自己破産後に結婚すると、自己破産したことはバレる?自己破産が結婚に与える影響について詳しく解説

自己破産を検討していますが、将来的には結婚もしたいと思っています。過去に自己破産したことは、結婚相手にバレてしまうのでしょうか。


過去の自己破産が、結婚相手にバレる可能性は低いです。自己破産したことが掲載されるのは、官報と個人信用情報のみで、どちらも一般の人が見ることはほぼありません。ただ、自己破産はどうしても今後の生活に影響することも多いので、相手の理解を得ておくことをおすすめします。
確かに、相手に理解してもらうことは大事なのかもしれませんね。もし、自己破産した場合はどんな影響が出る可能性があるんですか。


手続き後5~10年はブラックリスト入りにより、新規の借入はできないなど、デメリットはありますが、基本的には期間限定です。自己破産するのが早ければ早いほど、結婚後の生活への影響を少なくなりますから、早めの手続きをおすすめします。
「自己破産したことを結婚相手に知られたくない」などの理由で、自己破産をためらう人も少なくありません。
結論から言うと、過去に自己破産したことを結婚相手にバレる可能性は低いといえます。
自己破産すると、官報や個人信用情報に掲載されますが、どちらも一般の人が閲覧することは少なく、バレるリスクは低いでしょう。
ただし、自己破産手続きから一定期間は新規の借入ができないなど、生活に影響があるデメリットもあります。手続後すぐに結婚する場合には、生活に影響が出る可能性もありますし、それをきっかけに相手にバレる可能性もあるでしょう。

- 過去の自己破産が、結婚相手にバレる可能性は低いが、自己破産のデメリットが残っている期間であれば、それをきっかけにバレるリスクもある
- 結婚後の生活に影響のある自己破産のデメリットは、「5~10年の間は新規の借入やクレジットカード作成ができない」「財産を処分するため経済的余裕がない」など
- 自己破産したことが、結婚相手や子供に直接的な影響を与えることはない
- 過去に自己破産したことは、できるだけ結婚相手に理解してもらうべき
結婚すると自己破産したことはバレるのか?
結婚すると、自己破産したことは結婚相手に知られてしまうのでしょうか。
結論からいうと、「基本的に知られる可能性は低い。しかし、自己破産から結婚までの期間によっては、知られるリスクはある。」ということになります。
結婚前の自己破産がバレる可能性は低いが、注意すべきケースはある
自己破産したことが、結婚相手に知られる可能性は、自分で言わない限りは基本的には低いと言えます。ただし、可能性は低いもののゼロではありません。
以下の通り、自己破産したことを知る機会はあるため、認識しておく必要はあります。
官報で自己破産の事実は確認することができる
自己破産すると、官報に自己破産した事実とともに氏名、住所が掲載されます。
官報は国が発行している新聞のようなもので、原則的に休日を除き毎日発行されています。掲載内容は、法律や政令の改廃など国民に周知すべき事項がすべて掲載されるため、膨大な情報が掲載されています。
官報に一度掲載されれば、削除することはできません。そのため、官報から自己破産の事実が知られる可能性はどうしても残ります。
ただし、官報はその存在自体が一般的ではありません。官報を見る手段も限られており、購読している人はごく一部の人に限られています。
また、仮にたまたま見たとしても、掲載されている情報は膨大です。たまたま、その中から特定の人を見つけるという可能性は限りなく低いでしょう。
特定の職業の場合、定期的に確認している可能性がある
ただし、特定の職業についている場合は官報を定期的にチェックしている可能性があります。
具体的には、弁護士・不動産業・金融期間などです。
不動産業では、自己破産による不動産の処分情報などの入手のため、金融機関では、債権者の信用情報の収集を目的として、定期的に官報をチェックしています。
結婚相手がこれらの職業に従事している場合、官報を見て自己破産の事実を知る可能性もあることは認識しておいてください。
自己破産のデメリットを受けている期間の結婚は怪しまれる可能性も
自己破産は、借金の返済を免除してもらうという大きなメリットと引き換えに、デメリットを受けることになります。このデメリットによって、結婚相手に怪しまれる可能性はあります。
自己破産のデメリットには、「クレジットカードや新規ローンが5~10年利用できない」など、一定期間の間、生活に影響を与えるものが多くあります。このデメリットは、結婚しても継続するので、結婚後の生活にも影響します。
