車のローン滞納で一括請求されたときの対策は3つ!車を引き上げられない方法も紹介

車のローン滞納で一括請求されたときの対策は3つ!車を引き上げられない方法も紹介

車のローンを滞納して2ヶ月経ったのですが、カーローン会社から残債の一括請求に応じなければ自動車を引き上げるという連絡が来ました。通勤で車を使うので取り上げられるのは困るのですがどうすれば良いですか?

車を引き上げる旨の連絡が届いたということは、ローン返済中の自動車に所有権留保特約が付されているということです。期限の利益を喪失して残債の一括請求を受けた以上は、請求に応じなければ回収の手続きに進むことを避けられません。親族・知人などからお金を融資してもらって期限までに支払いを済ませましょう。

でも、新型コロナウイルスの影響で収入が減少したので、立て替えてもらっても返済できる見通しがつきません。車のことは諦めるしかないのでしょうか?

カーローンに所有権留保特約が付されていなければ、自動車を手元に残しつつ債務整理で返済状況を改善できます。しかし、所有権留保特約が付いている場合には債務整理をしても自動車を手放さずに済ますのは難しいでしょう。引き上げに応じてカーローンを清算し、カーリースや中古自動車への乗り換えを検討してください。

自動車のローンを滞納して残債を一括請求されたとき、債務者にとっての最大の関心事は「車は取り上げられてしまうのか」ということのはず。マイカーの行く先を左右するのは、「カーローンに所有権留保特約が付されているのか」という点です。

ローン返済中のマイカーに所有権留保特約が付されている場合、債務整理をしても自動車は取り上げられてしまいます。自動車を手元に残すためには、一括請求されたローン残高を期日までに完済するしか方法はありません。

これに対して、所有権留保特約が付いていない場合には、債務整理を利用して返済状況を改善すればマイカーを手元に残せる可能性が高まります。滞納状態が深刻になると強制執行によって差し押さえられるリスクがあるので、すみやかな対応が求められます。

自動車が手元からなくなると困るという人は少なくないはずです。延滞状況を改善して今まで通りの生活をつづけるためにも、できるだけ早いタイミングで弁護士までご相談ください。

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この記事でわかること
  • 車のローンを滞納すると残債を一括請求される。早期に延滞状況を改善しなければ遅延損害金の負担が重くなるので、すみやかに改善策に踏み出す必要がある。
  • 所有権留保特約付きのカーローンを組んでいる場合には、債務整理を利用しても車が取り上げられる。引き上げの同意書にサインをしなくても強制執行で処分されるので、親族などの融資を頼るしかない。
  • 所有権留保特約が付いていないカーローンを滞納した場合、債務整理を利用すれば返済状況を改善して自動車を手元に残す道を探れる。強制執行に踏み出される前に早期に弁護士に相談しよう。
目次
  1. 車のローンの一括請求後、いつ車は引き上げられる?
  2. 車のローンを滞納して残債を一括請求されたときの対処法は3つ
  3. 一括請求も放置し続けると生じるデメリット4つ
  4. 車のローンの一括請求に応じられないけど車を残したい!まずは弁護士に相談しよう
  5. まとめ

車のローンの一括請求後、いつ車は引き上げられる?

車のローンを数ヶ月滞納するとローン残債を一括請求されます。

その際に注意を要するのが、自動車の処遇について。一般的な消費者金融などからの借金とは異なり、カーローンの場合にはローン対象の自動車に所有権留保特約が付されているケースもあるので、状況次第では想定よりも早いタイミングで自動車が引き上げられることもあるからです。

そこで、車のローンを滞納して残債を一括請求された後にマイカーがどのような形で扱われるのかについて、次の2パターンに分けて解説します。

  • 所有権留保特約付きの車はいつ引き上げられてもおかしくない
  • 所有権留保特約なしの車は強制執行で処分される

それでは、それぞれの流れについて具体的に見ていきましょう。

ワンポイント解説
車のローンに所有権留保特約が付いているか確認する方法とは?

