差し押さえ予告通知書を無視すると強制執行に!回避するための方法とは?

差し押さえ予告通知書の無視は無意味!財産・給料などの強制執行を回避するための方法を解説

借り入れをしている消費者金融から”差し押さえ予告通知書”が届きました。とても一括返済はできないので無視する形になってしまいます。この後どうなってしまうのでしょうか?

差し押さえ予告通知書は債権者からの最後通牒のようなもの。無視すると、数週間後には裁判所から”支払督促”が届き、その約2週間後には強制執行によって給料や財産の差し押さえが実行されてしまいます。

そんな・・・強制執行による差し押さえを回避するためにはどうすれば良いのでしょうか?給料まで差し押さえられてしまったら生活できません。

資金繰りをしても一括請求に応じられないのなら債務整理を行うのが強制執行を回避するための現実的な方法です。時間の猶予は限られているので、至急弁護士に相談するようにしてください。

差し押さえ予告通知書とは、「指定期日までに借金残債を一括返済しなければ強制執行手続きによる債権回収を実行します」という内容の通知書のこと。これを無視すると、近い将来裁判所から”支払督促”が届き、やがては強制執行手続きで財産・給与などが差し押さえられることになります。

ここで債務者に与えられている選択肢は2つです。1つは「差し押さえ予告通知書で指定された期日までに借金残債全額を一括返済すること」、もう1つは「債務整理を利用して返済状況を改善すること」です。

弁護士に依頼をして債務整理に着手すれば、債務整理手続きを通して返済義務を一時的にストップできるとともに、強制執行も回避できる可能性が高いです。実行までの時間は限られているので、至急弁護士にご相談ください。

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この記事でわかること
  • 差し押さえ予告通知書は債権者からの最終通告。無視すると裁判所から支払督促が届き、強制執行で債務者名義の財産などが差し押さえられる。
  • 給与・財産などが差し押さえの対象になる。債務者の家計・生活に支障が生じるだけではなく、会社・家族への迷惑を避けられない。
  • 差し押さえ予告通知書で指定された期日までにお金を用意できないのなら、強制執行が実行される前に債務整理に踏み出す必要がある。任意整理・個人再生・自己破産のいずれの手続きでも借金問題を改善できるので、すみやかに弁護士に相談しよう。

差し押さえ予告通知書を無視しても強制執行は行われる!

差し押さえ予告通知書が届いているということは、現在一括返済が求められている状況かと思います。

一括での返済ができない場合、そのまま放置されるようなケースもありますが、差し押さえ予告通知書を無視しても強制執行は行われます。

差し押さえ予告通知書が債務者の手元に郵送されてからの流れは次の通りです。

    強制執行が行われるまでの流れ
  1. 差し押さえ予告通知書が送付される
  2. 差し押さえ予告通知書の送付後約2週間~1ヶ月以内に、裁判所から「支払督促」が送付される。
  3. 支払督促の送付後約2週間後に強制執行が実行される。

つまり、差し押さえ通知書が届いてから長くても2ヶ月以内には強制執行が行われると考えておきましょう。

ワンポイント解説
税金未納分の差し押さえは突然行われる

ここで注意を要するのが、税金を滞納した場合には、”支払督促”の段階が省略されるということ。私人間の借金問題とは異なり、税金の場合には債権者である市町村側が債務名義を取得する必要がないからです。

したがって、税金を滞納した結果、差し押さえ予告通知書が送付された場合には、いつ強制執行(滞納処分)が実行されてもおかしくない状況にあると考えられるので、できるだけ早期に一括で納税する・行政と分割払いについて交渉する・減免制度・猶予制度についてアドバイスを求めるなどの方法に着手することをお勧めします。

強制執行が行われるとなると、次の2つが差し押さえの対象になります。

    差し押さえの対象となるもの
  • ①給与
  • ②預金・自宅・車・不動産などの財産

それでは、それぞれの強制執行の対象について具体的に見ていきましょう。

①給料が差し押さえられる

債務者が勤務先から受け取る予定の給料は優先的に差し押さえの対象にされることが多いです。

給料の差し押さえでは、手取り額が満額債権者のものになるわけではありません。手取り額44万円までなら額面の1/4が、手取り額44万円以上なら33万円を超える部分だけが差し押さえの対象です。