自己破産の事実を知らなくても、相手に怪しまれ、身辺調査などにより、自己破産したことを知られる可能性もあります。
ただし、自己破産のデメリットは多くが自己破産後、一定期間に限られるので、自己破産から相当期間経過した後であれば、影響はないとも言えます。
自己破産後に結婚した場合に考えられる影響
自己破産が結婚に影響を与える可能性があるデメリットは以下のようなものがあります。
- 新規の借入やクレジットカードの作成はできない
- 保証人になることはできない
- 一定期間の間、特定の職業に就けない
- 財産が処分されるため、経済的余裕がない場合がある
- 相手が保証人になっている場合、返済請求される
- 結婚前の自己破産が子供に影響するケースは稀
自己破産が結婚に与える影響は、状況やその後の生活によりさまざまです。もし、影響について不安があるなら、
弁護士に事前に相談し、自分の状況を踏まえた上で、リスクを把握しておくと良いでしょう。
新規の借入やクレジットカードの作成はできない
自己破産すると、5~10年の間、新規の借入やクレジットカードの作成はできません。
自己破産すると、個人信用情報に自己破産の履歴が掲載されます。いわゆる「ブラックリスト入り」と呼ばれるものです。
個人信用情報は、貸金業者が借入の審査をする際に必ず参照することになっているので、ここに事故情報が掲載されることで審査に通過しづらくなります。
結婚後には、自宅や車といった高額な買い物や光熱費の引き落としなどのためのクレジットカードの作成などが必要になるケースも多くなります。
これらの審査に通らず、相手に疑われることがバレるきっかけになる可能性はあるでしょう。
保証人になることはできない
新規の借入やクレジットカードの審査に通らないのと同様に、保証人になることはできません。
保証人になる場合も、本人が借入する場合と同様に、審査で個人信用情報が照会されます。ブラックリスト入りしている場合は、審査には通りづらくなるでしょう。
一定期間の間、特定の職業に就けない
自己破産の手続き中のみに限られますが、一部の職業に就業することを制限されます。
制限される職業は、弁護士・公認会計士などの士業、生命保険募集人、警備員など多岐に亘ります。具体的には、別の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
手続き中のみの制限とはいえ、自己破産の手続は半年から1年程度かかります。手続のタイミングによっては、結婚に影響を及ぼす可能性もあるため、認識しておく必要があるでしょう。
財産が処分されるため、経済的余裕がない場合がある
自己破産手続きでは、所有する財産は生活に必要な最低限のものを除き、すべて処分する必要があります。
そのため、手続直後は現金も含めて、所有できる財産は最小限となっているため、経済的な余裕がありません。結婚する際には、結婚式や新生活への準備など、経済的な負担も大きくなりがちです。
自己破産直後であれば、影響が出る可能性があるでしょう。
相手が保証人になっている場合、返済請求される
自己破産をすると、借金の返済義務はなくなりますが、もし借金に保証人が設定されていた場合、保証人に対して返済請求が行われます。
もし、結婚相手となる人が借金の保証人になっている場合には、自己破産と同時に返済請求がいくことになります。
結婚前の自己破産が子供に影響するケースは稀
結婚前の自己破産が、子供に影響してくる可能性は稀だと言えるでしょう。
子供への影響というと、奨学金の保証人になったり、子供の結婚への影響が気になるところです。
しかし、上記の通り、自己破産が結婚やその後の生活に影響を与えるケースは存在しますが、ほとんどが一定期間のみです。
子供の奨学金などが必要になるタイミングは、多くの場合、このデメリットが解消された後になるでしょうから、影響することは稀です。
また、自己破産は、あくまで当人だけの問題で、家族が影響を受けることはありません。本人ですら戸籍や住民票などには自己破産の事実は掲載されませんので、結婚などに影響を与えることもまずないでしょう。
自己破産に関するよくある勘違い
自己破産と聞くと、「身ぐるみ剥がされる」「犯罪者のように扱われる」といった、事実とは異なるイメージを持つ人も少なくありません。
しかし、実際は返済に困っている人を救済するための制度であり、必要以上の制約を受けるものではありません。
ここでは、よくある自己破産に関する勘違いについて、詳しく解説します。