ローン契約書・車検証を確認すれば、ローン契約に所有権留保特約が付されているかをすぐに確認できます。特約が存在する場合、契約書内に所有権留保条項が記載されていますし、車検証の所有者名義人は販売店・ローン会社に設定されているはずです。なお、一般的には、ディーラー系ローンは所有権留保特約あり、銀行系ローンは所有権留保特約なしの傾向が強いです。どの会社とローン契約を締結したかを目印にすると分かりやすいでしょう。

所有権留保付きの車はいつ引き上げられてもおかしくない

所有権留保特約とは、ローン返済中は購入した目的物の所有権が売主側に残るという契約内容のことです。つまり、車のローンを完済するまでは「車の購入者=使用者」「ローン会社=所有者」と法的に扱われ、ローンを完済してようやく車の購入者に所有権が移転することになります。

本来、売買契約では、契約の締結と同時に売主から買主に所有権が移転するのが一般的です。

しかし、代金を完済するまで長期間必要なローン契約では、買主側がローン返済を滞納するリスク・返済中に債務整理を利用する可能性が否定できません。売主側からすると、「代金を全額受け取っていないにもかかわらず、売買目的物(車)を処分するためには裁判手続きが求められる」のは手間がかかるものです。

そこで、ローン契約に所有権留保特約を付けることによって、買主側に滞納・債務整理などの事情が発生した場合、「裁判手続きを利用せずに売買目的物を引き上げられる状態」を作り出すことになります。つまり、所有権留保は売主(債権者側)の回収コストを削減する目的から設定されるものです。

車のローンを滞納してから車が引き上げられるまでの流れは次の通りです。

  • ①滞納翌日~:ハガキ・電話による取り立て
  • ②滞納2週間程度~:督促状による取り立て
  • ③滞納2ヶ月~3ヶ月程度:内容証明郵便による残額の一括請求
  • ④滞納2ヶ月~3ヶ月程度:残額の一括請求と同時に車両引き上げの連絡(車両引渡請求書)が届く。担当者から電話でも確認連絡あり。
  • ⑤所定の期日:車両の引き上げ実施。車両引渡同意書・売却同意書などにサインを求められる。
  • ⑥売却額の通知:引き上げられた車両の売却価格が判明する。ローン残債を充当できなければ残額を請求される。

自動車のローンに所有権留保特約が付いている場合のポイントは次の2点です。

  • 車のローンに所有権留保特約が付いていても強制的に引き上げられることはない
  • 車の引き上げを拒絶しても裁判手続きで処分されることになる

ポイントごとに詳しく見ていきましょう。

車のローンに所有権留保特約が付いていても強制的に引き上げられることはない

カーローンの残債を一括請求されると所有権留保に基づいて車両が引き上げられることになりますが、ローン会社に所有権があるからといって購入者の意に反して車両が強制的に引き上げられることはありません。なぜなら、車を現在使用している購入者側には”占有権”という権利が認められ、この占有権は法的に保護されるものだからです。

たとえば、ローン会社が駐車場に駐車している車を勝手にレッカー移動することはありません。車の所有権をもっていたとしても不法侵入・窃盗罪等に問われるリスクがあるからです。

したがって、所有権留保特約付きの車を引き上げられる際でも、車両引渡同意書・売却同意書などの書類にサインを求められ、購入者側の同意を得られてはじめて引き上げ手続きがスタートすることになります。

車の引き上げを拒絶しても裁判手続きで処分されることになる

車両の引き上げには購入者の同意が必要ですが、車両引渡同意書などに同意をしなくても車両を手元に留め置くことができるのは一時的なものでしかありません。

なぜなら、最終的には裁判手続きで未払い残債の回収が目指され、そのなかで価値ある財産である自動車は強制執行手続きで差し押さえられる可能性が高いからです。

ワンポイント解説
ローン滞納時の裁判には勝ち目がない

所有権留保特約付きの車のローンを滞納した状態でローン会社などの債権者から訴訟を提起されるとほとんど勝ち目がありません。車の引き上げを防ぐために分割払いの提案・手元不如意の抗弁などで和解を目指そうにも、車の所有権が債権者側にあるという大前提が理由で債務者側の主張はほとんど認められないでしょう。そしてこのままでは、債権回収のために車以外の財産などが差し押さえられるリスクさえ生じかねません。

つまり、車のローンを滞納して残債の一括請求を受けた今、引き上げ手続きに対して無理に抵抗しても時間稼ぎにしかならないということ。引き上げを求められる状況を作り出した根本原因である「ローン残債の滞納」に対応しなければ借金問題は解決しません。

そのためには、早急に資金繰りに奔走する・各種債務整理のなかで引き上げを回避するための手立てを取るなどの積極的な対策が求められます。「残債の一括請求という高額請求を分割払いに切り替えたい」「車は手元に残したい」などの希望を実現するためにも、早期に弁護士に適切な選択肢を提案してもらいましょう

