借金を返済できない状態がつづくと、最終的には財産を差し押さえられることになります。

差し押さえとは、債権者が裁判所を利用して、強制執行により未払い債権を回収するために財産の処分を禁止する法的手続きのこと。差し押さえが実行されると、自分の財産を自由に使えなくなってしまいます。

実際に差し押さえが行われると、債務者は次の3つのデメリットを強いられます。

  • 債務者の手元に残せるのは最低限の財産だけ
  • 家族の私物でも差し押さえの対象になることがある
  • 今は無職で差し押さえられる財産がなくても将来的に強制執行されるおそれがある

それでは、差し押さえによって生じるデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

差し押さえで手元に残せるのは最低限の財産だけ

債務者にも生活があるので、差し押さえによって身ぐるみすべてがはがされるということはありませんが、差し押さえによって債務者が手元に残せるのは当面の生活に必要だと考えられる最低限の財産だけです。

次のように、民事執行法第131条において”差し押さえ禁止財産”と定められているものについては債務者の手元に残すことができますが、逆に言えば、次の差し押さえ禁止財産以外はすべて処分対象になってしまいます

第百三十一条 次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。
一 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
二 債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
三 標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
四 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
五 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
六 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
七 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
八 仏像、位牌はいその他礼拝又は祭祀しに直接供するため欠くことができない物
九 債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
十 債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
十一 債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
十二 発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
十三 債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
十四 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品

引用元:(差押禁止動産)民事再生法131条

ここから分かるように、債務者名義のマイホーム・自動車などの不動産や、預貯金口座などは差し押さえを免れることができません。これでは、生活拠点を失う、家族の生活にも迷惑がかかるなどの重大なデメリットが発生します。

もちろん、債務者の家計状況を総合的に考慮すると、差し押さえ禁止財産以外にも「差し押さえられると困る」という財産も存在するでしょう。

その場合には、差し押さえ禁止範囲の変更を申し立てることができます(民事執行法第132条)が、債務者側の主張がかならず通るとも限りませんし、そもそも非常に手間がかかります。

したがって、無職の債務者にとって最優先で考えなければいけないのは、差し押さえという滞納ペナルティを回避するための対策です。

自力で借金を返済する、どうしても無理なら弁護士に債務整理を依頼することで財産の処分は免れられるので、できるだけすみやかにご対応ください。

家族の私物でも差し押さえの対象になることがある

差し押さえの対象は「債権者が特定した債務者の財産」が原則です。同居家族がいたとしても、家族は借金とは無関係なので、家族名義の財産が差し押さえられることはありません。

ただし、すべての財産に名義人の名前が書いているわけではありませんし、強制執行の担当官は「債務者の自宅にある財産は債務者のもの」という認識で差し押さえ手続きが進められるのが通常です。

したがって、次の場合には家族の私物でも差し押さえの対象になる可能性が高いので注意が必要です。

  • 家族名義の財産でも債務者自身が費用を出しており「実質的には債務者の財産」と評価できる場合
  • 家族全員で使っている家財道具
  • 家族のものだとはっきりと断定できないもの

実は、実際の強制執行の現場でどこまでの財産が処分されるかはケースバイケースです。

つまり、どこまでの家族の私物が差し押さえられるかは画一的な基準をもうけることができません。

その結果、債務者の居宅内にある「家族の私物が差し押さえの対象にならない」という確証も得られないので、常に家族に迷惑がかかるリスクがつきまとうということです。

したがって、差し押さえは無職の債務者の家族にも直接的な悪影響を及ぼすものであり、できるだけ回避しなければいけないものだということをしっかりと胸に刻んでおいてください。

今は無職で差し押さえられる財産がなくても将来的に強制執行されるおそれがある

現在無職・ニートの債務者のなかには、そもそも差し押さえられるような財産を所有していないという人も少なくはないでしょう。

もちろん、債務者の家計状況・資産具合にかかわらず差し押さえ手続きは進められますが、実際に差し押さえるべき財産が見当たらない場合には処分されることはありません。債権者からすると、いわゆる「強制執行が空振りに終わった」という状態です。