自己破産により結婚そのものが制限されることはない
まず認識しておきたいのは、自己破産したことによって、結婚すること自体が制限されることはないということです。
自己破産は、借金で苦しむ人を救済するために国が設けた制度です。あくまでその目的は、経済的な促すことにあり、犯罪ではありません。
もちろん、自己破産は債権者(お金を貸した側)との約束を破ることでもあるので、相応のデメリットや制限を受けることになりますが、結婚などその後の生活そのものを制限することはありません。
また、自己破産後に債権者(お金を貸した側)や保証人などが「報復行為」などを行うことも法律で禁止されています。
直接、結婚相手に影響が出ることもない
自己破産が、結婚相手に対して直接影響を及ぼすことももちろんありません。
結婚相手が、自身の自己破産によってローンが組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなったりなどの制限は受けることはありませんので、安心してください。
戸籍やマイナンバーには記録されない
自己破産しても、戸籍や住民票、マイナンバーなどには自己破産の情報は一切掲載されません。
自己破産した事実が掲載されるのは、先程ご紹介した「官報」と「個人信用情報」の2つのみです。それ以外のものに掲載されることは、基本的にありませんので安心してください。
また、上記の2つとも一般の方が確認することはほとんどありませんので、掲載されたことで周囲に知られるリスクはかなり低いと言えます。
自己破産後に結婚する場合の注意点
次に自己破産後に結婚する場合の注意点について、詳しく解説します。
結婚相手には事実を伝えておくメリットはある
これまでご紹介した通り、自己破産後に結婚した場合、相手に自己破産の事実が知られる可能性はそれほど高くありません。
しかし、できるならば結婚相手には事実を伝えておくほうがベターでしょう。
自己破産するということは、さまざまなデメリットが伴います。新規借入ができないなど、生活に影響を及ぼすこともありえます。
また、自己破産に対するイメージは、正しいものかどうかは別として、あまり良いイメージを持っていない人もいるかも知れません。
今後、生活をともにしていくパートナーに対して、自己破産について正しく理解してもらうということは、結婚生活を送る上で重要になるでしょう。
結婚後の生活設計がやりやすい
自己破産すると、ブラックリスト入りにより5~10年の間、新規のローンやクレジットカードの作成はできなくなります。
この影響がある期間に結婚する場合、事前にその事実を伝えておくことで、その後の将来設計を立てやすくなるメリットがあります。
結婚すると、住宅や車など高額なものを購入する機会も出てきます。将来的には、こどもの教育資金も必要になることも考えられ、ローンを利用しなければならないシーンもでてきます。光熱費など生活にかかる費用の支払いなどでクレジットカードを利用する場面も出てくるでしょう。
結婚相手に自己破産の事実を理解してもらっていれば、ブラックリスト入りの期間を理解してもらうことで、購入計画などを立てやすくなります。
経済的更生を協力して行える
自己破産は、借金返済が免除されるだけでなく、その後の経済的更生が主な趣旨になっています。
結婚後の生活では、借金無しで生活していくことが難しい場面も出てきます。
そういった場合でも、結婚相手の理解があれば、日々の節制や共働きでの収入アップなど経済的更生を協力して行っていくことも可能になるでしょう。
結婚を控えているなら早めの自己破産が良い
もし、近い将来結婚を考えているのであれば、できるだけ早く自己破産手続きを行うほうがいいでしょう。
自己破産直後は財産処分で経済的余裕がない
自己破産手続では、原則的に所有している財産はすべて処分する必要があります。
つまり、自己破産直後は現金やその他の財産は、最小限の状態です。
結婚するとなると新生活に向けて、お金が必要な場面も多くなるため、経済的に余裕のない自己破産直後は、できれば避けたいところです。
自己破産後に、経済的余裕を作る期間を設ける意味でも、できるだけ早く自己破産すれば、この影響を最小限にできるでしょう。
結婚生活への影響を最小限にできる
自己破産後は、5~10年間ブラックリスト入りにより、新規のローンやクレジットカードの作成はできません。
結婚生活ではローンやクレジットカードを利用する機会も多くあるため、自己破産のデメリットの中でも、特に大きく結婚後の生活に影響を与えるものです。
