一括請求を払えないなら分割払いの交渉を!返済継続が難しい場合の対処法も解説

一括請求を払えないなら分割払いの交渉を!返済継続が難しい場合の対処法も解説

オリコとアコムから借金をしているのですが、家計が苦しくて払えないうちに、オリコから残債を一括請求するように請求書が届きました。毎月の返済さえ苦しいのに一括請求なんてとても無理です。どうすれば良いですか?

一括請求されたオリコの借金についてはすみやかな対応が必要です。一括請求を無視し続けると、やがては債務者名義の財産・給与などが差し押さえらえるからです。任意整理・個人再生を利用すれば、ふたたび分割払いに戻せます。

実は、正直なところ、これ以上返済を続けるのは難しい状況です。まだ一括請求されてはいませんが、アコムからの借金もどうなるか不安ですし…。

一括請求される前か後かにかかわらず、借金の返済が苦しいならまとめて債務整理の利用を考えましょう。任意整理なら利息をカットして返済しやすい分割払いに引き直せますし、自己破産なら貸金業者からの借金返済義務を帳消しにできるからです。

ただ、どの債務整理手続きが適切かは債務者ごとの事情を踏まえて考えなければいけません。すでに一括請求された借入れもあるようですし、できるだけ早いタイミングで弁護士までご相談ください。

カードローンやリボ払いなど、毎月の支払いを滞納して2ヵ月~3ヶ月が経過すると、残債を一括請求されます。

「毎月の返済さえ苦しいのに一括請求なんて応じられない」と感じるのは当然のことですが、残債の一括請求は後の財産・給与などの差し押さえに至るプロセスの一環なので、滞納している以上は仕方のないペナルティです。

残債を一括請求された債務者が最優先に考えなければいけないのは、その後確実に行われる強制執行を防ぐために債務整理に踏み切ること。

債務者の状況によって選ぶべき手続きは異なりますが、任意整理・個人再生なら一括請求された後でもふたたび分割払いに変更できますし、分割払いさえ難しいのなら自己破産で返済義務を帳消しにすることも可能です。

強制執行までの時間的な猶予がない状況で、債務者自身だけで適切な手続きを選びとるのは簡単ではないでしょうから、すみやかに債務整理の実績が豊富な弁護士までご相談ください。

なお、冒頭のやり取りにもあるように、オリコから一括請求がきた場合についてはオリコからの一括請求を払えないとどうなるの?強制執行を回避するためにできることとはをご覧ください。

この記事でわかること
  • 残債の一括請求を払えないままだと財産・給与などが差し押さえられる。家族・会社に借金の事実がバレるだけではなく、平穏な日常生活が奪われるリスクもある。
  • 残債を一括請求されたときには、すみやかに対策をとるのが最優先事項。任意整理・個人再生なら分割払いに引き直せるし、分割払いさえ難しいなら自己破産で返済義務を帳消しにできる。
  • 残債の一括請求をされた後でも、債務整理なら強制執行を回避しつつ、借金問題を根本的に改善できる。状況に応じた適切な生活再建を目指すため、かならず弁護士に相談しよう。
目次
  1. 残債の一括請求を払えないときの対処法は3つある
  2. 分割払いへの変更をせずに一括請求を無視すると2つのペナルティが発生する
  3. 一括請求後の分割払いなどの対応策は債務整理の実績豊富な弁護士に相談しよう
  4. まとめ

残債の一括請求を払えないときの対処法は3つある

内容証明郵便内容証明郵便は、文字通り「郵便物の内容を公的に証明する効力」がある郵便のことです。つまり、内容証明郵便で一括請求がされることによって、「債務者が期限の利益を喪失したこと」「債権者が残債を一括請求した」ことが後の裁判手続きが活用されることになります。で郵送される残債の一括請求は、債権者が法的手続きで債権回収する準備に入ったことを知るきっかけになるものです。

債務者の現在の家計状況・預貯金などから残債の一括請求を払えないときには、次の3つの選択肢からすみやかに対応策を選びましょう。

  • 家族・知人に立て替えてもらう
  • 分割払いに切り替えて返済を続ける
  • 自己破産で借金を帳消しにする

それでは、それぞれの対応方法について詳しく見ていきましょう。

家族や知人に一括請求を立て替えてもらう

1つ目は、家族や知人に一括請求を立て替えてもらう方法です。

消費者金融などからの借入れとは異なり、家族・知人などからの融資であれば、利息などの返済条件について優遇してもらえる可能性があります

たしかに借金の事実を知られるというリスクはありますが、金融機関の一括請求を払えないまま強制執行が行われるデメリットを比較したとき、どちらが債務者にとってメリットが大きいかは言うまでもないでしょう。

