夫婦の一方が自己破産しても配偶者へ与える影響は少ない!夫婦で借金があるなら2人同時の自己破産検討を!

夫婦の一方が自己破産しても配偶者へ与える影響は少ない!夫婦で借金があるなら2人同時の自己破産検討を!

私が自己破産をすると主人へ影響を与えるのでしょうか?

あなたが自己破産をしても、原則として、ご主人の法的な権利・義務へ与える影響はありません。夫婦には「同居」「協力」「扶助」の3つの義務があるため、借金問題も夫婦の問題と勘違いされる方がいますが、誤った認識です。

では、主人の信用情報や資格制限等にも影響を与えることはないのですか?自宅に置いてある財産を処分されることとか…。高価な趣味があるので心配です。

ご主人が所有する財産であれば、処分の対象にはならないので安心してください。信用情報や資格制限への影響もありません。

夫婦は民法の規定によってお互いに扶助義務を負っています。これは「目の前にパンがひとつしかなくてもこれを分け合うのが夫婦」ということです。

上記のことから、夫婦関係にあるどちらか一方が多額の借金を抱えたり自己破産をしたりすれば、配偶者も責任を負うのではないか?と考える方がいますが、そんなことはありません。

たとえ夫婦間であっても、自己破産は「個人の問題」であるため、配偶者へ与える直接的な影響はありません。ただし、自己破産の免責許可を判断する上では「家計の収支」がとても大切なので、夫や妻へ与える間接的な影響は避けられないでしょう。

この記事では「自己破産をすることで配偶者へ迷惑をかけてしまうのではないか?」など、多くの人が抱えているであろう不安を解消できる内容になっています。ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 自己破産によって配偶者へ与える影響は少ない
  • 夫婦で連帯保証人になっているときやペアローンを組んでいるときは要注意
  • 配偶者にバレることなく自己破産をするのは、現実的に見てかなり厳しい
  • 夫婦で借金を抱えているのであれば、2人同時に自己破産を検討したほうが良い

自己破産で夫や妻に与える影響はある?

夫婦の一方が自己破産をしたところで、どちらか一方へ与える直接的な影響はありません。ただし、自己破産は一定の財産を処分する代わりに、その借金をすべて0にする手続きであるため、間接的な影響を与えることはあるでしょう。

まずは、自己破産によって配偶者へ与える影響はどのようなことがあるのか?について詳しくお伝えします。

配偶者へ与える「直接的な影響」はない

勘違いされることが多いですが、自己破産はあくまでも「個人」の問題であって、配偶者へ与える直接的な影響はありません。

たとえば、夫婦の一方が自己破産をすることで「配偶者の信用もキズ付けてしまうのではないか?」などと考える方も多いですが、これは勘違いです。他にもよくある勘違いは下記のとおりです。

配偶者へ与えない影響
  • 配偶者の信用情報に影響を与えない
  • 配偶者の財産を失うことはない
  • 配偶者が職業制限(資格制限)を受けることはない
  • 配偶者と離婚する必要はない

「夫婦」は2人で1人、借金による責任も蓄えた財産もすべて2人の共有財産。と思われている方が多いですが、借金についてはあくまでも個人の問題です。多くの方が心配されているような「直接的な影響」はありませんので安心してください。

配偶者名義の家や車、その他財産は失わない

配偶者名義の家や車を失うことはありません。たとえば、夫名義の家や車を夫婦で使用していたとして、妻が自己破産をしたとしましょう。このケースでは、夫名義の財産である家や車を失うことはありません。

ただし、名義が夫であっても「実質的所有者」が妻であれば、差し押さえの対象となる可能性が高いでしょう。たとえば、妻が全額お金を出して購入した車を夫名義にしている場合です。

このようなケースでは「妻が実質的に車を所有している」と判断される可能性があり、車を失ってしまうかもしれません(生活スタイル等を考慮し裁判所が決定するためケースバイケース)。

なお、自己破産をすることを前提として、あらかじめ財産の所有権を第三者に移転したかのように仮装する行為は「財産隠し」として、詐欺破産罪が成立する恐れがあります。詐欺破産罪は「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはこれらを併科」となる重罪です。

最終的には自己破産が成立せず、刑事罰を受ける可能性がある行為なので、財産を隠す行為は絶対にやめてください。

配偶者の信用情報や資格制限等への影響は一切ない

自己破産によって資格制限を受ける対象者は「破産者本人のみ」です。配偶者や家族が資格制限を受けることはないので安心してください。

また、配偶者の信用情報にも一切の影響はないので安心してください。「住所や名字、固定電話番号などが同じ」という理由から、少なからず影響があるのではないか?と考える方も多いですが、心配ありません。

まれに、配偶者が自己破産をした会社に申し込みをすると、審査に通らないことがありますが、これは信用情報によるものではありません。配偶者の一方が自己破産をした会社には「社内ブラック」として自己破産をした事実が半永久的に残ります。