ただし、無職の債務者にとって注意しなければいけないのは、これから就職をして給与を得て、貯金などの財産を形成していく未来があるという点です。

強制執行によって消滅時効が更新されるので、以後10年間は借金の返済義務が残った状態になります(民法第147条・166条など)。つまり、無職の債務者が今後仕事をはじめた場合には、給与・財産がふたたび差し押さえられるリスクが発生することになります。

したがって、「今回強制執行が空振りに終わったから借金返済義務がなくなった」と安心することはできず、以後10年間は”いつ差し押さえが行われるか分からない”という不安定な状態に置かれます。

つまり、借金問題は一切解決していないのと同義なので、建設的な人生プランをスタートさせるためには、強制執行の空振りを狙うのではなく、債務整理などの現実的な解決方法を選択すべきだと考えられます。

無職で借金を返済できないままではどんどんペナルティが大きくなる

借金を滞納すると最終的に待ち受けているのは財産などの差し押さえですが、実は、財産の差し押さえに至るまでの段階で債務者にはいくつものデメリットが発生しています。

借金を滞納することによって生じるペナルティは次の4つです。

  • 滞納翌日~:遅延損害金が発生する
  • 滞納翌日~:債権者からの取り立てがスタートする
  • 滞納2ヶ月~3ヶ月:残債を一括請求される
  • 滞納2ヶ月~3ヶ月:ブラックリストに登録される

「まだ差し押さえをされていないから大丈夫」というような姿勢のままでは、日々増えていく滞納ペナルティには対応できません。

「できるだけ早期に滞納を解消しなければいけない」という意識作りのために、それぞれのペナルティについて見ていきましょう。

無職の借金でも遅延損害金は毎日増えていく

契約通りの返済日にお金を用意できないと、返済日の翌日から毎日遅延損害金が発生します。

各貸金業者の規約によって異なりますが、一般的な貸金業者は遅延損害金の算定利率を年利20%に定めていることが多いです。

一定の収入がある債務者にとっても遅延損害金の負担は軽いものではないという実情を考えると、無収入の債務者にとって遅延損害金の負担がいかに重いものかは言うまでもありません。

たとえば、借金残債に応じて発生する遅延損害金は次の通りです。遅延損害金年利率20%、【遅延損害金 = 借金総額 × 遅延損害金年利率20% ÷ 365日 × 延滞日数】により計算しています。

借金総額 滞納1日 滞納1週間 滞納1ヶ月 滞納2ヶ月
10万円 54円 383円 1,643円 3,288円
30万円 164円 1,150円 4,931円 9,863円
50万円 273円 1,917円 8,219円 16,438円
100万円 547円 3,835円 16,438円 32,877円

借金を滞納するということは、これだけの遅延損害金が毎月の支払い額に加えて発生するということです。

そして、遅延損害金の発生を防ぐためには、滞納分の返済額に実際に支払いをした日までの遅延損害金をあわせて支払わなければいけません。

これでは、ただでさえ収入がなくて厳しい家計状況に置かれているのに、返済は遠ざかるばかりでしょう。

※遅延損害金については、「遅延損害金は借金延滞のペナルティ!請求されたら一刻も早く返済に向けて対処しよう」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

無職が借金を払えなくても取り立ては続く

借金の返済日を落とすと、債権者から取り立てが繰り返されます。「無職だから払えない」という言い訳は通用しません。

合法的に貸金業を営む消費者金融などの場合には、債務者の携帯電話への連絡・自宅への督促状の送付という形で取り立てが行われます。

これに対して、貸金業法の取り立て規制にルーズな消費者金融などの場合には、自宅への訪問が行われることも。これでは、家族に借金がバレることになるでしょう。

さらに、万が一闇金に手を出してしまっている場合には、債務者自身や家族の身に危険が及ぶような行為がとられるリスクさえあります。

いずれの取り立てが行われるとしても、一切収入のない無職の債務者にとっては大きなストレス要因になるでしょう。

※債権者から繰り返される取り立てについては、「借金の取り立てにも合法・違法がある?法律違反の取り立ての見分け方と止める方法を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