したがって、融資を受けられそうな家族・知人がいるなら選択肢の1つとしてご検討ください。

家族・知人から借入れするなら借用書を作る

貸金業者から借金をするときには債権者側が用意する契約書にサインするのが一般的ですが、家族・知人から借入れをするときにも借用書(契約書)を作成しておきましょう。

もちろん、お金の貸し借りは口約束でも成立しますが、借用書があればトラブルが発生したときの証拠にできますし、個人間の信用に基づいてお金を貸してくれる債権者に安心感を与えられるからです(諾成的金銭消費貸借契約(民法第587条の2))。

通常、借用書では次の6つの項目が記載されます。

  • 「借用書」と分かる表題
  • 借入れ金額
  • 利息条件・返済期日・返済方法などの融資条件
  • 貸付けがあった事実とその日時
  • 債務者の住所・氏名・押印
  • 債権者の住所・氏名・押印

借用書に決まった書式はありませんが、必要な項目が記載されていなければ法的な証明力が認められないリスクがあります。

インターネットなどの雛形を利用するか、不安であれば弁護士などの専門家に契約書チェックをご相談ください。借金問題の相談も同時にできるのでメリットは大きいでしょう。

残債の一括請求後は貸金業者からの新規借入れは難しい

残債の一括請求に応じるためにお金を用意するとしても、そもそも頼れる家族・知人がいなかったり、どうしても家族などには相談できない事情があったりする債務者もいるはずです。

しかし、一括請求をしてきた債権者以外の金融機関から新たに借入れをするのは現実的には難しいでしょう。

なぜなら、残債の一括請求をされたタイミングで信用情報機関に事故情報が登録されているので、ブラックリストとして扱われる債務者はどこからも新規借入れができなくなってしまうからです。

したがって、残債の一括請求をされた以上は、他社からの借入れを頼ってはいけません。身近に融資をしてくれる親類がいない場合には、すみやかに弁護士に相談をして債務整理を検討してもらいましょう。

※その他にもブラックリストに登録されるデメリットは多数存在します。詳しくは「債務整理と信用情報機関の関係は?ブラックリストに載った場合のデメリットと対処法を解説」をご参照ください。

残債の一括請求をされた債務者でも融資してくれる業者は闇金の可能性が高い

残債の一括請求後の債務者はブラックリストに登録されているので、貸金業法を遵守して事業を展開する合法の貸金業者からは一切借入れができなくなります。

ところが、実際にいろいろと調べてみると、「ブラックでも即日融資可能」というように、厳しい家計状況にある債務者にも融資をしてくれる業者は少なくありません。

しかし、ブラックリスト登録者でも融資してくれるような業者は闇金の可能性が高いので利用を避けてください。

なぜなら、闇金は、利息制限法に違反する利息条件で貸付けを行い、返済できない債務者に対しては貸金業法刑法に違反する取り立て行為を行う可能性が高いので、一括請求によるデメリットを回避して生活再建を目指せるどころか、さらに深刻な家計状況に追いこまれるのが目に見えているからです。

したがって、Web広告やDMなどの勧誘に釣られて闇金から融資を受けるのではなく、債務整理の実績が豊富な弁護士の力を頼りましょう。

※闇金とかかわるリスクや対処法については「闇金の取り立ては警察に相談しても解決できない?督促を止めたければ今すぐ弁護士に相談を!」をご参照ください。

どうしても当面の生活費が苦しいなら行政の福祉制度などを活用しよう

一括請求を受けた債務者のなかには、近々の生活費さえ工面が難しいという人もいるはずです。コロナ禍の影響から仕事を解雇されるなどによって収入が大幅に減ったという人も少なくないでしょう。

“消費者金融などの貸金業者からは借入れできない”、”闇金はリスクが高すぎる”という現実は変えられませんが、行政の福祉制度などを活用すれば当面の生活費を融資してもらえる可能性があります。

緊急小口資金など、家計がひっ迫している債務者が安心して利用できる制度が用意されているので、お近くの行政窓口まで問い合わせましょう(参照:「生活福祉資金の特例貸付」厚生労働省HP)。