所有権留保なしの車は強制執行で処分される

銀行系のカーローンなどを利用して自動車を購入した場合には、車両に所有権留保特約が付いていないのが一般的です。

所有権留保特約が付いていない車のローンを滞納してから一括請求・車の処分までは次の流れをたどることになります。

  • ①普通郵便・電話での取り立て(督促状の送付など)
  • ②内容証明郵便で残債の一括請求
  • ③強制執行の予告
  • ④差し押さえの実行

ディーラー系カーローンなどの所有権留保特約が付いているケースとは異なり、ローン会社が独自判断で引き上げ手続きを取ることはありません。車両の引き上げにはかならず裁判手続きが求められます。そして、残債の一括請求を受けた状態では、近い将来、強制執行手続きに進むことはほとんど確実です。

もっとも、実際に強制執行に着手されるまでなら、債務整理などの現実策によって残債の一括請求にも車の処分にも対応できます。今まで通りの生活を送るためにも、すみやかに弁護士までご相談ください。

※滞納~差し押さえまでの流れについては、「裁判所からの差し押さえ通知はかなり危険!?今後何が起きるかと差し押さえ回避方法を解説!」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

車のローンを滞納して残債を一括請求されたときの対処法は3つ

自動車のローンを滞納すると、延滞期間約2ヶ月~3ヶ月の時期を目途にカーローンの残債が一括請求されます。なぜなら、それまで債務者に認められていた期限の利益を喪失期限の利益とは、分割払い・ローン返済などについて、支払い期日には契約所定の金額についてのみ返済義務を負い、それ以外の残債については返済義務が発生しないという債務者側の利益のことです。つまり、期限の利益を喪失することによって、毎月の支払い期日を待たずして残債全額について返済義務を負うことになります。することになるからです。

ローン会社の契約約款には”期限の利益喪失条項”が記載されており、どのような事情があれば残債を一括請求されるかが事前に取り決められています。長期延滞は期限の利益喪失条項に抵触するため、車のローン滞納者は残債の一括請求に応じなければいけません

残債の一括請求に応じる義務がある以上、これ以上滞納をつづけると法的措置によって債権回収が行われるリスクが高まります。仮に自動車を引き上げられたとしても、車両の売却価格でカーローン残債全額を充当できなければ不足額についての支払い義務が残った状態になるだけです。

したがって、自動車のローンを滞納して残債を一括請求された場合には、すみやかに次の3つの選択肢のいずれかをご検討ください。

  • ①債権者と再交渉して分割払いに戻してもらう
  • ②債務整理で返済状況を改善する
  • ③家計節約などの方法で一括請求に応じる

それでは、各対処法について具体的に見ていきましょう。

ローン会社に分割払いを再交渉する

自動車のローンを滞納して残債の一括請求をされた場合の1つ目の対処法は、再度分割払いに切り替えてもらえるようにカーローン会社と再交渉する方法です。

滞納状況にあるか否かにかかわらず、借金・ローンの返済方法は当事者間で自由に決定できます。つまり、残債の一括請求後であったとしても、債権者であるカーローン会社側が分割払いを認めてくれさえすれば、再び分割払いに切り替えることは可能だということです。

もっとも、特にディーラーが提携している信託会社・クレジットカード会社・保証会社のカーローンの場合には、債務者側が期限の利益を喪失した後に分割交渉に応じてくれるケースはほとんどないのが実情です。

※残債を一括請求された後の分割交渉については、「一括請求を払えないなら分割払いの交渉を!返済継続が難しい場合の対処法も解説」でも詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

コロナが理由で車のローンを払えないとしても猶予されない

新型コロナウイルス感染症の影響で仕事を解雇・収入が減少したために自動車のローンを滞納しているという債務者も少なくはないでしょう。「カーローンを払えないのは自分に原因があるわけではない。コロナが原因なのだから支払い猶予をしてくれても良いのでは?」と感じるのも当然です。

しかし、ローン契約は当事者の合意によって成立したもの。契約当事者の意思の合致は最大限保証されるものである以上、支払えない理由が斟酌されることはありません。

したがって、コロナが原因で滞納がつづき、結果として残債を一括請求されたとしても、支払い猶予は期待できないとご理解ください。

※コロナが原因で収入が減少したときに頼れる公的支援制度については、「コロナで収入減!受けれる公的支援は?返せない借金は債務整理で解決しよう!」でも詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