無職でお金を払えないとしても債権者からの取り立てを無視してはいけない

違法な闇金からの取り立てには一切応じる必要はありませんが、合法に貸金業を営む消費者金融などからの取り立ては絶対に無視してはいけません

なぜなら、債権者からの電話を無視したり不在着信に折り返さなかったりすると”返済の意思がない”と判断され、その後のペナルティの発生がはやまるリスクがあるからです。

もちろん、無職である以上、お金を用意できないのは仕方のないことです。しかし、債権者は無職という事情を考慮はしてくれません。

つまり、”返済の意思がない債務者”だと判断されると、債務者からの自発的な返済を期待できない以上、差し押さえによる債権回収が現実味を帯びることになります。

したがって、今すぐお金を用意できるか否かにかかわらず、債権者からの問い合わせに対しては誠実に対応し、支払う意思はあるということを表明するようにしてください。

※借金の取り立てを無視するリスクについては、「借金を放置して裁判所も無視するリスクとは?財産が差し押さえられる前に早期に弁護士を頼ろう」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

無職でも借金を滞納し続けると残債を一括請求される

無職が借金を滞納しつづけた場合でも、延滞期間が2ヶ月~3ヶ月になると残債を一括請求されます。これは債務者の収入の有無にかかわらず、延滞期間の長期化に対して行われるペナルティです。

それまでの督促状の送付とは異なり、残債の一括請求は内容証明郵便で行われます。指定の期日までに一括で返済できなければ差し押さえが待っているだけです。

そして、毎月の支払いさえ難しい無職の債務者のほとんどが残債の一括請求には応じられないでしょう。

この段階まで延滞がつづいてしまうと強制執行までの時間が限られているので、差し押さえを回避するために、できるだけ早期に弁護士に債務整理などの方法を検討してもらいましょう

無職でも返済しないままだとブラックリストに登録される

無職・ニートの債務者が借金を返済しないまま残債を一括請求されると、同じタイミングでブラックリストに登録されます。

ブラックリストとは、信用情報機関に事故情報が登録された状態のこと。個人の信用情報を取り扱う全国銀行個人信用情報センター(KSC)日本信用情報機構(JICC)株式会社シー・アイ・シー(CIC)の3社間でブラックリスト情報が共有されることによって、債務者には次のようなデメリットが日常生活に生じることになります。

  • クレジットカード・ETCカードが使えなくなる
  • 新規の借り入れ・ローン契約ができない
  • 賃貸物件の入居審査に通りにくくなる
  • 携帯電話・スマホ端末代金の分割払いができなくなる
  • 子供の奨学金の保証人になれない

たとえば、マイホームを所有しているのに滞納が重なってしまうとせっかくの住まいが差し押さえによって処分される可能性があります。

すると、賃貸物件を探さざるを得ない状況に追いこまれますが、無職であること、ブラックリストに登録されていることが重なってなかなか希望の物件が見つからず、最終的には住む場所がないということにもなりかねません

無職の現状において、社会的立場がこれ以上弱くなるのは避けたいところです。ブラックリストに登録されてしまうといろいろなデメリットを避けられない状況になるので、まだ滞納状況が深刻ではない債務者は、かならず残債を一括請求されるまでに前向きな対策に踏み出すようにしてください。

なお、ブラックリストに登録されることによって生じるデメリットについては、それぞれ負担を回避・軽減するための対策が考えられます。詳しくは、「債務整理と信用情報機関の関係は?ブラックリストに載った場合のデメリットと対処法を解説」で解説しているので、あわせて参考にしてください。

ニート・無職で借金の返済が難しいなら現実的な対処法を検討しよう

ニート・無職の債務者にとって大切なことは、滞納ペナルティが増えるのを回避し、また、最終的に差し押さえが行われることを防ぐために対策をとることです。

もっとも、借金問題の解決法としてネットなどに掲載されている情報のなかには、目先の苦しさから逃れるだけで長い目で見れば債務者を窮地に追いこむだけのものも混在しています。

これから就職をして人生を再スタートするために、無職の債務者にとっては借金問題への建設的な対策が不可欠です。

したがって、次の”やってはいけないこと”・”やっていいこと”を明確に意識して、適切な対応策に踏み出しましょう。

  • 借金返済のために借金してはいけない
  • 借金の消滅時効を期待してはいけない
  • 就職して安定した収入を得る
  • 家族などに融資を頼る
  • どうしてもお金に困ったときには行政サービスを頼る
  • 弁護士に債務整理を依頼する