※融資を受けられる公的機関については「市役所に借金の相談をするメリット・デメリットとは?債務者が頼れる専門機関をまとめて解説」を参考にしてください。

一括請求を分割払いで返済する

「残債の一括請求は払えないが、分割払いならなんとか返済を継続できる」という債務者も多いはずです。

急な出費や家計改善が間に合わなかったために数ヶ月滞納して残債を一括請求されてしまったが、今後は家計を整えて返済を継続できるなら、次の3つの方法で”一括請求を分割払いに切り替える”道を探ってください

  • 債権者に連絡をして分割払いを打診する
  • 任意整理を利用して将来利息をカットした返済計画を作り直す
  • 個人再生を利用して借金総額を減らした返済計画を作り直す

それでは、分割払いを目指すための3つの方法について詳しく見ていきましょう。

すぐに債権者に連絡をして分割払いの交渉をする

一括請求の内容証明郵便が届いたら、すぐに債権者や代位弁済代位弁済とは、債務者に代わって第三者が債務の支払いを行い、それ以降は第三者が債務者に対して返済を求めるという仕組みのもの。残債の一括請求がされるタイミングで金融機関は保証会社から代位弁済を受けているケースがあるので、「債権者が金融機関から保証会社に変更された」と捉えることも可能です。を行った保証会社に連絡をすれば分割払いの交渉に応じてくれるケースがあります。

なぜなら、あくまでも借金の返済方法は当事者間で自由に決められるものなので、債権者側が納得してくれるなら分割払いも当然認められるからです。

ただし、残債の一括請求に至るまでのプロセスにおいて、債権者からの督促を無視していたり、正当な理由がないにもかかわらず何度も返済期日を破っていたりすると、残債の一括請求後の分割払いを認めてもらえるほどの信用はないでしょう。

債権者との直接交渉で一括請求を分割払いに変更するのは現実的にはかなり厳しいと考えられるので、弁護士に効果的な債務整理を検討してもらうのがおすすめです。

任意整理で利息をカットしたうえで分割払いを交渉する

任意整理は、将来利息の発生を抑えられる債務整理手続きのことです。

任意整理によって債権者との和解が成立すれば、和解成立時点までの借金総額だけを約3年~5年で完済すれば良くなります。

返済継続が難しくなった要因の1つである”利息”の支払いから逃れられるので、残債の一括請求前よりも返済状況は楽になるでしょう。

任意整理を利用して分割払いに切り替えるのが向いているのは、次のような債務者です。

  • 利息をカットすれば完済を目指せそうな債務者
  • 約3年~5年の返済を続けられるだけの収入がある
  • 家族に知られずに返済状況を改善したい債務者

任意整理の具体的な流れやその他の特徴については、下記のリンク先からご参照ください。

個人再生で借金を減額したうえで分割払いの計画を作り直す

個人再生は、借金総額に応じて大幅な減額を期待できる債務整理手続きのことです。

100万円未満の人・・・・・・総額全部
100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1

引用元:「個人再生手続利用にあたって」裁判所HP

任意整理では将来利息しかカットできないのが原則ですが、個人再生なら元本残債にも切り込んで借金を圧縮できるので、より完済しやすい環境を整えられるはずです。

ただし、個人再生はかならず裁判所を利用して手続きを進めなければいけないので、任意整理ほど柔軟に手続きを終わらせることはできません。

個人再生を利用して分割払いに切り替えるのが向いているのは、次のような債務者です。

  • 利息の支払い免除だけでは完済するのが難しい債務者
  • 元本まで減額できれば完済を達成できる債務者
  • 原則3年の返済生活をこなせるだけの安定した収入がある
  • 個人再生の住宅資金特別条項を活用してマイホームを手元に残したい債務者

個人再生の具体的な流れやその他の特徴については、下記のリンク先を参考にしてください。

分割払いさえ払えないなら自己破産で借金を帳消しにする

残債を一括請求された債務者のなかには、これ以上は分割払いを続けるのが難しいという人もいるでしょう。

たとえば、コロナ禍による経済不況をきっかけに収入が大幅に減ったなどの事情を抱えていると、仮に個人再生で大幅な減額が認められたとしても完済を目指せないというのもあり得ることです。