※給料の差し押さえについては、「給料差し押さえは無視できる?差し押さえ通知が届いたらやるべきことや差し押さえの影響」で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

会社は給料差し押さえを拒否できない

会社は給料債権の差し押さえを拒否することはできません。

給料債権の差し押さえ手続きは次の流れで進められるのが一般的です。

  1. 債権者が裁判所に給与債権の差し押さえを申し立てる
  2. 裁判官が”債権差押命令”を発令
  3. 裁判所から会社・債務者・債権者に”債権差押命令正本”を発送
  4. 債務者に”債権差押命令正本”が送付されてから4週間後に、債権者自身が会社に連絡をして取り立て

このような正式な法的手続きを踏んで給与の取り立てが行われる以上、会社側が給料の差し押さえを拒否する余地はありませんので、会社側に取り合っても確実に給料の差し押さえは行われます。

職場がわからないときには別の財産が差し押さえられるだけ

債権者側が債務者の給料を差し押さえるためには、「債務者がどの会社に勤務しているのか」を債権者自身が調査する必要があります。消費者金融からの借り入れであれば、融資を申し込む際に勤務先情報を提供しているでしょうが、個人間の借り入れなどの場合には「債権者が債務者の勤務先を知らない」ということもあり得るでしょう。

確かに、債務者の職場がわからないときには給料が差し押さえられることはないでしょう。

ただ、給料が差し押さえられなくても、債務者は別の財産を所有しているはず。つまり、給料以外の財産を狙って強制執行が実行される可能性が高いです。

したがって、「勤務先がバレていないから大丈夫」と安心することはできないので、早期に強制執行を回避するための手立てが求められます。

②預金・自宅・車などの財産が差し押さえられる

預金口座・マイホームなどの不動産・車などの動産も強制執行で差し押さえの対象とされます。

原則として債務者名義のものだけが対象とされますが、実質的に債務者自身の支出によって獲得された資産については債務者名義のものではなくても差し押さえの対象になり得る点に注意が必要です。

ただし、債務者名義のすべての財産等が差し押さえの対象にされるわけではなく、次の差し押さえ禁止動産は債務者の最低限の生活を保護する等の趣旨から強制執行の対象から外れることになります。

第百三十一条 次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。
一 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
二 債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
三 標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭(66万円以下の現金のこと)
四 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
五 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
六 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
七 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
八 仏像、位牌はいその他礼拝又は祭祀しに直接供するため欠くことができない物
九 債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
十 債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
十一 債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
十二 発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
十三 債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
十四 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品

引用元:(差押禁止動産)民事執行法第131条

以上のように、一定の財産等は強制執行の対象から外されるものの、「生活に最低限必要な財産」以外のものはどれが差し押さえの実行によって奪われるか分からない状況です。

差し押さえ予告通知書を無視して強制執行段階まで進んでしまうとこのような窮地におちいってしまうので、かならず強制執行が実行される前に債務整理などの方法について弁護士までご相談ください。

差し押さえられる財産がない場合は強制執行は行われないのか?

差し押さえ予告通知書を無視した結果、強制執行が実行されたとしても、差し押さえるべき財産等が存在しない場合には、強制執行は”空振り”に終わります

たとえば、債務者が無職であれば差し押さえるべき給料は存在しません。また、住所不定の状態なら不動産を特定することも不可能ですし、住所が分かったとしても債務者名義の財産等がないということもあり得るでしょう。さらに、銀行口座を差し押さえたとしても、口座残高が数十円しかない可能性もあります。

したがって、強制執行を実行されたとしても債務者に財産が存在しない場合には、債権者が取得した債務名義は「絵に描いた餅」になるだけです。債権者側の判断次第では差し押さえ自体が取り下げられることもあるでしょう。