その結果、自己破産をしていないほうが申し込みをしたときに、住所や名字等で「破産者の配偶者」と判断され審査否決となることがあります。しかし、「社内ブラック」であっても他の金融機関などから借入を行うことに支障はないため、配偶者が行う信用取引への影響はほぼないと言えるでしょう。

配偶者が連帯保証人になっていると債務が移る

配偶者が連帯保証人になっていると、債務が配偶者へ移ります。これは、配偶者に限ったことではなく、友人知人・家族等であっても同じです。

とくに配偶者の場合、頼みやすさなどからつい連帯保証人になってしまっているケースが多いです。また、住宅ローンを組むときに「連帯債務型」や「ペアローン」を選択されている方もいます。

連帯債務型やペアローンはいわゆる「相保証」をしているようなもので、夫婦同士がお互いの債務を保証し合っている状態です。つまり、どちらか一方が自己破産をしてしまうと、もう一方が住宅ローンのすべてを背負わなければいけません。

夫婦関係であるからこそ起こり得る事例です。もしも保証人として設定しているのであれば、配偶者とよく話し合ってから自己破産を検討してください。

保証人でなければ夫・妻、一方が自己破産をしても返済義務を負わない

保証人になっていなければ、借金の返済義務は配偶者に及びません。自己破産はあくまでも「個人」の問題であって、世帯単位で行うものではありません。

「夫婦の共有財産」という言葉がありますが、借金についてはあくまでも「個人のマイナス財産」として認められます。

夫や妻にバレることなく自己破産はできる?

「夫や妻に秘密にしている借金を自己破産で解決したい」と思われている方も多いですが、現実的に考えるとかなり難しいです。

自己破産はあくまでも「個人の問題」であることは何度もお伝えしていますが、実際には家計単位で借金の返済能力がないのか?を見て判断されます。

一般的な考え方では「同居親族(夫婦)は生活を一にしているもの」とみなされているため破産手続き中には、配偶者の収入等の申告が必要です。自己破産がバレないように努力はできますが、現実的には厳しい、勘付かれる可能性が高いと思っておいたほうが良いでしょう。

バレないことは現実的に厳しい

配偶者へバレることなく自己破産するのが難しいと言われる理由は2つです。

  • ①配偶者の収入証明が必要
  • ②財産処分などで生活が一変する

上記を考慮すれば、バレずに自己破産をするのが難しいことは理解していただけたでしょう。いまいちピンとこなかった方のために、上記内容についてもう少し詳しくお伝えします。

配偶者の収入証明の提出を求められるため、勘付かれる可能性が高い

破産手続き開始の申し立てを行う際には、配偶者の収入証明の提出を求められます。これは家計の収入を把握するためであって、かならず提出しなければいけません。

収入証明として認められるものは下記のとおり
  • 給与明細書
  • 確定申告書(個人事業主等の場合、直近2年分が必要)
  • 源泉徴収票もしくは課税証明書

上記いずれかの収入証明書類を提出しなければいけませんが、配偶者に相談せず入手するのは困難でしょう。仮に、配偶者の証明書類をあなたが管理しているのであれば、ここでバレる心配は少ないでしょう。

また、提出した収入証明書類に対して、会社や本人へ裏付けの連絡がいくことはありません。裁判所からの通知等についても、すべて弁護士宛(弁護士を代理人にしていれば)に届くので、郵送物によって配偶者にバレる心配もありません。

自己破産の利用可否の判断では「家計の収入」も考慮される

自己破産手続開始の決定がなされるためには、債務者が「支払不能」の状態にあることが要件となります。支払不能の有無を判断する際には、家計の収支も考慮されます。

そのため、同居家族内に働いて収入を得ている方がいれば、配偶者に限らず収入証明の提出が必要です。

自己破産によって生活が一変するためバレる可能性は高い

マイホームを持たれている方や車を持たれている方、高価な財産を持たれている方はそれらの財産をすべて処分しなければいけません。

急に引っ越しをしなければいけなくなったり、車を失ったりすれば、当然配偶者にも勘付かれてしまうでしょう。もっとも、処分される財産が一切ないのであれば、生活もほとんど変わらないため、バレるリスクを考える必要はないでしょう。

自己破産で一定基準以上の財産を失う

自己破産は一定以上の財産をすべて処分する代わりに、借金のすべてを0にする手続きです。

自己破産で失う財産例
  • 20万円超の価値が付く車(登録から6年以上経過している普通車を除く、軽自動車4年商用車5年)その他の動産
  • 不動産
  • 99万円超の現金
  • 20万円超の預貯金

仮に20万円以下の価値しか付かない財産や車であっても、ローンが残っていればローン会社に引き揚げられます。とくに車であれば、ローンを組んで購入される方が多いです。「新規登録から6年経過しているから大丈夫」ではなく、ローンがあるかどうかもバレるバレないの大切な判断材料になるでしょう。

官報掲載によってバレる可能性は低い

官報掲載によって配偶者へバレる可能性は極めて低いです。官報はだれでも閲覧できる国の機関紙ですが、官報を好んで見る方はそう多くありません。

裁判官や弁護士など法律関係に従事している方であっても、毎日くまなく閲覧する方はほとんどいません。膨大な情報が記載されている官報の自己破産欄を閲覧される方は、そういった趣味をお持ちの方だけでしょう。

そもそも「官報」の存在を知らない方も多いですし、官報が販売されている場所も限定的で、わざわざ購入される方は少ないです。「官報の掲載によってバレるのではないか?」は、ほぼ不要な心配なので安心してください。

夫婦両方に借金があるとき、2人同時に自己破産はできる?