それでは、それぞれのポイントごとに詳しく見ていきましょう。

借金返済のために借金してはいけない

無職・ニートだと収入がない状態なので、目先の返済日に間に合わせるために「他社からの借り入れ」を頼ろうとする人がいます。

しかし、借金返済のために借金することは絶対に避けてください。なぜなら、他社からの借り入れで返済を間に合わせたところで、目先の返済日を先送りにしているだけだからです。

そもそも、借金返済のために借金をしているわけですから、債務者が抱えている借金総額は一切減っていません。それどころか、返済窓口が増えて家計管理が難しくなるので、返済忘れのリスクも生じます。

借金返済のために借金に手を出すことは多重債務状態の入り口です。このままでは自転車操業状態におちいってとても完済ではできません。

したがって、どれだけ返済が苦しくても、他社からの借金でその場しのぎをするのはやめましょう

※借金返済のために借金を重ねるリスクについては、「借金返済のために借金はやってはいけない!自力完済のコツと債務整理の道のりを解説」で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

無職・ニートでも借金できる業者は闇金の可能性が高い

借金返済のために借金を重ねてはいけないのは当然ですが、特に無職・ニートの債務者が注意しなければいけないのが闇金の存在です。

そもそも、無職・ニートの状態では、合法的に貸金業を営んでいる大手消費者金融(アコム・アイフルなど)からは借金をできません。返済能力がないと判断されて審査に落ちるからです。

つまり、無職・ニートでも借金できるのは闇金のような業者だけということになります。

闇金から借金をすると、次のデメリットが発生します。

  • 違法な利息を請求される
  • 厳しい取り立てが繰り返される
  • 個人情報が悪用される
  • 犯罪に巻き込まれる

「無職でも融資可能」「審査なしで即日融資」などという甘い文句に誘われて迂闊に闇金に手を出すと、今以上に厳しい状況に追いこまれるだけです。絶対に利用は避けてください。

もっとも、なかにはすでに闇金からの取り立てに苦しんでいるという人もいるはず。そもそも闇金との間の契約は無効なので返済する必要はありませんが、債務者自身だけでは闇金とのかかわりを切るのは簡単ではありません。

したがって、万が一闇金とかかわりをもってしまった場合には、すみやかに闇金対応に慣れた弁護士までご相談ください。

※闇金から借金するリスクについては、「【ソフト闇金】まともで安全なヤミ金なんてない!もし借りてしまったときの対処法も解説します」で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

借金の消滅時効を期待してはいけない

借金の返済義務は消滅時効の完成(5年~10年)によって消滅します(民法第166条)。つまり、一定期間の経過によって借金はなくなるということです。

もっとも、貸金業者などからの借り入れについて消滅時効の完成を期待するのは非現実的です。

なぜなら、金融機関は各債務者の返済履歴を確実にチェックして「消滅時効が完成しないように」裁判上の請求などの措置をとってくるからです。

もちろん、なかには幸運なことに消滅時効が完済したという債務者もいるでしょう。しかし、これはかなり稀有な例です。多くの債務者にとって消滅時効の完成はほとんどあり得ません。

したがって、「借金を返済しないまま逃げ切る」のは不可能なので、債務整理などの対策を自ら行うようにしてください。

就職して安定した収入を得る

就職して安定した収入を稼げるようになれば、借金の返済を継続することができます。

借金を抱えている無職・ニートにとって最大の懸念が「収入がない」ということ。お金が入ってこないのですから、返済が滞るのは当たり前です。

したがって、これからの人生のためにも就職活動・転職活動をスタートしましょう。

新型コロナウイルスの不況が理由で正社員での雇用が難しいのなら、単発のアルバイトや在宅でもできる副業系の仕事などでも充分です。

収入を得て自力で返済を継続できるようになると、自信にもつながるはず。手の届く範囲のことから1つずつはじめてみましょう。

家族などに融資を頼る

「仕事を探している時間がない」「なかなか働き口が見つからない」という場合には、家族・親族・知人などに融資を頼って滞納ペナルティを回避しましょう。

家族などからの借り入れであれば、消費者金融などからの借金よりもやさしい融資条件になるはずです。また、滞納したときのペナルティも大幅に軽減されるでしょう。

貸金業者への滞納がつづくと厳しく取り立てが行われて、差し押さえが待っているだけです。家族などからの融資でやりくりができるのなら、いったん立て替えてもらうという選択肢はかなり有効だと考えられます。