車のローンの滞納が消滅時効で消滅するのを期待してはいけない

消費者金融などからの借り入れと同じように、車のローン返済義務も5年で消滅時効が成立します。

もっとも、カーローンの残債の一括請求について消滅時効の完成を期待するのは現実的ではありません。なぜなら、消滅時効には時効の中断(時効の更新)時効の更新事由が存在すれば、進行していた時効期間がリセットされる。時効の停止(時効の完成猶予)時効の停止事由が存在すれば、一定期間時効期間の進行がストップする。があるところ、金融のプロであるローン会社は消滅時効の完成前に裁判上の請求・支払督促などの具体的な措置によって債権回収に踏み出すのが一般的だからです。

また、消滅時効が完成するまでは延滞期間分の遅延損害金が発生するので、万が一消滅時効の援用に失敗すると、ローン残債に遅延損害金を加えた金額について返済義務を負うことになります。実際、ローン会社側にも「できるだけたくさんのお金を取りたい」という意図があるので、消滅時効の完成直前になって支払督促などの強硬措置に踏み出す例もあります。

したがって、自動車のローンを滞納して残債の一括請求をされた場合には、消滅時効の完成を期待するのではなく、できるだけ早期に債務整理などの現実的な対策をとるべきだと言えるでしょう。すみやかに弁護士までお問い合わせください。

車のローン滞納による残債の一括請求を払えないなら債務整理を利用する

自動車のローンを滞納して残債の一括請求をされた場合の2つ目の対処法は債務整理です。債務整理とは国が認めた合法の借金減免制度のこと、借金が原因で経済的に困窮する債務者にとっての救済措置になるものです。

債務整理には自己破産・個人再生・任意整理の3種類の制度が用意されており、それぞれ要件・効果が異なります。そこで、債務者がどのような形で生活再建を希望するのか、借金状況に照らしてどの方法を選択するのが適切かを判断しなければいけません。

特に、自動車のローンを払えない場合には、マイカーを手元に残すことにこだわるのかが手続き選択のポイントになるので注意が必要です。

自己破産なら車のローン返済義務が免責されるがマイカーを処分されるリスクがある

自己破産とは、裁判所を利用して借金返済義務を免責してもらう債務整理手続きのことです。

非免責債権非免責債権とは、最終的な救済手段である自己破産をもってしても返済義務・支払い義務から逃れられない種類の債権のこと。税金・罰金などの公的な請求権・子どもの養育費・悪質性の高い不法行為に基づく損害賠償請求権など、免責がふさわしくないものがこれに該当する。を除き、免責許可決定が確定すれば原則としてすべての借金返済義務が消滅します。つまり、自動車のローン残債だけではなく他の借金返済もなかったことにできるので、借金地獄から抜け出して人生を再スタートさせたいという債務者におすすめの債務整理手続きだと言えるでしょう。

もっとも、自己破産による免責が確定すると、借金返済義務の帳消しという形で債務者がメリットを得る反面、債権を回収できないという意味において債権者側が不利益を被ってしまいます。

そこで、債権者側だけが一方的に経済的な負担を強いられるというアンバランスを回避する目的から、自己破産では”換価処分”が行われます。具体的に説明すると、債務者名義の一定の財産は換価処分で現金に換えられて、各債権者に配当されるということです。

つまり、自動車のローンを滞納して残債の一括請求を受けた債務者が自己破産を利用した場合、ローン残債の返済義務からは逃れられてもマイカーの処分からは逃れられない可能性があるということになります。

自己破産を利用しても自動車を手元に残す道は用意されている

自己破産を利用した債務者の所有財産は処分されることになりますが、「必ずしもすべての財産が処分されるわけではない」という点には注意が必要です。

すべての財産が手元から無くなってしまうと、せっかく自己破産で生活再建の糸口をつかんだはずの債務者が明日の生活さえできないという状況に追いこまれるでしょう。

そこで、”自由財産”と称される財産については自己破産後も債務者の手元に残せるという運用がとられています。そして、債務者が所有している自動車が自由財産に含まれる状況ならば、自己破産後もマイカーを手元に残せることになります。

自動車が自由財産に該当するか否かの判断は裁判官の判断次第です。もっとも、一般的には以下の指針を基準に自由財産の該当性が判断されるので参考にしてください。

  • カーローン完済済みで、自動車の現在の市場価値が20万円以下の場合
  • 法定耐用年数の6年を経過している場合
  • 足に障がいがある・通院に必要など、自動車がなければ日常生活が困難になる場合