今差し押さえられるものがなくても将来強制執行される可能性が高い

もっとも、差し押さえるべき財産等が存在しないからといって債務者側が安心をしきることはできません。なぜなら、支払督促や裁判手続きにおける判決が確定して債権者が取得した債務名義は以後10年間効力をもったままだからです。

つまり、強制執行が実行された段階で差し押さえの対象になる財産を債務者が所有していなかったとしても、今後10年の間に形成した資産などはいつ差し押さえられるか分からないということ。たとえば、遺産を相続することもあるでしょうし、就職して給与を得るようになることもあるでしょう。

いつ強制執行を受けるか分からないという状態で生活再建を目指すのは簡単なことではありません。借金問題の解決を先送りにすることには何のメリットもないので、差し押さえ予告通知書が届いた今の段階で債務整理を利用して抜本的な解決を目指しましょう

強制執行が行われることで発生する派生的問題3つ

差し押さえ予告通知書を無視した後に強制執行が実行された場合、「債務者の財産が処分されること」以外にも派生的な問題が発生することに注意しなければいけません。

具体的には、次の3点に注意が必要です。

  • 家族・会社に迷惑がかかる
  • 社会的信用を失う
  • 預金口座が凍結するリスクがある

それでは、それぞれの派生的な問題について具体的に見ていきましょう。

家族・会社に迷惑がかかる

強制執行では、債務者本人だけではなく家族・会社にも迷惑がかかる可能性が高いです。

たとえば、給料が差し押さえられると会社が強制執行手続きに巻き込まれるため、経理部・人事部・上司などの仕事を増やしてしまいます。

また、債務者名義のマイホームが競売にかけられると、家族も生活拠点を奪われるために、引越しや転校などを強いられることもあるでしょう。自宅内の一定の動産も処分対象になり得るため、今まで通りの生活は送れません。

社会的信用を失う

家族・会社に借金滞納の事実を隠しているという債務者は少なくありません。

ただ、差し押さえ予告通知書を無視して強制執行が実行されると、家族・会社に借金トラブルの事実がバレることになります。なぜなら、強制執行手続きは家族・会社を巻き込む形で行われるからです。

そして、強制執行が実行されるまで借金滞納に向き合わなかったとなると、家族・会社からの信用を失う可能性は否定できません。

特に、借金問題を解決して生活再建を目指すためには家族の協力は不可欠です。強制執行が実行される前に家族に正直に話をするなど、誠実な対応を心掛けることが大変重要です。

※家族に借金の話をするときのポイントについては、「借金が家族にばれたときとるべき行動!現在の借入残高や完済できる目途について具体的に説明しよう」で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

預金口座が凍結するリスクがある

債務者の預金口座が差し押さえられた場合、状況次第では口座が凍結するリスクがある点に注意が必要です。

具体的には、債務者が口座を開設している銀行との間でローン契約等を締結している場合に、第三者からの差し押さえが実行されると”ローン契約の期限の利益喪失条項”に抵触してしまうということ。債務者名義の口座残高からローン残債全額が相殺されるため、預金残高がローンの一括返済に満たないと、口座が凍結されてしまいます。

口座が凍結されると、お金の引き出しはもちろんのこと、各種支払いも不可能です。公共料金や携帯電話使用料も滞納することになりかねないので、早期に支払い方法の変更が求められます。

※口座の凍結については、「口座差し押さえの期間はいつまで?差し押さえられた場合の注意点や解除方法を詳しく解説」で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

差し押さえを回避するための方法は3つ

差し押さえ予告通知書が届いた今、強制執行が実行されるまでのカウントダウンはスタートしています。

したがって、債権者・裁判所からの通知等を無視するのではなく、次の3つの手段で差し押さえを回避しましょう。

  • 借金を一括で自力完済する
  • 自力完済が難しいなら弁護士に債務整理を依頼する
  • 支払督促等の手続きのなかで異議申し立てをする

それでは、差し押さえを回避するための方法について、それぞれ見ていきましょう。

借金を一括で自力完済する

差し押さえ予告通知書で指定された期日までに借金残債(遅延損害金を含む)を一括で返済すれば返済生活は終わります。

たとえば、家族・知人などから融資を受けられるのなら、貸金業者等との関係を断つチャンスです。一括請求に応じさえすれば強制執行も回避できるので、その後、知人などに対して計画的に返済を続けましょう。