夫婦揃って同時の自己破産もできます。もしも夫婦揃って多額の借金を抱えているのであれば、2人で自己破産を検討したほうが良いです。「1人の借金問題が解決できればなんとかなる」と思っていても、その計画自体が無理のある内容かもしれません。

夫婦で生活再建を目指すのであれば、揃って借金を0にしてリスタートしてみても良いでしょう。

「個人」の問題であるため、夫婦それぞれで自己破産が可能

自己破産は「個人」の問題であって、夫婦単位で行われるものではありません。当然、夫・妻それぞれが同時期に自己破産をしても良いです。

もちろん夫婦同時に自己破産をするからと言って、免責許可に不利益を受けることもないので安心してください。ただ、借金の内容によっては「夫婦共々家計管理がずさん」として、指摘を受けてしまう恐れがあります。

中には住宅のペアローンを利用されていて、夫婦揃って自己破産をせざるを得ない状況に陥っている方もいるでしょう。状況次第では、早期の解決を図る必要があります。夫婦で借金問題を抱えているのであれば、すぐにでも弁護士へ相談されたほうが良いでしょう。

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当然、どちらか一方のみの破産手続きも可能

当然ですが、夫婦の一方のみが自己破産をしても良いです。たとえば、ペアローンを組んでいる一方が自己破産をして、配偶者が約定通りの返済を続けていくことも可能です。

ただし、ペアローンを自己破産したときは、住宅ローンのすべてを返済できなくなるので自宅を失います。その他の借金であれば、お互いに影響を与えることなく自由に破産手続きを開始できます。

状況によっては夫婦別の債務整理手続きを検討

夫婦揃って同じ債務整理手続きをする必要はありません。「2人で自己破産をしたいけど、夫が資格制限の対象になる職に就いている」というケースも起こり得るでしょう。

上記のケースであれば、妻は自己破産をして夫は個人再生や任意整理と言った別々の債務整理を検討しても良いです。

あくまでも「借金は個人の問題」であることを念頭においておけば、ある程度柔軟な対応ができることは理解いただけるでしょう。不安や心配なことがあるのであれば、弁護士へ相談してみてはどうでしょうか。

夫婦で借金を抱えているなら同時に自己破産をしたほうが良い

「夫婦一方の借金がなくなればなんとか返済できる」と思っている方、その返済計画は本当に大丈夫でしょうか?そもそも「少しでも借金が減れば返済できる状況」なのであれば、自己破産ではなく個人再生や任意整理といった債務整理をおすすめします。

自己破産は「本当に借金で首が回らない人」が行う最終手段です。夫婦で借金を抱えているのであれば、同時に自己破産(状況によっては夫婦別の債務整理)をして生活再建を目指したほうが良いでしょう。まずは弁護士へ相談し、自分たちに合った生活再建方法を模索してください。

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まとめ

今回は、自己破産によって夫や妻に与える心配事(影響やバレてしまうリスク)についてお伝えしました。

夫婦は婚姻の意思を持って男女の共同体になります。夫婦になることで、さまざまな義務を負うため「自分が自己破産をすることで、配偶者へも多大な影響を与えてしまうのではないか?」と思われている方も多いです。

しかしそのような心配は不要で、夫婦であることを理由に不利益を受けることはない。とのことでした。これで、安心して自己破産を始める決心を付けられた方もいるでしょう。

これから自己破産を検討しているのであれば、バレるバレない以前によく話し合うことも大切となるでしょう。隠したまま破産手続きを開始できますし、弁護士もできるだけバレない努力をしてくれます。しかし、万が一バレてしまったときのリスクを考えれば、隠し通すことが得策とは言えません。

各夫婦間の状況等もあるかとは思いますが、夫婦でしっかり話し合い、状況に応じた生活再建を目指してみてはどうでしょうか。

阿部 由羅
監修者

重すぎる債務は、生活を大きく圧迫するだけでなく、精神的にも大きな負担となってしまいます。完済の見込みがつかない借金を返し続けるよりも、一度債務整理を行い、経済的にも心理的にも新たにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
債務整理を行う際には、債務者の方のご状況やニーズに合わせた手続きの選択や対応が必要になります。困難な状況に陥ってしまった方でも、債務の問題を解決するための糸口はきっと見つかります。円滑な債務整理を実現するために、弁護士として親身になってサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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