したがって、「ローン残債の支払い義務から逃れたい」「それでも車は手元に残したい」という相反する2つの希望を充たす余地は残されていると言えるでしょう。

債務者の希望を最大限叶えるためにも、自己破産を申し立てる前にかならず弁護士までご相談ください。

※自己破産で処分される財産の範囲については、「自己破産すると財産が差し押さえられる?処分されない財産(自由財産)についても詳しく解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

個人再生なら車のローン残債を減額してマイカーを手元に残せる

個人再生とは、裁判所を利用して借金総額を減額して分割での返済計画を作り直す債務整理手続きのことです。自己破産のように財産処分が行われることがないので、自動車を手元に残したまま返済状況を改善できます。

もっとも、ローン返済中の自動車については担保権(所有権留保・抵当権など)が設定されている場合には、残債の一括請求を受けた状態ではいつ担保権を実行されてしまうか分からない状態です。

そこで、個人再生でカーローン残債の一括請求に対応するなら、裁判所の許可を得て担保権者と” 別除権協定別除権協定とは、担保権者などとの間で担保権の実行を待ってもらうことを目的とする協定のこと。自動車の売却代金相当額を差し入れるなどの方法で債権者側の納得を目指すことになる。”を締結する必要があります。

ただし、別除権協定について裁判所の許可を得るためには、自動車が日常生活維持のために必要不可欠であること・偏頗弁済には該当しないこと等を証明しなければいけません。また、自動車の所有権の所在次第で最適な選択肢も異なってきます。

したがって、債務者の希望を実現する道は簡単ではないので、かならず弁護士の力を借りましょう。

※個人再生を利用して自動車を手元に残す方法については、「個人再生すると車はどうなる?残せる場合と処分される場合、手元に残す方法を解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

任意整理なら利息をカット・元本だけの返済に切り替えてマイカーを手元に残せる

任意整理とは、裁判所を利用せずに当事者間で直接交渉をして返済計画を作り直す債務整理手続きのことです。

多くの任意整理では将来利息(交渉次第では経過利息も)の支払いが免除されるので、交渉後約3年~5年をかけて完済を目指すことになります。つまり、残債の一括請求を利息負担なしで分割払いに切り替えることが可能です。

もっとも、自動車を手元に残せるか否かについては注意が必要です。

たとえば、任意整理では債務者側で減額交渉する借金を選べるので、カーローン以外の借金についてだけ任意整理をすることもできます。任意整理の対象外にされた以上は、いったんは車を失う心配からは逃れられるでしょう。もっとも、残債の一括請求をされた後はいつ強制執行に踏みきられてもおかしくはないので、すみやかに残債の一括請求に応じなければ結局車は取り上げられかねません。

また、所有権留保付きのディーラー系カーローンについて任意整理をした場合には、残債の一括請求を分割払いに切り替えることはできますが、自動車を手元に残すのは難しいです。なぜなら、当初の契約通りにローンを返済していないため、所有権留保が実行されて車を引き上げられるからです。

その一方で、所有権留保特約なしの銀行系カーローンについて任意整理をした場合には、残債の一括請求を分割払いに切り替えたうえで車を手元に残せる可能性が高いでしょう。

このように、債務者の状況ごとに任意整理の適否が異なります。「分割払いに切り替えたい」「できれば車を手元に残したい」などの希望も異なるでしょうから、かならず弁護士に適切な債務整理手続きを選択してもらいましょう。

※任意整理を利用して自動車を手元に残す方法については、「任意整理をしても車は残しておける?手元に車を残しておく方法と任意整理後に車を購入する方法を紹介」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

ワンポイント解説
「車を手元に残したい」という希望が債務整理の選択幅を狭めるリスクも

「車を手元に残したいし、借金問題も解決したい」と希望するのは当然のこと。しかし、状況次第では、車を手元に残すことにこだわり過ぎて債務整理の選択肢を狭めてしまうケースもあります。毎月のカーローンさえ払えない今、最優先に考えるべきことは”借金問題の解決”のはず。まずは滞納なく生活できる安定的な家計を作り出しましょう。そのうえで、どうしても車が無ければ生活できないのなら、格安中古車の一括購入・自社審査のカーリース・レンタカーなどを視野に入れてください。