一括返済のために闇金や違法取引に手を出してはいけない

自力完済という選択肢で強制執行を回避するとしても、絶対に次の2つの手段を頼ってはいけません。

  • 闇金から融資を受ける
  • 違法取引に手を出す

たとえば、債務者のなかには家族・知人などから融資を受けられないという人もいるでしょう。ただ、差し押さえ予告通知書が送付された段階では、債務者はすでにブラックリストに登録されているため、合法的に貸金業を営んでいる事業者からは新規に借り入れができません

すると、どうしてもブラックリストでもお金を貸してくれる闇金や、「簡単にお金が手に入る」というふれこみの違法取引などの誘惑に駆られてしまうリスクがあります。

ただ、闇金から借金をすると違法利息を請求されるため今よりも深刻な借金状況におちいってしまいますし、違法取引(給料ファクタリング・現金化・口座売買など)に手を出すと債務者自身が検挙される危険性も生まれます。さらに、将来的に自己破産をせざるを得ない状況になったときに、違法取引の履歴があると自己破産ができなくなってしまう点も問題です。

したがって、闇金などとは絶対に関わってはいけませんし、リスクのない方法で融資を受けられないのなら、自力完済の道は諦めざるを得ません。すみやかに債務整理を検討するために、弁護士までご相談ください。

※闇金と関わるリスクについては、「【借りてはダメ】絶対に借りれる闇金は超危険!闇金を使わずに借金問題を解決する方法を解説します」で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。

自力完済が難しいなら弁護士に債務整理を依頼する

差し押さえ予告通知書で指定された期限までに一括返済をできない状況なら、債務整理で差し押さえを回避し、返済状況を改善するのがおすすめです。債務整理という救済措置を活用すれば、どのような借金問題もかならずといっていいほど改善できるでしょう。

債務整理は次の3種類の手続きに分類できるので、債務者の状況・希望に即したものを選択してください。

  • 自己破産:借金返済義務が免責される。強制執行も停止できる。
  • 個人再生:借金総額を大幅減額できる。強制執行も止められる。
  • 任意整理:将来利息の支払義務が免責される。交渉次第で強制執行を回避できる。

それでは、各債務整理手続きについて、具体的に見ていきましょう。

自己破産なら強制執行を停止し、借金返済義務を帳消しにできる

自己破産とは、裁判所を利用して借金返済義務を帳消しにする債務整理手続きのこと。手続きを利用するにあたって債務者の収入要件は問われないので、無職・フリーターなど収入に不安がある債務者におすすめです。

差し押さえ予告通知書を無視して強制執行手続きがスタートした段階だとしても、自己破産を申し立てることによって差し押さえを停止できる点も魅力的でしょう。

もっとも、債務者が借金返済義務から免れられるということは、債権を回収できないという大きなデメリットを債権者が負担するということ。したがって、自己破産を利用する債務者にも一定のデメリットが課されることになります。

以下のメリット・デメリットを勘案したうえで、自己破産を選択すべきか否かを判断しましょう。

自己破産のメリット ・借金返済義務が帳消しになる
・債務者の収入要件を問われない
・強制執行を回避できる
自己破産のデメリット ・債務者名義の財産等が処分される
・非免責債権(税金・罰金・一定の損害賠償請求権等)は免責されない
免責不許可事由免責不許可事由とは、ギャンブルや浪費癖が原因で借金を抱えた場合、破産手続きの進行を妨げた場合、クレジットカードの現金化などの不正な取引履歴がある場合など、免責を与えるのが不適当だと判断される事情のこと。が存在すると借金返済義務はなくならない(裁量免責裁量免責とは、免責不許可事由が存在する場合でも、例外的に裁判官の個別判断で免責が許可されるケースのこと。はじめて自己破産を申し立てるケースでは、真摯に反省していて自己破産で生活再建を目指せる状況なら、仮に免責不許可事由が存在しても裁量免責を得られるのがほとんど。は可能)
・破産手続き中、仕事ができなくなる職業・資格がある