このように、どうしても返済継続が難しい状況に追いこまれているのなら、自己破産によって借金生活から抜け出す道が残されています。

自己破産とは、借金返済義務を帳消しにできる債務整理手続きのこと。免責許可が認められた時点で借金の支払いから逃れられるので、”経済的に困窮している債務者にとっての最終的な救済措置”に位置付けられるものです。

自己破産を利用して借金返済義務を帳消しにするのが向いているのは、次のような債務者です。

  • 分割払いでも返済を継続するのが難しい債務者
  • 借金生活を終わらせて心機一転人生をやり直したい債務者
  • 自己破産のデメリットに耐えられる債務者

自己破産を利用するときに注意しなければいけないのが、返済義務帳消しの代わりに引き受けなければいけないデメリットについてです。

債務者名義の財産処分や手続き中の職業制限など、任意整理・個人再生に比べるとデメリットが大きいので、債務整理の実績が豊富な弁護士に相談をして、事前に把握しておきましょう。詳しくは、以下のリンク先よりご確認ください。

分割払いへの変更をせずに一括請求を無視すると2つのペナルティが発生する

すみやかに分割払いへの変更などの対応策をとる必要があるのは、残債の一括請求をされた後、そのまま無視・放置を続けると次の2つのペナルティが発生するからです。

  • 高額な遅延損害金の返済を求められる
  • 債務者名義の財産・給与などが強制執行で差し押さえられる

一括請求をされた今、このまま放置するとどのような状況に追いこまれるのかを知っておくことは重要です。

すみやかな対応策に繋げるためにも、正確に現状を把握しておきましょう。

高額な遅延損害金の返済を求められる

残債の一括請求を放置し続けると、遅延損害金が膨れあがって返済負担がさらに増えてしまいます

遅延損害金とは滞納ペナルティの1つ。【借金総額 × 遅延損害金年利率(20%程度) ÷ 365日 × 滞納日数】の公式によって算出されるものです。

つまり、延滞日数が伸びるほど遅延損害金の負担は毎日重くなるので、分割払いへの切り替えを検討しているのなら、できるだけ早期に対応策に着手しなければ返済総額が増え続けることになってしまいます。

たとえば、総額200万円の借金を滞納しているケースでは、滞納日数に応じて次のような形で遅延損害金が発生します。

  • 滞納日数1日:200万円 × 20% ÷ 365日 × 1日 = 約1,096円
  • 滞納日数1週間:200万円 × 20% ÷ 365日 × 7日 = 約7,671円
  • 滞納日数1ヶ月:200万円 × 20% ÷ 365日 × 30日 = 約32,876円
  • 滞納日数2ヵ月:200万円 × 20% ÷ 365日 × 60日 = 約65,753円

残債の一括請求をされた債務者が忘れてはいけないのが、残債の一括請求をされる時点で延滞期間が2ヶ月~3ヶ月に及んでいるので、すでに高額な遅延損害金の負担を強いられているということです。たとえば、借金総額が200万円の債務者なら、すでに10万円近く遅延損害金が発生しているので、かなりの損害を被っているというわけです。

一括請求を無視するとさらに返済負担が深刻になるだけなので、すみやかに弁護士に相談をして適切な債務整理によって分割払いへの切り替えをご検討ください。

※遅延損害金については、「遅延損害金は借金延滞のペナルティ!請求されたら一刻も早く返済に向けて対処しよう」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

債務者名義の財産・給与などが強制執行で差し押さえられる

残債の一括請求を放置し続けると、最終的には強制執行によって債務者名義の財産・給与などが差し押さえられる形で債権の回収が行われます。

内容証明郵便による残債の一括請求にはじまり、支払督促、仮執行宣言付支払督促など、裁判所から次々と手続きの進行を告げる書類が届きますが、これらを無視し続けると差し押さえの段階に進むことになります。

もちろん、強制執行といっても、テレビドラマのように「ある日いきなり家に入れなくなる」ということはありません。

ただ、強制執行により処分される財産などがあることに変わりはないので、債務者や同居家族の生活には何かしらの悪影響は生じます

差し押さえの対象になる財産などは債権者側が決めるので、債務者側が自由に選ぶことはできませんが、次の3つが差し押さえ対象になるのが一般的です。

  • 給与
  • 財産
  • 預貯金

それでは、これらの財産等が差し押さえられるとどのようなデメリットが生じるのか、また、どのような範囲の財産等が差し押さえられるのかについて、それぞれ確認していきましょう。