ブラックリスト入りする期間は限定的ですから、できるだけ早く自己破産すれば、それだけ結婚後の生活への影響を少なくできます。
結婚後の自己破産には、配偶者の情報も必要になる
仮に、借金問題を放置したまま結婚した場合、自己破産手続きの過程で配偶者の情報が必要になります。
自己破産手続きでは、収入に関する証明として、給与明細や源泉徴収票が必要になります。この際、配偶者がいる場合は、配偶者の給与明細などの提出を求められる場合もあります。
これらの証明書を入手するには、相手の協力が必要な場合も多いので、手続きの過程で相手に知られることになるでしょう。
自己破産のデメリットが許容できないなら他の債務整理を選択肢に
自己破産は、借金の返済が免除される大きなメリットのある手続きですが、財産を処分しなければならないなど、デメリットもそれだけ大きいものです。
自己破産のデメリットを受け入れられないのであれば、別の手続きを検討する必要があります。
任意整理なら整理する借金を選べる
任意整理は、債権者と個別に交渉し、主に将来発生する利息を免除してもらい、完済を目指す手続きです。
他の手続きと異なり、債権者と個別に交渉するため、手続する対象を選択することが可能です。例えば、保証人がついている借金を対象から外すことで、保証人に迷惑をかけないようにもできます。
ただし、債務整理で減額の対象となるのは、将来発生する利息のみであることが多く、大幅な減額は期待できません。また、自己破産と異なり、手続後も返済の必要がある点も認識しておきましょう。
任意整理については、以下の記事にて詳しく解説していますので、参考にしてください。
個人再生なら自宅を残して大幅に返済総額を減額できる
個人再生は、自己破産と同様、裁判所を介して借金を概ね1/5程度に減額する手続きです。減額後の残りは、3~5年で返済することになります。
自己破産と異なり、財産を処分する必要がないなど、デメリットがやや抑えられていながら、大幅な減額を望める点が特徴です。また、住宅ローンが残っている場合でも、自宅を手元に残すことができる「住宅ローン特則」という制度があることも、メリットです。
ただし、減額後に3~5年で返済をしていく必要があるため、手続きの認可には安定した収入があることが条件となっています。
個人再生については、以下の記事にて詳しく解説していますので、参考にしてください。
弁護士に相談して適切な手続きを選択すべき
ご自身がどの手続を選ぶべきか迷っているのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。
自己破産を含めた債務整理手続き、メリット・デメリットともにさまざまです。また、借金や収入、財産の状況などによって、選択すべき手続きも異なります。また、状況によっては利用できない手続きもあります。
弁護士に相談すれば、現在の状況に合わせた適切な手続きがなにか、アドバイスしてもらえます。また、結婚後の不安などがある場合でも、それらを踏まえたリスクなども丁寧に教えてもらえるので、安心して手続きに望むことができるでしょう。
多くの弁護士事務所では、無料相談なども行っていますので、まずは一度相談してみることをおすすめします。
まとめ
過去に自己破産したことが、結婚相手に知られるリスクは少ないものの、知られる可能性は0ではありません。
万が一、知らせないまま結婚し、後で発覚すれば信頼関係にも影響してしまうことも考えられるでしょう。
自己破産したことを後ろめたく考える人もいるかもしれませんが、重要なのは自己破産後の生活を通じて、しっかりと経済的に更生することです。できるならば、結婚相手にもしっかりと理解してもらった上で、協力してもらうことがベストです。
もし、どうしても難しいのようであれば、自己破産のデメリットの影響や、知られるリスクを充分に把握しておくことが必要です。この記事を参考に、しっかりと理解した上で、手続きを進めるようにしましょう。
不安があるなら、弁護士に相談するのもおすすめです。弁護士に相談すれば、リスクやデメリット、手続きのススメ方について、状況を踏まえて適切なアドバイスがもらえるでしょう。
この記事を書いた人
金融系・転職系を中心に執筆活動を展開。丁寧でわかりやすく、どこよりも詳しい記事を心がけ発信します。本サイトでは個人再生分野を主に担当。借金を大きく減額できる制度ですので、よろしければその他の記事もご覧ください。

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