なお、税金の滞納が原因で差し押さえ予告通知書が届いた場合、自己破産をしても未納分の税金の支払義務が免責されることはありません。なぜなら、税金は非免責債権に該当するため、自己破産の免責の対象外だからです。すみやかに行政と分割払い等について交渉しましょう。

個人再生なら強制執行を停止し、借金総額を大幅に減額できる

個人再生とは、裁判所を利用して借金総額を大幅に減額したうえで、約3年で完済できる返済計画を作り直す債務整理手続きのこと。借金総額によって減額率は異なりますが、最大で1/10まで圧縮できる点が魅力です。

また、自己破産とは異なり、個人再生なら返済中の住宅ローンを債務整理対象から外すことができます。これによって、マイホームに付された担保権が実行されることを回避できるため、生活拠点が奪われるのを避けられます。

さらに、自己破産と同じように、差し押さえ予告通知書を無視して強制執行段階に進んだ場合でも、個人再生なら差し押さえを停止できる点もメリットです。

以下のメリット・デメリットを比較して、個人再生の適否をご判断ください。

個人再生のメリット ・借金総額を大幅に減額できる
・住宅ローン特則を利用すればマイホームを手元に残せる
・原則3年で完済を目指せる
・強制執行を回避できる
個人再生のデメリット ・無職では利用できない(一定の安定的・継続的な収入が不可欠)
・最低でも100万円は弁済が必要

任意整理なら将来利息をカットし、交渉次第で強制執行も止められる

任意整理とは、裁判所を利用せずに債権者と直接交渉をして返済計画を作り直す債務整理手続きのこと。個人再生のように借金元本自体を減額することはできませんが、将来利息をカットしたうえで3年~5年の期間をかけて元本のみの完済を目指すことになります。

ただし、任意整理を利用する場合に注意しなければいけないのが強制執行との関係。自己破産・個人再生とは異なり、任意整理を利用しても債権者の強制執行を止める効力はないため、いつ財産などが差し押さえられるかが分からない状況に追いこまれます。

したがって、任意整理で返済状況の改善を目指す場合には、強制執行に踏みきるか否かについても交渉内容に含めなければいけません。債権者側との厳しい交渉を進める必要があるので、かならず債務整理の実績が豊富な弁護士に依頼をしてください。

任意整理のメリット・デメリットは次の通りです。手続きの柔軟性を重要視する債務者にはおすすめだと考えられます。

任意整理のメリット ・裁判所を利用しないので手続きがスムーズ
・将来利息をカット、残債や融資条件次第では返済総額・毎月の返済額が大幅に軽減されることも
・3年~5年で完済できる
任意整理のデメリット ・強制執行を止める効力はない
・他の債務整理に比べると減額効果が弱い
・債権者が交渉に応じてくれないと合意を得られない
・任意整理後の返済中に滞納すると再交渉の余地はほとんどない

任意整理のデメリットは、交渉に慣れた弁護士に依頼することですべて克服可能です。債務者自身が実践可能な返済計画を作ってもらうためにも、かならず弁護士までお問い合わせください。

支払督促等の手続きのなかで異議申し立てをする

強制執行を回避する手段として、支払督促や通常裁判手続きのなかで異議申し立て・反論を行うという手段が考えられます。

債権者側から差し押さえ予告通知書が送付された後、強制執行手続きに進む前の段階で、かならず裁判所における手続きが踏まれることになります。なぜなら、強制執行をするためには、債権者が主張している請求権の存在を法的に確定する作業が必要だからです(これを”債務名義”と呼びます)。

この「債権者が主張している請求権の存在を法的に確定する作業」の段階、つまり、支払督促・通常裁判では債務者が反論する機会がかならず与えられるので、そこで適切な主張を行うことができれば、強制執行を回避できるだけではなく、借金返済義務自体の消滅さえ狙えることになります。