どうしてもお金に困ったときは行政サービスを頼ろう

借金の返済が原因で生活自体がままならないのなら、行政の福祉支援制度などを活用しましょう。

次のように、無職・ニートの債務者でも利用できる制度は幅広く用意されているので、各相談窓口までお問い合わせください。

  • 生活保護:生活困窮者の最低限度の生活を保障するために保護費が支給される。
  • 緊急小口資金制度:20万円以内で無利子・保証人不要で借り入れできる。
  • 求職者支援制度:毎月10万円の給付金を受け取りながら職業訓練と就職サポートを受けられる。
  • 失業手当:雇用保険の1種。無職になった場合に条件を充たせば受給できる。

これらの支援制度を活用すれば、無職の状態でも生活基盤を整えることができます。毎月の生活費に困らない状態を作ることができれば、就職活動など今後の生活に向けた準備に注力できるはずです。

もっとも、生活保護・緊急小口資金制度などの福祉制度で受け取ったお金をそのまま借金の返済に充てることはできません。万が一返済に使ったことが知られると受給資格が取り消されることもあります。

その他、無職・ニートが抱えている借金問題を無料相談できる環境も整備されているので、詳しくは、「市役所に借金の相談をするメリット・デメリットとは?債務者が頼れる専門機関をまとめて解説」を参考にしてください。

弁護士に債務整理を依頼する

手を尽くしても収入が増えず、頼れる家族もいないのなら、借金問題に強い弁護士に債務整理を依頼するのがおすすめです。

債務整理とは、国が認めた合法な借金減免制度のことです。無職・ニートの債務者はもちろん、借金問題を抱えるすべての債務者が利用できます。

無職・ニートの人が債務整理を利用するメリットは次の6つです。

  • 無職でも利用できる債務整理は用意されている
  • 債務整理を利用すれば差し押さえを回避できる
  • 弁護士に債務整理を依頼すればすぐに返済督促がとまる
  • 弁護士に債務整理を依頼すれば返済自体がストップする
  • 弁護士に債務整理を依頼すれば就職・転職活動に集中できる
  • 無職なら法テラスの弁護士費用立て替え制度を利用できる

それでは、無職の人が債務整理を利用して借金問題を解決するメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

無職でも利用できる債務整理は用意されている

債務整理には自己破産・任意整理・個人再生の3つの手続きが用意されており、それぞれに要件が定められています。

もちろん、無職・ニートであることを前提に利用できる債務整理を検討する必要はありますが、無職の債務者でも利用できる債務整理は用意されているのでご安心ください

無職におすすめの債務整理は返済義務が帳消しになる自己破産

自己破産とは裁判所を利用して借金返済義務の免責を狙う債務整理手続きです。

免責許可が下りれば原則としてすべての借金返済義務がなくなるので、「無職で借金の返済が難しい」という債務者にはおすすめだと考えられます。

自己破産では、「借金の完済が難しいこと」という要件が設定されています。つまり、無職で収入がない債務者であるほど自己破産しやすい環境が整っているといえるでしょう。

もっとも、自己破産は債務者を借金生活から脱却させるほどの大きなメリットがある手続きです。返済を受けられない債権者の利益にも配慮する必要があるために、無職の債務者が自己破産を利用する場合には次の点に注意しなければいけません。

  • 債務者名義のほとんどの財産が処分される
  • 免責不許可事由があると自己破産できない(ギャンブルが原因、財産隠しなど)
  • 自己破産の費用は比較的高額(管財事件なら数十万円になることも)

このように、自己破産は”申立てをすれば誰でも免責される”というものではありません。自己破産で免責を受けるにふさわしい債務者でなければ裁判所から免責許可を受けられないのが実情です。

したがって、どうしても自己破産にこだわって債務整理を行いたい無職の債務者は、かならず弁護士に依頼をして自己破産を行いましょう。

弁護士なら、自己破産のデメリットや免責不許可事由への対策などを行ったうえで、債務者が免責を獲得する可能性を最大限高めてくれます。

無職でも状況次第では任意整理が認められる可能性がある

任意整理とは、裁判所を利用せずに今後の返済計画について交渉をする債務整理手続きのことです。

実は、多くの債務者が任意整理を好むという実情があるのですが、それは、任意整理に次のメリットがあるからです。

  • 裁判所を利用しないので手続きを柔軟に進められる
  • 自己破産のようなデメリットがほとんどない
  • 債務者にとって負担の重い利息をカットできる
  • 任意整理後は元本の返済だけで完済が認められる