工夫を凝らして車のローンの延滞を解消する

自動車のローンを滞納して残債の一括請求をされた場合の3つ目の対処法は、素直に残債の一括請求に応じることです。

とはいえ、毎月のローン返済さえ難しい状況ですから、積極的に工夫をしなければ残債の一括請求までにお金を用意するのは簡単ではないでしょう。たとえば次のような方法が考えられるので実践できそうなものをご検討ください。

  • 自宅にある不用品を処分する
  • 友人・知人・連帯保証人に融資してもらう
  • 日雇いのアルバイト等で臨時収入を得る

これらの方法でローン残債を用意できるなら、ローン返済生活を終わらせられるだけではなく、自動車も今まで通り使えるようになります。また、残債の一部額しか用意できないとしても、分割交渉や債務整理後の分割払いを楽にするのにも役立つはずです。実際、残債の一括請求後にローン返済を継続すれば、滞納状態を見逃してくれるローン会社も散見されます。

※借金を自力完済する方法については、「【借金を早く返すおすすめの方法9つ】返済継続が難しい場合の対処法もあわせて解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

車のローン滞納による残債の一括請求のために他社から借金をしてはいけない

自動車ローンを滞納して残債の一括請求を受けたときに絶対にやってはいけないのが「新たな借金をすること」です。

そもそも、カーローンの一括請求をされた状態では信用情報に傷が付いているのが一般的なので、合法的に貸金業を営む金融機関からの新規借入れや他社カーローンへの借り換えはできません。

となると、違法な闇金や合法性に疑いのある取引しか頼る手立てはありませんが、これらを利用してしまうと次のデメリットが降りかかることになります。

  • 闇金:違法な利息・厳しい取り立てを強いられるので今よりも厳しい借金生活を強いられる
  • 違法な取引:口座買取や給料ファクタリングなどを利用すると犯罪に巻き込まれるリスクあり。将来的な自己破産が認められない危険性も高まる。

「車を取り上げられたくない」「なんとか指定期限までにローン残債を用意しなければいけない」と思いつめてしまうと、簡単に融資してくれる存在に惹かれてしまうのも仕方ありません。

しかし、長期的に見れば債務者自身で自分の首を絞めることになるだけなので、闇金などの力を借りるのではなく、かならず債務整理などの現実的な解決方法を選択してください

※闇金とかかわるリスクについては、「【借りてはダメ】絶対に借りれる闇金は超危険!闇金を使わずに借金問題を解決する方法を解説します」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

一括請求も放置し続けると生じるデメリット4つ

自動車ローンの残債を一括請求されたにもかかわらず無視し続けると次の4つのデメリットが生じます。

  • 遅延損害金の負担が日々重くなる
  • 債権者(ローン会社・債権回収会社)からの取り立てが繰り返される
  • 信用情報に傷が付く
  • 自動車以外の財産・給与なども差し押さえられる

カーローンを滞納すると自動車が使えなくなる以外にもデメリットが生じるので、これからの生活に支障が及ぶだけではなく、借金生活から抜け出すためのハードル自体が高くなってしまいます。

すみやかな解決に踏み出すためにも、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

①遅延損害金が発生する

自動車のローン残債の一括請求を無視しつづけると、滞納日数に応じて遅延損害金が発生します。遅延損害金は借り入れ残債以外に余分に返済義務が課されるものなので、延滞日数がのびるほど完済が遠のくことを意味します。

遅延損害金の問題点は、年利率20%程度の高利率で【ローン残債 × 遅延損害金年利率 ÷ 365日 × 滞納日数】の計算式に基づいて算出される点。たとえば、カーローンの残債が300万円の状態では、延滞日数に応じて次のような金額の遅延損害金が発生します。

  • 滞納1日:300万円 × 20% ÷ 365日 × 延滞1日 = 約1,644円
  • 滞納1週間:300万円 × 20% ÷ 365日 × 延滞7日 = 約11,507円
  • 滞納1ヶ月:300万円 × 20% ÷ 365日 × 延滞30日 = 約49,315円
  • 滞納2ヶ月:300万円 × 20% ÷ 365日 × 延滞60日 = 約98,630円
  • 滞納6ヶ月:300万円 × 20% ÷ 365日 × 延滞180日 = 295,890円

もちろんカーローンの残債次第にはなりますが、残債の一括請求をされた時点ですでに約10万円、実際に強制執行で差し押さえられる頃には数十万円の遅延損害金が発生することも少なくはありません