もっとも、支払督促・通常裁判における債務者の反論が実を結ぶ可能性はかなり低いのが実情です。なぜなら、合法的に貸金業を営む金融機関からの融資条件は合法なものですし、債務者側も納得をして借り入れをしているという代えがたい事実が存在するからです。

したがって、騙された・契約書を偽造されたなどの「借金の存否自体を争えるような事情」が存在しない限りは異議申し立てによって強制執行を回避するのは難しいと考えておきましょう。法的な判断が問われる部分なので、かならず弁護士までお問い合わせください。

まとめ

貸金業者等からの借金を長期延滞した結果、差し押さえ予告通知書が送付された場合には、できるだけ早期に弁護士に債務整理や自力完済の可能性について判断を仰ぎましょう

なぜなら、差し押さえ予告通知書を無視したままでは、近い将来財産・給料などに対して差し押さえが実行されてしまう可能性が高いからです。

強制執行によって迷惑を被るのは債務者本人だけではありません。家族・会社にも一定の支障が生じるため、債務者ひとりだけの問題だけではなくなってしまいます。生活再建も難しくなるでしょう。

借金問題は無料で相談できる弁護士が多いです。債務整理費用に対する不安にも丁寧に対応してくれますし、収入面に問題がある債務者でも利用できる法テラスの民事扶助制度も用意されています。強制執行までの時間はほとんど残されていないので、できるだけ早いタイミングでご相談ください。

差し押さえ予告通知書を無視する場合のQ&A

差し押さえ予告通知書を無視するとどうなりますか?

債権者からの差し押さえ予告通知書を無視すると、約1ヶ月程度を目安に強制執行手続きに進みます。給料・自宅・自動車・各種動産など、債務者名義の財産が差し押さえられるでしょう。会社・家族に借金滞納の事実がバレてしまい、社会的な信用を失いかねません。

差し押さえ予告通知書後の強制執行を回避するためにはどうすれば良いですか?

まずは自力完済の可能性を模索してください。融資を頼れる家族・知人がいるなら、誠実にお願いをしてみましょう。他方、どうしても自力完済が難しいのなら、債務整理を利用するのがおすすめです。債務整理を利用すれば強制執行を回避できるだけではなく、借金問題の改善も目指せます。

差し押さえ予告通知書を無視してしばらく時間が経ってしまいました。今からでも債務整理は遅くないですか?

自己破産・個人再生には強制執行をストップする効力がありますし、任意整理なら債権者との交渉次第で強制執行を取り下げてもらうことも可能です。強制執行が終了するまでなら債務整理で挽回するチャンスは残されているので、まずはできるだけ早いタイミングで弁護士にご相談ください。

阿部 由羅
所属事務所
ゆら総合法律事務所
所属弁護士会
第二東京弁護士会
登録番号
54491
経歴

東京大学法学部卒業・同法科大学院修了
2016年12月 弁護士登録(69期)
2016年12月~2019年12月 西村あさひ法律事務所(不動産・金融・一般企業法務など)
2020年1月~2020年10月 外資系金融機関法務部
2020年11月 ゆら総合法律事務所 開設

弁護士登録後、西村あさひ法律事務所入所。不動産ファイナンス(流動化・REITなど)・証券化取引・金融規制等のファイナンス関連業務を専門的に取り扱う。民法改正・個人情報保護法関連・その他一般企業法務への対応多数。

同事務所退職後は、外資系金融機関法務部にて、プライベートバンキング・キャピタルマーケット・ファンド・デリバティブ取引などについてリーガル面からのサポートを担当。

弁護士業務と並行して、法律に関する解説記事を各種メディアに寄稿中。

重すぎる債務は、生活を大きく圧迫するだけでなく、精神的にも大きな負担となってしまいます。完済の見込みがつかない借金を返し続けるよりも、一度債務整理を行い、経済的にも心理的にも新たにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
債務整理を行う際には、債務者の方のご状況やニーズに合わせた手続きの選択や対応が必要になります。困難な状況に陥ってしまった方でも、債務の問題を解決するための糸口はきっと見つかります。円滑な債務整理を実現するために、弁護士として親身になってサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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