もっとも、無職の債務者が任意整理を利用するためには注意しなければいけない点があります。それは、任意整理後は元本の返済だけでよいとはいえ、借金残債を約3年で返済しなければいけないということです。

債権者側としても、3年で完済できるだけの資力がある債務者でなければ任意整理を認めてくれません。つまり、どれだけ任意整理を希望したとしても、債権者を納得させるだけの返済能力を証明できなければ和解契約を締結できないという問題が残ります。

したがって、無職・ニートが任意整理を利用するためには、家族・配偶者などが返済に協力すること・近い将来債務者自身が就職することが決まっていることなどの事情を債権者にアピールすることが必須となります。

通常の任意整理よりもハードルが高くなるので、かならず弁護士に依頼をして交渉を進めましょう。

無職では個人再生の利用は難しい

個人再生とは、裁判所を利用して借金額の減額を狙う債務整理手続きのことです。

住宅ローンの特則を利用できるというメリットがあるので、自己破産のようにマイホームを処分されるというデメリットを回避できます。

もっとも、個人再生では、裁判所から今後の返済可能性を厳しくチェックされます。つまり、無職の債務者では再生計画案の認可を受けることができません

したがって、無職の債務者が「個人再生でマイホームを守りたい」と希望するなら、就職を決めて安定的な継続した収入を裁判所に証明できる状態を作ってからがおすすめです。

無職・ニートが債務整理を利用すれば差し押さえを回避できる

無職・ニートが債務整理を利用すれば差し押さえを回避できます。債務整理の利用によって、滞納状況がリセットされるからです。

そして、特に重要なのが、すでに差し押さえ段階に進んだとしても、自己破産・個人再生を利用すれば強制執行をストップできるということです。また、任意整理には強制執行をとめる効力はないものの、任意整理交渉をスタートしたした債務者に対しては強制執行を進めない債権者がほとんどです。

差し押さえが実行されてしまうと、債務者の生活に生じるデメリットは回復不可能になります。したがって、滞納状況が深刻な債務者は、できるだけ早期に弁護士に債務整理を依頼して、差し押さえ手続きの進行をとめましょう。

※債務整理で差し押さえをとめる流れについては、「差押予告通知書は債権者からの最終通告!一括返済が無理なら債務整理で差し押さえをストップしよう」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

弁護士に債務整理を依頼すればすぐに返済督促がとまる

弁護士に債務整理を依頼すれば今すぐに返済督促がとまるというメリットが得られます。

債務整理は、債務者本人だけでも進められるものです。しかし、債務者本人だけで手続きを進める場合には、たとえば自己破産なら裁判所に申し立てをするまでは返済督促が繰り返されます。これでは、債権者からの厳しい取り立てが行われるなかで手続きの準備をしなければいけません

その一方で、弁護士が送付する受任通知には返済督促をとめる効果があります。つまり、弁護士に依頼をして数日以内に取り立てがとまるので、債権者からのストレスから完全に解放されるということです。

したがって、弁護士への依頼によって生活再建に集中できる環境が今すぐに手に入るので、返済ストレスに悩まされている債務者にはおすすめだと考えられます。

※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

弁護士に債務整理を依頼すれば返済自体がストップする

弁護士に債務整理を依頼すれば、返済自体がストップします。

なぜなら、債務整理を利用する以上は、借金状況を客観的に引き直す必要があるからです。その段階で返済を継続してしまうと、公平な債務整理手続きの進行が妨げられてしまいます。

弁護士への依頼によって返済がとまると、それまで毎月用意していた返済額の分だけ家計に余裕が生まれます

したがって、無収入の状態で無理に金策に迫られることもなくなるので、余裕のある状況で今後の生活再建を目指せるでしょう。

弁護士に債務整理を依頼すれば就職・転職活動に集中できる

弁護士に債務整理を依頼すれば、就職活動・転職活動に集中しやすい環境が手に入ります

その理由は次の3つです。

  • 返済督促のない状況でストレスなく就職活動ができる
  • 返済のための金策の必要がないので転職活動に集中できる
  • 債務整理手続きを弁護士に任せられる

債務整理手続きは時間・労力がかかるものです。特に、無職の債務者にとっての最有力候補である自己破産は、破産手続きから免責許可に至るまでに数ヶ月から1年程度の期間が必要です。