消費者金融などからの借り入れとは異なり高額になるリスクが高いのがカーローンの滞納です。長期延滞は債務者をより深刻な経済状況に追いこむものなので、できるだけ早期に延滞を解消するか債務整理を利用することによって遅延損害金の発生を回避するのがポイントです。

※遅延損害金については、「遅延損害金は借金延滞のペナルティ!請求されたら一刻も早く返済に向けて対処しよう」で詳しく解説しているのでご参考ください。

②厳しい取り立てが繰り返される

残債の一括請求を無視した状態がつづくと、債権者側から何度も督促が繰り返されることになります。

特に、債権回収会社などがローン会社に代位弁済をした場合には、債権回収を専門に取り扱う機関が取り立て業務を行うために、債務者は日々返済ストレスに悩まされるでしょう。また、連帯保証人がいる場合には連帯保証人が督促を受けることになるので、身内との人間関係に亀裂が入る可能性もあります。

確かに、残債の一括請求に応じられるだけのお金を用意できる債務者はほとんどいないはず。しかし、債権者からの連絡を無視したままでは、想像しているよりも早いタイミングで強制執行に着手される可能性が高くなります

したがって、請求に応じられるだけの金銭的な余裕がないとしても、債権者側からの督促を無視するのではなく、その都度丁寧に電話対応をして、返済意思があることを見せましょう

※債権回収会社については、「債権回収会社は取立て専門の会社!通知や連絡を無視してはいけない理由とは?」で詳しく解説しているのでご参考ください。

③信用情報に傷が付く

残債の一括請求をされたタイミングで、債務者の信用情報に傷が付きます。「信用情報に傷が付く」とは、信用情報機関に事故情報が登録されることを意味します。一般的には、”ブラックリスト”と称される状態のことです。

ブラックリストに登録されると、債務者の日常には次のようなデメリットが生じます。

  • 新規の借り入れ・ローン契約不可(別のカーローンへの借り換えも不可)
  • クレジットカード・ETCカードが使えなくなる(新規発行も不可)
  • 賃貸物件の入居審査に通りにくくなる
  • 子どもの奨学金の保証人になれない
  • 携帯電話・スマホの端末代金の分割払い不可

信用情報に傷が付くと、信用情報機関に事故情報が登録されている約5年間は新規のローン契約が締結できなくなります。つまり、車が引き上げられた後に新たに車を購入しようとしても、一括現金払いをしなければ(カード払いは不可)いけないということです。

したがって、どうしても車が処分されると困るという債務者は、車を維持しつつ返済状況も改善できる債務整理を選択する必要があります。状況ごとの判断になるので、すみやかに弁護士までご相談ください。

※ブラックリストに登録された場合のデメリットの詳細や対処法については、「債務整理と信用情報機関の関係は?ブラックリストに載った場合のデメリットと対処法を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

④車のローンを滞納するとマイカー以外の財産・給与も差し押さえられる

カーローン残債の一括請求を無視したままでは、最終的に債務者の財産が差し押さえられる形で債権の回収が行われます

処分対象になるのはローンを滞納した自動車だけではありません。どの財産が差し押さえ対象になるかを決めるのは債権者ですが、一般的には次のものが強制執行の対象とされます。

  • 給与
  • 預金
  • 債務者名義の財産(土地・建物・自動車・その他債務者の生活に最低限必要とは認められない財物)

たとえば、給与が差し押さえられると会社に借金のことがバレます。また、自宅に執行官などが訪れることによって家族にも隠し通すのは難しくなるでしょう。

強制執行の段階まで進んでしまうと、もはや執行前の状態には戻すことができなくなるので、債権者側が法的措置に踏み出す前に債務整理などの方法で残債の一括請求に対抗するしかありません。時間の余裕はほとんどない状態なので、できるだけすみやかに弁護士に適切な選択肢を提案してもらいましょう。

※強制執行によって差し押さえられる財産の範囲については、「借金を放置して裁判所も無視するリスクとは?財産が差し押さえられる前に早期に弁護士を頼ろう」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

車のローンの一括請求に応じられないけど車を残したい!まずは弁護士に相談しよう

車のローンを滞納して一括請求された場合には、ローン残債が高額になるリスクが高いこと・状況次第で車を引き上げられる可能性が高いことから、債務者の希望を叶えるためには早期に弁護士に相談するのがポイントとなります。