給与が差し押さえられると会社に迷惑がかかる

強制執行が行われる際には、債務者の給与が差し押さえられる可能性はかなり高いです。

なぜなら、消費者金融などから借入れをする際には債務者の勤務先の情報などを提供していので、債権者側にとって特定の手間が少なく、また、回収しやすいものだと考えられるからです。

給与が差し押さえられると、会社に借金・差し押さえの事実を隠し通すことはできません

もちろん、差し押さえを理由に懲戒処分などが下されることはありませんが、噂話が立ったりする可能性はあるので覚悟しておきましょう。

給与は全額が差し押さえられるわけではない

給与が差し押さえられるとなると、「生活費や固定費の支払いなどもできなくなるのでは?」と不安を感じる債務者もいるでしょう。

ただ、給与が強制執行される場合であったとしても、債務者の最低限度の生活を守る趣旨から全額の差し押さえは禁止されています民事執行法第152条)。

給与手取り額に応じて、次のような上限が設けられているのでご安心ください(参照:「差押可能な給料の範囲」裁判所HP)。

  • 給与額44万円まで:差し押さえ対象は給与額の1/4まで
  • 給与額44万円を超える:差し押さえ対象は33万円を超える金額
  • したがって、給与を差し押さえられたからといって直近の生活費に困ることはありません。

    ただし、残債の一括請求をされた貸金業者以外からも借金をしているなど毎月の支払いがある場合には、給与の差し押さえによって収入に余裕がなくなる可能性があります。

    場合によっては別の支払いについて滞納や一括請求のリスクが生じるので、強制執行に至る前に弁護士までご相談ください。

    ※給与の差し押さえについては、「給料差し押さえは無視できる?差し押さえ通知が届いたらやるべきことや差し押さえの影響」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

    債務者名義の財産が差し押さえられると生活に支障が生じる

    債務者名義の財産も差し押さえの対象です。

    たとえば、自宅・車などが強制執行の対象になると生活環境を大幅に変更しなければいけない可能性もあります

    また、同居家族にも迷惑がかかるので、強制執行を避けるために早めの対策が必須でしょう。

    差し押さえが禁止されている財産もある

    給与と同じように、すべての財産が差し押さえの対象にされるわけではありません。

    たとえば、次の項目に該当する財産は強制執行の対象にはされないので、債務者の手元に残すことが可能です(民事執行法第131条)。

    • 家具・家電など、債務者及び同居家族などの生活に必須のもの
    • 66万円までの現金
    • 債務者の仕事に必要な道具
    • 学校の勉強などに必要な教育道具
    • 義手・義足など、身体の補助に必要なもの
    • 債務者以外の名義の財産

    このように、債務者だけではなく、同居家族や子どもの生活のために不可欠の動産は手元に残すことが許されています

    ただし、贅沢品や娯楽品は差し押さえの対象になるので、家族などの不満やストレス要因にはなりかねないでしょう。

    ※財産の差し押さえについては、「借金を放置して裁判所も無視するリスクとは?財産が差し押さえられる前に早期に弁護士を頼ろう」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

    預金が差し押さえられると口座が凍結するリスクがある

    預貯金も差し押さえられる可能性が高いものです。

    差し押さえの対象になった預貯金残高から債権回収に必要な金額が引き落とされるという流れで行われます。

    ここで注意すべきポイントは、差し押さえ対象になった預貯金を作っている銀行との間で各種ローン契約を締結している場合には、口座の差し押さえが「期限の利益喪失条項」に掲げられているために、ローン残債も一括請求されるリスクがあるという点です。

    差し押さえ後の預貯金額がローン残債全額に足りない場合には、当該口座が凍結されるので、毎月の引き落としなどができなくなります。

    このように、銀行口座が凍結されるとデメリットが拡大する可能性が高いので、強制執行を防ぐために、事前に弁護士に相談をして債務整理などの方法を検討してもらいましょう。

    ※財産の差し押さえについては、「口座の差し押さえを回避するなら債務整理がおすすめ!差し押さえによる影響とは」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