弁護士に依頼をするだけで、債務者の負担は大幅に軽減されます。これからの人生のために、債務整理手続きの段階から自分のために時間を使える環境を整えましょう。

無職なら法テラスの弁護士費用立て替え制度を利用できる

無職の人のなかには、「弁護士費用がかかるから債務整理を利用できない」と思いこんでいる人が少なくありません。

しかし、無職・ニートのような収入に懸念がある債務者は、法テラスの弁護士費用立て替え制度を利用できる可能性が高いです。

法テラスとは、法律問題を抱えているすべての人に法的サービスを提供する公的機関のこと。経済的な困窮者のために弁護士費用の立て替え制度を提供しています。

収入条件を充たすこと・勝訴の見込みがないとは言えないこと・民事法律扶助の趣旨に適すること、の3つの要件を満たせば、弁護士費用を今すぐ用意できなくても債務整理を利用できます。

このように、無職の人でも債務整理を利用できる支援制度はしっかりと整えられています。借金問題に強い弁護士事務所なら法テラスについても詳しく教えてくれるので、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

無職・ニートでも借金を返済できないままでは財産が差し押さえられます。

ただ、差し押さえが行われると債務者やその家族の生活に大きな支障が生じるので、できるだけ避けなければいけません。

したがって、自力で返済ができない厳しい状態なら、今すぐに弁護士に債務整理を依頼しましょう。

債務整理に踏み出すだけで今の借金問題を解決できるだけではなく、これからの人生を再スタートするための土台ができあがります

借金問題の相談料は無料で対応してくれる弁護士事務所は多いので、できるだけ早いタイミングでご相談ください。

無職が借金滞納による差し押さえを回避するためのQ&A

無職で収入がないのに差し押さえられるのですか?

貸金業者などからの借金の場合、債務者が無職であることは借金滞納に対する言い訳になりません。残債の一括請求の後、近い将来にかならず財産が差し押さえられることになります。収入がなくても資産があれば強制執行によって債権が回収されるので、かならず事前の対策が必須です。

無職で自分の財産もほとんどないのですが、それでも差し押さえられますか?

原則として借金問題は債務者と債権者間の問題なので、債務者がほとんど財産を所有していない場合には強制執行は空振りに終わります。もっとも、同居家族がいる場合には、一定範囲の家族の私物が差し押さえられる可能性があるので注意が必要です。また、今後無職の債務者が就職をすることもあるかと思いますが、給与が差し押さえられるリスクも。向こう10年は「いつ差し押さえが実行されるか分からない」という不安定な状況に追いこまれます。

差し押さえを回避するためになんとか自力返済したいのですが方法はありますか?

就職をして給与を得る・家族や知人に融資を依頼するなどの方法で返済を行うことが可能です。また、生活保護やハローワークの就労支援などをうまく利用しながら、生活基盤を整えつつ生活を立て直す方法も幅広く用意されています。行政が実施している無料相談会などの機会を利用して、今後の展望についてお問い合わせください。

すでに滞納状況が深刻なので、差し押さえをされるまでに就職活動をする余裕はありません。もう選択肢はありませんか?

どうしても自力返済が難しい状態なら、弁護士に債務整理を依頼しましょう。特に、自己破産なら今すぐに借金生活を終わらせることができるので、無職には最適の債務整理手続きだと考えられます。もっとも、自己破産を進めるには免責不許可事由などの注意点が少なくないので、かならず弁護士にアドバイスを求めましょう。

無職なので債務整理をするお金もありません。どうすれば良いですか?

無職の人なら、法テラスの弁護士費用立て替え制度を利用する方法が考えられます。これを利用すれば、今すぐ費用を用意できない債務者でも生活再建を目指すことが可能です。また、借金問題に強い弁護士事務所の多くは、借金関連の相談料は無料で対応してくれるのが通常です。弁護士費用の分割払いなどにも柔軟に対応してくれるので、どうぞお気軽にご相談ください。

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