弁護士の力を頼るメリットとして次の3点が挙げられます。

  • 車を引き上げられない方法を検討してくれる
  • 弁護士に債務整理を依頼した段階で返済督促がストップする
  • 車のローン滞納の相談は無料で対応してくれる弁護士が多い

それでは、各メリットについて具体的に見ていきましょう。

弁護士に相談すれば車を引き上げられない方法を検討してくれる

弁護士は経済的に困窮している債務者の希望を最大限実現するために力を尽くしてくれる存在です。もし「車を引き上げられないこと」が最重要課題なら、それを達成するために最適な方法を選択してくれます。

そもそも、車のローンを滞納している状況でマイカーを手元に残すためには、債務者の状況ごとに適切な選択肢は異なります

たとえば、所有権留保特約付きの車のローンを滞納している場合には、他の借金について任意整理を実行して家計に余裕を作って残債の一括請求に対応する手段が考えられます。あるいは、個人再生で別除権協定を狙うのもひとつの方法でしょう。

また、所有権留保特約なしの車のローンを滞納している場合には、自己破産の財産処分基準にさえ注意をすればどの債務整理手続きを選択しても差し支えありません。

このように、「車を手元に残したい」という希望を実現するだけでも、債務者に与えられた選択肢は幅広いものです。どのような形での生活再建を目指したいかなども考慮してもらいながら、弁護士に適切な方法を選択してもらいましょう

弁護士に債務整理を依頼すれば返済督促がストップする

弁護士に債務整理を依頼すれば、その時点で債権者からの返済督促はストップし、残債の一括請求に応じる必要もなくなります

なぜなら、依頼を受けた弁護士が送付する受任通知には取り立てを停止する効果があるからです。

もちろん、所有権留保特約がある場合には車の引き上げを回避するために別途債権者とすみやかな交渉に入る必要がありますが、少なくとも依頼の時点で返済督促に起因するストレスからは解放されるでしょう。

※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。

車のローン滞納の相談は無料で対応してくれる弁護士が多い

車のローン滞納はもちろんのこと、借金問題全般の相談は無料で対応してくれる弁護士が多い点もメリットとして挙げられます。

経済的に疲弊している債務者のなかには、高額なイメージの相談料を心配して依頼を躊躇する例が少なくありません。

借金問題に強い弁護士は債務者の窮状を理解しています。本当に助けが必要な人たちが「生活再建のきっかけさえ掴めない」という事態におちいらないために相談料無料で対応してくれるので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

まとめ

車のローンを滞納して残債を一括請求されたときには、すみやかに弁護士に相談するのがおすすめです。

なぜなら、今の状況をそのまま放置してしまうと車を処分されるだけではなく、他の財産・給与等も差し押さえられるリスクがあるからです。

債務整理など、解決に向けた対策を早期に打った方が債務者に生じるペナルティは少なくなります。まずは弁護士の無料相談などの機会を利用して、今後とるべき方向性などについてアドバイスを求めましょう。

車のローンを滞納して残債を一括請求されたときのQ&A

車のローンを滞納して残債を一括請求されると車も引き上げられてしまいますか?

現状を放置すると車が処分される可能性は高いですが、処分方法はカーローンに所有権留保特約が付いているかで異なります。特約付きのカーローンの場合には、残債の一括請求からほどなくしてローン会社等の債権者が主体となって引き上げ手続きに入ります。その一方で、特約なしのカーローンの場合には、強制執行による処分です。強制執行の方が期間に余裕があるものの、いずれは処分されることになるので、すみやかに債務整理に踏み切る必要があると言えるでしょう。

カーローンに所有権留保特約が付いているかはどのようにすれば分かりますか?

まずはお手元の契約書をご確認ください。所有権留保特約が付されている場合にはかならず記載があります。また、車検証の所有者名義を確認するのもひとつの方法です。所有権留保特約付きの場合には名義人が購入者ではなくローン会社・ディーラーになっています。

所有権留保特約付きの車のローンの場合には債務整理をするとかならず車両が引き上げられると聞いたのですが本当ですか?

所有権留保特約付きのカーローンでも債務整理で車両を手元に残せる場合があります。たとえば、個人再生で別除権協定を締結する・カーローン以外の借金について任意整理をする・知人からの融資を受けてローンを完済した後に自己破産をするなどの方法が考えられます。もっとも、いずれの方法も要件・注意点が多いうえに、実務的にもハードルが高いものもあります。かならず弁護士に相談のうえ、適切な選択肢を探ってもらいましょう。

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