    一括請求後の分割払いなどの対応策は債務整理の実績豊富な弁護士に相談しよう

    残債の一括請求をされたときの対応策は、かならず債務整理の実績が豊富な弁護士に相談してください。

    なぜなら、弁護士への相談によって、次の2つのメリットが得られるからです。

    • スムーズに差し押さえを止められる
    • 適切な手続き選択によって同時に借金問題も根本から解決できる

    それでは、それぞれのメリットごとに詳しく見ていきましょう。

    弁護士に債務整理を依頼すれば差し押さえを止められる

    残債を一括請求された後でも、弁護士に債務整理を依頼すれば強制執行による差し押さえをストップできます。

    なぜなら、債務整理とは現在の借金状況を合法的に改善するために認められた制度のこと。債務者が債務整理に着手したにもかかわらず財産などが差し押さえられるのは、債務整理という制度を認めた趣旨に反するからです。

    したがって、任意整理・個人再生・自己破産のいずれを選択するにしても、「残債の一括請求後~差し押さえ前」なら、強制執行によって財産などが処分されることを防げます

    任意整理では強制執行を止められない

    残債の一括請求をされた後、強制執行段階に進んでしまった場合には注意が必要です。

    なぜなら、債務整理のうち、任意整理だけは強制執行を停止させる効力がないからです。

    したがって、強制執行段階まで進んでしまった債務者がこれを停止させたいのなら、自己破産・個人再生のいずれかの選択肢を採用しなければいけません。時間的な猶予がない段階なので、すみやかに弁護士までご相談ください。

    弁護士なら債務者の希望を取り入れた債務整理を検討してくれる

    弁護士に債務整理を依頼すれば残債の一括請求後の強制執行を停止できますが、それに加えて、債務者が抱えている借金問題を根本的に解決できるというメリットまで得られます。

    たとえば、残債を一括請求された借金以外にも他社から借入れをしていたり、リボ払いの残債が膨れあがっていたりする債務者は少なくないはずです。

    しかし、現在の家計状況がそのまま継続してしまうと、やがては別の借金についても残債の一括請求などのペナルティが課されかねません

    債務整理の実績が豊富な弁護士なら、債務者が抱えている借金問題を客観的に分析して、適切な債務整理手続きを選択してくれます。

    残債の一括請求をされるまで事態が深刻になったことは反省すべきですが、「このタイミングで借金問題を解決できる」とポジティブに捉えて、これからの人生を再スタートさせましょう

    借金の残債を一括請求された後に分割払いに変更するときのQ&A

    借金残債の一括請求をされた後でも、ふたたび分割払いに変更できますか?

    個人再生・任意整理を利用すれば、残債の一括請求後でも分割払いの返済計画を作り直せます。しかも、個人再生なら借金総額を大幅に圧縮、任意整理なら将来利息のカットという特典付きの返済計画になるので、債務整理利用前よりも完済を目指しやすい環境を整えられるでしょう。

    毎月の支払いさえできないのに、残債の一括請求など払えるわけがありません。このまま放置するとどうなりますか?

    残債の一括請求を払えないのは仕方ないとしても、そのまま放置するのは避けるべきです。なぜなら、遅延損害金が膨れあがるだけではなく、最終的には財産・給与などが差し押さえられるからです。会社や家族にも迷惑がかかるので、一括請求を無視したままではなく、できるだけ早いタイミングで債務整理をご検討ください。

    一括請求を分割払いに引き直したところで家計が厳しいので返済は無理です。何か救済方法はありますか?

    個人再生・任意整理では返済状況を改善できない債務者には「自己破産」という道が残されています。合法的に借金の返済義務を帳消しにできるので、免責を獲得すればその段階で借金生活から抜け出せます。ただし、自己破産には財産処分などの大きなデメリットがついてくるので、事前に手続きの特徴を踏まえたうえでご検討ください。

    まとめ

    残債の一括請求をされた後でも、任意整理・個人再生を利用すれば、ふたたび分割払いによって完済を目指す道がひらけます。

    また、どうしても返済を継続するのが難しいという債務者にも、自己破産という救済措置が与えられています。

    つまり、残債を一括請求されたとしても、債務者の借金問題を改善できる方法が残されているということです。

    ただ、残債を一括請求されたということは、債権者側が本気で債権を回収しようとしていることを意味します。

    悠長に構えたままでは財産などが強制執行によって差し押さえられてしまいますし、家族・会社にも迷惑がかかるでしょう。

    したがって、強制執行前ならスムーズに生活再建を目指すチャンスがあるので、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談することを強くおすすめします。